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正義戦隊ゴ12th 第五話 熱烈歓迎新たな仲間! ◆GOn9rNo1ts




『正義が必ず勝つんじゃない。勝ったものが正義なんだよ』



◇ ◇ ◇



バットマンが出て行って、少し後。
地下空間は、思っていたよりずっとずっと静かだった。
耳を澄ましても、何処か遠くで行われている戦いの音はここには聞こえて来ない。
代わりとでも言うようにポタリと、どこからか雫が垂れる。
ちょっとした音がやけに大きく響き、思わず心音が跳ね上がる。
その時のドキドキさえも痛いほど耳に残り、僕は小さく溜息をついた。

「大丈夫、雪輝君?」

そう言った武藤まひろちゃんは、けろっとした顔をしている。
明るく、表情豊かに僕に話を振ってくれる彼女の存在が、今はなにより有り難い。
『殺し合い』の舞台の隅っこでたった一人きりで待っているよりも、何倍も楽な気分だった。
情けない。本来は男である僕の方が気概を見せなければ行けないというのに。
だけど、自分の臆病さをこの場で嘆いていても仕方ない。
携帯を見ると、時刻は5時44分。
もうすぐ放送だ。メモや名簿を取り出そうとデイパックに手をかける。

……知らず知らずのうちに、手が震えていた。

「まひろちゃんは、さ」

「どうしたの?」

「怖くないの?」

言うまいか迷っていた思いを、吐き出した。
僕に習うように自分のペンを取り出したまひろちゃんに、問いかける。
放送。彼女はその意味をきちんと理解しているのだろうか。
誰が死んだかを知らされる、ということは、つまり。

「もしかしたら、もしかしたらだよ?」

「自分の大切な人が……死んでる、かもしれないんだよ?」

「…………」

「僕は、正直言って怖いよ」

我妻由乃。
色々あった。本当に色々あったけれど、彼女は僕の恋人だ。
幾度となく僕の命を救い、敵対する未来日記所有者を返り討ちにした最強の少女。
それでいて、僕なんかを怖いくらい好きで、愛してくれている、彼女。

「死ぬなんてありえない、なんて、言えない」

死ぬなんてショッキングな出来事が画面の向こうでしか起こらない、なんて幻想はここに来る以前からなくなっている。
殺人鬼に襲われたりテロリストに襲われたり猟犬に追われたり……どうして自分が生きているのか不思議なくらいなのだ。
我妻由乃がいなければ、何度死の運命に食い潰されていた事やら。
そんな僕にとっての生命線、由乃でさえも、まだ生き残っていると断言することは出来ない。
彼女のことだ。僕を探すのに必死で、他の人のことを蔑ろにしている光景が簡単に目に浮かぶ。
厄介事に巻き込まれているか、恐らく高確率で厄介事を巻き起こしている。
……考えたくはなかったが、僕のため、ご褒美のために積極的に殺しに走っている、なんてこともあり得ないわけではない。
彼女が他参加者と争いになる、なんてのは火を見るより明らかだった。
そして、この場には悪魔将軍のような化け物やバットマンのような戦い慣れた玄人も参加している。
いくら由乃が強いと言ってもそれは普通の人間を相手にしていた場合で、上に上げたような人達と対峙して無事でいられる保障はない。
死んでいても、おかしくないのだ。

「ごめん、こんなこと言って、でも」

由乃を失う、なんて想像をすると胸が張り裂けそうになる。
絶望。ドドドドと押し寄せる感情に抗う術もなく呑み込まれそうになる。
想像しただけでもそうなのだ。もし現実になったら、僕は一体どうなってしまうのだろう。
死んでも生き返らせれば良い、なんて簡単には言えない。
既に僕たちはデウスの許から別の人間の掌に移ってしまっている。
この実験を主催した人物が死人の復活を出来る、なんて保障は何処にもない。
それどころか、由乃なしで僕はこの実験を生き延びることが出来るのだろうか。
溢れ出す不安。止めどない恐怖。
今まで由乃に頼ってきたツケが回ってきたのだろう。自業自得だ。
僕は、いつになく不安定だった。参ってしまっていた。
出会って間もないまひろちゃんに、本音を漏らしてしまうほどに。


