「夢に向かって」(2010/09/04 (土) 21:35:32) の最新版変更点
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**夢に向かって◆DREAM/iXOU
【1】
超人シュタイナー、彼はピンチになれば必ずやってくる。
超人シュタイナー、彼は絶対に悪を許さない。
超人シュタイナー、彼はいつだって無敵のスーパーヒーローだ。
超人シュタイナー、彼がピンチの時には唯一の例外もなく現れてしまう。
超人シュタイナー、彼は悪に慈悲というものを持たない。
超人シュタイナー、彼はヒーローであり日常に生きる人間ではない。
超人シュタイナー、彼はヒーロー。
弱虫な青年とは違う、非日常でしか生きることが出来ない社会不適合者。
本当の君は超人シュタイナー? それとも弱虫の青年?
君はシュタイナーの正体を知らなければ、何故現れるのかも知らない。
それでもピンチになれば、超人シュタイナーは現れる。
【2】
「……うん、しょっぱいな」
ドイツ人の男性、ヴォルフガング・グリマーは海水の付着した小指を舐めると短くつぶやいた。
塩湖でもない限り、これは海ということになる。
それを確かめた後、ヴォルフガング・グリマーはデイパックの中から地図を取り出した。
一度見た地図ではあるが、確認のための見直しだ。
地図の中には幾つか固有名詞のついた施設が乗っており、そこにはグリマーも知る施設・511キンダーハイムがあった。
だが、この地図ではグリマーの知っている511キンダーハイムは周囲の位置関係が異なっている。
東ベルリンにある511キンダーハイムには目で見える距離に海はないし、ピラミッドらしき建築物だって存在しない。
女神像と呼ばれるようなものが存在しはしなければ、ローマじゃあるまいしコロッセオもありはしない。
つまり、511キンダーハイムと書かれたこの施設は実際の511キンダーハイムではないはずだ。
グリマーをここへ強制的に呼び寄せた人間が悪意を持って511キンダーハイムに似せた建物を建てた、ということだろう。
それでもグリマーの心を嫌悪の色で塗るには十分すぎる文字ではあるが。
「とにかく、見知らぬ土地ってわけだな」
自分に言い聞かせるようにグリマーはつぶやく。
グリマーの現在地は地図で照らし合わせることで簡単に分かる。
真南に見える女神像と北北西に見えるコロッセオから【G-6】地点だろう。
分かりやすい建物が見える位置なため、自分の現在地がわからないまま行動することはせずに済んだ。
さて、現在の位置がわかった以上、次に考えるべきことはなにをすべきか、ということだ。
はっきり言ってしまえばグリマーは殺し合いには否定的である。
『人を殺す』という行動の結果以上に『殺し合い』という過程に強い吐き気を覚えるのだ。
ヴォルフガング・グリマーには14歳までの記憶のほとんどが存在しない。
自分でも意識できない心の奥に負った傷、トラウマというものが原因なのだろう。
覚えていることといえば、こっそりと見ていたアニメ『超人シュタイナー』と些細な記憶だけ。
だが、グリマーは自分自身のことを知りたかった。
笑い方なんてものを学ばざるをえないほどに、人として何かが足りなかった自分を知りたかったのだ。
だからこそ、グリマー自身の出自である511キンダーハイムについて調べていた。
511キンダーハイムは完璧な兵士を作るための施設であり、そのために孤児たちに対して危険な実験も行っていた。
だからこそ、グリマーの心がその記憶を閉ざしているのだ。
調べているうちに511キンダーハイムが無くなったのは、ある夜に行われた出来事の結果であることがわかった。
その出来事とは、子供も大人も関係なく行われた互いが互いを殺しあう『殺し合い』だ。
それを知っているからこそ、グリマーは『この殺し合いは成り立ってしまう』と確信に近い想いを抱いていた。
511キンダーハイムは特殊な施設ではあるが、それでもかなりの人間が存在した。
だというのに、たったの一晩で多くの人間が殺しあい死んでいったのだ。
「僕の中の怪物がどんどん大きくなる……か」
自分で言って、グリマーは吐き気を覚えてしまう。
511キンダーハイムにおける貴重な資料のテープに録音されていたある少年の言葉だ。
少年は薬物を投与されており、その影響で時系列に基づいてきちんとしゃべれない。
511キンダーハイムに居た子どもは、大なり小なり、何らかの欠陥を抱えている。
それは511キンダーハイムに関わったグリマーも例外ではなく、彼は自分では制御できない『自分』を持っている。
グリマーはピンチになったら現れる、凶暴でどうしようもない超人/化物を持っているのだ。
「死にたくないだけなら動かないのが一番……なんだろうけど」
ポツリとつぶやきながら、グリマーは足を動かす。
生きることだけを考えるなら、他の59名が死んでしまうのを隠れて待つのが得策だろう。
二日間限定、しかも殺し合いの範囲は広々していることを考えると難しいが一番安全だ。
グリマーは殺し合いには嫌悪感を覚える、だから率先して人を殺すことはしないつもりだ。
だが、同時に死を恐れる自分もいる。
誰かを殺さなくては生き延びれず、だが、殺し合いに対して肯定的な気持ちになるつもりにはなれない。
そして、グリマーの身体には『超人シュタイナー』が居る。
グリマーが追い込まれたとき、無条件で相手を殴り殺してしまう化物がいるのだ。
たとえ、こんな状況によって追い詰められてしまって暴走した人間が相手でも『超人シュタイナー』は容赦はしないだろう。
「この手で誰かを……殺してしまう……」
グリマーは右手でデイパックを右肩にかけながら、左手を広げ眺める。
