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闇を斬り裂く一筋の光◆g6OWhu634E





殺し合い。
メロはこの殺し合いの会場に訪れてすぐに、支給品の確認を行った。
この殺し合いはグループに分かれての殺し合いである。
制限時間は48時間。
メロはこの状況下において、行動方針はすぐに決定した。

「とりあえず殺すか。どのグループにせよ、大半を殺せば流石に勝利条件は満たすだろ」

現状ではグループの把握のしようが無い以上、それがメロの方針である。
また、時間をあまりかけたくないというのも本音であった。
長きに渡り世界を騒がせているキラ事件。
キラの正体を掴む重要な事件の中で、捜査の中心である自分が長期間抜けるのは許される事ではない。
それゆえの結論でもある。

「しっかし、銃が無いのかよ。まあこれでもないよりはましか」

メロはナイフを手に取り、夜の街を駆ける。




武藤まひろは動揺を隠せないでいた。
手にあるのは一挺の銃。
ワルサーP99。
弾装には16発の銃弾が収められている。
またデイバックには予備のマガジンが一つ。
計32発の銃弾を発射出来る状況にまひろはいた。
もしもまひろが育った国が、イスラエルやスイスであるならばこのような動揺はしなかっただろう。
目の前にある銃にしても、一家の一つの家庭用品と同じ感覚で目にしていれば、改めて渡されても特に大きな感情は持たない。
だが、まひろは日本人だ。
生まれも育ちも日本である。
だから当然のごとく、本物の銃を目にし、手にした事などこれが始めてである。
ゆえに動揺も強い。
走ったわけでもないのに、脈拍数も非常に高まっている。

「どうしよう。私……こんなのどうしたら……」

そして、まひろは自分の手の中にある銃の扱いに困っている。
扱ったことが無いし、当然撃つのも躊躇われる。
俗説では銃を女子供が撃てば、反動で肩が外れるというのがある。
もちろん、最近の銃は反動もある程度抑えられているので、よほどの虚弱体質かおかしな姿勢で撃たない限りそのような事は
起こりはしないのだが、そんなことも当然知らない以上、まひろは銃を試し撃ちすることも難しい。

「とりあえず……バッグの中に入れたほうがいいよね」

まひろは一度、銃をバッグに戻す。
やはり、自分が使えそうに無いのなら、手に持たない方がいいという判断か。
だが、そこでまひろは目の前に一人の男がいることに気付く。

「あっ!えっと……始めまして、まひろです。大変ですよねいきなりこんな事に巻き込まれて」

まひろは目の前の男、メロに挨拶をする。
だがメロは決して答えない。

「?どうしたんですか」

まひろはいぶかしげにしつつも再び問いかける。
ここで、まひろの悪い所が出てしまっている。
まひろは、人見知りをしない少女である。
そして、天然ボケでもある。
もしまひろが、一貫して普通の臆病な少女であればこの明らかに殺意を出しているメロにもっと早く気付き、
逃げおおせたかもしれない。
でもまひろは違う。
普通の少女であるが、明るく人懐っこい面がある。
だから、メロの殺気をギリギリまで感知出来ない。

「どうし……きゃっ」

まひろはメロに近づき、そして眼前をナイフが通過する。
いや、咄嗟に腰を引いたのが幸いしたのが、ナイフはまひろを傷つけることなく目の前を通過した。

「ちっ」

メロは一つ舌打ち。
そして返す刀でまひろの首にナイフを繰り出す。

「きゃっ、…………いやああぁぁぁっっっ」

まひろはデイバッグをメロに投げつけ、そのまま走って距離をとる。

「なっ、なんで。わっ、私は殺したりなんてしないよ!」

まひろは必死で自分の攻撃性の無さを訴える。
だがメロは聞いていない。
このような状況では、殺せる時に確実に殺す。
それがメロの方針である。
だからまだ混乱や動揺で心を落ち着けていないうちに、明らかな弱者で場慣れしていない素人を殺すのは
極めて大事な事である。素人であれば、動揺しているうちなら楽に殺せる。
しかし、時間が経って精神を落ち着け複数でつるむようになれば殺すのは困難である。
ましてや、メロは銃を持っていないのだからなおさらである。
メロはまひろに向かい全速力で駆け出す。
今は、まひろはバッグを投げつけたので丸腰である。
だから、もうまひろを守る物は無い。
メロの凶刃がまひろに迫っていた。