「大丈夫だよ」


だから。
彼女の真っ直ぐな言葉が、眩しかった。


「雪輝君の大切な人も、私のお兄ちゃんも、生きてる。きっとそうだよ」

「でも、もしかしたら……」

「雪輝君は、その人のことを信じてないの?」

「そ、そんなことないけどさ」

「じゃあ、一緒に信じよう!信じる者は救われるっ!」

一人で駄目なら二人で信じよう。
そう言いながら僕の近くにやってきて、ぱっと手を繋いでくれた。
思わず握り返す。ぎゅっと握られた両手は、暖かかった。
ぶんぶん元気に手を振る彼女の顔に、不安が全くなかったとは断言できない。
彼女の指から震えを感じなかったといえば、嘘になる。
彼女だって、怖いのだ。怖いに決まってる。
大切な人を失うかもしれないのだ。怖くないわけがない。
だけど、恐怖を乗り越え希望を持とうとする強い意志。
それは、大人ぶった理屈で壊してはいけないと思った。

「……うん、そうだね」

近くで見るまひろちゃんは、思っていたよりずっとずっと可愛かった。
くりくりと輝く両目は、小動物を思わせる。リスのようだ。
化粧っ気のない素肌が、健康的でさっぱりとした清涼感を感じさせた。
笑みを形作る桜色の唇に、思わず心臓が跳ねる。
服の端から、年相応に丸みを帯びた女の子の身体が見え隠れする。

何故か、手に汗が滲む。

「どうしたの、雪輝君?顔真っ赤だよ?」

「な、なんでもないよっ。それより、放送の準備準備っと」

胸を張って言えることではないが、僕はその、所謂女の子経験に乏しい。
由乃に(恐ろしいまでの)アプローチをかけられるまでは、ラブレター一つ渡すのにも必死だったのだ。
そんな僕が、二人きりの状況で、両手を握るくらいの至近距離で女の子と見つめ合うのは……少々キャパシティを超えたいた。
気まずさをまぎわらせるために、手を離してわざとらしく視線を右往左往させる。
そんな僕の様がおかしかったのか、クスクスと笑うまひろちゃん。

ああ、恥ずかしいっ。

「あ、あのっ!ところでさ!」

「なあに、雪輝君?」

少しでもこの方向性を変えようと、話題を作る。

「まひろちゃんは……未来は変えられると思う?」


さて、それでは。


本題に移ろう。


「未来を変えるって……私達が頑張れば、嫌な未来を変えられるよ、ってことかな?」

むー?と首を傾げ、少し考え込むまひろちゃん。
突然、今までとは関係ない話題を振られたのだ。混乱するのも無理はないだろう。
その混乱が「本当のこと」ならばだが。

「いや、そういうことじゃなくって……まひろちゃんって未来予知とか信じるかな」

「占いとかのこと?……良いことは信じるし悪いことはあんまり信じたくないかな」

反応は薄い。これといって変化もなく、普段通り。
目も泳いでいないし、自然体そのもののまま会話を続けている。
どこからどう見ても、普通の女の子のまま。
やはり杞憂だろうか。思い過ごしだろうか。

彼女が「未来日記所有者だ」なんて。

勿論、根拠もなくこんなことを考え始めた訳じゃない。
僕なりの考え、筋道だった理屈があってのことなのだ。

バットマンを担いでえっちらおっちら歩いていた、あの時。
僕の未来日記、無差別日記がノイズを漏らしながら「未来を変えた」
簡単に説明すると、未来日記の未来を変えることが出来るのは同じ所有者だけ。
つまりあの時、所有者の誰かが未来を変化させたことになる。

由乃が「雪輝日記」を使い、僕のもとへとやって来るのか?
それとも、雨流みねねがまた僕を殺しに来るのか?
はたまたあの変態、平坂黄泉がこちらに迫ってくるのだろうか?

