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殺戮の黎明、岩におおわれた境界(はてし)ない  ◆2RguXBg.P2




松田桃太は、東へ歩いていく。


アイビー――ああ、麗しのアイビー――は、指すらもひとつの生き物のように悩ましげに動かす。
地図の「ゴッサムタワー」を指して、その周囲が恐らく彼女の元々の根城、ゴッサムシティの一部レプリカだと唇が告げる。
そしてまずはここを目指すように命じた。
レプリカであろうと何だろうと、バッツ——バットマンが現れるのはあのイカレた愛すべき街、ゴッサム以外にありえないからだ。
ついでに511キンダーハイムとやらを調べれば言うことなし。
人が集まるのはどこだ? 街だ。施設だ。
あとは相手が役に立つかどうかだけ。
——頼んだわよ、マッティー。
何と艶めかしい声だっただろうか!


松田桃太は、東へ歩いていく。


巴にある程度先行させ、誰かがいるのを感じたら伏せ(ステイ)するように命じたのだが、巴の足並みは止まらない。
——だけどアイビー、出来るならすぐにでも君のフェロモンを辿らせてその腰に触れたいよ。
迂回するようなルートを取ったのは、移動距離が長い方が人を見かけるだろうという考えもあったが、個人的に調べたいこともあったのだ。

——個人的に調べたいこと。

その存在自体が、アイビーのフェロモンが弱まっていることを示していた。
しかし今の松田にとってはそれもアイビーのため。
軽い二律背反。


——これは、世界の果てへの挑戦だ。
意味ありげに区切られた世界。その果てには何があるのか?
そしてその向こう側には?
それは小さな、お伽話。

世界の果てでは、ただ1つの扉だけが向こう側とこちら側を結んでいる。
しかし扉を守る衛士たちもその扉が何なのか知らずにいる。知らなくても彼らは生きていけるのだ。
だが向こう側にはミノタウロスという怪物がいるという伝承があり、多くの勇士――或いは愚者は姫に見送られ、怪物を倒しに向かうのだ。
今思えば姫の物憂げな態度もアイビーに似ている気がして印象的だ。
果ての向こうで惑っても、アイビーの香こそアリアドネの糸。
糸を辿れば思考の迷宮も現実の迷宮も愛と共に抜けられるだろう。
愛しいアイビーの手によって。


松田桃太は、辿りついた。


ここから数メートルで【D10の東端】のはずだ。
確かに景色はその向こうにも繋がっているが、水面のような、水銀のような、硝子のような揺らぎが見える。

「巴、ここで座って、僕がダメだったら、この手紙をアイビーに届けるんだ」
それにはLや月、保護対象であろう夜神粧裕の情報、そしてキラの恐るべき能力が綴られていた。
キラの名は名簿になかったが、この会場に本名で呼ばれていないとは限らないのだ。
――流石に吉良吉影でキラ、などということはないだろうが。
森を思ったより安全と見て、明かりがわりの【ハーレイ&アイビー】のDVDを流し見しながら書いた――松田としては割と気に入ったが、真面目に見る気にはなれなかった――見知らぬ誰かに渡すための、形ばかりの遺言書。
渡す相手が出来ただけでも、アイビーと逢えて良かった。
巴は意味が分かったのか分かってないのか、松田の瞳を見つめている。
『あなたも今までと同じでしょう』お伽話の姫。けだるそうなアイビー。
「……君のキスのおかげなのかな。負ける気がしないよ」
ニヤリと笑い両手を伸ばしじりじりと進んでいく。
アリアドネの糸はこの手にある。ならば恐れることはない。

両手が境界に触れた瞬間、空気の塊に触れたような気がした。


松田桃太は恐れず進み、そして――――




――――光もかくやという速度で巴の首に縋りついた。


「く、く、くく、首輪! ――あ、鳴りやんでる」

何ということはない。“世界”の外は禁止エリアの一種で、首輪が警告音を発したのち爆破するようになっていたのだった。
『会場から逃走しようとした場合、首輪を爆破する』というルール通りに。
警告といくらかの猶予を与えるだけ、主催者は理性的と言えよう。

お伽話の続き。
“向こう側”へ出たものはアリアドネの糸の意味も自分の名も忘れ、迷宮を惑い、いつしかミノタウロスと呼ばれた怪物と同化してしまうのだと。
そして、“こちら側”でもその者の存在全てが忘れ去られるのだ、と。


松田桃太は、拳を握る。


「主催者がいるかもしれないけど、ここは諦めよう。ああ、初めからアイビーの言う通りにしておけば良かったんだ」
巴の温もりを感じながら己に言い聞かせる。
――――そういえば犬笛を首にかけたままだった。
この犬笛も託さなければ、アイビーは巴を制御できない。
「だから僕は間抜けとか言われるのかな……ごめんよ、アイビー」
遺言書を回収し、再び巴に前進を命じた。
しかし巴は動かない。じっと『ステイ』の態勢を取っている。
呆気に取られた松田は数秒後、ようやく自分の与えた命令を思い出した。

誰かいたら、伏せて合図しろ。

そしてその“誰か”が松田にも見えた。
大きな歩幅でみるみるうちにその姿が大きくなる。


「五月蝿いと思ったらくたびれたサラリーマンにデカい犬か……やれやれだぜ」


サラリーマンじゃない、刑事だ、と言おうとしたが口が動かない。
刑事として相手をしてきたチンピラとはまるで違う。
それがこの男——空条承太郎の圧倒的な存在感だった。



松田桃太は――――――




【D-10/東端の山地:黎明】
【松田桃太@DEATH NOTE】
 [属性]:その他(Isi)
 [状態]:健康、アイビーのフェロモンにより魅了 (?)
 [装備]:背広と革靴
 [道具]:基本支給品一式、ジョーカーベノムガス噴霧器@バットマン、巴の笛@MW、松田桃太の遺言書
 [思考・状況]
 基本行動方針: 謎を解き、実験を辞めさせ、犯人を捕まえる。
 1:目の前の男をどうにか……出来るのか!?
 2:アイビーに従い、ゴッサムシティを目指す。
 3:アイビーに従い、役に立つ人物(L、月、バットマンなど)を集める。
 4:アイビーに従い、子ども達を助け、或いはアイビーの元へ連れて行く。
 5:アイビーの忠告に従い、ジョーカーに注意!
 [備考] おそらく、月がキラの捜査に加わってから、監禁されていた時期を除く、ヨツバキラとの対決時期までの何れかより参戦。
※松田桃太の遺言書
刑事としての習慣か、つい書いてしまった遺言書。
メモ用紙に短い定型文とL、夜神月・粧裕、そしてキラについて彼が知ることをだいたいまとめた手紙。
情報として役立つかはそれを読む人物による。


【空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険】
 [属性]:正義(Hor)
 [状態]:健康 怒り
 [装備]:なし
 [持物]:基本支給品、不明支給品1〜3、511キンダーハイムの資料、コルト・ニューサービス@バットマン
 [方針/目的]
  基本方針:許せぬ「悪」をブチのめす
  1:仗助を見つけて合流する
  2:吉良吉影、DIOは見つけ次第殺す
  3:金髪の少女を警戒
 [備考]
  参戦時期は原作四部、少なくとも吉良吉影が殺人鬼だと知った以降。

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TAKERU and Ivy:Matty the Dog. 松田桃太 この世界に反逆を開始せよ
.詳細不明 空条承太郎







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