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舗装された分かれ道/名探偵は逃げ出した ◆2XEqsKa.CM




「ふむ……やはり、Isiの参加者が犠牲になる向きが強いか」

「俺や金田一君の説……Horが他人を守る者、Setが他人を害する者、Isiが他人に守られる者として設定されている以上、
 参加者はそれらの属性に見合った人格と能力の持ち主である……ってのも、これで推測の域を超えたかもねぇ」

「でも、Isiの人たちが一方的に虐殺されてるって……Setの人たちの方が、Horの人より強大って事なんでしょうか?」

「いや……単に、Hor達によるIsiの保護が遅れているだけだろう。参加者達が凡そ己の属性を読めている、とすれば。
 Set、ヨハンのような者たちは見つけた弱者を付け狙い、殺すだけで目的を達成するのだから当然行動も早くなる」

「……」


朝日が差し込む病院のエントランスに、五人の人間が頭をつき合わせている。
彼らは今しがたこの『実験』の経過報告を聞き、それぞれがそれぞれのリアクションを取っていた。
死者に送る十字を切る神父。放送の内容に想いを馳せる情報屋。冷や汗を浮かべる少年。顔を歪める医者。
そして……放心する、名探偵。

「何より気になるのは……『テンマ』と『賀来巌』の寸劇。これが何を意味するのか、だな」

「ん? どうかしたのかい、金田一君。一緒に推理しようよ。名探偵なんだろう? 推理しなよ、ほら」

「美雪が……死んだ」

「退場ってことは、そういうことだろうね。これで君の知り合いは残り二人だ」

「金田一一。君の気持ちもわかるが、今は悲しんでいる場合ではないだろう。
 君が我々に語った『信じてくれ』という言葉は―――その意志は。もう揺らぎ始めているのかね?」

「美雪だけじゃない、12人だぜ! 12人も……死んだんだぞ! なんでそんなに落ち着いて……」

数多くの難事件を解決してきた金田一にとっても、この『事件』は未曾有の災厄だった。
規模もさることながら、探偵の周囲で起こらない性質。
そして近しい者の死と言う最悪の形でじわじわと迫ってくる感覚。全てが、初の体験だった。
焦燥する名探偵に、神父と情報屋が哀れむような視線を向ける。あるいは、嘲るような目線か。




「訂正したまえ、金田一一。『死んだ』のではない、『殺された』のだ。七瀬美雪も、他の者もな。
 天災でも事故でもなく……このおぞましき実験に浮かされた、悪意持つ者たちによって、殺されたのだ。」

「だからこそ落ち着いて、殺人者への警戒を強めなければ……って、むしろ名探偵の君の方が理解してるよねぇ?」

「臨也さん、退場者の情報が嘘ってことはないでしょうか? 参加者を惑わす為の」

「それにしては、読み上げるr退場者数のが多すぎる。すぐに露見するような嘘を吐くとは考えがたいな……。
 あのヨハンを手中に収め、実験に参加させるような者ならばなおさらだ」

そう、これは『事件』ではなく『実験』。
金田一が過去の事件でかき集めたような証拠も動機もトリックもなく、犯人すら固定されない戦場。
未だ半信半疑の美雪の死も、この非現実的な空間ゆえか、持ち前の勘のよさゆえか、金田一は肯定しかけていた。
それゆえに、金田一の頭脳は正常な動作を行わない。あまりにも急すぎる展開に、彼の頭は回ろうとしない。
神父、言峰綺礼は……死に慣れている。浸っている。情報屋、折原臨也は他人の死を特別視していない。
少年、竜ヶ峰帝人にとっては……あくまでも他人事。医者、天馬賢三は、死者よりも生者に意識を向けている。
金田一は……"死"を知っていながら、それに臨んではいなかった。彼が遭遇してきた死は、いわばまな板の上の鯉。
解くべき事件の真実に繋がる、意味のある死だった。では、金田一にとって……美雪の死に、意味はあるのか?

