ファンタジー剣士バトルロワイアル
http://w.atwiki.jp/irohahifumi/
ファンタジー剣士バトルロワイアル
ja
2018-11-20T00:24:12+09:00
1542641052
-
両儀 式
https://w.atwiki.jp/irohahifumi/pages/194.html
【名前】両儀 式
【作品名】空の境界
【年齢】19歳(肉体年齢は2歳ほど若い)
【性別】女
【外見】身長160cm。首の辺りまで伸びた黒髪に和服。
赤いブルゾンを羽織りブーツを履いた場面が多いが、アニメ版のラストでは普通の和装だった。
無乳。
カップ数は最低値のAAAカップ。
余談だが、式よりも三歳年下である黒桐鮮花のカップ数はバスト130cm以上のTカップである。
【性能】
先祖が興した伝来の剣術に加え、合気道を嗜んでいる。
通常時:ナイフを用いて戦う。
身のこなしは極めて軽く、ビルの屋上から屋上へ飛び移るようなことも可能。映画版では数歩だが壁を走った。
本気を出せば、複数の猛獣の身体能力を併せ持った相手を一蹴し、文字通り瞬殺できる。
刀装備時:刀を構えている間、強力な自己暗示により脳の機能を切り替え、肉体を戦闘用に作り変える。
一歩で4メートルを踏み込み、銃弾を撃たれてから回避できる相手が斬られたことに気付かない速さで攻撃した。
相手の見立てによれば一歩で9メートルは踏み込めるらしい。
【所有剣】
九字兼定:無銘の古刀。500年モノ。
歴史を積み重ねた結果、魔術にも匹敵する神秘を得た。
抜き身にするだけで、4階建てのビルを覆う結界をまるごと切れるという。
使用したのは第5章のみ。その章で折れてしまった。
【特殊能力】
直死の魔眼:2年間の昏睡の後に身につけた能力。
万物(生物、物質、大気、超能力、霊体など諸々全て)の『死』を『線』として視認する。
何らかの手段で線をなぞればその部分を無条件で切断でき、一突きで殺害することもできる。
無限に広がる空間を切り裂いて脱出したり、体内の病気や取り付いた悪霊だけを殺し、肉体には傷を与えないという器用なことも可能。
義手:左腕は当代随一の人形遣いが作った義手。
離れたところにいる霊体を掴み、引き寄せることができる。
身につけている間は生身と区別できないほど精密。
【性格】
虚無的で気分屋。男性的な口調で、頭の中では女性言葉で考える。
れっきとした両家のお嬢様だが、一週間以上も路地裏で野宿をするのを厭わなかったりする。着物で。
殺人衝動を持つものの、同時に殺人に対する独特の価値観を持ち、理由のない殺戮を嫌う。
本編終了後なのでそれなりに性格が丸くなっている、はず。
【詳細】
何だかんだで、最後の敵を殺すまで「人間」は殺さなかった(人間やめた魔術師とかはノーカウント)
2018-11-20T00:24:12+09:00
1542641052
-
書き手紹介
https://w.atwiki.jp/irohahifumi/pages/74.html
書き手紹介
[[◆WoLFzcfcE.]](6)
[[◆k7QIZZkXNs]](6)
[[◆Mc3Jr5CTis]](4)
[[◆ClAmicNkI]](3)
[[◆DzuK1MKXmE]](3)
[[◆Bn4ZklkrUA]](3)
[[◆s4f2srXljQ]](2)
[[◆Ops2L0916M]](2)
[[◆LwWiyxpRXQ]](2)
[[◆ogK6XsSpmw]](1)
[[◆Ub.tayqwkM]](1)
[[◆Grjjhv/h/s]](1)
[[◆I2ss/4dt7o]](1)
[[◆Wf0eUCE.vg]](1)
[[◆97R.cWfJaE]](1)
[[◆srgp..gN4g]](1)
[[◆oOOla1DQxY]](1)
[[◆bUcVbHLxUE]](1)
[[◆9G12fmecqU]](1)
[[◆/wyVLszwG6]](1)
[[◆x.6zTnwIjo]](1)
[[◆cBHS.HrQeo]](1)
[[◆s4XqtzJIBg]](1)
[[◆OnZTQOLVaU]](1)
[[◆X8UEQnbu92]](1)
2011-12-18T01:37:42+09:00
1324139862
-
【深夜・黎明】
https://w.atwiki.jp/irohahifumi/pages/26.html
**【オープニング】
|NO.|タイトル|作者|登場人物|場所|
| OP|[[剣]]|[[◆ogK6XsSpmw]]|バッツ・クラウザー、剣、剣の分身ロワ、フレン・シーフォ|???|
**【深夜】
|NO.|タイトル|作者|登場人物|場所|
|001|[[戦鬼、再び……]]|[[◆k7QIZZkXNs]]|ゾロ、ブーメラン|C-3 森林地帯|
|002|[[最後の悪あがき/愛情か友情か憎しみか/騎士の誇りを胸に/とある魔眼の殺人鬼]]|[[◆Ub.tayqwkM]]|セシリー、才人、グリフィス、式|F-5 森林 北部&br()F-5 森林 南部|
|003|[[激突! 竜の騎士!!]]|[[◆Mc3Jr5CTis]]|ダイ、セイバー、アーチャー|F-6 森&br()F-4 平原|
|004|[[漂う匂いを追いかけて]]|[[◆Grjjhv/h/s]]|クレア、セフィロス、ガッツ|F-2 市街地&br()F-3 市街地洋装店&br()G-2 市街地|
|005|[[ときめき☆トゥランス]]|[[◆I2ss/4dt7o]]|ランス、錆白兵|D-6 草原|
|006|[[偽りと正当]]|[[◆Wf0eUCE.vg]]|丈瑠|G-2 市街|
|007|[[弦月の下で/獅子邂逅]]|[[◆DzuK1MKXmE]]|ミズー、光、黄泉|C-4 草原&br()D-3 草原|
|008|[[妖夢・衝撃!光の来襲]]|[[◆Bn4ZklkrUA]]|妖夢、ノヴァ(レイアース)|C-8 海岸地帯&br()C-8 遺跡付近|
|009|[[雷速剣舞/隻眼邂逅]]|[[◆WoLFzcfcE.]]|政宗、ブラッドレイ、イナズマ|C-5 村&br()D-5 岸辺|
|010|[[ストライフ・デリバリーサービス営業開始!]]|[[◆WoLFzcfcE.]]|クラウド、トゥバン、十蔵|B-2 塔の頂上&br()不明 上空|
|011|[[かいしんのいちげき!]]|[[◆97R.cWfJaE]]|ヒュンケル、ロラン、海|F-6 山脈|
|012|[[中の人なんていませんよ]]|[[◆s4f2srXljQ]]|刹那、静|E-7 市街|
|013|[[夜に乱雲花々乱れ]]|[[◆LwWiyxpRXQ]]|銀閣、ロイド|E-3 城&br()F-3 城の外|
|014|[[この闇の先には――]]|[[◆Ops2L0916M]]|サトリ、神裂、海|G-6 森林&br()F-6 森林|
|015|[[砂漠の決斗! 雷神vs烈火の将]]|[[◆WoLFzcfcE.]]|シグナム、シド|D-4 砂漠&br()D-4 川|
|016|[[勇者、たつ!]]|[[◆srgp..gN4g]]|ニケ|C-4 川沿いの平原|
|017|[[最強の聖剣]]|[[◆ClAmicNkI]]|健太郎、さくら|G-7 巨大な墓の下|
|018|[[哀しき鼻唄]]|[[◆oOOla1DQxY]]|ブルック、風、クレス|G-3 市街地 外壁傍|
|020|[[闇に輝く光]]|[[◆DzuK1MKXmE]]|ベイダー|C-6 草原|
|021|[[封印の剣]]|[[◆WoLFzcfcE.]]|ギルガメッシュ、アグリアス|C-7 遺跡内部|
|023|[[願果(ねがいのはて)]]|[[◆Mc3Jr5CTis]]|大神、神楽|B-7 海辺|
|024|[[パーティを作ろうとしてみる]]|[[◆Bn4ZklkrUA]]|バッツ|B-5 海岸付近|