正直、どれもまずかった。
由乃は間違いなく「そんなコウモリ男に構ってないで私と一緒に行こう!」と言ってくるだろう。
それを断ってしまえば、下手をすると「障害」であるバットマンを排除しかねない。
みねねだった場合は最悪で、こちらが殺されるのも時間の問題となっていたかもしれない。
黄泉の場合は、全く予想が出来ないぶん、ある意味一番対処に困る。
誰が来ても、状況が悪くはなれど良くはならない。
そんな状況だったのだ、あの時は本当に冷や冷やした。

だけど、変わった未来は「見知らぬ女の子が走ってくる」というもの。
それがまひろちゃんだったわけだけど、つまり一体どういう事だろう。

まず第一に考えたのは、彼女が僕も知らない所有者である、ということ。

絶対にあり得ない、とは言い切れない。
選ばれた12人ではなくても、8thの孫日記所有者という可能性もある。
もしかしたら、支給品の中に未来日記があったのかも知れない。それならまだ良いのだが。
いずれにせよ、僕は所有者という可能性に少々神経過敏になっていた。
彼女は僕を騙して利用するつもりなのではないか?
あるいは、僕が油断する瞬間を虎視眈々と狙っているのではないか?
ここに来る前の、デウス《神》による所有者達のサバイバルゲーム。
そこで何度も裏切られて、死にかけて。僕はもう、誰も疑わない人間ではいられなくなった。
信じたい、だけどこちらも命がかかっている以上、そう簡単にはいかない。
モヤモヤした気持ちを抱えたまま、僕はまひろちゃんと行動していた。

でも、僕なりに感づかれないよう彼女を観察してみても、やましいところは何一つ無いように見えた。
先程の質問、核心的な問いにもまるで反応が無く、拍子抜けと言わざるを得ない。

ならば、やはり第2の可能性。
「主催者がそういう細工をした」と考えるのが、筋が通っている。
他参加者のちょっとした気まぐれなどで、未来が変化する。
そういう風に未来日記を作り替えたと考えれば説明はつく。
ゲームマスター側がどれだけの技術力を持っているかは知らないが、少なくとも町の一つや二つを支配下においてしまうヤツなのだ。
デウスのような、得体の知れない力を駆使して未来日記を改造出来たとしても、なんらおかしくはない。
若しくは、デウス本人が一枚噛んでいるか。あの神がそう簡単に出し抜かれるとは思えないし、そっちの方が説得力がある。

「いや、変なこと聞いてごめんね。何でもないんだ。ただのどーでもいい話」

大丈夫。彼女は所有者じゃない。そう自分に言い聞かせる。
だいたい、僕を狙う所有者だとしたら、彼女が見せてくれた拳銃で僕はとっくに殺されている。
主催者が僕の疑心暗鬼さえ計算していたとすると、見事にしてやられたと言わざるを得ない。
だけど、もう懸念は消えた。まひろちゃんはかけがえのない僕の仲間だ。
……少なくとも、お互いのグループがHorとSetでは無い限りにおいて、だけど。
今まで猜疑の視線を向けていたのが申し訳なくなって、頭を下げた僕を、まひろちゃんは。


「変な雪輝君」


無差別日記が、更新される。



『武藤まひろの知り合いがやって来た』


◇ ◇ ◇



暗い暗い空間があった。
ところどころに備え付けられている明かりが、チカチカと小さく己の存在を主張する。
見る者もいない電光掲示板が、薄い緑の光を発していた。
『AM 12:08』
深夜遅く。道端には、終電を逃した酔いどれサラリーマンも、夜はこれからと言わんばかりの厚いメイクを施した女もいない。
それどころか、がらんとした世界には人っ子一人見えない。
もっと言えば、人間の気配そのものがない、と言ったところか。
ちらほらと見える居酒屋やバー、24時間営業をモットーとするコンビニエンスストアにさえ、人類は存在していなかった。
生物が綺麗さっぱり死に絶えた、と見えるそんな場所に異物が二つ。
いや、二人。
何処とも知れぬ街角で、痩身の男と、年端もいかぬ少女が向き合っている。