年齢に見合った皺とゴツゴツとした硬質感を感じる手。
この手には無数の人間の血が染みこんでいる。
「…………ん?」
その血の染みこんだ手に、似つかわしくないものが突然に降り立った。
突然現れた、『それ』は生き物なのだろう、動いてグリマーの手に現れたのだから。
見知らぬ生き物どころではない、グリマーとて生物学に特別詳しいわけではないが既存のどの生き物とも特徴が異なっている。
猫によく似ているが、グリマーの知っている猫とは大きさが違う。
これは手のひらに収まる、今ギュッと握れば簡単に覆い隠せるような小さな生き物だ。
まるで少女の髪型のように頭部の毛が整っていたり妙に肉球が大きい。
強いて言うなら絵本、いや、日本のアニメーションやコミックに出てくるようなデフォルメ化された小動物が最も近い。
なによりもこの生き物は『シャボン玉のように浮遊しながら』グリマーの手に止まったのだ。
翼がないのに地面から離れた動く生き物。そんな生き物をグリマーは知らない。
こんな殺し合いなんて最低な状況で何の前触れもなく突然現れたその生き物に対して確かに動揺を覚える。
「あぁー!!」
そんな一匹のファンタジックな生き物によって動揺しているグリマーの耳に甲高い声が入る。
十代の少女ほどの、ともすれば少年にも聞こえるような声だ。
いずれにしろまだ若い子供の声、グリマーは笑顔を作るよりも忘れて思わず振り返る。
そこにはまだ十代も前半であろう東洋人の少女が立っていた。
「ひょっとして、最後のピンキー!?」
「えっと、君は……?」
グリマーの問いにも答えずに、目を輝かせながら少女は駆け足で駆け寄ってくる。
そして、グリマーの手のうちにある生き物から目を離さずに右手首につけたデジタル型の腕時計を操作する。
デジタル画面を覆っていたカバーが上に向かって開き、少女が指でボタンを押す。
そうすることで画面から小さなハンドベルが『飛び出してきた』。
グリマーはとにかく何も考えずに目の前のことをありのままに受け入れる、そうすることでなんとか精神の安定を図っていた。
「ほーら……こっちだよー……」
少女の持ったハンドベルは、ちりんちりん、と小さいながらも優しい音を響かせる。
そして、その音に誘われるようにグリマーの手に止まっていた生き物がフワフワと浮かびながら少女へと向かっていく。
少女は時計の傍まで飛んできた生き物が来ると、もう一度時計を操作する。
すると、生き物は時計が出た光りに包まれて、なんと時計の中に吸い込まれていったのだ。
「うぅ……やったー! これで55のピンキーが揃ったよぉ!」
時計の中に生き物がおさまったことを確認すると、少女が体全身で喜びを顕にする。
どうやら、グリマーのことは目に入っていないのだろう。
「うわ!? が、外人さん!?」
一通り、喜び終えて初めてグリマーを見て驚くような声を上げる。
どうやら目の前のことしか見えずに同時に二つのことが出来ないタイプなのだろう。
ただそんな性格も未来のある少女となると、欠点ではなく真っ直ぐな性格という長所に思えてくる。
それとわかったことが一つ、この少女は日本語を喋っているということは日本人である、ということだ。
「あー……」
「え、あ、挨拶、挨拶しないといけないよね……えっと、ア、アーイアム、ユメハーラ(→→↑↓)、ノゾォミ(↑→↓)」
中学英語特有のカタコトで何を言うでもなく
それは単純に彼女の人柄なのか、知っている英語がそれしかなかったのか、あるいは両方か。
いずれにしろ挨拶をされているのなら返すのが礼儀というものであり、コミニュケーションの基本だろう。
「コンニチワ。私はヴォルフガング・グリマーです、ヨロシク」
「イエス、ヘロー……って、あれ? 日本語?」
「日本に行ったことがありまして、喋れます」
「あ、そうなんですかー! 日本語、お上手ですねー」
普段よりもスラスラと出てくる言葉に違和感を覚えつつも、にこやかに会話をする。
頭がパニックになっていて、機能が会話という分かりやすい行為に没頭しているせいなのかも知れない。
それだけではない、不思議な感覚のような気もするが、今はどうでもいいだろう。
グリマーはこの友好的な、ひょっとすると殺し合いだと言われたことを忘れていそうな少女、夢原のぞみと話しあうことにした。
先程の行動が気になっていてしょうがないのだ。
「えっと、その腕時計について聞きたいんだけど……」
「へ? あ、腕時計ってピンキーのことですか?」
「……ピン、キー?」
首を傾げるグリマーに対して、夢原のぞみは笑顔のままに語り始めた。
曰く、先程の生き物は『ピンキー』という種類の妖精だということ。
曰く、この時計は『ピンキーキャッチュ』という道具でピンキーを捕獲できるということ。
曰く、55のピンキーを『ドリームコレット』という小箱に移すことで夢が叶うということ。
曰く、そのドリームコレットが存在していたのはこことは違う、『妖精たちの住む異世界』だということ。
曰く、悪い連中によって滅ぼされた異世界の妖精の国の王子・『ココ』と出会ったことでのぞみはその存在を知ったということ。
曰く、ドリームコレットを使って妖精たちの王国の一つ、『パルミエ王国』を復興させようとしていること。
まとめてしまえば、あの生き物・ピンキーは夢を叶えるために必要な生き物である。
そして、のぞみが出会ったまた別の種類の妖精はそれを使うことで無くなってしまった王国を復活させようということだ。
しかも、先程のピンキーで最後のピンキーなので、これで夢がかなうということなのだ。
「そうだね……あの時の声は『便利な道具が入っている』って言ってた。
君にとって重要なものであるその時計がデイパックの中に入っていたんだよね?
