「オタマロが帰って来たぞーっ!」
遠くから声がして僕は呼び覚まされる。
それが指し示す意味も眠気で判然としない。
「ついにこの時がきたか…」
が…続いて聞こえてきた喜びに打ち震える声で目が覚める。
ふんと鼻息が聞こえて、それは床に飛び降りていた。
「ネイティオ…こんな時間にどこにいくのさ…」
恐る恐る聞いてみる。
「…戦いさ」
「…は?こんな夜に?どこで?」
「ここ」
親指で床を指す。不敵な笑みを残し、勢いよくドアを開け放つと部屋を飛び出していった。
オタマロが帰ってきた、ネイティオの言葉…それを考えると、
「決闘!?」
あのネイティオがすることなんて、それしか考えられない。
その事実に気付くと飛び起き、ネイティオの後を追って廊下へ駆け出し…
「って夢かよ!?」
あまりにナチュラルな導入だったから夢って気付くのに時間がかかったよ!!
「どうしたんだよ、一樹」
突然叫んで起きたので、真紅に心配される。
「い、いや、なんでもないよ」
「そうか、ならいいんだが」
すぐさま取り繕っておく。
しかし、なんだったんだろうあの夢は。
オタマロにネイティオ、揃って僕の好きなポケモンの名前が出てきたみたいだけど。
「くしゅん!」
あれ、なんだか寒気がする。
「おいおい、風邪か?」
「だ、大丈夫」
またもや心配をかけてしまう。
答えながら額に手を当てるが、熱はない。
最近忙しかったから疲れてるのかもしれない。
今日は休みだし、外の空気を吸ってこよう…。
「ちょっと散歩してくるよ」
「お、ロリ観察か?付き合うぜ」
「はいはいまた今度ね」
真紅がなにか戯言を言ってたが、軽く流しておいた。
外の空気が美味しい
曇った気分も晴れてくる。
(しかし、さっきの夢はなんだったんだろう)
あんな夢を見たのは初めてだ。
「ま、そんなことどうでもいっか」
そんなことより、久々にカードショップにでも―
「デュエルしようよ」
突然後ろから話しかけられる。
マスクと帽子で顔を隠れているが、年下の生徒であることがわかる。
「ねぇ、デュエルしようよ」
「えっと…君は誰だい?」
「僕の名前は御魂露威(みたまろい)、さぁデュエルしようよ」
突然のことで驚いたけど、息抜きに丁度良い。
「僕の名前は東一樹。いいよ、やろうか」
僕はその申し込みを受けた。
東一樹
『魔法の歯車』
vs
御魂露威
『弩矢っ?』
『魔法の歯車』
vs
御魂露威
『弩矢っ?』
「僕のターン、ドロー!」
手札は…うん、悪くない。
「【ブルー・ガジェット】を召喚、デッキから『ホワイト・ガジェット』を手札に加えるよ。
そして、カードを一枚伏せて、僕はターンエンド」
そして、カードを一枚伏せて、僕はターンエンド」
「ぼくのターン、ドロー」
こんな年の離れた子とデュエルするのは久し振りだなぁ…。
デュエルに勝って、カッコイイとこ見せる!
デュエルに勝って、カッコイイとこ見せる!
「【鬼ガエル】を召喚、デッキから『黄泉ガエル』を墓地に送ります。
更に鬼ガエルの効果、自身を手札に戻し、もう一度ガエルを通常召喚できます。
【着ガエル】(1000/500)を召喚しターンエンド」
更に鬼ガエルの効果、自身を手札に戻し、もう一度ガエルを通常召喚できます。
【着ガエル】(1000/500)を召喚しターンエンド」
「僕のターン、ドロー!」
よし、引きが良い…一気に攻める!