|026|[[我刀・ノヴァ]]|[[◆9G12fmecqU]]|ノヴァ(ダイ)、クレア、丈瑠|G-2 市街|
|028|[[サムライ]]|[[◆DzuK1MKXmE]]|イナズマ、政宗|D-4 草原南&br()D-4 草原北|
|030|[[考察(人それを深読みと言う)]]|[[◆/wyVLszwG6]]|アーチャ―、ダイ|F-3 市街地・診療所内|
|031|[[悪意の風]]|[[◆x.6zTnwIjo]]|リンディス|B-4 村はずれの草原|
**【黎明】
|NO.|タイトル|作者|登場人物|場所|
|019|[[ロッキー]]|[[◆ClAmicNkI]]|サトリ、海、ヒュンケル|E-6 森林&br()F-6 山脈|
|022|[[骸骨の踊り]]|[[◆bUcVbHLxUE]]|ブルック、風、クレス|G-3 市街地 外壁傍&br()F-3 市街地 出口|
|025|[[魔剣混沌]]|[[◆ClAmicNkI.]]|式|F-6 山脈|
|027|[[彼女の理由]]|[[◆s4f2srXljQ]]|錆白兵、セイバー|G-5 診療所&br()F-6 森|
|029|[[本当の願い/不屈の意志]]|[[◆Ops2L0916M]]|セシリー、才人|F-5 森林 中部|
|032|[[人間だもの]]|[[◆cBHS.HrQeo]]|ブルック、才人|F-4 草原|
|033|[[隼の邂逅]]|[[◆s4XqtzJIBg]]|リンディス、ブラッドレイ|C-4 草原&br()B-5 村|
|034|[[英雄交差点]]|[[◆WoLFzcfcE.]]|セフィロス、ロイド|F-3/市街地|
|035|[[流れの行方は]]|[[◆Mc3Jr5CTis]]|シグナム、黄泉|D-3/森の入口|
|036|[[狂戦士]]|[[◆OnZTQOLVaU]]|ガッツ、ユーリ|F-2 市街地|
|037|[[荒ぶる者どもに吹き荒れろ嵐]]|[[◆LwWiyxpRXQ]]|キング・ブラッドレイ、伊達政宗|D-4 川の周辺&br()D-4 橋|
|038|[[絆を紡いで]]|[[◆WoLFzcfcE.]]|ミズー、光、ニケ、ブーメラン、バッツ|C-4 村&br()D-5 平原|
|039|[[聖剣の少女騎士]]|[[◆Mc3Jr5CTis]]|セシリー・キャンベル|E-6/川に近い草原|
|040|[[彼・彼女の顔が思い浮かんだ]]|[[◆Bn4ZklkrUA]]|小川健太郎、真宮寺さくら、神裂火織|G-7/西北部&br()G-7/巨大な墓の下|
|041|[[七転八刀]]|[[◆X8UEQnbu92]]|小川健太郎、セイバー、サマルトリアの王子、ヒュンケル、龍咲海、両儀式、セシリー・キャンベル、錆白兵|F-6/山頂&br()G-5/診療所&br()E-7/森林&br()E-6/町の手前|
|042|[[受け継ぐ者へ(前編)]]&br()[[受け継ぐ者へ(後編)]]|[[◆k7QIZZkXNs]]|ノヴァ(ダイの大冒険)、クレア、丈瑠、クレス、クラウド|G-2/市街&br()G-4/平原|
|043|[[刃の亀裂]]|[[◆k7QIZZkXNs]]|ガッツ、銀閣|E-3 城|
|044|[[夢追う鷹は刃を隠す]]|[[◆k7QIZZkXNs]]|グリフィス、ブルック、イナズマ、シド|E-4 草原&br()F-5 草原|
|045|[[仲間]]|[[◆k7QIZZkXNs]]|セフィロス、アーチャー、ロイド、ダイ|F-3/市街地|
|046|[[朝焼けに間に合わない]]|[[◆k7QIZZkXNs]]|ダースベイダー、土宮神楽、大神一郎、アグリアス、ギルガメッシュ|C-6/草原|
|047|[[]]|[[]]|||
|048|[[]]|[[]]|||
**【第一回放送】
|No.|タイトル|作者|登場人物|
||[[]]|[[]]|||
----
2011-12-18T01:37:11+09:00
1324139831
-
仲間
https://w.atwiki.jp/irohahifumi/pages/227.html
**仲間◆k7QIZZkXNs
近づいてくる気配に気付き、アーチャーはゆっくりと立ち上がった。
未だ傷ついた勇者は目覚めていない。
昏々と眠るダイにちらりと視線を遣り、動かすのはまだ無理だと判断してアーチャーは一人屋外へと忍び出た。
感じた気配はまっすぐ今いる診療所へと向かってくる。治療手段の確保は誰に取っても死活問題、当然と言えば当然だが。
一つ所に留まっていたのは愚策だったかも知れない。それでもダイの状態を鑑みれば、その判断は正しかったと言えるだろう。
まだ距離がある内に、アーチャーは自身の戦力を確認する。
携えるのは一振りの日本刀。だがそれがただの刀でないことは錬鉄の英雄たるアーチャーの目を以てせずともすぐにわかった。
なんせ、柄を持って地面に落とせばそれだけで刀身が根元まで埋まってしまうのだ。
切れ味が良い、という次元ではない。触れた物全てを抵抗無く斬り裂く、刀剣としての極地と言える刀であった。
(鋭さや摩擦で斬っているのではない……刃によって物体の分子構造を破壊している。こんな刀を創る者がいるとは、な)
古今あらゆる刀剣を目にし、手にし、複製してきたアーチャーに取り、それは久しく覚えていない驚きだった。
英霊として過去・未来へ果ての無い闘争に召し上げられた身であれど、このようなちぐはぐな刀は見た事が無い。
刀の形状をしていながらもその本質は外見にそぐわない超絶の技術で織り成されている。
宝具という訳でもない。刀からは一切の神秘が感じられない。
だがしかし、殺傷力という一点のみに置いて、その刀はあるいは宝具にすらも匹敵し得る力を有している――そう思わせる。
最強の剣士。
その『一』を見出す闘いと言うならば、演者達が用いる剣もまた最強ではなくてはならないと言う事か。
五十二名もの剣士を拉致し、更にはこのような刀まで用意したロワの存在が改めて脅威に感じられた。
が、それはともかく。この刀が武器として第一級の業物であることは疑いない事実。
しかしアーチャーが得手とするのは短刀の二刀流であり、長物も扱えない訳ではないがセイバーのようにとまではいかない。
魔術を用いれば剣を複製する事は可能だが、先のセイバーとの一戦でアーチャーは己の能力に翳りがあるのを知覚していた。
フルンディング――剣を矢として撃ち出す弓兵の一手。
その使い慣れた得手の魔術ですら、はっきりと身体に残るレベルの疲労として魔力を吸い上げられた。
どうやらサーヴァントの身体能力及び魔力に何らかの細工をしているのだろう。
本来、一般的な人間にサーヴァントを傷つける事は不可能。ならば殺し合いなど成立するはずがなく、そこにはサーヴァントの虐殺があるだけだ。
が、ダイとの戦いでセイバーは確かに傷を負っていた。それは人とも思えぬダイの力も一因だろうが、それだけではないはず。
おそらく、誰が相手だろうとこの場では条件は同じという事だ。
斬られれば死ぬ。
それが剣士に取り、唯一にして絶対の真理。
つまり敗戦は許されないと言う事だ。尤も、それは今更考えるまでも無い、日頃から慣れ親しんだごく当たり前な事実でしかないが。
能力を万全に発揮できるのであれば、得体の知れない刀に頼る必要もないのだが、そうも言ってはいられない。
いつでも刀を抜き放てるように
つらつらと思考を流す内に、視界の中に細く長い影。
銀の長髪を背中に流す長身の男が、気を失っているらしい男性を肩に担いで片手に立っていた。
翡翠の瞳に射抜かれる。自然、身体が緊張状態に入る。
その男は一見して戦士として完成された肉体を持っているとわかる。痩身ながら成人男性を一人担いでここまで歩いてきて、息一つ乱していない。
銀髪の男はまず担いでいた鳶色の髪の男を放り出し、ゆっくりと佩いていた刀の柄に手を置く。
その動きに呼応してアーチャーも刀に手をかけるが、
(……?)
