4スレ 428


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427 :ai:2009/12/25(金) 22:39:23 ID:rir9ZFI7
マンガ四巻の表紙が可愛すぎて、
前にちょっと書いてたやつを仕上げてみました


※自慰モノなので、嫌いな人はスルーしてください


428 :ai:2009/12/25(金) 22:40:31 ID:rir9ZFI7
 頭が無い。
 首から真一文字に切られたように、そこから上だけが無かった。
 ――なのに、動く。
 わたしは切りつけた。剣をふるい、確実に心臓を突き、足を切った。
 ――なのに、動く。
 心臓が体外に出ても、足が取れても、そいつらは這ってでも襲ってくる。血飛沫が頬を濡らし、その茶髪を真紅に染め上げた。
 ――わたしは逃げた。
 仕事で逃げることはまず無い。それが、プロの殺し屋を称している《ギロチン》に恥じるべき行為だということは、十分承知している。
 ――でも、逃げた。
 武器なんか放り投げて、必死に足を動かす。そうしている間にも、プライドが崩れ落ちていることがわかる。でも。
 やつらは体の動きと全く比例しないスピードで追いかけてくる。
 恐怖。殺しても、それはわたしの『勝利』ではなく、ただ戦いが続くのだ。それは先の見えないトンネルのようにわたしを蝕み、恐怖を与える。
――死なない。
逃げる以外ない、と自分をなだめるように叫ぶ。でも、崩壊は止まらない。
――でも……。でも……。
「あっ……!」
 足をつかまれて、地面に盛大に倒れた。足首にまとわりつく、生暖かいぬるぬるとした感触。そして、
「………っ!」
見てしまった。
涙ぐんだ視界の先、わたしの足を掴んではっていたのは。

血で全身を朱に染めた、わたし自身だった。

 ぞろぞろと後から追ってくる大群のすべてがわたしの顔だった――右手のないわたし。目のえぐられたわたし。腹に穴を空けたわたし。
「あぁぁぁぁああああああ!」
 わたしは叫んだ。
 足を力任せにむちゃくちゃに振り払う。でも、その生ぬるい手の感触は一向に離れそうに無い。
 そうしている間に、やつらはどんどん群がってくる。
 わたしは叫んだ。
 プライドなんかもう、頭に無かった。誰か。誰か、助けて……。
そう、私は無我夢中で叫んだ――



429 :ai:2009/12/25(金) 22:44:08 ID:rir9ZFI7
 ガバッ、と音を立てながら、わたしは起き上がる。
 薄暗い中、状況を確認。視線を這わせたそこは、まぎれも無い自宅の寝室。安堵の息をつくも、胸に当てた手からは激しい脈拍が伝わってくる。嫌な動悸だ。 
 斬島切彦は、手に掻いた汗を、着ている寝巻きに押し付ける。
 最近、悪夢が続いていた。殺しからくるストレスが原因だとは思うのだが、しかしそればっかりは職業柄、どうしようもないこと。
「はぁ……」
 切彦はそっと溜息を吐いた。本当にどうしてしまったんだろうか、わたしは……。前はこんなことなんて、一切無かったのに。
傍らにあったペットボトルに口をつけ、切彦は薄暗い室内を見回した。カーテンの隙間から差し込む街灯の光。空色のカバーをかけた布団。無愛想なカレンダーに、洗濯物を吊るしたハンガー………。
 いつも通り。大丈夫。
 部屋の中を手繰る切彦の目は、やがて、衣類の入った、少し背丈の低い箪笥に留まる――正確にはその上に置かれた一枚の写真に止まった。
 それは、自分の所属する悪宇商会の幹部から渡された、指名手配の写真。今は額縁に入れられていて見えないが、その裏面には乱雑にこう記されている。
 ――紅真九郎――揉め事処理屋――五月雨荘――崩月の角を所持。
 つまり、彼の情報。
「………」
 無言でベットから出て、切彦は箪笥に近寄った。カタ、と軽い音と共に、それを手にとる。
 写真は、隠し撮りを合成したものだった。横顔と、そして真正面からの構図のものが半分に切りわけて左右に並べられている、といったレイアウトで、画質も良く、彼の表情がまじまじと伝わってくる。
 でも、そういうことが分かるからこそ、隣に誰か写っていたことは明確だった。彼の表情が緩んでいるのだから、かなり親しい誰かがいるのだろう、とそう憶測出来てしまう。
 ……誰だろ……あの情報屋かな。それか九鳳院の令嬢……? それとも崩月の長女か……。
 ――ギリ、とそんな音がしてわたしは思考を中断させた。
「………?」
 何かがきしむような、そんな音。なんの音だろう、そう考え――その瞬間、はっと思い当たり、自答する。
 ――わたしが歯噛みする音。
 嫉……妬?
 瞬間、切彦の頭に浮かんだのは、そんな二文字だった。
 切彦はあわてて頭を振り、否定する。
 嫉妬? いや、そんなはずは無い。別に彼が誰かと愉しげ話していたって、なんとも……。
 ――刹那、胸がきゅっ、と締まった。
「紅……真九郎」
 そっと彼の名をつぶやく。
 わたしはのそのそとベットに戻った。無論、額縁を握り締めたまま。そして、布団に倒れこむ。
 あの事件のあと、一回だけ彼の姿を見たことがあった。
 ――それはスクランブル交差点と称される、巨大な十字路の西側一角を担う大きな薬局店と、古風な雰囲気の団子屋の間にある、木製の無愛想なベンチだった。そこに、彼がいた。
 わたしは気がつくと仕事の帰りの、横断歩道を渡っていたその足を、思わず止めてしまっていた。
 話しかけてみようかな……。
 なんてぼんやり思った。
 一応、友人とは見てくれてはいるはずだ。それに、彼は……。
「―――!」



