「記憶の欠片」(2010/10/23 (土) 00:03:06) の最新版変更点
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*記憶の欠片 ◆EHL1KrXeAU
地図中央にあるコロッセオ。
そこを目指しながら2人の男が歩いていた。
「あっ町が見えてきましたよ。もうすぐです。がんばりましょう。」
普段から歩きなれているのだろうか、夜道だというのにやたら軽快に歩く青年は言った。
「五代くんは冒険家だったね。さすがにサバイバルに慣れている動きだね。」
「はい。最近はちょっと色々あって冒険には行ってないんですけど…」
何か事情があるのだろうか。色々の部分に質問しようとしたが
そういうところを深く追求しないのが平穏に生きるコツであるのを体で覚えている吉良はそこに触れなかった。
「そういえば、2000の技ってのが名刺に書いてあったね。若いのにすごいね。
しかし、なんで2000の技を覚えようとしたんだ?
文字通り自慢じゃないが、私は人に見せられるようなものは何一つ持ち合わせていなくてね。
ハハッ、学生時代は学業も運動も常に上位一歩手前だったし。君が羨ましいよ」
ん?学生時代?何故か少しだけ思い出せたぞ。まぁ気にする事もあるまい。
吉良はまだ理解していないが、先程確認した支給品のキラークインという言葉を読んだときに少し記憶が蘇ったようだ。
「俺の父は戦場カメラマンをしてたんですけど、小学校の時に父親を亡くしているんです。」
「おっと、それはすまないことを聞いたね。」
ズキン。なんだ、父親が亡くなった…?そういえば私の父親は……
「いえ、もう平気ですから。でも、当時は結構落ち込んじゃって、その時の担任の神埼先生に教わったんです。」
◇◇◇
「五代雄介。こういうのを知っているか?」
そういって右腕を突き出し親指は立てる。
——サムズアップ
「古代ローマで、満足できる、納得できる行動をしたものにだけ与えられる仕草だ。お前もこれにふさわしい男になれ。
お父さんが亡くなって確かに悲しいだろう。でも、そんなときこそお母さんや妹の笑顔のために頑張れる男になれ。
いつでも誰かの笑顔のために頑張れるってすごくステキなことだと思わないか?
先生は……先生はそう思う。」
◇◇◇
「そのときに先生と約束したんです。みんなが笑顔になれるような技を2000年までに2000個習得するって。」
何気なくでた2000年という言葉。
ここでは様々な年代から人々が集められているが、吉良がいた時代は1999年。たまたま違和感を覚えなかった。
内心どうでも良いと考えていたが、表情には出さずに五代の話を聞いていた。
「吉良さんもやってみたらどうですか?自然と笑顔も出てきますよ!」
内面はどうあれ、表面上は社交的なサラリーマンの吉良。五代に言われ仕方なしにとサムズアップの動作をしてみる。
その時かすかに吉良の手に触れた五代の手が大きくて、とても暖かく興奮を覚えたのはまた別の話で
「こうかい?」
愛想笑いを浮かべながらポーズをとる。
その瞬間、吉良の脳内に何かが蘇る。
◇◇◇
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
早朝なのだろうか、通りにいる人は通勤途中の人が多く見える
そんな街中で、対峙する血まみれの私と同じく血まみれの少年そしてその仲間と思しき数人の男
「"スイッチ"を押させるな———ッ!」
こちらに向かいながら叫んでいるリーゼントの少年
「いいや!限界だ、押すね!」
そういって指で何かボタンを押す仕草をしている私。
傍らになにか猫の顔のような人型の『何か』が私と同じ姿勢で存在している。
妙に親近感を覚える『こいつ』は一体なんなんだ!?