熱い物に触れたかのように反射的に手を離す。
先ほど刀を検分した時にはなかった違和感――唐突に芽生えた、目の前の男を斬りたいという欲求を、強烈な自制で以て押し潰す。
瞬時にその欲求の源がその刀にあるとアーチャーは看破した。
アーチャーにはさほど効果の無い精神的な揺さぶりだったが、もしこれが戦闘中だったらどうか。
高揚の中に密かに滑り込んでくる斬殺への誘惑は、戦意の中に紛れておいそれと気付ける物ではないだろう。
「お前もこれと似たような刀を与えられた、か」
一瞬、相手に隙を見せてしまった迂闊を呪うが、どうやら銀髪の男はそのアーチャーの所作を見て敵意は無いと判断したようだった。
「ああ、そうだ。仕掛けられない限りは、私から手を出す事はない」
「どこかで聞いたような台詞だ」
銀髪の男は苦笑し、刀から手を外す。
「俺はセフィロス。そいつはロイドとか言うらしい」
「私はアーチャーと呼んでくれ」
「アーチャー……弓兵か? そうは見えんが」
「よく言われる。が、それ以外に名乗る名も無いのでな」
どうでも良さそうに男――セフィロスが首肯する。
とりあえずは戦わずに済みそうだ。しかし警戒は解かず、アーチャーは視線で倒れている男――ロイドを指し示す。
「彼は?」
後ろ手に縛られたロイドは、気を失ってこそいるものの目立った外傷は無い。
アーチャーの眼から見るに、ロイド自身もセフィロスと同じく戦闘者としての身体を誇っている。
両の腕に均等に筋肉が乗っており、利き腕がどちらか判別できない。
両腕をどちらも同じ精密さで扱う者――アーチャーと同じく二刀流の使い手か。
自身、セイバー、そしてセイバーと渡り合っていたダイの例から見るに、やはりこのロイドなる男もここにいる以上は一流の剣士と見るべき。
どういう経緯でこうなったかは知らないが、もしそのロイドを必要以上に傷つけずに取り押さえたのだとしたら、セフィロスは相当の手練という事だ。
「先ほど、襲われた。と言っても、この男の意思かどうかは怪しいところだが」
「どういう事だ?」
「この刀だ」
セフィロスが腰の刀を少しだけ引き抜く。
垣間見えた刀身の色は、毒々しい黒。だけでなく、どこか禍々しい気配をも立ち昇らせる。
チン、と刀が納められる。毒気も瞬時に掻き消えた。
「この刀は使い手を支配するようだ。現に今も、お前を斬れとがなり立ててきた」
冗談めかした口調。そこには、俺は支配されてはいない――という確信を感じる。
ちょうど先程のアーチャーと同じだろう。もしかすると、セフィロスもあの瞬間に刀を抜こうとして思い留まったのかも知れない。
「それは奇遇だな。私も同じような刀を持っている」
「だからお前に興味を持った。ロイドと違い、その囁きを跳ね退けたようだからな」
セフィロスが放り出していた鳶色の男を再び担ぐ。
片手を塞ぎ重荷を背負う。わかりやすい、敵意は無いという証明。
「なるほど。詳しく話を聞きたいが、立ち話もあるまい。ついて来てくれ。その男の手当てもせねばならんだろう」
そう言って、セフィロスをダイのいる診療所へと誘う。
道中、不意打ちを警戒していたが、セフィロスが仕掛けてくる事は無かった。
診療所内。ダイの横のベッドにロイドを横たえる。
と言っても、拘束は解いていない。一度乱心したのなら、目覚めても正常に戻っているかどうかはわからないからだ。
椅子に腰かけはせず、アーチャーとセフィロスはそれまであったお互いの事を話す。
アーチャーはセイバーとダイの交戦、そして聖杯戦争の大まかな経緯。自身の素性は省いた。
セフィロスは黒い剣士と銀髪の女との遭遇戦、そしてロイドとの出会い。神羅カンパニーについて、そしてロイドから聞いた話も。
「並行世界というやつか。にわかには信じがたいな」
「だがそう考えるのが一番自然だ。あのロワという存在も含めてな」
沈思するセフィロスを見やり、アーチャーもまた確信を深める。
これは形こそ違えど聖杯戦争に極めて近しい戦いである。
あのセイバーが王道を捨てたのは驚きだが、そういった者はやはり数多く出て来るのだろう。
人の命に頓着する剣士の方が珍しい。大半は己が利を、そして生還を最重要視するはずだから。
「セフィロス、君はどうする気だ? 最後の一人を目指すか?」
「帰還する方法がそれしか無いと言うなら、手段の一つではある。だが、まだそれを判断する時期ではない」
「と言うと?」
「情報が足りん。更に言うなら勝算も低い。腕に自信はあるが、あの黒い剣士のような奴ばかり相手にしていては身が持たん」
ひとまず手を組めそうではあるが、もし無理だと判断すれば手を切られる。
現実的な所は自分と似ているなと、アーチャーは苦笑した。
(扱いにくそうな男だ)
だが、理想ばかり掲げるような者よりかはまだ付き合いやすそうだとも思う。
セフィロスが寄りかかっていた壁から身を起こした。くるりと身を翻し、戸口へと向かう。
「俺が行く。そいつらを看ていろ」
ぶっきらぼうにセフィロスが言う。
南方から聞こえてきた、野獣のような叫び。あるいは慟哭か。
この街の中で誰かが戦っているらしい。
「こいつを渡しておく。俺にはもう無用の物だ」
「これは……」
セフィロスから手渡されたのは、アーチャー自身の愛刀、干将・莫揶だった。
投影した覚えのない、しかし手に馴染む硬質の感触。紛れもない己が刀だ。
「しかし……いいのか? 君の刀は」
「ロイドと一緒にしないでもらいたいな。己を見失わなければどうという事は無い」
言い捨て、毒刀を手にセフィロスは行く。
アーチャーも外に出て遠くなる影を見送る。今はまだ動けない。せめてダイかロイドのどちらかが目覚めるまでは。
「う……」
室内からくぐもった呻き声。
一体どちらが目覚めたか。アーチャーはさてどうやって説明したものかと息を吐きつつ扉を閉じた。
【F-3 市街地・診療所内/一日目/黎明】
【アーチャー@Fate/stay night】
【状態】健康 魔力消費(小)
【装備】赤の聖骸布、干将・莫揶@Fate/stay night
【道具】支給品、斬刀『鈍』、ランダムアイテム(個数内容ともに不明)、医療品
【思考】基本:犠牲を減らす為に最適な行動を取る。
1:ダイとロイドの意識が戻るのを待つ。
2:セフィロスの帰りを待つ。
【備考】
受肉した肉体なので、物理攻撃の無効化・霊体化などは出来ません。
【ダイ@DRAGON QUEST-ダイの大冒険-】
【状態】気絶 疲労(小) 左腕喪失(応急処置済み)
【装備】ブレイブブレイド@ファイナルファンタジーⅤ
【道具】支給品 ランダムアイテム(個数内容ともに不明) 医療品
【思考】基本:元の世界へと戻り、大魔王を倒す。
1:この戦いを止める。
【備考】
ブレイブブレイド@ファイナルファンタジーⅤは持ち主が逃げるたびに攻撃力が落ちていきます。
【ロイド・アーヴィング@テイルズオブシンフォニア ラタトスクの騎士】
【状態】刀の『毒』に犯されている、気絶
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:殺し合いを打破する
1:…………
【備考】
※『 ラタトスクの騎士』本編終了後より参戦