アーチャーは一人、思案していた。
このゲームは、一件すると三つのグループはどの条件も困難なようでいて、その実は大きな乖離がある。
一番楽なグループはIsiである。
48時間生存で生き残れる。また、他の二つのグループIsiを殺す必要は無い。
だからこのグループは楽である。
そして次に比較的楽なのはHorである。
このグループは極論でいえばIsiとさほど差はない。
Setを全て殺すか、Isiを一人でも生かせばいい。
つまり、Isiが一人以上生存していればHorの条件もIsiと同義となるわけである。
最もSetに命を狙われる危険はあるが。
そして、Set。
この組は一番厳しいグループである。
Horを皆殺しにしない限り勝機は無い。
つまり、戦闘を常に仕掛ける必要に迫られるわけである。
最も、それは自分がどのグループかを把握していればの話ではあるが。

「自分がどのグループかわからない以上、無闇な戦闘はさけるべきか。出来ればSetで無い事を願うが………今更
生き延びる為だけに殺す必要も無いか」

アーチャーはそんな事を呟く。
最も、サーヴァントである以上、戦闘を臆しているわけではない。
しかし、無駄に殺す必要も無い。
あの凛との再会、奇跡的なエミヤシロウとの邂逅。
そして聖杯戦争。
あの記憶を自分が持っていることも不思議だが、何か憑き物が落ちたような落ち着いた表情を赤い外套の騎士はしていた。

「きゃっ、…………いやああぁぁぁっっっ」
「んっ?」

そこでアーチャーにある女性の悲鳴が届いた。
闇を切り裂く可愛らしい少女の悲鳴である。

「行くか」

アーチャーは、両手に干将・莫耶を投影し、悲鳴の元へと駆ける。
その時に一瞬、通常よりも若干のタイムラグと疲労感を感じたが、アーチャーは気になどしない。
ただ早急に、悲鳴の元へと急ぐのみだ。

既に勝負は決していた。
否、正確に言えば勝負など出会った瞬間についていた。
そしてこれは、その最後を飾るだけ。
武藤まひろは路上に尻餅をついて倒れ、その上にメロが仁王立ちをしている。
右手はナイフを逆手に持ち、まひろの脳天にナイフを振り下ろす。
それで勝負は終わる。

「いっ、いや」
「死ね!」
「いやあああぁぁぁぁっっっ、お兄ちゃんっっっ!!!」

ナイフが今、まひろの脳天へと向かい――――――

「悲鳴を聞いて駆けつけてみたら………見苦しい!!」

―――――突如として現れた一本の剣により払われた。

「ちっ!」

メロは疾風のように現れた赤い外套の男に距離をとる。
メロの本能がこいつは危険と感じたのだ。

「殺し合いに乗っているか。なるほど。合理的だ。私も殺し合いでただ勝者になるだけなら、君と同じような
方法を取っていただろう。しかし……私らしくもないが……たまには少女を助ける酔狂な真似に興じるのも悪くは無い」
「なにを言ってやがんだ!」

メロはアーチャーを睨みつける。
だがアーチャーは飄々とした姿勢を崩さない。

「簡単な事だ。私もたまにはバカを……そうだな。『正義の味方』というものを再びやるのも悪くない。
そのような心境にあるだけだ」
「そうかい」

メロはアーチャーの言葉を聞き流しながら思案する。
目の前の男は両手に武器を持っている。
そして背後には弱い女がいる。
男の方を殺せば、女はフリーパスで殺せる以上、支給品は三人分が手に入る。
当然、銃火器を入手出来る可能性も高い。
だが、目の前の男は強い。
正攻法で仕掛けるのは愚かな事だ。
しかし……正攻法以外が戦い方ではない。
むしろ、不意討ちを絡めて相手を仕留める。
それこそがメロの真の戦い方である。