——その時の吉良の手だけみれば、そう、サムズアップのようだった…
◇◇◇
「大丈夫ですか、吉良さん!!」
どうやら少し気絶していたようだった。
先程のは夢か?いや、夢にしては現実感がありすぎる。まさか、あれが死ぬ直前の私か?どうにもハッキリしない。
嫌な汗をかいてしまった。時間にして10分も立っていないだろう。
まったく私はいつも8時間睡眠を基本としているのに、こんな時間まで起きているとは・・・
ッ!?まただ、少しずつだが思い出してきている。核心的な部分はまだ思い出せないが確実に記憶が戻ってきているッ。
「すまない、もう大丈夫だ。ここにつれてこられる前に余り寝ていない日々が続いていたので緊張で疲労が溜まっていただけなんだ」
呼吸をするように自然に嘘をついて吉良は立ち上がる。
「そうですか。無理はしないでくださいよ。」
「あぁ、わかっているよ。だが、私のせいで時間を取らせるわけにはいかない。もう町は目の前だし、早くコロッセオに行かないとな」
——くそっ一体なんだというんだッ。
平穏とは程遠い心境の吉良。
「あれ?誰か倒れてる。吉良さん、行きましょう」
——時は少し遡る
走る。
走る。走る
ただひたすらに走る。
——私は人を撃ち殺した。
ここはコロッセオの横を走りぬけ、また路地裏へと入る。地図記号でいうとF-4のあたりである。
暗闇の中にうっすらと町並みが見える。あたしはあれから無我夢中でここまできた。
Dr.テンマを探す為ため? バットマンを探すため? 兄であるヨハンを探すため?
それとも、また見ず知らずの人を殺すため?
走りながら首を振る。
今は何も考えたくない。とにかく一旦落ち着こう。
路地裏でかばんを降ろし一息つく。一応周りを警戒してみたがどうやら人の気配はないようだ。
ずっと走ってきたから服が汗で張り付いて気持ち悪い。
とりあえず水分を補給しようとバックからペットボトルを取り出し水を飲む。
ゴクリ。汗をかいて渇ききった体に水分がいきわたる。ペットボトルをかばんに戻し名簿を手に取る。
——バットマン…あいつを探して、ここに連れてきてくれ……。憐れな道化が、此処で死んだと、伝えてくれ……
バットマン。こうもり男。ニックネームだろうか。彼の友人なのだろうか。
死ぬ間際に伝えたいといった人間だ。きっと親しい関係なんだろう。
その名はたしかに名簿に載っている。
出会ったら伝えないと。そういえば私はあの道化の格好をした彼の名前をしらないことに気づいた。
会って伝える。一体何を?彼がコロッセオ付近で死んだと?そう伝えたらバットマンはきっと私にこう尋ねるだろう。
どうして彼は死んだのか、と。
——こんな…ところを見られたら…お嬢ちゃんが危ない
死ぬ間際にも自分を撃った人間の心配をしてくれる優しい道化の彼。そんな彼を……
私 が 撃 ち 殺 し た
走りながらもずっと握っていたモノを見つめる。心臓の音がすごく響く。
ずっと走ってきたから?いいや、違う。それだけでないことはあたしが一番良く知っている。何も考えまいと必死で走ってきた。
その反動だろうか、考えることが止まらない。
ヨハンがここにいる。この場所で、バラの屋敷の惨劇を、511キンダーハイムでの殺戮を再現しようとするはず。
止めなきゃ…でもあたしの手は既に……
——そこであたしの意識は途絶えた
◇◇◇
——おかえり
違う。
——連れて行かれる兄、ヨハン
違う違う。
——赤いバラの屋敷。42名の死体。そこに立っていた兄、ヨハン
違う違う違う。
——あそこでヨハンは“なまえのないかいぶつ”になった
違う違う違う違う。
あたしじゃない……
3匹のカエルの家で待っていたのは……
あそこにいたのはあたしじゃない……
連 れ 去 ら れ た の が あ た し だ
あの優しかったリーベルト夫妻、フォルトナー夫妻を殺した兄。
今まで私たちに優しくしてくれた人を殺してきた兄。
DR.テンマに……どんな生命も平等に扱おうとしてきたあの医者に、人殺しをさせまいと、私は兄を殺す。
そう、兄を殺すのには理由があるんだ。あたしは兄のように無感情に人殺しをする“かいぶつ”なんかじゃない。
——倒れている緑の髪の男
道化のような格好をした男に対していきなり発砲した。そして、彼は倒れた。
彼を殺す理由なんてあったの?見ず知らずの人間を殺していい理由なんてあるはずが無い。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
——いいかい、よくお聞き。人間はね、何にだってなれるんだよ。
兄を、違う、あたしを連れ去った男がこちらに手を伸ばしながら言っている。
何にでもなれる?あたしの話を聞いたヨハンが“かいぶつ”になったなら、実際にその場にいたあたしも?