※毒刀の影響を受けていますが、刀を手放しても効果が持続するかは不明。
【F-3 市街地/一日目/黎明】
【セフィロス@ファイナルファンタジーⅦ】
【状態】健康
【装備】毒刀『鍍』@刀語
【道具】支給品、折れたレイピア
【思考】基本:専守防衛
1:生き残る。
2:声がした地点へ向かい、様子を見る。
3:ロイドが目覚めたら話をする。刀の影響が残っているなら……。
【備考】
※ソルジャー時代からの参加。
※今のところ毒刀の影響を受けていません。
----
|BACK||NEXT|
|044:[[夢追う鷹は刃を隠す]]|投下順|046:[[朝焼けに間に合わない]]|
|044:[[夢追う鷹は刃を隠す]]|時系列順|046:[[朝焼けに間に合わない]]|
|BACK|登場キャラ|NEXT|
|034:[[英雄交差点]]|セフィロス|000:[[]]|
|034:[[英雄交差点]]|ロイド|000:[[]]|
|030:[[考察(人それを深読みと言う)]]|アーチャー|000:[[]]|
|030:[[考察(人それを深読みと言う)]]|ダイ|000:[[]]|
----
2011-12-18T01:35:18+09:00
1324139718
-
願果(ねがいのはて)
https://w.atwiki.jp/irohahifumi/pages/188.html
**願果(ねがいのはて)◆Mc3Jr5CTis
三年前のあの日。
母が還らず、父がお役目を継承した日。
家族をなくした私に「お姉ちゃん」が出来ました。
◇
吹き抜ける生臭い潮風が、短くカットされた少女の黒髪を嬲る。
小さくはためく中学校指定のセーラー服の襟や、短く巻き込まれたスカートの布地。
それらが立てる小さな物音を、潮騒の音が呑み込んでいた。
天頂の月と、無数の星だけが照らす海辺の岬。
そんな薄ぼんやりとした闇の中に、一人の少女が佇んでいた。
いつから、そうしているのだろうか。
いつまで、そうしているのだろうか。
左手には、鍔すら付いていない白鞘の野太刀を持って。
少女は何かを深く思い悩むかのように瞑目し、微動だにしない。
絶壁の岬に、打ちつけるような波の音が轟く。
不規則なリズムで刻まれる、大自然の律動。
その自然との合一の中、何かを悟ったのか。
豁然と、少女が目を見開いた瞬間。
無窮の闇の中に、一筋の光が閃いた。
転瞬の間、一気呵成に抜き放たれていた長大な刀身が、月の光を受けて濡れたような妖しい光を放つ。
青白い燐光に照らされた横顔は、死人のように青褪めている。
しかし、その瞳は何かを決意したかのように強い輝きを帯び、闇の先を見据えていた。
少女は、刀を鞘に納めると歩きだす。
己が意思のままに。
◇
ロワと名乗る女が催した、剣を使う者同士の殺し合いという最悪のゲーム。
帝都を守り、悪を挫く帝国華撃団の隊長である大神一郎は、そんなものに乗るつもりは、まったくない。
持ち前の熱い正義感の燃えるがままに――大神は、ただ夜の海岸沿いを歩いていた。
なにか脱出の手立てでもないかと思っていたのだが、島は紺碧の海の上に屹立するかのようにそびえ立っており
例え筏でも組んだとしても、それを海に浮かべる事すら困難だろうという事が判っただけだった。
翔鯨丸のような空を飛ぶ船がなければ、島からの脱出は難しいだろう。
まぁ、それ以前の問題で。
参加者たちの首に嵌められた首輪をどうにかしない事には、脱出も何もあったものではないのだが、
大神には爆発物を仕込まれた首輪を解体するだけの技能はない。
今は自分に出来る事から、地道にコツコツと反撃の糸口を掴んでいくしかないのだ。
例え、何の意味もなさそうな小さなきっかけだとしても。
機械発明が得意な部下である李紅蘭がこの場に居ればいい知恵を貸してくれたかもしれないが、ひとかどの剣士のみを
集めたというこの殺し合いに、彼女が呼ばれる事はないだろう。
軍人……隊長としての大神は、適材である彼女の不在を残念に思うが、人としての大神は、一人のか弱い女性である
紅蘭が戦いに巻き込まれなかった事を嬉しく思う。
強い霊力を持つ女性しか魔とは戦えないとはいえ、未だ彼は少女たちを戦いへと駆りだす事に納得している訳ではないのだから。
「さくらくん……無事でいてくれ」
だから、この戦いに巻き込まれただろう唯一の部下が心配だった。
北辰一刀流免許皆伝の腕前と、強い霊力を持つ彼女ならば、この戦いへと喚ばれた可能性は高いだろう。
つい足早になりそうな歩調を抑えながら、大神は周囲を警戒しつつ遠目にも朧げに姿の見えるランドマーク――
地図上ではピラミッドのような形をした遺跡を目指す。
と、その時である。
向かいの道から歩いてきた人の存在に、大神は気付く。
年の頃は、14~5歳ほどだろうか。
女性として少しずつ丸みを帯びてきた肉体を、明治の世から制定された海軍の服に包んでいるのが妙に似合っていた。
だが、あのスカートはなんだろう。
いくら子供とはいえ、あんなに短いのはハレンチすぎやしないだろうか。
すみれくん独自のファッションを初めて見た時も驚いたが、この子はそれ以上なのではないか……
いけないと思いながらも、大神の視線はついつい少女の肉付きのよい、伸びやかな太腿へと注がれてしまう。
やはり剣術で鍛えこまれているのか。少女の身ながらもその力強さに、大神は野生動物のような躍動感を連想する。
「こんばんは。環境省超自然災害対策室所属、土宮神楽です」
そんな思いにふけっていると、少女も大神の存在に気付いたのか、立ち止まり礼儀正しく挨拶をする。
「うーむ……あ、ああ、こんばんはっ! 帝……国海軍所属、大神一郎少尉です」
秘密組織である帝国華撃団の存在を、余人に教えるわけにはいかない。
大神は表向きの所属を伝えておく事とする。
相手の所属する組織名も大神には覚えのないものであったが、華撃団のような秘密の組織名をうっかり口に出して
しまったのだろうか。
無理もないだろう。
如何に剣の腕が優れると言ってもこんな年端もいかない子が、いきなりこんな場所に連れて来られたのでは、
その心中は察するにあまりある。
ロワに対する憤りと共に、大神は少女の保護を決意し――
「ごめんなさい……」
「え?」
その木枯らしの如き鋭い踏み込みに反応出来たのは、自分でも上出来と思えた。
少女の脚を、よく観察していたからだろう。
大神は、突如として自分の間合いまで踏み込んできた少女の斬撃を潜り抜けて、体を交差させたのだ。
互いの立ち位置は、先ほどまでと真逆となる。
素早く振り向いて、叫ぶ。
「君、いきなりなにをっ!」
「ごめんなさいっ! 死んでくださいっ!」
群青色の瞳を見開いて、神楽は手にした野太刀を振るう。
教本に載せたくなるような、よく練り込まれた体捌き。
よほど小さな頃から修行を重ねてきたのだろう。小さな身体で長物をよく遣うと、大神は感嘆してしまう。
だが、今はそんな感心などしている場合ではない。
神楽が刀を振るうたびに、大神の肉体に朱色の線が刻まれる。
自分も応戦しなくては、これ以上は耐えきれないと判断し腰の物を引き抜いた。
手にする刀は、真宮寺さくらが父より受け継いだという破邪の霊剣荒鷹。
(借りるぞ、さくらくんっ!)