異常だった。

何が異常かと言えば、コンビニ店員さえいないこの空間に人間がいることそのものがおかしい。
普通とは違う状況に普通が紛れ込んでいる。それは、普通ではなくて異常と呼べる。
それだけでなく、二人の雰囲気もどこかいびつだった。
禁断のデートの真っ最中と言うほど浮き足だってもいないし。
かといって、子供の夜遊びを咎める大人、というほどガビガビした空気でもない。
敢えて言うならば、そう。
影に潜み顔もよく見えない陰気な男と、惚けているような顔をした少女は。

ドラッグの密売人と、買い手のような。

怪しい宗教勧誘に引っかかった、典型例のような。

そんな、怪しい雰囲気。

男が気怠げに口を開く。
訥々と、少女のこれからの業務内容を報告し始める。
彼女の方はと言うと、口を挟むこともなく淡々と男の言葉を脳裏に刻み込んでいた。
落ち着きのある、というより、落ち着きしかない、とでも言えばいいだろうか。
話を聞く、以外の行動を忘れきってしまった体である。
肯定の言葉以外を許されていない風である。
機械のように、ロボットのごとく、必要な情報をプログラミングされていた。

「君はただ、多くの仲間を作ればいい。出来る限り沢山。見知らぬ人間でも救ってあげなさい」

「はい」

「ただし、君は誰かに言われてそうするのではない。自分の意志でそうするんだ。
君は優しい娘だ、まひろちゃん。きっと君はいっぱい友達を作るんだろうね」

「はい」

「その友達を、今度私に会ったら是非とも紹介してくれたまえ。
その時を楽しみに待っているよ。それでは」

「はい」

「君は、次に私に会うまで、私に会ったことを忘れる。良いね」

「はい」


そうして。
男が耳にしていたボイスレコーダーから、音が漏れる。
彼は影のように闇に紛れてその場を立ち去り、少女だけが残された。
彼女が深い深い沈黙を発して、数分後。




「……あれっ?わたしは何を……」




◇ ◇ ◇



「タイムリミットハ一時間、カ」


午前6時。
放送を聞き終わった平坂黄泉は、頭の中の予定表を確認する。

まずはこの先で行われている戦いに介入し、悪を滅する。
その後、一時間後に禁止エリアとなると思しきこの周辺から迅速に離脱。
最後に、みねねが待つ511キンダーハイムへと向かう。
放送の時に行われたいざこざ、賀来とテンマの争いも気になるが、まずはこの三つを確実に達成しなければ。

「確カニ、キンダーハイムヘト続ク橋は禁止エリアカラ外レテイルノダナ?」

ゆらりと小さな影が首肯する。
武藤まひろは、いつもの明るい表情をのっぺりと削ぎ落とし平坂黄泉の問いに答えていた。
その様はゾンビか、はたまた操り人形か。瞳に映るのは暗い下水道。
隣に佇む天野雪輝も、似たり寄ったりの顔を貼り付けて静かに黄泉の指示を待っていた。

「ソレデハ行クゾ、ピンク、グリーン」

黄泉がすぐに戦闘の現場に向かわなかった理由。
一つは、戦力の補強のため。
何の策もなく馬鹿正直に突っ込むなど馬鹿のすることだ。
黄泉は犬死など望んではいないし、未来日記のDEADENDも軽視しない。
一人で行っては死ぬ。それでは二人ではどうか?三人では?
数は力だ。火は一つ一つでは小さいが、合わさると大きな炎になる。
黄泉は、御目方教の時の経験を生かす。彼は勝利のために一切の努力を惜しまない。

二つめの理由、それは、これから行われる放送で禁止エリアが発表されるからだ。
大前提として、黄泉は目が見えない。これは、禁止エリア関連の事柄について、大きく不利に働く。
みねねからある程度の説明は受け、待ち合わせ場所であるキンダーハイムの位置はなんとなく掴んでいるが、黄泉が会場全体を把握するにはほど遠い。
今ここにいるエリアは本当に正しいのか、もしかすると自分は思いもよらぬ所にいるのはないか。
正義を成す前に首輪が爆発してお陀仏では、お話にならない。

