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『本日午後三時、生徒会室に来るように』


そんなメールに気付いたのは生徒会室で読書をしているときだった。

差出人は[松戸翔(まつどかける)]。学園の教頭で、生徒会の顧問の教師だ。

「まぁ、用件は分かりきってるけど」

どうせいつもの実験で不祥事を起こしたんだろう。

松戸教頭はたびたび怪しい実験を繰り返すことで有名だ。

有名と言っても知れ渡っているのは成果のほうで、元凶が教頭だと知っているのは生徒会メンバーぐらいだろう。

しかも、その実験が毎度ロクでもない結果を生み出すのはお約束である。

生徒会はその後始末をやらされているのだ…一応報酬付きだが、割に合わない。

オレだけしか呼ばれてないみたいだが・・・当然か。

神皇さんは・・・事態を余計に引っ掻き回すからな(汗

バレたら確実に怒るだろうが・・・大丈夫だろう。


まだ時間があるようなので、読書を再開する。

しかし、いつ読んでも『〇ァイナルファンタジー』は面白いなぁ。








「来ているな」

そんな声とともに教頭が生徒会室に入ってきたのはピッタリ三時、相変わらず時間に正確な人だ。

「こんにちは、松戸教頭」

とりあえず挨拶をしておく。

教頭は置いてあるパイプ椅子に座ると、口を開く。

「さて天海君、君を呼んだ用件についてだが」

「分かってます、どうせ教頭の実験の後始末でしょう?」

「おお!流石生徒会長だね、分かっているじゃないか」

「もう両手の指で数え切れないぐらい呼ばれてますからね」

嫌でも予測できるというものだ。

とりあえず本題を切り出す。

「・・・で、今回は何をしでかしたんです?
 カードの精霊でも捕まえましたか、古代神官文字でも解読しましたか、はたまたサイコショッカーでもリアル召喚しましたか?」

「いや、そんな現実離れしたことはしていない」

以前『王家の眠る谷-ネクロバレー』で写真撮影して来た人の台詞とは思えない。

未だにどうやってそんなところへ行ったか、気になって仕方ない。

「私の研究していた研究材料が逃げ出したのだよ」

「研究材料?」

逃げ出すってことは、生き物なんだろうが・・・モルモットぐらいしか浮かばない。

「あぁ、『OT-MARON』だ」

「研究名を言われても分からないです」

なんのことやらさっぱりだった。

「それもそうだな…」

教頭はそう言いながら、鞄から写真を取り出す。

「これが『OT-MARON』だ」

写真を受け取り、確認する。そこには…

「お、オタマロ!?」

あの一度見たら忘れられないドヤ顔…。

間違いようがない、そこにはオタマロが移っていた。

「オタマロではない、『OT-MARON』だ」

「い、いやどうみてもオタマロにしか―」

「『OT-MARON』だ」

有無を言わさない表情で言われ、疑問に無理矢理フタをする。

とりあえず違う疑問をぶつけてみる事にする。

「で、そのオt…『OT-MARON』が逃げ出したと?足もないのにどうやって逃げるんです?」

またいい間違えそうになったが、教頭には気付かれなかったようだ。

「それがだな、昨夜私の研究室に中等部の生徒が無断で侵入したようなのだよ」

「その生徒が、研究材料を盗んだと?」

そうなると、その生徒の停学は免れないだろう。

「いや、少し違う」

どう違うんです?そう聞こうとしたが

「このオt…『OT-MARON』は他の生物に寄生する習性があるのだよ」

「・・・・え?」

かなり予想を反した答えが返ってきた!

おかげで教頭も言い間違えたことを突っ込むタイミングを失ったよ!

「寄生した生物の中枢神経に侵食し、宿主に干渉できる…とは言っても、強靭な意志を持つ固体には効果がないがな」

「そ・・・そんな恐ろしいヤツを研究してたんですか!?」

な、なんかとんでもないことしてるんじゃないか、この人!?

「あぁ、安心しろ。この培養液を出たなら長くは保たない、もってあと4時間といったところだろう」

「そうですか・・・って、あと4時間は体をコントロールされることに変わりじゃないですか!」

なにを安心すればいいんだ。

「うむ、非常に不味い事態だ。よって君を呼んだというわけだ」

非常に不味いと言う割に、別段焦っているように見えない。

「早い話が…この『OT-MARON』に寄生された人間を発見して、保護しろと?」

「その通りだ。だが『OT-MARON』は恐らくなんらかの勝負を申し込んでくるだろう」

「勝負?なぜです?」

「『OT-MARON』には自分より強い固体に対し、従順になる習性がある。
 なんらかの勝負で相手を降したとき、初めて寄生するのだ…最初の生徒は例外のようだがな」

よく分からない習性を持つ生物だ…。

「つまり、その勝負に勝てば宿主を保護できるんですね」

「その通りだ」

「自分でやってください」

そんな危険な仕事、自分で責任をとってほしい。

「いや、私はもう一匹の回収へ向かう」

「もう一匹逃げてるんですか!?」

なんでそんな大事なことを言わないんだ!