430 :ai:2009/12/25(金) 22:45:55 ID:rir9ZFI7
 自分を納得させ、彼のほうへ向か――わせようとした足が、瞬間、止まった。
 静止したわたしの横を、中年のサラリーマンが迷惑そうに避けて通っていく。
 ――少女がいた。
 ベンチの、人垣で見えなかった部位。つまり、彼の横で、その少女は楽しそうに笑っていたのだった。
 誰……?
 黒くて長い、ここから見ても綺麗な髪。脇には赤いランドセル。そしてなにかを頬張り、幸せそうに笑っていたのだった。
「………」
 彼のほうはというと、なにやら小さな小瓶を手に持って隣で待機。少女の咀嚼が完了するのを見ると、それを手渡した。
 ラムネらしきそれを笑顔で受け取り、少女は瓶を少し傾けて喉に流し込むと、また幸せそうに笑った。
 そして、クイクイと彼に向かって手招きをし、
「………!」
 近寄ってきた彼の頬に、少女は唇を寄せたのだった。

 ――その瞬間、切彦は駆け出していた。

 もう、見ていられなかったのだ。
 人ごみを掻き分け、ただただ走る。途中、誰かとぶつかって罵声が飛んだが、そんなものまったく気にならない。
 切彦は無我夢中で走った。
 今思うと、もしかしたら、わたしは日常に焦がれていたんじゃないかと思える。幼い頃から剣技を学び毎日を満たしてきた切彦にとって、俗に言う『青春』と呼ばれるものはいっさい無かったのだ。だから……。
 倒れこんでいる布団がやけにあったかかくて、思わず掛け布団を手繰り寄せて、抱きかかえる。
 こんなふうに彼を抱きしめられたら……。
「―――!」
 自分で言って、自分で驚いた。
 わたしが彼を……?
 ………いや――
「……そんなことない」
 彼女の中で一番脆い部分ヒビが入った。こうして、口に出さないと、自分が壊れてしまいそうだった。
 そう、そんなことないのだ。
 ――彼はわたしを覚えてすらいないのかもしれない。会話だって、ほんの微々たるのものだし……。
 ……それに、彼には親しそうに離していたこの前のあの少女だっている。
 だから、忘れよう。彼のことは。
 それがいい。それがいいんだ……それが――
 胸が、チクリと痛んだ。今まで仕事で負ってきた、どの傷よりも痛かった。
「紅……真九郎」
 口にする。
 音が出るくらい、顔が火照った。体が燃え上がるように、熱くなる。
「紅、真九郎」
 わたしは知らず知らずのうちに、自らの股間へと手を伸ばしていた。
 恥部を擦ると、甘い刺激と、卑しい水音が神経を伝わってきて、よりいっそう体を火照らせた。
「……紅真九郎」
 綺麗に口から滑り出たその言葉で、それがヒビから一気に崩落したのがわかった。
 もう、どうでも良かった。