◇◇◇
すぐに倒れている少女に駆け寄る。かすかに呼吸音がする。どうやらまだ生きているようだ。
「とにかく気絶した女の子をこのままにはできません。近くの民家に入りましょう。吉良さんは彼女の荷物をお願いします。」
そういうと五代はニナを担いだ。
「わかった。念のために彼女が手に持っている拳銃も預かっていた方がいいだろう。」
そういってニナの手から拳銃をはずして彼女のかばんにしまった。
前を歩く五代に付いていきながら、吉良は先程ニナの手に触れた部分を舐める。
白く透き通った肌。すらっとした長い指。女性独特の丸みを帯びた甲。少し汗ばんでいて暖かい手のひら。
吉良は自分が強く興奮していることがわかった。折原の手を触ったときよりも格段に強く。
——欲しい
ニナを担ぐ五代の後ろで吉良に何かが重なって、また消えた。
【F-4/路地裏 黎明】
【ニナ・フォルトナー@MONSTER】
[属性]:その他(Isi)
[状態]:気絶
[装備]:無し
[道具]:無し
[思考・状況]
基本行動方針:
1:気絶中
[備考]
ジョーカーの名前を知りません
【五代雄介@仮面ライダークウガ】
[属性]:正義(Hor)
[状態]:健康
[装備]:アマダム
[道具]:基本支給品、サバイバルナイフ、鉄パイプ、コルト・パイソン (6/6)
[思考・状況]
基本行動方針:誰一人死なせずに、この実験を止める
1:少女を安全な場所まで連れて行く
2:コロッセオに向かい、Horと見た人を仲間に加え、Isiと見た人を保護する。
3:臨也、吉良を守る。
4:臨也を警戒。
[備考]
登場時期は原作35話終了後(ゴ・ジャラジ・ダを倒した後)。
クウガの力の制限については、後の書き手にお任せします。
ペガサスブラストでコルト・パイソンの弾が減るかどうかは後の書き手にお任せします。
【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険】
[属性]:悪(Set)
[状態]:健康、記憶喪失、なんかムラムラする
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、Queenの楽曲三つが入ってるCDとそれが入ってるウォークマン
爆弾の作り方が書いてある本 ニナの支給品(中にハンドガンも入っています 不明支給品0〜2含む)
[思考・状況]
基本行動方針:生き残り、平穏の中で幸福を得る
1:手ッ!少女の手にッ!興奮してしまうッ!
2:コロッセオに向かい、Horと見た参加者を擬似Hor集団に加え、Isiと見た参加者を保護する。
3:自分の"本質"を知り、"抑えられない欲求"を解消したい。
4:『東方仗助』と『空条承太郎』はなんだか危険な気がするので関わりたくない
5:支給品は何か理由があるのか?