「【機械融合-マシンフュージョン-】を発動。
パープルガジェットとホワイトガジェットを融合し、
来い、【フラッシュバック・ガジェット】!」
パープルガジェットとホワイトガジェットを融合し、
来い、【フラッシュバック・ガジェット】!」
「融合モンスター…」
「その通りだよ…バトル、フラッシュバックで着ガエルを攻撃、『キャノンライズ』!」
御霊 4000→2500
「着ガエルのモンスター効果発動、手札から鬼ガエルを守備表示で特殊召喚します。
鬼ガエルの効果により、デッキから『OF-分身のマロン-』を墓地へ送ります」
鬼ガエルの効果により、デッキから『OF-分身のマロン-』を墓地へ送ります」
「なら、フラッシュバックのモンスター効果発動、
戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送ったとき、墓地のガジェットを一枚除外することで
このターンもう一度だけ続けて攻撃することができる、『セカンドキャノンライズ』!」
戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送ったとき、墓地のガジェットを一枚除外することで
このターンもう一度だけ続けて攻撃することができる、『セカンドキャノンライズ』!」
鬼ガエルが破壊され、御霊くんのフィールドががら空きになる。
「ターンエンドだよ」
黄泉ガエルがいるけど、なんとかなる…はず。
「ぼくのターン、ドロー」
引いたカードを見た途端、御霊くんはにやりと口の端を歪めた。
「ぼくの勝ちだよ、東さん」
「な、なにを…ゲームはまだ始まったばかりだよ?」
それに僕の伏せカードは【月の書】、大抵のことには対応が―
「では【サイクロン】を発動、伏せカードを破壊します」
…破壊された。
「墓地の【黄泉ガエル】を特殊召喚します。
更に自分の場にレベル1水属性モンスターが存在するときに手札を一枚捨てることで、墓地から【OF-分身のマロン-】(100/100)を特殊召喚」
更に自分の場にレベル1水属性モンスターが存在するときに手札を一枚捨てることで、墓地から【OF-分身のマロン-】(100/100)を特殊召喚」
一気にモンスターが並んだ…これは確かにまずい。
「マロンの効果を発動、墓地の鬼ガエルを除外し、黄泉ガエルのレベルを2あげることができます」
「レベル3のモンスターが二体…まさか!?」
「そのまさかです。
場のレベル3の黄泉ガエルとマロンをオーバーレイ!
来い、【OF-弩矢顔のオタマロ-】(2100/1100)をエクシーズ召喚!」
場のレベル3の黄泉ガエルとマロンをオーバーレイ!
来い、【OF-弩矢顔のオタマロ-】(2100/1100)をエクシーズ召喚!」
「!?」
こ、このモンスターは…。
「東さん・・・このモンスター、どこかで見たことがないですか?」
そう、僕はこのモンスターをよく知っている…。
「お、オタマロだ…」
そう、あの一度見たら忘れられない、オタマロだったのだ。
というか名前にオタマロって書いてあるのに、姿を見るまで思い出せなかった…何故だ。
「そして・・・僕自身もだよ」
そう言いながらマスクと帽子を外す…!?
「お・・・オタマロ!?」
マスクと帽子を外した彼は、紛れもなくオタマロだった。
「ご明察、僕はオタマロさ」
「な、なんでポケモンが喋る!?人間の姿をしてる!?そもそもどうして現実世界にいる!?」
思わず声をあげて疑問を叫ぶ。
でも仕方ないと思う、こんな非日常が起きたんだから。
「教えるだけ無駄だよ、どうせ君は負けるんだからね」
淡々とそう告げられる僕。
「オタマロの効果を発動!墓地の『OF』と名のつくモンスター一枚を除外し、エンドフェイズまで攻撃力を1000アップ。
更に魔法【戦慄の弩矢】を発動!『OF』と名のつくエクシーズモンスターの召喚に成功したターン、相手モンスターは攻撃力が0になる。
そして装備魔法【恐怖の弩矢】を発動!『OF』と名のつくモンスターの攻撃力を900アップする」
更に魔法【戦慄の弩矢】を発動!『OF』と名のつくエクシーズモンスターの召喚に成功したターン、相手モンスターは攻撃力が0になる。
そして装備魔法【恐怖の弩矢】を発動!『OF』と名のつくモンスターの攻撃力を900アップする」
オタマロ 2100→4000
フラッシュバック 2500→0
「こ、攻撃力4000!?」
フラッシュバックの攻撃力は0になっている、直接攻撃と同異議…!!
「短いデュエルだけど、楽しかったよ。
オタマロで直接攻撃、『弩矢ッ』!」
オタマロで直接攻撃、『弩矢ッ』!」
一樹 4000→0
ぼくのライフポイントはもうない。
ぼくはめのまえがまっくらになった…。
沈む意識の中で、体が重たくなるのを感じた…。
旅「なにこれぇ」
一「いや、僕の台詞だろ」
真「いや、みんなの台詞だな」
旅「深夜のテンションで書いた、後悔はしていない」
※参考までにオタマロの画像
- 大百科載せんなしwwwww -- 怪鳥 (2011-03-05 23:06:01)
- ポケモン知らない人への配慮(笑) -- 旅人 (2011-03-06 10:39:53)