「あぁ。だから君にも手伝ってもらおうと呼んだのだがな」

事態は想像していたより深刻なようだ…。

「そういう事なら仕方ないですね…協力しましょう」

こんなことが公に知れたらエライことになる。

「おぉ、助かるよ。検討を祈る」

「ところで一つ聞きたいことがあるんですが…宿主はどうやって見分ければいいんです?」

これが分からないとやりようもない。

「簡単だ。オタマロの顔の人物がいたらそれが宿主だ」

聞かなくてもやりようがあった。








『宿主の保護の際には専門の力が必要だ。まずは保健室で如月先生と合流してくれ』

退室の際にそう言われ、保健室へと赴いた。

「失礼します」

「お、待ってたよ」

入ると同時に声をかけられる。

「こんにちは、如月先生」

この人は如月華麗(きさらぎかれい)、保健室の先生だ。

イマイチ掴み所のない、ユニークな人物。

「教頭から話は聞いてる、急いで宿主を探そう」

「はい、そうしましょう」

世間話は歩きながらすることにした。





「しかし大変だねぇ、こんなことに巻き込まれて」

「ホントです、あの実験もやめてくれたらいいんですが」

「まぁあれで成果を出してるんだから、仕方ないな」

「とは言っても限度がありますよ…」

そんな風に話しながら探していると、


「僕に勝てる奴はいるかー!」


「ここにいるぞー!」

「ん、急にどうした?」

「いやすいません、ついノリで」

リアルにこんなこと言う人がいると思わなかったから、つい返事をしてしまった。

このネタ分かる人どれぐらいいるだろうか(

誰かがものすごい勢いで走ってきた。

「お前らが僕に勝てる奴か!」

目の前に来るなりいきなり叫ぶ…ってこれは!?

「こ、この人…顔がオタマロですよ!」

そう、走ってきた少年は顔がオタマロだった。

「んー、これが宿主か…」

如月先生がそう呟く。

「どっちが僕より強いんだ!お前か、お前か!」

そう叫ぶオタマロ君(とりあえずそう呼ぶことにした)は自分より強い相手と戦いたいみたいだ。

とりあえず質問には答えておくか。

「さっき返事したのはオ―」

「おれだ」

っ!?先に言われた!?

「お前かー!」

返事をした途端、オタマロ君は大声をあげる。

そんな大声出さなくても…耳が痛い。

しかしこの声・・・どこかで聞いたような…。

「じゃあお前、僕とデュエルだ!」

随分と突っかかる…寄生されたからこうなのか、元々こうなのか。

「オーケー、じゃあ早速はじめようか」

なんだか勝手にはじまろうとしていた。

…今回も放置なのか?w





如月華麗
『とある公園のガキ大将』
vs
謎の少年(オタマロ君)
『オタマロモンスターズ』





先攻はオタマロ君に決まったようだ。

「僕のターン、ドロー!【OM-地這のニュート】(1200/300)を召喚!」

う・・・いきなり登場したモンスターの顔を見て、気分が悪くなった。

登場したモンスターは・・・顔がオタマロだった!
如月先生も若干顔は引き攣っている。

「カードを一枚伏せて、ターンエンド!」

「おれのターン、ドロー。【ジュッテナイト】を召喚、効果で地這のニュートを守備表示に変更」

ジュッテナイト・・・禁止になったあのモンスターを思い出す…。

「バトルフェイズ、ジュッテナイトで守備表示になった地這のニュートを攻撃!」

ジュッテナイトの十手(断じて洒落じゃないぞ)が地這のニュートを貫く。

「地這のニュートの効果発動!戦闘破壊されたとき、相手に400ダメージを与えるよ」


如月 4000→3600


「カードを一枚伏せ、ターンエンド」

「僕のターン、ドロー!」

いいカードを引いたのか、顔がニヤニヤしている・・・。

「よし・・・【OM-壁這のホースリザード】(1700/100)を召喚!