[備考]
登場時期は原作で死亡した直後。
記憶の大半を失い、スタンド『キラークイーン』を自分の意思で出せなくなり、その存在も不認知です。
なんらかのきっかけで再び自在に出せるようになるかどうかは、後の書き手にお任せします。
*時系列順で読む
Back:[[正義の業(前編)>正義の業]][[(後編)>正義の業(後編)]] Next:[[BATMAN:Tales of the Devil]]
*投下順で読む
Back:[[BOY meets BAT , or Call of Duty ]] Next:[[BATMAN:Tales of the Devil]]
|[[「Lights! Camera! Action!」]]|[[ニナ・フォルトナー]]||
|[[進行]]|[[五代雄介]]|[[]]|
|~|[[吉良吉影]]|[[]]|
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*記憶の欠片 ◆EHL1KrXeAU
地図中央にあるコロッセオ。
そこを目指しながら2人の男が歩いていた。
「あっ町が見えてきましたよ。もうすぐです。がんばりましょう。」
普段から歩きなれているのだろうか、夜道だというのにやたら軽快に歩く青年は言った。
「五代くんは冒険家だったね。さすがにサバイバルに慣れている動きだね。」
「はい。最近はちょっと色々あって冒険には行ってないんですけど…」
何か事情があるのだろうか。色々の部分に質問しようとしたが
そういうところを深く追求しないのが平穏に生きるコツであるのを体で覚えている吉良はそこに触れなかった。
「そういえば、2000の技ってのが名刺に書いてあったね。若いのにすごいね。
しかし、なんで2000の技を覚えようとしたんだ?
文字通り自慢じゃないが、私は人に見せられるようなものは何一つ持ち合わせていなくてね。
ハハッ、学生時代は学業も運動も常に上位一歩手前だったし。君が羨ましいよ」
ん?学生時代?何故か少しだけ思い出せたぞ。まぁ気にする事もあるまい。
吉良はまだ理解していないが、先程確認した支給品のキラークインという言葉を読んだときに少し記憶が蘇ったようだ。
「俺の父は戦場カメラマンをしてたんですけど、小学校の時に父親を亡くしているんです。」
「おっと、それはすまないことを聞いたね。」
ズキン。なんだ、父親が亡くなった…?そういえば私の父親は……
「いえ、もう平気ですから。でも、当時は結構落ち込んじゃって、その時の担任の神埼先生に教わったんです。」
◇◇◇
「五代雄介。こういうのを知っているか?」
そういって右腕を突き出し親指は立てる。
——サムズアップ
「古代ローマで、満足できる、納得できる行動をしたものにだけ与えられる仕草だ。お前もこれにふさわしい男になれ。
お父さんが亡くなって確かに悲しいだろう。でも、そんなときこそお母さんや妹の笑顔のために頑張れる男になれ。
いつでも誰かの笑顔のために頑張れるってすごくステキなことだと思わないか?
先生は……先生はそう思う。」
◇◇◇
「そのときに先生と約束したんです。みんなが笑顔になれるような技を2000年までに2000個習得するって。」
何気なくでた2000年という言葉。
ここでは様々な年代から人々が集められているが、吉良がいた時代は1999年。たまたま違和感を覚えなかった。
内心どうでも良いと考えていたが、表情には出さずに五代の話を聞いていた。
「吉良さんもやってみたらどうですか?自然と笑顔も出てきますよ!」
内面はどうあれ、表面上は社交的なサラリーマンの吉良。五代に言われ仕方なしにとサムズアップの動作をしてみる。
その時かすかに吉良の手に触れた五代の手が大きくて、とても暖かく興奮を覚えたのはまた別の話で
「こうかい?」
愛想笑いを浮かべながらポーズをとる。
その瞬間、吉良の脳内に何かが蘇る。
◇◇◇
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
早朝なのだろうか、通りにいる人は通勤途中の人が多く見える
そんな街中で、対峙する血まみれの私と同じく血まみれの少年そしてその仲間と思しき数人の男
「"スイッチ"を押させるな———ッ!」
こちらに向かいながら叫んでいるリーゼントの少年
「いいや!限界だ、押すね!」
そういって指で何かボタンを押す仕草をしている私。
傍らになにか猫の顔のような人型の『何か』が私と同じ姿勢で存在している。
妙に親近感を覚える『こいつ』は一体なんなんだ!?