だったら、その『ドリームコレット』というものも別の誰かに支給されている可能性があるかも知れないね」
「ええぇ!? そんなのだめだよ!
ドリームコレットがないと、最後のピンキーをキャッチしても意味がないんだよ!」
「みたいだね」
ドリームコレットがここにあるかもしれないという可能性を知ってうろたえている少女を横目に、グリマーは考える。
正直な話、少女と同じかそれ以上なほどグリマーも少女の話によって混乱していた。
あまりにも荒唐無稽な話だが、ピンキーという妖精は存在することは信じざるを得ない。
この少女の話をどこまで信じるかだが、やはりここは話半分に聞いておいたほうがいいだろう。
ドリームコレット、どんな夢でも叶えるファンタジックなアイテム。
あればどれだけ楽なことか、先程まで殺し合いに乗るか乗らないか悩んでいたのが馬鹿らしくなる話だ。
「うん? じゃあ、そのドリームコレットを使えばこの殺し合いから何事も無く脱出できるのかい?」
「だ、だめだよ! ドリームコレットはココたちの夢を叶えるために使うんだから!」
「でも、状況が状況だよ……って、ゴメンゴメン。悪いこと言っちゃったね」
「グリマーさんの言うことも、その……」
のぞみは考えこむように顔を沈ませる。
グリマーは知る由もないが、その脳裏にはある想いがあった。
そして、グリマーの言う「ドリームコレットを使えばいい」という発言は、今ののぞみにとっては甘い罠以外の何者でもなかった。
ドリームコレットは、一度しか夢を叶えることが出来ない。
ここで「殺し合いから脱出する」という夢を叶えればココの「パルミエ王国を復興させる」という夢は叶わなくなってしまう
「夢が叶っちゃったら、あたしの前からココは居なくなっちゃうんだよね……」
のぞみが小さく言葉を漏らす。
ドリームコレットは55のピンキーが集まれば、どんな願いでも叶える。
そして今、のぞみのピンキーキャッチュにはその55匹目のピンキーが収納されている。
これをドリームコレットに移せば、ココたちの『パルミエ王国を復興する』という願いを叶えられる。
だが、それは同時にのぞみとココの別れを意味している。
ココはパルミエ王国の王子であり、二人しか存在しない次期国王候補である。
国王になってもならなくても、それほど高い地位にいるココは国民の精神的な支えとなる。
となれば、異世界であるのぞみたちの元には簡単に訪れることはできない。
しかも、やることが数えきれないほどあるであろう復興後は必ず忙しくなる。
ココの夢を叶えるということは、ココと二度と会うことができなくなることも覚悟しなければいけない、ということなのだ。
そして、のぞみはその事実に対して、まだ覚悟ができていなかった。
ココの夢は叶えたい。だけど、ココとも離れたくはない。
だが、ドリームコレットで別の夢をかなえてしまえばココの夢は叶えられなくなる。
しかし、それはココに対する裏切り以外の何者ではなく、嫌悪感を覚えるというレベルのものではない。
論外とはまさにこのことである。
だからこそ、のぞみは悩んでいるのだ。
そうすればココと別れなくて済むなんて考えてしまった自分に、戸惑っているのだ。
今まで笑顔しか見せていなかったのぞみの沈んだ表情に、グリマーは不思議そうな表情をしながら尋ねる。
「うん、どうしたかい?」
「え、あ、いや、その、なんでもないっ!
