月明かりの照らす湖
湖に映し出される虚構の月は弧を描いていた
その湖に佇む影が二つ
片や小さな影が一つ
片や大きな影が一つ
対象な影が映っていた
今まさにデュエルが始まろうとしていた
第肆夜『The boy's Effort-Second Volume』
東 一樹
『僕の彩色歯車』
vs
不良
『轟けオレの心意気』
『僕の彩色歯車』
vs
不良
『轟けオレの心意気』
「オレの先攻でいくぜ、ドロー!!」
一樹との体格差が素晴らしい不良の先攻でデュエルは始まった
「サイボーグヤンキー(ATK1600/DEF1000)を召喚だ!!
召喚時の効果でテメェに400ダメージをくれてやるぜ!!」
召喚時の効果でテメェに400ダメージをくれてやるぜ!!」
一樹 4000→3600
いきなりダメージを喰らってしまった・・・
というかこのモンスターって・・・
「へへっ、更に魔法カード恐喝発動だ!!
テメェの手札は5枚、1500ダメージを与えるぜ!!」
テメェの手札は5枚、1500ダメージを与えるぜ!!」
一樹 3600→2100
やっぱり・・・先輩のときと同じだ!!
このままじゃ・・・
「カードを二枚伏せて、オレのターンは終了だ」
なんとか助かったみたいだ
「僕のターン、ドロー!」
引いたカードはシールドガジェット、手札には防壁にモンスター・・・
ここは・・・
「ホワイト・ガジェット(ATK1400/DEF700)を召喚
効果で手札のモンスター一枚を見せることで、デッキから『パープル・ガジェット』を手札に加えます」
効果で手札のモンスター一枚を見せることで、デッキから『パープル・ガジェット』を手札に加えます」
ひとまず堅実に行こう
シールドを見せておけば牽制になるはず・・・
そう考えて、僕は手札の『シールド・ガジェット』を相手に見せた。
「カードを二枚伏せて、ターンエンドです!!」
伏せたカードは防壁と廃貧改集、攻撃を防ぐ防壁と墓地回収の改集。
これでなんとかなる・・・はず。
「オレのターン!」
不良は引いたカードを見るとニヤリと笑い、
「手札から魔法発動、熟練の恐喝術発動だ!!
このカードはカード名を一つ宣言し、相手の手札にそのカードがあれば墓地へ送るカードだ
まぁ外したら手札を一枚すてねぇといかねぇが・・・」
このカードはカード名を一つ宣言し、相手の手札にそのカードがあれば墓地へ送るカードだ
まぁ外したら手札を一枚すてねぇといかねぇが・・・」
しまった、僕はさっき手札を見せているじゃないか・・・!!
つまり選ばれるのは、
「宣言するのは当然『パープル・ガジェット』だ。
へっへっへ、さっさと手札を見せな!!」
へっへっへ、さっさと手札を見せな!!」
「うっ・・・」
僕は手札を見せ、パープルを墓地へ送った
「ほぉ~う・・・面白い手札じゃねぇか」
手札を見られた・・・
それはデッキ内容や戦術を知られてしまったに等しい。
辛い展開になりそうだ・・・。
「メタルヤンキー(ATK1100/DEF1900)を召喚だ!!
いけ、サイボーグヤンキー!!ガジェットを捻り潰せ!!」
いけ、サイボーグヤンキー!!ガジェットを捻り潰せ!!」
「罠発動、機械部隊の防壁!!
攻撃を無効にしてカードを一枚ドローします」
攻撃を無効にしてカードを一枚ドローします」
「へっ・・・だがメタルヤンキーがいるぜ!!
メタルヤンキーの攻撃力は『ヤンキー』と名のつくモンスターの数×200ポイントアップする!!」
メタルヤンキーの攻撃力は『ヤンキー』と名のつくモンスターの数×200ポイントアップする!!」
メタルヤンキー 1100→1500
「メタルヤンキーでガジェット攻撃だぁ!!」
一樹 2100→2000
ライフの差が開いた・・・まずいよ・・・
「リバースカードオープン、罠カード不意打ちキックを発動するぜ!!
自分の『ヤンキー』と名のつくモンスター一体は攻撃力を半分にしてもう一度攻撃ができる!!