——その時の吉良の手だけみれば、そう、サムズアップのようだった…
◇◇◇
「大丈夫ですか、吉良さん!!」
どうやら少し気絶していたようだった。
先程のは夢か?いや、夢にしては現実感がありすぎる。まさか、あれが死ぬ直前の私か?どうにもハッキリしない。
嫌な汗をかいてしまった。時間にして10分も立っていないだろう。
まったく私はいつも8時間睡眠を基本としているのに、こんな時間まで起きているとは・・・
ッ!?まただ、少しずつだが思い出してきている。核心的な部分はまだ思い出せないが確実に記憶が戻ってきているッ。
「すまない、もう大丈夫だ。ここにつれてこられる前に余り寝ていない日々が続いていたので緊張で疲労が溜まっていただけなんだ」
呼吸をするように自然に嘘をついて吉良は立ち上がる。
「そうですか。無理はしないでくださいよ。」
「あぁ、わかっているよ。だが、私のせいで時間を取らせるわけにはいかない。もう町は目の前だし、早くコロッセオに行かないとな」
——くそっ一体なんだというんだッ。
平穏とは程遠い心境の吉良。
「あれ?誰か倒れてる。吉良さん、行きましょう」
——時は少し遡る
走る。
走る。走る
ただひたすらに走る。
——私は人を撃ち殺した。
ここはコロッセオの横を走りぬけ、また路地裏へと入る。地図記号でいうとF-4のあたりである。
暗闇の中にうっすらと町並みが見える。あたしはあれから無我夢中でここまできた。
Dr.テンマを探す為ため? バットマンを探すため? 兄であるヨハンを探すため?
それとも、また見ず知らずの人を殺すため?
走りながら首を振る。
今は何も考えたくない。とにかく一旦落ち着こう。
路地裏でかばんを降ろし一息つく。一応周りを警戒してみたがどうやら人の気配はないようだ。
ずっと走ってきたから服が汗で張り付いて気持ち悪い。
とりあえず水分を補給しようとバックからペットボトルを取り出し水を飲む。
ゴクリ。汗をかいて渇ききった体に水分がいきわたる。ペットボトルをかばんに戻し名簿を手に取る。
——バットマン…あいつを探して、ここに連れてきてくれ……。憐れな道化が、此処で死んだと、伝えてくれ……
バットマン。こうもり男。ニックネームだろうか。彼の友人なのだろうか。
死ぬ間際に伝えたいといった人間だ。きっと親しい関係なんだろう。
その名はたしかに名簿に載っている。
出会ったら伝えないと。そういえば私はあの道化の格好をした彼の名前をしらないことに気づいた。
会って伝える。一体何を?彼がコロッセオ付近で死んだと?そう伝えたらバットマンはきっと私にこう尋ねるだろう。
どうして彼は死んだのか、と。
——こんな…ところを見られたら…お嬢ちゃんが危ない
死ぬ間際にも自分を撃った人間の心配をしてくれる優しい道化の彼。そんな彼を……
私 が 撃 ち 殺 し た
走りながらもずっと握っていたモノを見つめる。心臓の音がすごく響く。
ずっと走ってきたから?いいや、違う。それだけでないことはあたしが一番良く知っている。何も考えまいと必死で走ってきた。
その反動だろうか、考えることが止まらない。
ヨハンがここにいる。この場所で、バラの屋敷の惨劇を、511キンダーハイムでの殺戮を再現しようとするはず。
止めなきゃ…でもあたしの手は既に……
——そこであたしの意識は途絶えた
◇◇◇
——おかえり
違う。
——連れて行かれる兄、ヨハン
違う違う。
——赤いバラの屋敷。42名の死体。そこに立っていた兄、ヨハン
違う違う違う。
——あそこでヨハンは“なまえのないかいぶつ”になった
違う違う違う違う。
あたしじゃない……
3匹のカエルの家で待っていたのは……
あそこにいたのはあたしじゃない……
連 れ 去 ら れ た の が あ た し だ
あの優しかったリーベルト夫妻、フォルトナー夫妻を殺した兄。
今まで私たちに優しくしてくれた人を殺してきた兄。
DR.テンマに……どんな生命も平等に扱おうとしてきたあの医者に、人殺しをさせまいと、私は兄を殺す。
そう、兄を殺すのには理由があるんだ。あたしは兄のように無感情に人殺しをする“かいぶつ”なんかじゃない。
——倒れている緑の髪の男
道化のような格好をした男に対していきなり発砲した。そして、彼は倒れた。
彼を殺す理由なんてあったの?見ず知らずの人間を殺していい理由なんてあるはずが無い。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
——いいかい、よくお聞き。人間はね、何にだってなれるんだよ。
兄を、違う、あたしを連れ去った男がこちらに手を伸ばしながら言っている。
何にでもなれる?あたしの話を聞いたヨハンが“かいぶつ”になったなら、実際にその場にいたあたしも?