とりあえずドリームコレットのことはあとで考えるとして、グリマーさんには夢がある?」
「ん?」
誤魔化すように頭を掻きながら、のぞみはグリマーに尋ねる。
だが、グリマーはその言葉の意味が分からずに首を軽くひねる。
「えっと、グリマーさんの夢はなに?」
「夢、かい?」
のぞみの問いに困ったようにグリマーはこめかみを指でこする。
この歳になって夢、と言われるとあまりピンと来ない。
ピンと来ないが「特にないね」と返答するのは、それこそ『夢のない答え』というものだ。
夢見る少女を前にしていう言葉としては正しくないように思える。
だから正直に思ったことを、それでいてはぐらかすように曖昧な言葉で答えることにした。
「そうだねぇ、俺の夢は……正しい人間になりたい、かな」
「立派な人間?」
「子どもの頃からこんな歳になっても言われるんだよ、貴方には何かが足りない、ってね」
小さな笑みを顔に浮かばせながらグリマーは答える。
それは命を掛けるほどに追い求める!というほどの夢ではないが、心のなかにある願望の一つには違いなかった。
「きっとなれるよ!」
グリマーのその何気ない言葉に、のぞみは間髪を置かずに強く肯定の言葉を発した。
のぞみは目を真っ直ぐに見てグリマーを見つめている。
後ろめたいことは何も無いのに、思わず目をそらしてしまいそうになる。
いや、若者の視線から目を逸らしたくなるということは、やはり後ろめたいことがあるということだろう。
例えば、超人シュタイナーとかスパイだとか。
「グリマーさん、悪い人じゃないもん。私の言ってることちゃんと聞いてくれて、笑わなかった。
それにこんなところでもあたしに優しくしてくれてる。
グリマーさんの言う正しい人っていうのはよく分からないけど、あたしはグリマーさんのこと好きだよ!」
はきはきと大きな声でのぞみはグリマーに伝える。
恥ずかしいことをはっきりと言える子だな、とグリマーは思った。
それが良いところなのだろうが、いずれにしろ気持ちのいい少女だ。
「いや、はは……ありがとうございます、なのかな、この場合は。
そんな真っ直ぐに言われるとちょっと嬉しいよ」
「うん、あたし応援するよ!
それでさ、グリマーさんも一緒にドリームコレットとここから出る方法を探そうよ!」
「ん…………そうだな、それが一番なのかな」
Hor、Isi、Setの三つのグループ分けも気になるが、それを見極めるのは不可能と言って良い。
今はこの少女と共に行動するのが一番な気がするのだ。
少女の話を信じる信じないを別として、夢のある話だと思うしなにより少女のことを嫌いになれない。
子どもに甘い性格なのかも知れないな、と軽く自嘲する。
こんな子が居るのならば、たとえ無理だとしても殺し合いを止めたいと思ってしまう。
動かなければそれも決して叶うことはない。
何かを成そうと思ったなら、とにかく行動あるのみだ。
とにかく、グリマーとしてはのぞみと自分が多くの人物を殺す道をとらなければいけないSetでないことを祈りたい。
「よーし、それじゃあドリームコレットを探すぞー! けってーい!」
【3】
ある王国に、ある伝説があった。
王国の危機が訪れたとき、五匹の蝶が五人の伝説を導くという伝説。
五人の戦士はある特性を持っており、その特性に秀でた者を五匹の蝶が見定めるのだ。
桃色の蝶は希望に満ちた心の持ち主を。
橙色の蝶は情熱にみなぎる心の持ち主を。
黄色の蝶は爆発するような弾ける心の持ち主を。
緑色の蝶は安らぎをもたらす心の持ち主を。
青色の蝶は知性に溢れた心の持ち主を。
そして、共通して『強い心』の持ち主を選び抜くのだ。
その王国の名前は、パルミエ王国。
その伝説の戦士は、プリキュア。
パルミエ王国に、いや、どこかに危機が訪れたとき。
希望の象徴であるプリキュアは現れる。
何時でも、何処でも、何度でも。
プリキュアレジェンド・伝説の戦士プリキュアは、必ず現れる。
【G-6/陸地:深夜】
【夢原のぞみ@Yes!プリキュア5シリーズ】
[属性]:正義(Hor)
[状態]:空腹
[装備]:ピンキーキャッチュ@Yes!プリキュア5シリーズ
[持物]:基本支給品、未確認支給品0~2
[方針/目的]
基本方針:友達みんなのもとへと戻る。
1:ドリームコレットの中に、最後のピンキーを移す。
[備考]
※Yes!プリキュア5の45話からの登場です。
※ピンキーキャッチュに55匹目のピンキー、ニャンキューが入っています。
【ヴォルフガング・グリマー@MONSTER】
[属性]:一般人(Isi)
[状態]:健康
[装備]:なし
[持物]:基本支給品、未確認支給品1~3
[方針/目的]
基本方針:のぞみと共に行動し、できるなら殺し合いを止めたい。
1:ドリームコレットというものを探してみる。
支給品紹介
【ピンキーキャッチュ@Yes!プリキュア5シリーズ】
デジタル型腕時計の形をした変身アイテム、カバーの隅に蝶の装飾がある。
キュアドリームに変身可能になる他、一時的にピンキーを収納することができる。
関係品(支給されていない)
【ドリームコレット@Yes!プリキュア5シリーズ】
手のひらに収まるほどの小さな妖精、ピンキーを保管するための小箱。
55匹のピンキーを集めると願いが叶うとされている。
悪の会社ナイトメアの女帝・デスパライアが何物よりも欲していたため、パルミエ王国は襲われ滅ぼされた。
願いが叶うと石化し、二度と使うことができなくなる。
*時系列順で読む
Back:[[いつか降るKILLER QUEEN]] Next:[[.詳細不明]]
*投下順で読む
Back:[[いつか降るKILLER QUEEN]] Next:[[.詳細不明]]
|[[より強き世界]]|ヴォルフガング・グリマー|[[]]|
|&color(cyan){実験開始}|夢原のぞみ|[[]]|
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**夢に向かって◆DREAM/iXOU
【1】
超人シュタイナー、彼はピンチになれば必ずやってくる。
超人シュタイナー、彼は絶対に悪を許さない。
超人シュタイナー、彼はいつだって無敵のスーパーヒーローだ。
超人シュタイナー、彼がピンチの時には唯一の例外もなく現れてしまう。
超人シュタイナー、彼は悪に慈悲というものを持たない。
超人シュタイナー、彼はヒーローであり日常に生きる人間ではない。
超人シュタイナー、彼はヒーロー。
弱虫な青年とは違う、非日常でしか生きることが出来ない社会不適合者。
本当の君は超人シュタイナー? それとも弱虫の青年?