心中にて一言断り、神楽の一撃を受け止める。
大神の使う流派は、かの大剣豪宮本武蔵が興した二天一流。
二刀を扱う事で有名な流派ではあるが、別に一刀でも戦えぬ事はない。
「ッセイ!」
「はっ!」
短い呼気を吐き、二人の剣が重なり合う。
小兵ではあるが、素早い体捌きで体重を乗せてくるような神楽の剣は重く、鋭い。
降魔をも一刀両断にしかねない斬撃を、大神もまた霊剣に霊力を注ぎ込んで耐える。
「馬鹿な事は止めるんだっ!
死にたくないのはわかるが……あの女の言いなりになって最後の一人になるまで殺し合うなんて、正気の沙汰じゃないっ!
まずは落ちついて、話し合おうっ!」
剣を挟んで、視線がぶつかる。
神楽の濡れたような瞳に、戦意の揺らぎは見えない。
だが、先ほどから振るわれる剣には、どこか迷いがあるように感じられる。
それがなければ、大神は既に死んでいたかもしれない。
だから大神は説得を重ねるのだ。
過去、幾多の隊員たちと心を通わせたように――
この少女とも、理解し合えると信じて。
「判って欲しいなんて言わない……でも、私は戦うんだ……
――黄泉のためにっ!!」
だが、神楽はそれを拒む。
あのロワという女の言葉を聞いた時、神楽の心に走ったのは殺し合いへの恐怖だけではなかった。
彼女の提示した、どんな願いも叶えるという万能の力。
その力さえあれば、再起不能の重傷を負った黄泉を助けられるかもしれないと思ったのだ。
二か月前、全身108箇所を鋭い刃物によって刺し貫かれた黄泉は、命こそ取り留めはしたが全身の神経や腱を
ズタズタにされて、日常生活すらままならぬ重傷を負っていた。
美しかった肌を傷だらけにされ、右目を失い、声を失い、わずかに動く指先を使った意思疎通しか出来なくなった黄泉。
だが、それでも神楽に優しく笑いかけてくれる彼女を――救いたいと神楽は強く願った。
だって、あまりにも酷過ぎる。
黄泉が尊敬する義父を失ったのは、つい先日の事だった。
正体不明の悪霊による犯行と思われたその事件以来、神楽と黄泉の二人を取り巻く環境は激変する。
叔父に諫山家の跡継ぎの座を奪われ、部屋を追い出され、義父が与えてくれた宝刀も奪われた。
やがて判明した父の仇――悪霊に乗っ取られてしまっていた従姉を倒した黄泉だったが、余人を交えぬ所で行われた
その戦いは、悪霊退治などではなく私怨による殺人だったのではないかという嫌疑も掛けられた。
黄泉に残されたのは身動き一つ出来ない重傷の身体と、殺人容疑。
婚約者にすら見放された黄泉には、本当に神楽以外、何も無くなってしまっていた。
――あなただけよ、神楽……あなたが、私の最後の宝物。
声を失う前の黄泉に、かけてもらった言葉を思い出す。
神楽にとっても黄泉はかけがえのない人だ。
お役目で忙しい母と、厳しい父に育てられ、受け継ぐべき使命の重さと剣の修行しか知らなかった神楽に
家族の温かさと、楽しい毎日を与えてくれた人。
強くて優しい、大好きな黄泉お姉ちゃん。
その黄泉と、悪霊なんて関係のない世界で普通の姉妹のように生きられたら……
それが神楽の願いだった。
だからこそ、こんな所で倒れるわけにはいかなかった。
必ず勝って、力を手に入れて黄泉の元へと戻る。
悩みの果てにそう誓った神楽だったが、その剣はいざとなると鈍ってしまう。
黄泉との暮らしで優しくなりすぎてしまった剣は、カテゴリDと呼ばれる人の死骸に取り憑いた悪霊ですら
切れないほどに鈍っていた。
ましてや生きてる人間を切る事は、吐き気がするほどに抵抗がある。
その抵抗を――黄泉への想いの力で打ち破るように、神楽は剣を振るう。
「はあああっ!!」
「くっ! よすんだ、土宮くん……っ」
激しい剣戟の音が、夜の平原に響く。
大神は何度も説得の言葉を口にするが、それで神楽の攻撃の手が緩む事はない。
風のように縦横無尽の立ち回りを見せる神楽に対し、大神は山のようにどっしりと構えてそれを受けていた。
だが、全身にいくつもの創傷を受けた肉体からは鮮血が溢れだし、これ以上の持久戦は不可能なように思える。
遂に大神は一旦説得を諦め、少女を峰打ちして気絶に追い込む事を決断した。
この戦いが始まって以来、初めて大神が自ら動く。
弧を描くように、大神の周囲を回っていた神楽を一足で捉えた。
「狼虎……滅却っ!」
大神の肉体の中で、急激に霊力が高まる。
構える剣は狼のように獰猛に。
吼える声は猛虎の如し。
「オオォッ! 国士無双オオオオオッ!!」
少女を止める。
その一念の元、白炎の如き霊力を纏った荒鷹の峰が、神楽の腹に喰らいつかんとする。
「ハァッ!」
「――なにぃっ!?」
だが、八相の構えから流れるように打ち込まれたその剣は、ただ虚空を裂くのみに終わる。
神楽は高く上空へと跳躍する事で、これを避けて見せたのだ。
神楽を追い、上を見上げた大神の視界に、投げつけられた野太刀が迫る。
渾身の力を込めた必殺技を空振った大神に、体勢を整えてそれを避けるだけの余力はない。
「――オオッ!」
かろうじて剣を切り返し、これを打ち払う。
その乱れ切った体勢の大神の胸に、落下しながら宙で一回転して勢い付けた神楽の膝打ちが決まった。
「ぐぁっ」
肋骨が軋み声を上げ、肺の空気が抜ける。
勢いのままに地面に叩きつけられた大神の両手を広げた脚で抑えると、神楽は黒いベルトで太腿に括りつけた
ナイフケースから短刀を引き抜く。
そして、馬乗りの体勢のまま、大神の胸へとその短刀を突き刺そうとし――
「――出来ないよぉ……ごめん……黄泉ぃ、ごめん……」
その、数センチ手前で、刃は止まっていた。
代わりに大神のシャツに降り注ぐのは、大粒の涙の雫。
「土宮くん……やはり、君は……」
「止めてっ! 私は決めたんだから……黄泉の為に、なんでもするってっ!