つまるところ、黄泉は彼をサポートする仲間が欲しかったのである。

そこで、彼は得意の超聴覚を駆使し、戦闘が行われている下水道を一旦迂回。
少しでも、ほんの少しでも勝機を増やすために、人の気配がする場所にやって来た。
辿り着いた先にいたのは、同じ未来日記所有者である1st、天野雪輝。
そして、彼が数時間前に『仲間にしておいた』武藤まひろ。
こんなに早く再会するとは思わなかったが、彼女を上手く利用し雪輝も『仲間にする』ことが出来た。
駒は、勝手に動かれるよりもこちらで管理しておいた方が良い。
黄泉は、御目方教の一件よりイレギュラーを何よりも恐れていた。

『私ハ正義ヲ為シテイル。私ノ勝利ハ確約サレタ未来ナノダ。ソウデナクテハナラヌ。
ソノタメニハ、正義ノタメニハ、私ハ手段ヲ選ンデナドイラレナイ……ソウダロウ?』

彼の独り言に対し、正義日記は何も語らない。
果たしてDEADENDは回避できたのか。自分の選択は正しいのか。
黄泉の正義に関してしか語らないソレは、酷く使い勝手が悪いものだ。
さらに、主催者からの制限により、他の未来日記と同じく正義日記も改悪されている。

例えばそう、「何度も同じ記述を聞くことが出来ない」といった風に。

他の未来日記所有者ならばこうはならなかっただろう。
例えば、雪輝や由乃の携帯ならば、書き換わる未来を見ることで己の死を回避できたかどうか分かる。
もっといってしまえば、黄泉以外の所有者は自身の目でもってDEADENDの消滅を確認することが出来る。
液晶画面だろうが巻物に書かれた文字だろうが、それが消える、という確かな証拠を認識する。
しかし、全盲の黄泉が頼ることの出来るのは「音」のみだ。
聞こえなくなったからと言って、それが本当に消えたのかどうか黄泉に判断することは出来ぬ。
いくら常人を遙かに超えた聴覚を持ち合わせていようとも、聞こえないという事態に対応できるはずがない。
いつ訪れるか分からぬ死の宣告に怯えながら、消えたかどうか判別できぬ「分からない恐怖」に抗いながら、12thは戦わなければならない。
DEADENDは本当に消えたのか、分からないまま戦わなければならない。
それでも。

「私ハ私ノ正義ヲ貫ク」

ここで逃げてしまえば、彼はヒーローにはなれない。
正義を冠する未来日記を持つ資格などありはしない。
いくら可能性が低くても、彼は悪に勝利する義務がある。
あらゆる犠牲を払ってでも、勝たなければならない。

例え罪無き人間を洗脳し、駒として利用しようが、勝たなければならない。
それが、平坂黄泉の正義なのだから。

「急ガナケレバナ」

禁止エリアのこともそうだが、懸念は他に幾つかある。
その内の一つ。我妻由乃。
今、目の前でゆらゆらしている天野雪輝の関係者についてである。

黄泉の策を悉く破壊し尽くしたとびっきりの異常者は、黄泉の中で最高級の危険分子としてインプットされている。
放送を信じれば、残念ながら彼女はまだ健在のようだ。
あのとびきりの異常者は、天野雪輝にご執心。
雪輝を探して会場内を飛び回っているのは想像に難くない。
何処かで野垂れ死んでしまうという希望的観測を持つには、彼女の存在感は圧倒的すぎる。
己の完璧な計画を完膚無きまでに叩き潰した2ndを軽視することなど、できようはずもない。
普通の身体を持っているのだから銃で撃てば死ぬ。頭を殴られれば死ぬ。首を絞めれば死ぬ。
しかし、黄泉は彼女がそうやって死ぬところを全く想像できなかった。
そもそも、彼女が雪輝の傍にいないことがイレギュラーなのだ。
何時、いつも通りに雪輝の隣に現れるのだろうか。一日後?一時間後?一分後?
いや、この瞬間にも「ユッキー♪」と背後から顔を出しても何も可笑しくはない。
耳をすます。何者かが近づいてくる音は、今のところ聞こえない。
それでも、由乃が下水道を大爆走している様を想像し、黄泉の焦りは募る。