「……すまねえ。気持ちの整理、つかねえよ」

否。理解できず、肯定を拒む死に、意味などない。あったとしても、納得はできない。
金田一にとって、美雪とはそういう女だった。一緒にいるのが当たり前の存在だった。
病院の外に、夢遊病者のようにフラフラと歩き出す金田一を、残る四人は……あえて、見送った。
彼を無理に引き止める事が彼の為にならないと、誰もが感じていた。

「……一人には、できないですよね」

「私は追いかけるが……言峰、折原。君達はどうする?」

鋭い視線を送る天馬。彼も、金田一を徒に追い詰めるような神父と情報屋の言葉に、不快感を感じていた。
志は同じと信じたいが、性格は絶望的に合わない……そんな視線を浴びせられて、二人は平然と返答する。

「我々がいては、彼も心が休まるまい、職業柄、我々は真実を語る癖があるのでな」

「神父はお小言、情報屋は大口。別に真実ってわけじゃないと思うけどね。まあ、自重するよ」

二人は、目を伏せて先ほどの発言を後悔するような素振りを見せる。
帝人が天馬に付き添って金田一の様子を見守りにいく、と決めた時には、臨也は僅かに眉を顰めたが。
「まあ、彼ならそう遠くないうちに立ち直るだろうから、よろしく頼むよ」とだけ言って、その背中をぽん、と叩いた。
言峰も未練そうに帝人に祝福の言葉をかけ、「己の思うままに進め、少年」と激励した。




「合流場所はさっき言ったE-04の舗装道……別の人とも約束してるんだけどさ。そこって事で頼むよ」

「どこかへ移動するのか? 金田一君が落ち着いてから、全員で行動した方が……」

「時間は有効に使いたい。人の心はそう簡単に休まるものでもないしな……まあ、無茶はせんよ」

周囲の探索とHor、あるいはIsiの参加者との接触を試みる、と言峰と臨也。
天馬と帝人が頷き、今まさに病院を出た金田一の後をゆっくりと追い始め―――。
思い出したように、臨也が金田一の背中に声をかける。

「金田一君。個人的にはさ、君は七瀬美雪を真っ先に探しにいくべきだったと思うよ。それが出来なかったのは」

「君が名探偵であり……この実験の『解決』を念頭に行動したからだ。その後悔を繰り返したくないのなら」

「「君は――――――セイギノミカタに、なるといい」」

臨也の言葉を継ぎ、唱和する言峰の、二人の言葉は金田一に何らかの影響を与えたようで。
金田一は一瞬立ち止まり、しかし靴先の向きは変えずに、朝日を見上げるように首を上げ。
何も言わずに、歩き始める。その背中からは、何の感情も見えなかった。

「……自重するんじゃ、なかったんですか」

「今のはただの激励だよ、酷いなぁ。俺がいつも他人に嫌がらせをしてるように言わないでよ」

「ドクター天馬、少年を頼むぞ。……ヨハンという男、こちらでも捜しておこう。テレビ局も我々が調べておく」

「……貴方が本当に超常の力を持っているとしても。油断だけは、しないでくれ」

こうして、五人は三人と二人に別れた。




       ............
「……さて、Setを探しにいこうか」

二人きりになった空間には、しかし友好の空気も親愛の情もなかった。
そんな無機質なエントランスにごく普通の声質で言峰の言葉が響く。
臨也が、ディパックを担ぎ上げる事でその声に応える。
二人が数刻前の連れションで語った今後の展望……HorとSetの大軍団を拵えるという発想を、叶えるために。

「Setの連中……ドクターが言うには、好戦的な奴ら。はてさて、他人とつるむようなのがどれだけいるのやら」

「少年の観察を中断してまで、お前の道楽に付き合うのだ。無駄足でないと思いたいものだ」

「まあ……今の段階じゃ、自分がSetと仮定してる奴が会話に応じる可能性は低いけどね」

彼らが行おうとしているのは、いわば下見。
最大12人を殺戮したと思われるSet陣営の参加者がどれほどのものなのかを、観察するための。

「テンマと賀来巌も気にはなるけど……胴元に雇われて放送するような連中だ。慎重に行くにこしたことはないね」

「わざわざ参加者を使い、参加者間のいざこざをそのまま放送することを許した……なにか企みがあるのだろうな」

まだ見ぬ黒幕の全容。実験を円滑に進めようとする二人にとっては、いずれ接触したい存在。
ゆえに、それに繋がっていると見たテンマと賀来巌を、探る。抉る。





(……それにしても、放送を聴いてたときのドクター。なんか、変だったよねぇ?)