君はシュタイナーの正体を知らなければ、何故現れるのかも知らない。
それでもピンチになれば、超人シュタイナーは現れる。
【2】
「……うん、しょっぱいな」
ドイツ人の男性、ヴォルフガング・グリマーは海水の付着した小指を舐めると短くつぶやいた。
塩湖でもない限り、これは海ということになる。
それを確かめた後、ヴォルフガング・グリマーはデイパックの中から地図を取り出した。
一度見た地図ではあるが、確認のための見直しだ。
地図の中には幾つか固有名詞のついた施設が乗っており、そこにはグリマーも知る施設・511キンダーハイムがあった。
だが、この地図ではグリマーの知っている511キンダーハイムは周囲の位置関係が異なっている。
東ベルリンにある511キンダーハイムには目で見える距離に海はないし、ピラミッドらしき建築物だって存在しない。
女神像と呼ばれるようなものが存在しはしなければ、ローマじゃあるまいしコロッセオもありはしない。
つまり、511キンダーハイムと書かれたこの施設は実際の511キンダーハイムではないはずだ。
グリマーをここへ強制的に呼び寄せた人間が悪意を持って511キンダーハイムに似せた建物を建てた、ということだろう。
それでもグリマーの心を嫌悪の色で塗るには十分すぎる文字ではあるが。
「とにかく、見知らぬ土地ってわけだな」
自分に言い聞かせるようにグリマーはつぶやく。
グリマーの現在地は地図で照らし合わせることで簡単に分かる。
真南に見える女神像と北北西に見えるコロッセオから【G-6】地点だろう。
分かりやすい建物が見える位置なため、自分の現在地がわからないまま行動することはせずに済んだ。
さて、現在の位置がわかった以上、次に考えるべきことはなにをすべきか、ということだ。
はっきり言ってしまえばグリマーは殺し合いには否定的である。
『人を殺す』という行動の結果以上に『殺し合い』という過程に強い吐き気を覚えるのだ。
ヴォルフガング・グリマーには14歳までの記憶のほとんどが存在しない。
自分でも意識できない心の奥に負った傷、トラウマというものが原因なのだろう。
覚えていることといえば、こっそりと見ていたアニメ『超人シュタイナー』と些細な記憶だけ。
だが、グリマーは自分自身のことを知りたかった。
笑い方なんてものを学ばざるをえないほどに、人として何かが足りなかった自分を知りたかったのだ。
だからこそ、グリマー自身の出自である511キンダーハイムについて調べていた。
511キンダーハイムは完璧な兵士を作るための施設であり、そのために孤児たちに対して危険な実験も行っていた。
だからこそ、グリマーの心がその記憶を閉ざしているのだ。
調べているうちに511キンダーハイムが無くなったのは、ある夜に行われた出来事の結果であることがわかった。
その出来事とは、子供も大人も関係なく行われた互いが互いを殺しあう『殺し合い』だ。
それを知っているからこそ、グリマーは『この殺し合いは成り立ってしまう』と確信に近い想いを抱いていた。
511キンダーハイムは特殊な施設ではあるが、それでもかなりの人間が存在した。
だというのに、たったの一晩で多くの人間が殺しあい死んでいったのだ。
「僕の中の怪物がどんどん大きくなる……か」
自分で言って、グリマーは吐き気を覚えてしまう。
511キンダーハイムにおける貴重な資料のテープに録音されていたある少年の言葉だ。
少年は薬物を投与されており、その影響で時系列に基づいてきちんとしゃべれない。
511キンダーハイムに居た子どもは、大なり小なり、何らかの欠陥を抱えている。
それは511キンダーハイムに関わったグリマーも例外ではなく、彼は自分では制御できない『自分』を持っている。
グリマーはピンチになったら現れる、凶暴でどうしようもない超人/化物を持っているのだ。
「死にたくないだけなら動かないのが一番……なんだろうけど」
ポツリとつぶやきながら、グリマーは足を動かす。
生きることだけを考えるなら、他の59名が死んでしまうのを隠れて待つのが得策だろう。
二日間限定、しかも殺し合いの範囲は広々していることを考えると難しいが一番安全だ。
グリマーは殺し合いには嫌悪感を覚える、だから率先して人を殺すことはしないつもりだ。
だが、同時に死を恐れる自分もいる。
誰かを殺さなくては生き延びれず、だが、殺し合いに対して肯定的な気持ちになるつもりにはなれない。
そして、グリマーの身体には『超人シュタイナー』が居る。
グリマーが追い込まれたとき、無条件で相手を殴り殺してしまう化物がいるのだ。
たとえ、こんな状況によって追い詰められてしまって暴走した人間が相手でも『超人シュタイナー』は容赦はしないだろう。
「この手で誰かを……殺してしまう……」
グリマーは右手でデイパックを右肩にかけながら、左手を広げ眺める。
年齢に見合った皺とゴツゴツとした硬質感を感じる手。
この手には無数の人間の血が染みこんでいる。
「…………ん?」
その血の染みこんだ手に、似つかわしくないものが突然に降り立った。
突然現れた、『それ』は生き物なのだろう、動いてグリマーの手に現れたのだから。
見知らぬ生き物どころではない、グリマーとて生物学に特別詳しいわけではないが既存のどの生き物とも特徴が異なっている。