「ヤツガ現レル前ニ、片ヲツケネバ」

我妻由乃と接触してしまえば、自分は終わりだ。
今の天野雪輝の状態を見て取った彼女は、間違いなく激昂して自分を殺しに来る。
一切の躊躇も無しに。邪魔な石ころを蹴飛ばすように。
黄泉に操られている、と分かっている御目方教信者達でさえ、彼女は手加減無しで殺し尽くしたのだ。
操っている本人が命乞いなどで見逃してもらえるわけがない。
雪輝のコントロールをこちらが握っているというアドバンテージが、彼女の前で何になろう。
人質にとろうものなら地獄の果てまで追い詰められ、首を刈り取られる。
雪輝の命を盾に自害を命じても、黄泉が思いもよらぬ手段でこちらに噛みついてくるだろう。
頼みの心音爆弾も、あの女の前では心許ないオモチャでしかない。
雪輝を救うためなら命さえ捨て特攻してくる様が、脳裏にまざまざと浮かんだ。
危険だ。下手をすれば、黄泉の最大の障害になりかねない。
雪輝を手駒として扱う以上、何か手を打たねばなるまい。

「サテ……準備ハ整ッタ。ゴ12th、出動スル!」

雪輝とまひろの支給品を確認し、自分の持っている物と兼ね合わせ最善と思しき策を練る。
彼らに指示を与え、自らも現場へと向かわんと地を蹴った。
陽の当たらぬ世界を一人と二人が走っていく。
この先に待ち受ける悪を滅ぼすため。
己の正義=勝利のため。
死人となったはずの男と、死人も同様の顔をした少年少女達は、止まらない。止まれない。



◇ ◇ ◇



『最善を尽くしたけどそれでも足りない?それなら、最悪を尽くせば良いじゃないか』


【F-9/下水道内:朝】

【平坂黄泉@未来日記】
 [属性]:その他(Isi)
 [状態]:全身ボロボロ、肋骨を骨折
 [装備]:変態的ヒーローコスチューム(ボロボロ) 心音爆弾@未来日記 、モップの棒@現実
 [道具]:基本支給品一式、黄泉の正義日記のレプリカ@未来日記、雨流みねねのTNT時限爆弾、不明支給品(数不明)
 [思考・状況]
 基本行動方針:ヒーローらしく行動する
 1:正義とは勝つこと。雪輝達を利用しつつ、悪魔将軍を倒す。
 2:倒したら511キンダーハイムに向かう。
 3:ひとまずみねねと組み、このゲームにおける『勝利』を目指す。
 4:赤い外套の正義の味方(アーチャー)への対処は状況次第。
 5:ロビンマスクへの敗北感。
 [備考]
 ※悪魔将軍の容姿、技などを知りました。
 ※H-9、ビル建設現場の不明支給品を拾いました。数、内容は確認していません。
  基本支給品×2には手を付けておらず、目が見えていないため、取り残しがあるかも不明です。



【天野雪輝@未来日記】
 [属性]:その他(Isi)
 [状態]:左腕に裂傷(治療済み) 、黄泉が洗脳中。
 [装備]:なし
 [道具]:基本支給品一式、雪輝の無差別日記のレプリカ、不明支給品0~1、拾った工具類
 [思考・状況]
 基本行動方針:自分のグループを判明させて、同じグループの人間と共闘して勝ち残り、神となって全てを元に戻す。
 0:?????
 1:まひろと共にバットマンたちを待つ。
 2:由乃と合流…?
 3:悪魔将軍怖いっ! でも死んだのか…?



【武藤まひろ@武装錬金】
[属性]:その他(Isi)
[状態]:健康、黄泉が洗脳中。
[装備]:無し 
[道具]:基本支給品、ワルサーP99(16/16)@DEATH NOTE ワルサーP99の予備マガジン1
[思考・状況]
基本行動方針:人は殺したくない
0:?????
1:アーチャー、バットマンを待つ。
2:お兄ちゃん………
【備考】
※参戦時期は原作5~6巻。カズキ達の逃避行前。



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正義 VS 正義 平坂黄泉 [[]]
手に入らない遠き夢 天野雪輝 [[]]
武藤まひろ [[]]




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