臨也の観察眼は、放送で『テンマ』の声が流れた時の天馬の微妙な表情の変化を捉えていた。
グリマーの死に関する反応ではない。
自分と同じ名前の参加者の登場に驚いた……というような様子でもなかった。
むしろ、テンマの声そのものに驚いていた、という体。
言峰も気づいているだろうが、あえて言及しないのは天馬にとってもその驚きが確信を伴なう物ではないからか。
何者かに騙されているのではないか……という、疑心を孕んだ驚愕だったのか。

「もし、俺の想像通りだとしたら、言峰さんと話が合いそうな奴……いるかもね」

「精々、期待するとしよう」

名探偵は正義の味方に、少年は観葉植物に、医者は道具として扱う二人。
新たな愛玩対象を探す為、彼らは恥じることなく、臆すことなく、日の光の下を歩き始めた。


【F-3:市街地:一日目・朝】

【金田一一@金田一少年の事件簿】
 [属性]:正義(Hor)
 [状態]:健康
 [装備]:なし
 [持物]:デイパック、基本支給品、レイジングハート(スタンバイモード) 、風紀委員の自転車@めだかボックス
 [方針/目的]
  基本方針:……。
  0:……。
[備考] ※美雪をIsi、剣持をHorかIsi、高遠をSetと推測し、それを前提に行動しています。
      またその推測が外れている可能性も視野に入れています。
     ※レイジングハートがベルカ式カートリッジシステムになっているかはまだわかりません。後の書き手様にお任せします。
 天馬、言峰、折原といくらかの情報交換をしました。

【天馬賢三@MONSTER】
 [属性]:正義(Hor)
 [状態]:健康
 [装備]:コルトガバメントM1911A1(7/7)、予備弾倉4つ
 [道具]:基本支給品、不明支給品1~2、月の腕時計@DEATH NOTE、医薬品多数
 [思考・状況]
 基本行動方針:ヨハンの抹殺。負傷している者がいれば治療する?
 1:とりあえず、金田一を追って見守る。
 2:ニナを探す。
 3:放送の声、聞き覚えが……?

[備考]
金田一、折原、言峰といくらかの情報交換をしました。
折原臨也と、第一放送後に合流する場所を密かに決めています(H-04の舗装道)。

【竜ヶ峰帝人@デュラララ!!】
 [属性]:その他(Isi)
 [状態]:健康(高揚感?)
 [装備]:なし
 [持物]:デイパック、基本支給品、支給品1~3(本人確認済み)
 [方針/目的]
  基本方針:死にたくないけど……
  1:他の人達と協力していく。
  2:言峰さんが信用できない。
  3:ヨハンに興味?
[備考] 少なくとも原作6巻以降のいずれかより参戦
    金田一、天馬、言峰といくらかの情報交換をしました。



【G-3:市街地:一日目・朝】

【折原臨也@デュラララ!】
[属性]:悪(Set)
[状態]:健康
[装備]:メス(コートの隠しポケットに入っている)
[道具]:基本支給品、セルティの首、属性探査機、属性電池(Isi)属性電池(Set)
[思考・状況]
基本行動方針:実験を完遂させつつ、その中で活躍してヴァルキリーに認められ、天国へ行く。
1:Horらしき参加者を見つけ、五代達との合流を促して擬似Horによる大集団を作る。
2:Isiらしき参加者を見つけたら、人間観察がてら人間不信に追い込む。
3:Setらしき参加者に遭遇した場合、様子を見て情報収集・擬似Set集団形成促進の為に接触する。
4:属性電池を探索する。
5:ここで活躍できなかった場合の保険の為に、本ちゃんの戦争に必要な竜ヶ峰帝人はなるべく保護したい。
6:言峰綺礼とはなるべく協力関係を築いていきたい。
7:テレビ局に向かい、Setの参加者の下見をする。

[備考]
登場時期は原作2巻終了後。
吉良吉影と、第一放送後に合流する場所を密かに決めています(H-04の舗装道)。
金田一、天馬、言峰といくらかの情報交換をしました。
言峰綺礼より、更にいくつかの情報を得ました。



【言峰綺礼@Fate/stay night】
[属性]:悪(Set)
[状態]:健康
[装備]:なし
[持物]:デイパック、基本支給品、支給品0~2
[方針/目的]
  基本方針:?????
  1:他の者と今後の行動方針について話し合う。
  2:テレビ局に向かい、Setの参加者の下見をする。
  3:折原臨也とは、なるべく協力関係を築いていきたい。
  4:天馬たちと合流後、竜ヶ峰帝人を観察する


[備考] 出展時期は他の人にお任せ。
金田一、天馬、折原といくらかの情報交換をしました。
    原作二巻当時における竜ヶ峰帝人の情報を得ました。多少臨也の主観混じり(?)



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投下順で読む


悲秘喜奇交交イン・ホスピタル 金田一一 [[]]
天馬賢三 [[]]
竜ヶ峰帝人 [[]]
折原臨也 [[]]
言峰綺礼 [[]]




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