431 :ai:2009/12/25(金) 22:49:08 ID:rir9ZFI7
 淫らに反響する水音。響く甘くて柔らかい快感。収まったはずの鼓動が、再び早くなっていく――ただ今回の鼓動は、そこか心地よいような気持ちになる。
 切彦の手は、知らず知らずのうちに、股間に伸びていた。
 ――おそらく、破壊されたのは、理性だろう。
 下着越しに陰核を捏ね、膣口をぐりぐりと押す。
「ぁ……あっ」
 ――物心ついてから、理性の抑制なんて、してこなかった。
 瞼を閉じると、網膜に蘇るは、彼の顔。
 ――ただ人が疎ましければ、殺したし、好きなものも、自力で手に入れた。
「あ……。はぁ……」
 ――だから、もう、とまらない。
 下着の中に手を滑り込ませ、直接そこを刺激した。
「あっ……ぅうッ!」
 さっきとは比べ物なら無いくらい強い快感に、自然と声が大きくなる。
 包皮の上から陰核をこねながら、切彦のもう一方の手は、自らの胸へと到達。その先端は、服の上から触っただけで、勃っているのがわかった。
 ――紅、真九……郎っ!
 布を乗り越え、突起をつまむ。
「んはぁっ……んっ!」
 切彦の頭は、ピンク色に塗りつぶされていった。
『切彦ちゃん、もうこんなにしちゃって……。感じやすいんだね』
 妄想の中、真九郎は優しい声でささやくのだ。
『気持ちいい?』
 切彦は陰核をキュっとつまむ。
「ンっ……!」
『ここがいいの? エッチな切彦ちゃん?』
 指で転がすように、堅くしこったそれを刺激する。
「んっ……んっ……」
『ほら、声、我慢しなくたっていいんだよ? 二人だけ、なんだから』
 目を閉じ、自分の手を、真九郎の手に連想した。
「ンあっ! ふぅっ……」
『すごく可愛いよ……、切彦ちゃん』
 もう自分でとめることなんて、出来ないくらいに暴走していた。
 手が、想像が、止まらない。
『切彦ちゃん、いい? ……いれるよ?』
「ふっ……んくっ! ……き、きて………ふあッ!」
 淫らな口に指をそっと入れ、かき混ぜる。
『……気持ち良いよ、切彦ちゃんのナカ』
「んっ! はぁっ!」
 指を二本に増やし、大きく出し入れする。
『切彦ちゃんも、……気持ちいい?』
 真九朗が、笑顔で、微笑んだ。
 と同時に指の出し入れを加速させる。



432 :ai:2009/12/25(金) 22:55:18 ID:rir9ZFI7
「あッ……き、きもちぃ……んぅっ!」
『ごめん、俺、……はぁっ、止まれないかも……』
 妄想内で、真九郎の腰と自分臀部のぶつかる音が響き続けた。
「あッ! あッ! あッッ!」
 ジュブジュブとやらしい水音が切彦の性感を後押しし、
 ――刹那。
『切彦ちゃん……くっ! ……大好きだよ……んッッ』
「―――んぁぁああああああ!」
 クる、とそう思うと同時に、切彦は絶頂に達した。
 しばらくは余韻に浸り、そして荒い息をつく。
「はぁ……はぁ……」
 でもぜんぜん苦しくなんかなく、切彦の心はふわふわとしたものが漂っていた。
 ――紅……真九郎。
 写真立ての薄いガラス越しに、笑う彼の顔。隣にだれがいようと、気にしない。だからわたしも……、
「わたしも、大好き……」
 そうつぶやくと、切彦は、いつの間にか睡眠の世界へと、静かに落ちていくのだった。
 ――今度は、悪夢なんて見なかった。


 次の日の朝、布団もかけずに寝てしまったせいで、くしゃみが止まらないのは、言うまでもないだろう。
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