でも、あなたが……あなたが、本気で戦ってくれないから、私はっ……」
本気で戦っていなかった、などという事はない。
大神は、間違いなく本気だった。
本気で、神楽を止めようとしていた。
だからここで神楽が言う本気とは、本気で殺し合って欲しかったという事だ。
命を奪い合う極限の戦いの中でなら、神楽の中の殺しを忌避する心はねじ伏せられていたかもしれない。
だが、追い詰められても最後まで殺し合いを回避しようとする大神の姿勢が、今回は殺し合いを止めたのだ。
神楽は、唇を噛みしめながら立ち上がる。
そして、地に突き刺さっていた野太刀を引き抜くと、そのまま夜の闇の中へと走り去った。
これ以上、大神の言葉を聞いていると、決心が鈍ってしまいそうだったから。
「ま、待つんだ、土宮くんっ! ぐっ……」
それを追い掛けようとした大神だったが、怪我の痛みが身体に立ちあがる命令を拒否させる。
「く、くそっ……」
この殺し合いを止めるどころか、少女一人止める事の出来ない己の不甲斐無さに歯噛みしながら、大神は
一人夜空を見上げるしかなかった。
【B-7 海辺 一日目 深夜】
【大神一郎@サクラ大戦】
【状態】疲労(小)、胸に打撲、裂傷多数
【装備】霊剣荒鷹@サクラ大戦
【道具】基本支給品、ランダムアイテム(個数、内容ともに不明)
【思考】基本:この戦いを止める。
1:殺し合いを止めさせるために動く。
2:神楽を見つけて、殺し合いを止めさせる。
【土宮神楽@喰霊-零-】
【状態】疲労(小)
【装備】夕凪@魔法先生ネギま! アサシンダガー@ファイナルファンタジータクティクス
【道具】基本支給品
【思考】基本:黄泉の為に優勝する
1:誰かを殺して覚悟を決めたい
【備考】
※諫山黄泉がこの島にいる事に気付いていません。
※参戦時期は喰霊-零-9話途中からです。
----
|BACK||NEXT|
|022:[[骸骨の踊り]]|投下順|024:[[パーティを作ろうとしてみる]]|
|021:[[封印の剣]]|時系列順|024:[[パーティを作ろうとしてみる]]|
|BACK|登場キャラ|NEXT|
|&color(blue){GAME START}|大神一郎|046:[[朝焼けに間に合わない]]|
|&color(blue){GAME START}|土宮神楽|046:[[朝焼けに間に合わない]]|
----
2011-12-18T01:34:27+09:00
1324139667
-
封印の剣
https://w.atwiki.jp/irohahifumi/pages/186.html
**封印の剣◆WoLFzcfcE.
アグリアス・オークスは騎士である。
ルザリア聖近衛騎士団に属し、その剣は王女オヴェリア・アトカーシャに捧げられている。
彼女と王女の関わりは深く、アグリアスは職務ではなく自身の忠義を以て王女を護るべく剣を振るってきた。
放浪の末に主と離れても、その心はいつも王女の身を案じていた。
彼女は信頼できる友と共にイヴァリースを蝕む者たちとの決戦に臨んでいたはずだった。
その戦いの先にこそ求める平和があり、ひいては主の安寧にも繋がると信じて。
記憶が確かならば、自分は魔法都市ガリランドで宿を取っていたはずだ。
しかし今、アグリアスが立っている場所はどことも知れない建物の中だった。
最初は夢でも見ているのかと思った。
だが、ロワと名乗る女から伝えられた戦乱の匂い、死の宣告。
そしてフレンなる金髪の青年が無残な死を遂げるのを見て、尋常な事態ではないと悟った。
あの場でまず彼女がしたのは声を潜め周囲を見渡したこと。
辺りには自分と同じく殺し合いに巻き込まれたであろう数十名の人間の姿があった。
一行のリーダーであるラムザ・ベオルブ、銃使いムスタディオ、部下であるアリシアとラヴィアン、古参の傭兵ラッド。
神殿騎士メリアドール、ハンターであるベイオウーフ、その恋人レーゼ、ラファとマラークの兄妹に、チョコボのボコ。
幸いにも彼らの姿はなく、ほっと胸を撫で下ろした。
ムスタディオやレーゼなどはともかく、ラムザやメリアドール、それに部下二人などはこの場に招かれていてもおかしくはなかったからだ。
だが――幸か不幸か、自分一人でもなかった。
パーティの主力として活躍していた剣聖シドルファス・オルランドゥ、そして謎の男クラウドの姿を彼女は確かに認めていた。
特にシドがいてくれたことは心強い。
あらゆる剣技に精通し単騎で戦場を支配するあの剣聖ならば、こんな殺し合いなど決して許さず争いを止めるために動いているだろう。
クラウドは正直なところ掴みどころがない人物である。
だが、何度も戦場を共に駆けていく内に信頼の置ける男であるということはわかっていた。
彼女は自分の限界を知っている。
剣の腕に自信はある。が、どう逆立ちしても剣聖には及ばない。
統率力や判断力ではラムザに適うはずもなく、魔法もその道専門の使い手ほどでもない。
人間が一人でできることなどたかが知れている。
むしろ一つ一つは弱いその力を束ねることで、彼女たちは人間を超えた存在であるルカヴィを何度も退けてきたのだ。
そう、選ぶべきは殺し合いではなく元凶の打倒。
ロワという女を倒し、速やかにイヴァリースに帰還することこそ、騎士として彼女が進む道だ。
当面は二人との合流を目的に動くべきか。
その道中で望まぬ戦いを強いられた者がいれば救ってみせる。
かつてラムザがそうしたように、己を偽ることなく己の信ずる道を行けば、必ず道は開けるはず。
「……誰だ!?」
そのとき、アグリアスの耳にかすかな物音が聞こえた。
反射的に手にしていた刀を抜刀し、そちらへと向き直る。
刀の銘は九字兼定。握りの部分に九字を刻んだ名刀である。
本来彼女が使うのは両刃の騎士剣なので、刀はどちらかといえば不得手だ。
だがこの刀からは並々ならぬ魔力を感じる。
聖剣技のパワーにも問題なく答えてくれると抜刀した瞬間に確信した。
「わっ、待て待て! 人がいるとは思わなかったんだ!」
そこでは全身を侍のような装備で固めた人物が、物陰から窺うようにアグリアスを見ていた。
まじまじとアグリアスの姿を見つめた後、おそるおそる近寄ってくる。
「お前……人間か? モンスターじゃないよな?」
「何を言っている? 人間に決まっているだろう」
アグリアスがそう言うと、鎧男は緊張の糸が切れたかのように膝から崩れ落ち、滂沱の涙を流し始めた。
突然の奇行に驚いたが、刀を構える腕は下ろさない。
「ああ、良かった! やっと化け物じゃないやつと会えた!」
「だから何を言っている! お前は一体誰だ!」
「おっと、自己紹介がまだだったな! 俺はギルガメッシュだ!」
涙の跡など一瞬で消えた。
立ち直りの早い男と思いつつも、その物腰は確実に武人のそれだった。
ギルガメッシュの背中にある大剣を睨み、アグリアスは警戒を緩めない。
「私はアグリアス・オークスという。それで……ギルガメッシュよ。どうする気だ?」
「は? どうするとは?」
「とぼけるな! 貴様は殺し合いに乗っているのかと聞いている!」
「殺し合い……いや待て待て! 俺はそんなことをする気はない!」
そこまで言うとやっと事態を認識したか、ギルガメッシュは慌てて手を振って戦意はないとアピールした。
彼は背中から剣を外し、地面に置く。
それを見てアグリアスは安心するより先に訝しんだ。
