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第弐拾四夜 極悪の華」の最新版変更点

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+「このくらいにしましょう」
 
+先輩のその声を聞き、体から力が抜ける。
+
+「いよいよ本番は明日ね。気を抜かないでいきましょう」
+
+そう、いよいよタッグデュエルは明日。
+僕と先輩は最後のデッキ調整とデュエルをしていた。
+
+「ふぅ・・・疲れた」
+
+ここ数日のデッキ調整で、大分チームワークがよくなったと思う。
+それに、デッキも比較的安定してきた。
+ただ、この間の制限改定はちょっと予想外だったけど…。
+
+「流石に暑いわね…。一樹君、ちょっとジュース買ってきて頂戴」
+
+そう言って、DP(電子マネー)を渡される。
+このDPは基本的に所属のクラスとデュエルの勝利でもらえる学園限定の
+お金なのだが…同じレッドなのに、先輩のDPは多すぎるように思う。
+それにしても…正直面倒だなぁ。自分で行けば良いのに。
+
+「私はアイスコーヒーを飲みたい気分ね。ついでに一樹君の
+飲み物も奢ってあげるから、好きなのを一本買って来なさい」
+
+「急いで行ってきます(キリッ」
+
+先輩はとっても優しい、まるで天使みたいだ。
+僕は駆け足で自動販売機へと向かって行った。
+
+
+こんな暑い中なのに、自然と足が軽快なステップを刻む。
+・・・いやいや、断じて僕の飲み物の為じゃないですよ?
+あくまで、僕は先輩の飲み物をですね…。
+
+と、そのとき。
+
+ドンッ!
+
+「うわっ」
+
+前をよく見てなかったからか、人にぶつかってしまう。
+
+「っと…すいません」
+
+即座に謝り、後ろを振り向く。
+そこには…すごく柄の悪い大男が立っていた。
+背中には大きく『剛瑠怒』の文字が刻まれている。
+なんだろう、よく分からないけどすごい嫌な予感がする…。
+
+「おいおい…今のでオレ様の腕の骨が折れちまったじゃねぇか。
+オマエ、責任持ってこの腕の治療費払ってもらおうか、あぁ!?」
+
+なんて古典的なやり口なんだ!
+こんな手口を使うのは、二次元の住人だけかと思ってたよ!
+でも…こんな体格のヤツからは逃げられそうにない…。
+
+「お、DP持ってるみたいじゃねぇか…よこせよ」
+
+「い、いやです」
+
+抵抗の意思を見せるが、屈強な腕で無理矢理DPカードを奪われてしまう。
+
+「おぉ!コイツはすげぇ…半年遊んで暮らせるぐらいはあるじゃねぇか!」
+
+「か、返してください!」
+
+必死に手を伸ばすが、まるで届かない。
+
+「おら!どけ!」
+
+それどころか、地面に叩きつけられてしまう。
+
+「返して、下さい・・・!」
+
+「ちっ、しつけぇ小僧だ」
+
+そう言って、僕から少し距離をとる。
+男は僕にやや挑発的な目を向けて、
+
+「そうだな…ならチャンスをやろう。
+オマエもデュエリストなら、勝って取り返してみろ」
+
+そう言った。
+チャンスもなにも…と言おうと思ったが、どうせ聞き入れるはずがない。
+それなら、大人しく従うべきか…。
+
+「分かりました・・・」
+
+それに、勝てばいいんだ。
+ここ最近はずっと特訓してたし、負けない!
+僕らはデュエルディスクを構えた―。
+
+
+
+「・・・で、瞬殺されたのね?」
+
+「はい…」
+
+あの後、僕はソイツに呆気なく瞬殺されてしまった。
+しかもDPだけでなく、デッキまで取られてしまったのだ。
+どうしよう…もう大会は明日なのに…。
+
+「DPまで奪われて、ホントにすいません!」
+
+「そのことは、別にいいわ」
+
+あっさりそう告げる先輩に、少し拍子抜けする。
+
+「で、でもデッキも奪われて」
+
+「朝頃には退屈して、その辺にでも捨てるんじゃないかしら」
+
+なんだかむちゃくちゃなことを言われる。
+そんな投げ槍なことを言うなんて、先輩らしくない。
+
+「とにかく、今日は寮に戻りなさい。私はDホイールの最終調整があるの」
+
+「え、ちょ、ちょっと・・・」
+
+次の言葉を繋ごうとするも、先輩の有無を言わせないような
+空気に威圧され、結局なにも言えなくなってしまう。
+僕はそのまま先輩が去っていくのを眺めるだけだった。
+
+
+
+
+
+―同日深夜 学園内廃屋―
+
+暗い夜、静まり返った学園の廃屋…
+
+「剛瑠怒の兄貴~、その大量のDPどうしたんですかい?」
+
+そこには、邪鬼威 剛瑠怒(じゃきい ごるど)率いる、不良グループが集まっていた。
+
+「あぁ、コイツか…大金持ってる小僧がいたんでな、奪ったまでよ」
+
+「おぉ、流石兄貴!弱い者にも容赦しない!そこにシビれるぅ!憧れるぅ!」
+
+どこがで聞いたような台詞で子分が称える。
+
+「へっ、そう褒めるなよ。オレ様の実力なら当然だ。
+しかしあの小僧、大したこと無い割には良いカードを持ってるじゃねぇか」
+
+そう言う剛瑠怒の手には、昼間一樹から奪ったカードとDPカードがあった。
+
+「これだけあれば、しばらくは遊んで暮らせますぜ!」
+
+「ひゃっほう!最高だぜ兄貴!」
+
+「すごいぞ兄貴!カッコイイぞ兄貴!」
+
+子分たちが次々に褒めちぎり、廃屋は騒々しいムードに包まれる。
+今夜は楽しい夜会、このまま騒いで一夜が明けると、誰もが思っていた。
+
+
+ガシャアン!
+
+
+突如、廃屋の窓ガラスにDホイールが飛び込んで来た。
+
+「な、なんだなんだ!?」
+
+「Dホイールが突っ込んできただと!?」
+
+「な、ななななんだってんだぁ!?」
+
+子分たちが慌てふためく。
+
+そんな中、運転手は音も立てず降り立ちヘルメットを外す。
+
+「御機嫌よう。楽しそうで何よりね」
+
+そこには、月明かりに照らされた赤髪の女が立っていた。
+その姿は美しくも、見たものに恐怖を与えるようだった。
+
+「おいテメェ・・・こんな時間に、一体何の用だ?
+Dホイールで突っ込んできて…覚悟はできてるんだろうな、あぁ!?」
+
+「いえ、大したことじゃないのよ」
+
+そう否定の言葉を並べ、
+
+「ただ、鬼ごっこがしたくなっただけよ」
+
+そう告げた。
+
+その顔は―まるで見るものを凍てつかせるような笑顔だった。
+
+
+
+国体等が重なり、更新が遅れて申し訳ないです。
+恐らく、更新のペースが遅くなると思われます。
+#comment
  

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