猫によく似ているが、グリマーの知っている猫とは大きさが違う。
これは手のひらに収まる、今ギュッと握れば簡単に覆い隠せるような小さな生き物だ。
まるで少女の髪型のように頭部の毛が整っていたり妙に肉球が大きい。
強いて言うなら絵本、いや、日本のアニメーションやコミックに出てくるようなデフォルメ化された小動物が最も近い。
なによりもこの生き物は『シャボン玉のように浮遊しながら』グリマーの手に止まったのだ。
翼がないのに地面から離れた動く生き物。そんな生き物をグリマーは知らない。
こんな殺し合いなんて最低な状況で何の前触れもなく突然現れたその生き物に対して確かに動揺を覚える。
「あぁー!!」
そんな一匹のファンタジックな生き物によって動揺しているグリマーの耳に甲高い声が入る。
十代の少女ほどの、ともすれば少年にも聞こえるような声だ。
いずれにしろまだ若い子供の声、グリマーは笑顔を作るよりも忘れて思わず振り返る。
そこにはまだ十代も前半であろう東洋人の少女が立っていた。
「ひょっとして、最後のピンキー!?」
「えっと、君は……?」
グリマーの問いにも答えずに、目を輝かせながら少女は駆け足で駆け寄ってくる。
そして、グリマーの手のうちにある生き物から目を離さずに右手首につけたデジタル型の腕時計を操作する。
デジタル画面を覆っていたカバーが上に向かって開き、少女が指でボタンを押す。
そうすることで画面から小さなハンドベルが『飛び出してきた』。
グリマーはとにかく何も考えずに目の前のことをありのままに受け入れる、そうすることでなんとか精神の安定を図っていた。
「ほーら……こっちだよー……」
少女の持ったハンドベルは、ちりんちりん、と小さいながらも優しい音を響かせる。
そして、その音に誘われるようにグリマーの手に止まっていた生き物がフワフワと浮かびながら少女へと向かっていく。
少女は時計の傍まで飛んできた生き物が来ると、もう一度時計を操作する。
すると、生き物は時計が出た光りに包まれて、なんと時計の中に吸い込まれていったのだ。
「うぅ……やったー! これで55のピンキーが揃ったよぉ!」
時計の中に生き物がおさまったことを確認すると、少女が体全身で喜びを顕にする。
どうやら、グリマーのことは目に入っていないのだろう。
「うわ!? が、外人さん!?」
一通り、喜び終えて初めてグリマーを見て驚くような声を上げる。
どうやら目の前のことしか見えずに同時に二つのことが出来ないタイプなのだろう。
ただそんな性格も未来のある少女となると、欠点ではなく真っ直ぐな性格という長所に思えてくる。
それとわかったことが一つ、この少女は日本語を喋っているということは日本人である、ということだ。
「あー……」
「え、あ、挨拶、挨拶しないといけないよね……えっと、ア、アーイアム、ユメハーラ(→→↑↓)、ノゾォミ(↑→↓)」
中学英語特有のカタコトで何を言うでもなく
それは単純に彼女の人柄なのか、知っている英語がそれしかなかったのか、あるいは両方か。
いずれにしろ挨拶をされているのなら返すのが礼儀というものであり、コミニュケーションの基本だろう。
「コンニチワ。私はヴォルフガング・グリマーです、ヨロシク」
「イエス、ヘロー……って、あれ? 日本語?」
「日本に行ったことがありまして、喋れます」
「あ、そうなんですかー! 日本語、お上手ですねー」
普段よりもスラスラと出てくる言葉に違和感を覚えつつも、にこやかに会話をする。
頭がパニックになっていて、機能が会話という分かりやすい行為に没頭しているせいなのかも知れない。
それだけではない、不思議な感覚のような気もするが、今はどうでもいいだろう。
グリマーはこの友好的な、ひょっとすると殺し合いだと言われたことを忘れていそうな少女、夢原のぞみと話しあうことにした。
先程の行動が気になっていてしょうがないのだ。
「えっと、その腕時計について聞きたいんだけど……」
「へ? あ、腕時計ってピンキーのことですか?」
「……ピン、キー?」
首を傾げるグリマーに対して、夢原のぞみは笑顔のままに語り始めた。
曰く、先程の生き物は『ピンキー』という種類の妖精だということ。
曰く、この時計は『ピンキーキャッチュ』という道具でピンキーを捕獲できるということ。
曰く、55のピンキーを『ドリームコレット』という小箱に移すことで夢が叶うということ。
曰く、そのドリームコレットが存在していたのはこことは違う、『妖精たちの住む異世界』だということ。
曰く、悪い連中によって滅ぼされた異世界の妖精の国の王子・『ココ』と出会ったことでのぞみはその存在を知ったということ。
曰く、ドリームコレットを使って妖精たちの王国の一つ、『パルミエ王国』を復興させようとしていること。
まとめてしまえば、あの生き物・ピンキーは夢を叶えるために必要な生き物である。
そして、のぞみが出会ったまた別の種類の妖精はそれを使うことで無くなってしまった王国を復活させようということだ。
しかも、先程のピンキーで最後のピンキーなので、これで夢がかなうということなのだ。
「そうだね……あの時の声は『便利な道具が入っている』って言ってた。
君にとって重要なものであるその時計がデイパックの中に入っていたんだよね?