◇◇◇
すぐに倒れている少女に駆け寄る。かすかに呼吸音がする。どうやらまだ生きているようだ。
「とにかく気絶した女の子をこのままにはできません。近くの民家に入りましょう。吉良さんは彼女の荷物をお願いします。」
そういうと五代はニナを担いだ。
「わかった。念のために彼女が手に持っている拳銃も預かっていた方がいいだろう。」
そういってニナの手から拳銃をはずして彼女のかばんにしまった。
前を歩く五代に付いていきながら、吉良は先程ニナの手に触れた部分を舐める。
白く透き通った肌。すらっとした長い指。女性独特の丸みを帯びた甲。少し汗ばんでいて暖かい手のひら。
吉良は自分が強く興奮していることがわかった。折原の手を触ったときよりも格段に強く。
——欲しい
ニナを担ぐ五代の後ろで吉良に何かが重なって、また消えた。
【F-4/路地裏 黎明】
【ニナ・フォルトナー@MONSTER】
[属性]:その他(Isi)
[状態]:気絶
[装備]:無し
[道具]:無し
[思考・状況]
基本行動方針:
1:気絶中
[備考]
ジョーカーの名前を知りません
【五代雄介@仮面ライダークウガ】
[属性]:正義(Hor)
[状態]:健康
[装備]:アマダム
[道具]:基本支給品、サバイバルナイフ、鉄パイプ、コルト・パイソン (6/6)
[思考・状況]
基本行動方針:誰一人死なせずに、この実験を止める
1:少女を安全な場所まで連れて行く
2:コロッセオに向かい、Horと見た人を仲間に加え、Isiと見た人を保護する。
3:臨也、吉良を守る。
4:臨也を警戒。
[備考]
登場時期は原作35話終了後(ゴ・ジャラジ・ダを倒した後)。
クウガの力の制限については、後の書き手にお任せします。
ペガサスブラストでコルト・パイソンの弾が減るかどうかは後の書き手にお任せします。
【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険】
[属性]:悪(Set)
[状態]:健康、記憶喪失、なんかムラムラする
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、Queenの楽曲三つが入ってるCDとそれが入ってるウォークマン
爆弾の作り方が書いてある本 ニナの支給品(中にハンドガンも入っています 不明支給品0〜2含む)
[思考・状況]
基本行動方針:生き残り、平穏の中で幸福を得る
1:手ッ!少女の手にッ!興奮してしまうッ!
2:コロッセオに向かい、Horと見た参加者を擬似Hor集団に加え、Isiと見た参加者を保護する。
3:自分の"本質"を知り、"抑えられない欲求"を解消したい。
4:『東方仗助』と『空条承太郎』はなんだか危険な気がするので関わりたくない
5:支給品は何か理由があるのか?
[備考]
登場時期は原作で死亡した直後。
記憶の大半を失い、スタンド『キラークイーン』を自分の意思で出せなくなり、その存在も不認知です。
なんらかのきっかけで再び自在に出せるようになるかどうかは、後の書き手にお任せします。
*時系列順で読む
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|[[「Lights! Camera! Action!」]]|[[ニナ・フォルトナー]]|[[幼気]]|
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