「……お前、殺し合いに乗る気がないのは結構だが、無防備にもほどがあるぞ。私がお前を殺す気だったらどうする気だったんだ」
「えっ!? そうなのか!?」
「違う! ……違うが、危機感が足りないと言ってるんだ」
刀を納めるアグリアス。
ギルガメッシュはほっと息をつき、床にどっしりと腰を下ろした。
「いやなんつーかさ、俺ここに来るまでさんざん化け物に追っかけられてたんだよ。
だからもう戦いは懲り懲りって言うか……とにかくしばらくゆっくりしたいなー、なんて思ったり」
「ゆっくりできる状況だとでも思っているのか?」
ギルガメッシュは相当楽天的……悪く言えばバカだった。
その分腹に含むものはないだろうと、アグリアスにしては辛めの評価をつけた。
「珍しい剣はほしいが、自分から奪うような真似はしねえよ。人間にもすげー強いやつがいるし。
……ああ、最初にいた場所でも化け物みたいな気配を出してるのが何人かいたぜ。あんなのは相手にしたくねえなぁ」
「ふむ、なら私についてこないか? 私はあのロワという女を倒してこの島から脱出するつもりだ」
「脱出って……そんなことできるのか? 勝ち残るより難しいんじゃないのか」
「私とお前だけならそうだろうが、他にも同じ目的を持つものはいるだろう。そういった者と合流し、殺し合いを破綻させるんだ。
何より、この場には剣聖がいる。彼ならどんな達人が相手だろうと決して遅れは取らないだろう」
「はあ……じゃあ、とりあえずはあんたについてくよ。他にあてもないしな」
なんとも軽いやり取りの末、ギルガメッシュはアグリアスと同行することになった。
闘いたくないとは言ったが死にたくもないようで、自衛程度なら協力してくれるという。
とりあえず外に出るかと、アグリアスたちは建物の中を移動していく。
やがて一際大きなホールに出る――我知らず息を呑んだ。
そこは一言で表すなら剣の墓標。
円形のテーブルにぐるりと剣が突き立っている。その数――12本。
その光景を眼にした瞬間ギルガメッシュが歓声を上げて駆け寄っていった。
「うおおっ、こいつはすげえ!」
「おい、迂闊に近づくな!」
ギルガメッシュがそびえる剣の一本に手を掛け、引き抜こうとした。
「よっと……ん? この……ふぬぬ! うおおおおお……だぁっ! な、んだこれ! どうやっても抜けないぞ!」
だが、剣は求めに答えない。
明らかにアグリアスの倍はありそうな膂力を以てしても剣はびくともしていなかった。
往生際悪く剣に挑みかかっていくギルガメッシュは放っておいて、アグリアスはテーブルの一角へと歩み寄った。
そこには石板があり、文字が刻まれている。
「こ、これは……!?」
その石板にはこうあった。
我ら 約されし戦に備え 盟約のもと 眠りにつこう
汝 力を求めるならば
来たるべき刻 再び我らを手にするがよい
汝が真なる剣士ならば 我らは汝の願いに応えよう
――と。
「どういうことだ? 眠りにつく……封印されているのか?」
呟きに、石板は黙して応えない。
だが想像はつく。これらはおそらく、剣を失った者への救済措置なのだ。
新たな剣を手に、最後の一人となるまで闘い抜け――と、どうせそんなところだろう。
来たるべき刻、というのは放送のことだろうか。
真なる剣士ならば、これがわからない。何か資格があるのだろうか。
アグリアスは剣を抜こうと奮闘するギルガメッシュを見やる。あいつに資格はなさそうだ、と思いながらも嘆息した。
これは必ずしもアグリアスたちに利する要素ではない。
刀剣というものは使い込めば劣化する。一握りの名剣魔剣を除き、基本的には消耗品なのだ。
もし殺し合いに乗った者がこの地で新たな力を得れば、必ず惨劇を生む。
殺し合いはますます加速するだろう。あるいはそれが狙いか。
並び立つ剣はどれも一目でわかる業物ばかり。
これらが野に解き放たれればどれだけの血が流されるか――想像するだに気が重い。
「だが、今抜けないのでは対処のしようもない。また後で戻ってきてみるか……」
思考を切り替え、アグリアスは未練がましく負け惜しみを言うギルガメッシュを引っ張って出口へと向かう。
今はシドとクラウドを見つけるほうが先だ。
遺跡を一歩出ると、夜闇が二人の前に広がった。
先行きは暗い――あの剣たちがもたらす未来図を思うと、さらに。
だが、諦めるわけにはいかない。
元の世界で仲間が、そして護るべき主がアグリアスの力を必要としているのだから。
意を決して歩き出す。
騎士の苦難の一日が始まる――
【C-7/遺跡内部/一日目/深夜】
【アグリアス・オークス@ファイナルファンタジータクティクス】
【状態】健康
【装備】九字兼定@空の境界
【道具】基本支給品、ランダムアイテム(個数、詳細不明)
【思考】基本:ロワを打倒して元の世界に帰還する。
1:シド、クラウドと合流する。
2:ギルガメッシュ……信用できるのか?
3:遺跡の剣が気になる。
【ギルガメッシュ@ファイナルファンタジー5】
【状態】健康
【装備】アルテマウェポン@ファイナルファンタジー7
【道具】基本支給品、ランダムアイテム(個数、詳細不明)
【思考】基本:剣はほしいが殺し合いはあまりしたくない。
1:とりあえずアグリアスに同行する。
2:バッツに会ったらどうしよう。
3:遺跡にあった剣がほしい。
【備考】
※次元の狭間を彷徨っているっときからの参加です。
※外見はギルガメッシュチェンジ前のもの。
※C-7の遺跡には12本の剣が封印されており、放送ごとに四本の封印が解かれます。
※一人が持ち出せる剣は一振りのみです。
※剣を抜くには何かしらの条件があるかもしれません。
----
|BACK||NEXT|
|020:[[闇に輝く光]]|投下順|022:[[骸骨の踊り]]|
|020:[[闇に輝く光]]|時系列順|023:[[願果(ねがいのはて)]]|
|BACK|登場キャラ|NEXT|
|&color(blue){GAME START}|アグリアス・オークス|046:[[朝焼けに間に合わない]]|
|&color(blue){GAME START}|ギルガメッシュ|046:[[朝焼けに間に合わない]]|
----
2011-12-18T01:33:45+09:00
1324139625
-
闇に輝く光
https://w.atwiki.jp/irohahifumi/pages/182.html
**闇に輝く光◆DzuK1MKXmE
草木を揺らし、底冷えのする一陣の風が草原を吹き抜けた。
天上の月に薄い暗雲が陰りを落とし、微かな月明かりが眼下を照らす。
五十二の命が鎖に繋がれた血戦場で。
その男は──闇の中に在った。
顔を覆うフルフェイスの仮面や、全身に纏う漆黒の外套は、見る者に強烈な威圧感と畏怖を与える。
そう、彼こそがジェダイの予言にある「フォースにバランスをもたらす者」を体現した救世主として人々に期待されながら。
全てを裏切り、理力の暗黒面に堕ち、シスの暗黒卿として銀河共和国を崩壊させたジェダイの背信者だった。
その名はダース・ベイダー。
髑髏を連想させる死の仮面から不気味な呼吸音が漏れる。
手にした剣は闇色に染まり、その刃は幾多の生き血を啜る刻を待ち望んでいるようだった。
──刃が一閃。
草原を吹き荒ぶ一枚の木の葉が両断された。
その次なる餌食になる者は一体誰なのか?