「はっ!」

メロは手に持ったナイフを投擲する。
実はメロが持っていたナイフはスローイングナイフである。
つまり本来は持って刺すのではなく、投げて刺すのが真の用途である。
そしてメロはナイフの扱いは決して苦手ではない。
むしろ厳しいマフィアで生き抜く過程では様々な武器の扱いにもなれる必要があった。
そして、ナイフを正確に素早く投げるのもその必要要素の一つだ。
メロはほとんど無駄の無いモーションから鋭く速く、ナイフを投げた。

「はぁっ!」

アーチャーが右手の双剣干将でナイフを弾く。
そしてその隙、メロは隠し持ったダガーナイフを左手に持っている。
そして両者は向かいあっている。
つまり、『アーチャーがスローイングナイフを弾いた身体の右側は今、完全に死角であり、メロの左手はその死角を
完全に狙える位置』にあった。
この条件があれば、後の作業はあまりにも簡単だ。

(死ねっ!!)

この瞬間、アスファルトが一人の男の鮮血により、真紅に染まる。

「愚かな男だ」

アーチャーは、頚動脈を切られ大量出血によるショック死を迎えた一人の男の遺体を前にそう呟いた。
メロの策は完全に正解だった。
隙を作り、死角を狙う。
普通の人間であれば、確実に仕留めていた。
『普通の人間』であれば。
アーチャーはメロ以上に幾度もの死線を潜り抜けた男である。
だから、直感でメロが隠し持っていたナイフを読み、間合いに入った瞬間、有無を言わさず左の双剣莫耶で首筋を切り裂いた。
それだけのことである。
つまり単純な場数の差が明暗を分けたのだ。

「さて、君は……」

アーチャーは事が済み、背後の少女へと振り返る。
だが、少女はアーチャーが振り返っても表情一つ変えずに呆然としている。
どこか目の焦点があっていない。

「大丈夫か!?」

アーチャーは思わず目の前の少女に駆け寄る。
しかしその時、グラリと少女の状態が揺れ、そのまま倒れこむ。

「……見たところ傷は無い。恐らく大量の血しぶきに中てられたか。無理もない」

アーチャーは少女の身体を調べ無事な事を確認し、その後バッグからタオルを取り出した。
少女の体液で濡れてしまった下半身を優しく拭いていく。
スカートとショーツも濡れてしまっていたが、まさか男であるアーチャーが脱がせるわけにもいかないので、
服装はそのままにしている。
目が覚めたら、自分で着替えられるだろう。

「行くか。当面は目につく限りの弱者を救うしかないが……愚かな行為に走る物が少ない事を願うか。……ふっ、
私らしくも無いな。いや、私らしい……のか」

アーチャーは自嘲のような笑いを浮かべながら少女、武藤まひろを優しくお姫様抱っこで抱きかかえながら街を歩いた。
その姿。そしてこの行動。
それはかつての彼の生きていた頃の理想と重なっていた。


【I-9/市街地:深夜】

【アーチャー@Fate/stay night】
[属性]:正義(Hor)
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、不明支給品1~3(未確認)
[思考・状況]
基本行動方針:目に映る限りの弱者を救う
1:当面はこの少女(武藤まひろ)を守り抜く。

[備考]
登場時期はUBW終了後(但し記憶は継続されています)
投影に関しては干将・莫耶は若干疲労が強く、微妙に遅い程度です。
他の武器の投影に関する制限は未定です。
名簿を見ていません。


【武藤まひろ@武装錬金】
[属性]:一般(Isi)
[状態]:気絶
[装備]:無し スカートとショーツが濡れている。
[道具]:基本支給品、不明支給品0~2(確認済) ワルサーP99(16/16)@DEATH NOTE ワルサーP99の予備マガジン1
[思考・状況]
基本行動方針:人は殺したくない
1:死にたくない
2:お兄ちゃん………


【メロ@DEATH NOTE 死亡】

【残り Hor:17名 Set:17名 Isi:24名/58名】



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実験開始 メロ 死亡
実験開始 アーチャー 夢の続き
実験開始 武藤まひろ








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