こ、このモンスターも顔が・・・うん。
しかし・・・リ〇ードに似てるな、うん。

「バトルフェイズ、壁這のホースリザードでジュッテナイトを攻撃だ!」


「罠カード【万能地雷グレイモヤ】発動。攻撃力が最も高い相手モンスターを破壊する効果だ」

「させない!ライフを1500払い、リバースカード【我が身を盾に】で無効にするよ!」

グレイモヤが無効にされ、ホースリザードの爪がジュッテナイトの四肢を切り裂く・・ってこの解説微妙にグロテスクかも。


オタマロ 4000→2500

如月 3600→2600


「カードを一枚伏せて、ターンエンド!」

「おれのターン、ドロー。モンスターをセット、カードを一枚伏せてターンエンドだ」

「へっ、なにもしてこねぇじゃん!ドロー!」

すげぇドヤ顔、調子にのってるみたいだ。

「じゃあ僕の切り札、【OM-闘争のバトルリザード】(2300/1600)を召喚!
 ライフが相手より少なくて、自分フィールドに『OR』と名の付くモンスターがいるとき、リリースなしで召喚できる!」

こ、こんどはリザー〇ン・・・なのか・・・?

「闘争のバトルリザードで伏せモンスターを攻撃、『きりさく』!」

思いっきりポ〇モンの技だった!

「破壊された巨大ネズミの効果を発動、デッキから新たに【巨大ネズミ】を特殊召喚だ」

「じゃあ壁這のホースリザードで巨大ネズミを攻撃!」


如月 2600→2300


「じゃあさらに巨大ネズミの効果を発動、デッキから【ジュッテ・ナイト】を特殊召喚だ」

再びジュッテナイトが登場する・・・何度見ても某権力にしか(ry

「じゃあ、ターンエンドだ!」

「おれのターン、ドロー」

チューナーを呼んだなら・・・シンクロだろうな。

「魔法カード【精神操作】を発動。壁這のホースリザードを洗脳させてもらおう」


「レベル4、壁這のホースリザードに、レベル2、ジュッテ・ナイトをチューニング!
 おまえのものはおれのもの、おれのものもおれのもの!シンクロ召喚!奪え、【ジャイアン・ゴーレム】(2500/900)!」


台詞が明らかに某ガキ大将だった!

「ジャイアン・ゴーレムでホースリザードを攻撃!」

憤慨しながら敵に向かっていく様子・・・まさしくの〇太を追いかけるジャ〇アンだ!

「う、うわぁぁぁぁ・・・なーんてね。罠カード発動、【次元幽閉】!ジャイアンを除外だ!」

こ、これも〇び太がド〇えもんに道具を借りて調子に乗っているときに似ている!

「続きが聞きたいな…カウンター罠【権力の応酬】を発動。
 次のターンドローができない代わりに、次元幽閉は無効だ」

「え、えぇ!?」

こ、これは行き止まりで絶望したのび〇の顔だ!・・・ってさっきから妙な解説してないか、オレ。

「じゃあ戦闘は続行だね。『ジャイアン・ラリアット』!」


オタマロ 2500→2300


「ジャイアンゴーレムの効果を発動だ。コイツがモンスターを戦闘によって破壊し墓地に送ったとき、そのモンスターを自分フィールドに守備表示で特殊召喚する」

「ぼ、僕の闘争のバトルリザードが・・・」

こ、これがハンデス三種の神器とまで呼ばれた『強引なジャイ〇ン』か…恐ろしい(違

「ターンエンド・・・だけど、その必要もないか」

先生の視線の先には、地面にうずくまるオタマロ君がいた。

「降参、かな?」

「・・・・・・(こくり)」

なんだか、後味の悪い終わり方だった。










とりあえず、事件は収束した。

「一時はどうなるかと思った…」

「被害の拡大を防げたってとこですね」

如月先生と二人、今日の苦労を労う。

気がついたら、もう真夜中になっていた。

あの後、オタマロ君を教頭の下に連れて行き、寄生したオタマロを追い出してもらった。

教頭は先に仕事を終えていたみたいで、後始末をしていた。


そして一番驚いたことなんだが・・・なんと寄生されていたのは東くんだった!

どうやら最初に寄生された少年に負け、それで寄生されたらしい。

寄生されていた間と寄生の直前の記憶はないようで、目を覚ましたときは随分と慌てていた。


「さて、おれは寮に戻る。じゃあな」

「えぇ、おやすみなさい」

そういって先生と別れる。

月明かりに照らされた湖がとても幻想的だった。


「あらろむくん、奇遇ねぇ・・・ちょっとお話したいことがあるんだけど」


落ち着いたようで、怒気を孕ませたような声が聞こえるまでは。


  • ジャイアン……モンスターで出しやがったかw -- かいちょリング (2011-03-15 19:19:22)
  • かいちょリング?
    どなたですか(゜∇゜) -- 旅人 (2011-03-15 20:10:10)
  • 今回の主人公は月夜さん・・・だったのかぁ?w -- adaman (2011-03-15 20:27:40)
  • 月夜さん出てないぞ・・・w -- 旅人 (2011-03-15 22:27:37)
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