だったら、その『ドリームコレット』というものも別の誰かに支給されている可能性があるかも知れないね」
「ええぇ!? そんなのだめだよ!
ドリームコレットがないと、最後のピンキーをキャッチしても意味がないんだよ!」
「みたいだね」
ドリームコレットがここにあるかもしれないという可能性を知ってうろたえている少女を横目に、グリマーは考える。
正直な話、少女と同じかそれ以上なほどグリマーも少女の話によって混乱していた。
あまりにも荒唐無稽な話だが、ピンキーという妖精は存在することは信じざるを得ない。
この少女の話をどこまで信じるかだが、やはりここは話半分に聞いておいたほうがいいだろう。
ドリームコレット、どんな夢でも叶えるファンタジックなアイテム。
あればどれだけ楽なことか、先程まで殺し合いに乗るか乗らないか悩んでいたのが馬鹿らしくなる話だ。
「うん? じゃあ、そのドリームコレットを使えばこの殺し合いから何事も無く脱出できるのかい?」
「だ、だめだよ! ドリームコレットはココたちの夢を叶えるために使うんだから!」
「でも、状況が状況だよ……って、ゴメンゴメン。悪いこと言っちゃったね」
「グリマーさんの言うことも、その……」
のぞみは考えこむように顔を沈ませる。
グリマーは知る由もないが、その脳裏にはある想いがあった。
そして、グリマーの言う「ドリームコレットを使えばいい」という発言は、今ののぞみにとっては甘い罠以外の何者でもなかった。
ドリームコレットは、一度しか夢を叶えることが出来ない。
ここで「殺し合いから脱出する」という夢を叶えればココの「パルミエ王国を復興させる」という夢は叶わなくなってしまう
「夢が叶っちゃったら、あたしの前からココは居なくなっちゃうんだよね……」
のぞみが小さく言葉を漏らす。
ドリームコレットは55のピンキーが集まれば、どんな願いでも叶える。
そして今、のぞみのピンキーキャッチュにはその55匹目のピンキーが収納されている。
これをドリームコレットに移せば、ココたちの『パルミエ王国を復興する』という願いを叶えられる。
だが、それは同時にのぞみとココの別れを意味している。
ココはパルミエ王国の王子であり、二人しか存在しない次期国王候補である。
国王になってもならなくても、それほど高い地位にいるココは国民の精神的な支えとなる。
となれば、異世界であるのぞみたちの元には簡単に訪れることはできない。
しかも、やることが数えきれないほどあるであろう復興後は必ず忙しくなる。
ココの夢を叶えるということは、ココと二度と会うことができなくなることも覚悟しなければいけない、ということなのだ。
そして、のぞみはその事実に対して、まだ覚悟ができていなかった。
ココの夢は叶えたい。だけど、ココとも離れたくはない。
だが、ドリームコレットで別の夢をかなえてしまえばココの夢は叶えられなくなる。
しかし、それはココに対する裏切り以外の何者ではなく、嫌悪感を覚えるというレベルのものではない。
論外とはまさにこのことである。
だからこそ、のぞみは悩んでいるのだ。
そうすればココと別れなくて済むなんて考えてしまった自分に、戸惑っているのだ。
今まで笑顔しか見せていなかったのぞみの沈んだ表情に、グリマーは不思議そうな表情をしながら尋ねる。
「うん、どうしたかい?」
「え、あ、いや、その、なんでもないっ!