サイボーグヤンキーでもう一度攻撃だぁ!!」
自分の『ヤンキー』と名のつくモンスター一体は攻撃力を半分にしてもう一度攻撃ができる!!
サイボーグヤンキーでもう一度攻撃だぁ!!」
サイボーグヤンキー 1600→800
一樹 2000→1200
うっ・・・まさか追加攻撃だなんて・・・
「ターンエンドだ、そろそろ諦めたほうがいいんじゃねぇか?」
「ひゃひゃひゃひゃ!!お前程度がアニキに敵うわけねぇだろぉよ!!」
確かにピンチだ・・でもまだチャンスはある・・・
「僕のターン・・・」
このドローにかかってる、先輩のくれたあのカードさえ引けば・・・
「ドロー!!」
その思いを込めて、引いた
恐るおそるカードを見る・・・
僕の引いたカードは・・・あのカードだ!!
「リバースカードオープン、廃貧改集!!
墓地のガジェット二枚を手札に加えることができる
代わりにこのターン、通常召喚することはできないけどね」
墓地のガジェット二枚を手札に加えることができる
代わりにこのターン、通常召喚することはできないけどね」
「へっ・・・召喚しないとは、諦めたのかぁ?」
「それは違うよ」
そう応える
そして
「手札から魔法カード、繁栄の宝札を発動!!」
このカードを使う時!!
「繁栄の宝札・・・だとぉ!?
聞いたことねぇカードだぞ!!」
聞いたことねぇカードだぞ!!」
「繁栄の宝札は手札の名前の異なる同じ種族のモンスターを三枚を見せたときに発動できるカード
デッキからカードを二枚ドローするよ、代わりに通常召喚ができないけど・・・関係ない」
デッキからカードを二枚ドローするよ、代わりに通常召喚ができないけど・・・関係ない」
手札のシールド、パープル、ホワイトの三枚のガジェットを見せ、二枚ドローした
引いたカードは・・・よしっ!!
「手札から魔法カード機械融合-マシンフュージョン-を発動です!!」
「な、融合だと!?」
「手札のパープルガジェットとホワイトガジェットを融合!!
来い、『フラッシュバック・ガジェット(ATK2500/DEF2100)』!!」
来い、『フラッシュバック・ガジェット(ATK2500/DEF2100)』!!」
閃光と共に僕の切り札、フラッシュバック・ガジェットが現われた。
「罠発動!!奈落の落とし・・・発動しねぇだと!?」
「フラッシュバック・ガジェットの効果だよ
このカードの特殊召喚時に魔法、罠、モンスター効果は発動できないよ」
このカードの特殊召喚時に魔法、罠、モンスター効果は発動できないよ」
「ちっ・・・」
伏せカードは奈落と分かってるなら・・・攻めるのみ!!
「サイボーグヤンキーを攻撃!!
『キャノンライズ』!!」
『キャノンライズ』!!」
不良 4000→2300
(くっ・・・だがまだメタルヤンキーがいるんだ、オレのターンで上級モンスターを出してやる・・・!)
「まだだよ、フラッシュバック・ガジェットのモンスター効果発動、
戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送ったとき、墓地のガジェットを一枚除外することで
このターンもう一度だけ続けて攻撃することができる!!」
戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送ったとき、墓地のガジェットを一枚除外することで
このターンもう一度だけ続けて攻撃することができる!!」
「な、なんだと!?」
「メタルヤンキーを攻撃、『セカンドキャノンライズ』!!」
不良 2300→1100
「カードを一枚伏せて、ターンエンドです」
今の僕にできることはこれが精一杯・・・
逆転されると後がないぞ・・・と思っていた
だから
「・・・オレの負けだ」
突然言われたその言葉の意味が理解できなかった
「・・・え?」
「オレの負けだって言ってんだろ!?何度もいわせんな!!
いくぞお前ら、撤収だ!!」
いくぞお前ら、撤収だ!!」
「ちょ・・・待ってくださいよアニキ!!」
彼らが足早に立ち去っていくのを、呆然と見つめた
「勝った・・・?」
一人声に出してみて初めて理解した
一人で・・・勝ったんだ!!
DUEL END!! WINNER 東 一樹
これが、学園に来てからの僕の初勝利だった
その日は興奮で眠ることができなかった
次の日遅刻してしまうのは別のお話ww