とりあえずドリームコレットのことはあとで考えるとして、グリマーさんには夢がある?」
「ん?」
誤魔化すように頭を掻きながら、のぞみはグリマーに尋ねる。
だが、グリマーはその言葉の意味が分からずに首を軽くひねる。
「えっと、グリマーさんの夢はなに?」
「夢、かい?」
のぞみの問いに困ったようにグリマーはこめかみを指でこする。
この歳になって夢、と言われるとあまりピンと来ない。
ピンと来ないが「特にないね」と返答するのは、それこそ『夢のない答え』というものだ。
夢見る少女を前にしていう言葉としては正しくないように思える。
だから正直に思ったことを、それでいてはぐらかすように曖昧な言葉で答えることにした。
「そうだねぇ、俺の夢は……正しい人間になりたい、かな」
「立派な人間?」
「子どもの頃からこんな歳になっても言われるんだよ、貴方には何かが足りない、ってね」
小さな笑みを顔に浮かばせながらグリマーは答える。
それは命を掛けるほどに追い求める!というほどの夢ではないが、心のなかにある願望の一つには違いなかった。
「きっとなれるよ!」
グリマーのその何気ない言葉に、のぞみは間髪を置かずに強く肯定の言葉を発した。
のぞみは目を真っ直ぐに見てグリマーを見つめている。
後ろめたいことは何も無いのに、思わず目をそらしてしまいそうになる。
いや、若者の視線から目を逸らしたくなるということは、やはり後ろめたいことがあるということだろう。
例えば、超人シュタイナーとかスパイだとか。
「グリマーさん、悪い人じゃないもん。私の言ってることちゃんと聞いてくれて、笑わなかった。
それにこんなところでもあたしに優しくしてくれてる。
グリマーさんの言う正しい人っていうのはよく分からないけど、あたしはグリマーさんのこと好きだよ!」
はきはきと大きな声でのぞみはグリマーに伝える。
恥ずかしいことをはっきりと言える子だな、とグリマーは思った。
それが良いところなのだろうが、いずれにしろ気持ちのいい少女だ。
「いや、はは……ありがとうございます、なのかな、この場合は。
そんな真っ直ぐに言われるとちょっと嬉しいよ」
「うん、あたし応援するよ!
それでさ、グリマーさんも一緒にドリームコレットとここから出る方法を探そうよ!」
「ん…………そうだな、それが一番なのかな」
Hor、Isi、Setの三つのグループ分けも気になるが、それを見極めるのは不可能と言って良い。
今はこの少女と共に行動するのが一番な気がするのだ。
少女の話を信じる信じないを別として、夢のある話だと思うしなにより少女のことを嫌いになれない。
子どもに甘い性格なのかも知れないな、と軽く自嘲する。
こんな子が居るのならば、たとえ無理だとしても殺し合いを止めたいと思ってしまう。
動かなければそれも決して叶うことはない。
何かを成そうと思ったなら、とにかく行動あるのみだ。
とにかく、グリマーとしてはのぞみと自分が多くの人物を殺す道をとらなければいけないSetでないことを祈りたい。
「よーし、それじゃあドリームコレットを探すぞー! けってーい!」
【3】
ある王国に、ある伝説があった。
王国の危機が訪れたとき、五匹の蝶が五人の伝説を導くという伝説。
五人の戦士はある特性を持っており、その特性に秀でた者を五匹の蝶が見定めるのだ。
桃色の蝶は希望に満ちた心の持ち主を。
橙色の蝶は情熱にみなぎる心の持ち主を。
黄色の蝶は爆発するような弾ける心の持ち主を。
緑色の蝶は安らぎをもたらす心の持ち主を。
青色の蝶は知性に溢れた心の持ち主を。
そして、共通して『強い心』の持ち主を選び抜くのだ。
その王国の名前は、パルミエ王国。
その伝説の戦士は、プリキュア。
パルミエ王国に、いや、どこかに危機が訪れたとき。
希望の象徴であるプリキュアは現れる。
何時でも、何処でも、何度でも。
プリキュアレジェンド・伝説の戦士プリキュアは、必ず現れる。
【G-6/陸地:深夜】
【夢原のぞみ@Yes!プリキュア5シリーズ】
[属性]:正義(Hor)
[状態]:空腹
[装備]:ピンキーキャッチュ@Yes!プリキュア5シリーズ
[持物]:基本支給品、未確認支給品0~2
[方針/目的]
基本方針:友達みんなのもとへと戻る。
1:ドリームコレットの中に、最後のピンキーを移す。
[備考]
※Yes!プリキュア5の45話からの登場です。
※ピンキーキャッチュに55匹目のピンキー、ニャンキューが入っています。
【ヴォルフガング・グリマー@MONSTER】
[属性]:一般人(Isi)
[状態]:健康
[装備]:なし
[持物]:基本支給品、未確認支給品1~3
[方針/目的]
基本方針:のぞみと共に行動し、できるなら殺し合いを止めたい。
1:ドリームコレットというものを探してみる。
支給品紹介
【ピンキーキャッチュ@Yes!プリキュア5シリーズ】
デジタル型腕時計の形をした変身アイテム、カバーの隅に蝶の装飾がある。
キュアドリームに変身可能になる他、一時的にピンキーを収納することができる。
関係品(支給されていない)
【ドリームコレット@Yes!プリキュア5シリーズ】
手のひらに収まるほどの小さな妖精、ピンキーを保管するための小箱。
55匹のピンキーを集めると願いが叶うとされている。
悪の会社ナイトメアの女帝・デスパライアが何物よりも欲していたため、パルミエ王国は襲われ滅ぼされた。
願いが叶うと石化し、二度と使うことができなくなる。
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|[[より強き世界]]|ヴォルフガング・グリマー|[[正義の業]]|
|&color(cyan){実験開始}|夢原のぞみ|~|
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