髑髏の仮面が笑ったような気がした。
だが、どれほど濃い闇の中だろうとも、その身が一度は暗黒に堕ちたとしても。
希望は──光は在ったのだ。
それは暗黒皇帝が率いる銀河帝国と最後のジェダイ騎士ルーク・スカイウォーカーらが集う反乱軍の戦い。
森林惑星エンドア、その宙域に建造された第二デス・スター。
死の要塞デス・スター内部で繰り広げられた、息子ルーク・スカイウォーカーとの運命の戦い。
それを経て、死の際でベイダーは人の心を取り戻す。
見る者が見れば漆黒の衣を纏ったベイダーの姿は死神にも等しく。
その仮面の奥に正義の光が宿っているなどと誰が想像するだろうか。
再び風が吹き荒び、ベイダーの振るった刃が月光の輝きを帯びて闇を一閃する。
ベイダーはロワの言葉を思い出していた。
恐らく島にはロワ言葉を信じて殺し合いに乗った者達や、それら殺し合いを止めようとする者。
皆がそれぞれの思惑を胸に抱えながら、宵闇の中をひしめき合っているのだろう。
それならば、ベイダーが取る道は決まっていた。
「わしがジェダイとしてこの剣を振るう事が許されるのならば──」
弱きを守り、フォースの暗黒面に堕ちた者を打ち倒すために。
今一度この剣を振るう事を此処に誓おう。
「我に光のフォースの導きを──」
【C-6 草原/一日目/深夜】
【ダース・ベイダー@スターウォーズ】
【状態】健康、
【装備】宝刀・獅子王@喰霊-零-
【道具】基本支給品一式、ランダムアイテム×1
【思考】基本:弱きを守り、暗黒面に堕ちた(殺し合いに乗った)者を倒す。
1:ジェダイ騎士として戦う。
[備考]
※参戦時期は第二デス・スターでルークと戦い人の心を取り戻した後。
※宝刀・獅子王で鵺の霊獣「乱紅蓮」が呼び出せるかは不明。(後の書き手氏にお任せします)
----
|BACK||NEXT|
|019:[[ロッキー]]|投下順|021:[[封印の剣]]|
|018:[[哀しき鼻唄]]|時系列順|021:[[封印の剣]]|
|BACK|登場キャラ|NEXT|
|&color(blue){GAME START}|ダース・ベイダー|046:[[朝焼けに間に合わない]]|
----
2011-12-18T01:32:44+09:00
1324139564
-
朝焼けに間に合わない
https://w.atwiki.jp/irohahifumi/pages/228.html
**朝焼けに間に合わない◆k7QIZZkXNs
月が沈み、太陽が昇る。夜闇は朝の光に打ち払われ、マスク越しの視界を眩しく染めていく。
ダース・ベイダーはその光を全身に浴び、手にする宝刀・獅子王を鞘へと納めた。
この地へ降り立ち指針を定めて以降ダース・ベイダーはすぐには動かず、まず自身を把握する事に努めた。
最期の瞬間を覚えている。
魔星デス・スターで。帝国の将、シスの暗黒卿として。実の息子ルーク・スカイウォーカーとの、幾度めかの、そして最後の戦い。
ルークが放った叫びは今も耳に、魂に焼き付いている。
暗黒面に堕ちたダース・ベイダーを光の下へ呼び戻した、誇るべき息子の切なる声を。
そして、ルークを排除せんとする銀河帝国皇帝ダース・シディアス――暗黒の師にして全ての元凶を、湧き上がる怒りのままに討ち果たした。
ルークを守れはしたものの、代償は己の命。ダース・ベイダーもまた、命尽きる事となった。
しかし――後悔はなかった。
己を堕落させた禍根であり、銀河を蝕む悪意を滅ぼせた、それ以上に。
自らが傷つけ、苦難の道を歩ませた息子を、何一つ父親らしい事をしてやれなかった息子を、この手で守る事ができたのだから。
強く正しく成長した息子の姿を見て、息子の手の中で、息子に看取られ、穏やかに瞳を閉じた。
銀河帝国は遠からず滅ぶだろう。最後のジェダイ騎士ルーク、惑星オルデランの女王にして実の娘レイア、そして彼らの仲間たちによって。
憂いはない。これ以上何かを望む事もない。ただ一つとして悔いはない――が、ダース・ベイダーに静かな眠りは訪れなかった。
気がつけば。そう、気がつけばダース・ベイダーは生きてまたここに在った。
肉体の傷は全て消え去ていた。ルークによって斬り落とされた右手や、皇帝の放ったフォースの電撃により破損していたはずの生命維持装置すら一切の不備なく修理されて。
一度修羅の道を歩んだ者はその業から逃れる事は出来ないと言う事か。
自らが再びの生を受けた理由。傷を癒し戦う力を取り戻させた理由。数十名の剣士たちを殺し合わせる理由。
気にならないと言えば嘘になる。だが、考えても現状で答えの出る問題ではない。
何者が修理したかはわからないが、生命維持装置の調子は良好だ。
義手・義足は共に生前と同じ強度を持ち、唯一残る生身の右手もまた生前と同じ感触を伝えている。
ルークに斬り落とされた右手。思えばこの右手はある意味では息子との繋がりと言えるかもしれない。
強く成長した息子の一撃は、今思えば痛みだけでなく誇らしさをも思い出せるものだった。
なぜ左手や両足は義肢のままで右手だけを再生したのかはわからない。だがその事についてだけはロワと名乗る女に感謝してもいた。
しかし許すと言う事ではない。彼奴を斬る事によって礼とする。正しきジェダイとして、悪を討ち正義を為す。
生きて帰る気など元よりない。ルークやレイアが生きていくこれからの世界に、もはやダース・ベイダーは必要ないのだ。
故に今――ただ一振りの刃として、歴史に名を残す事なきただのジェダイとして。
ダース・ベイダーはあらゆる悪を断つ剣となる。
『――往くか』
敵を、あるいは友となる者を求め歩み始めたダース・ベイダーの前にほどなくして現れたのは、一人の少女だった。
若い。彼の子供達より五つ六つは下だろうか。肩までもない黒い短髪、およそ戦闘に適さないであろう白く細い脚を剥き出しにした衣服。
一見無害な非戦闘員とも思えるが、手にする無骨な刀がそうではないと告げている。
ダースベイダーは少女と視線を合わせる。少女の内に滾る殺意を感じ取り、思わずダース・ベイダーの手は外套の下の刀へと伸びた。
(……いや、まだだ)
しかし、抜刀はしない。意識して強張る指を柄から引き剥がし、大きく五指を広げて少女へと翳す。
待て、という意識表明。
『わしは、殺し合うつもりはない。剣を納めよ』
ジェダイの騎士が為すべきは何か。
それは戦う術なき弱き者を守り、フォースの暗黒面に堕ちた者を倒す事。
ならば誰と相対したとて、ダース・ベイダーが先に剣を抜いてはいけない。
その者が発するフォースを感じ、理解し、もはや救えぬとわかった時こそ、剣を振るうべきなのだから。
「……っ。また、そうやって……!」
マスク越しの、機械の音声を不思議に思った風もなく。あるいはそれどころではないか。
ダース・ベイダーの言葉に、何か思い出すものでもあったか、少女は痛ましく顔を歪めると一気に刀を抜き払った。
視線を合わせた時、殺意の中に僅か感じた、迷い。
それは間違いではないはずだと、ダース・ベイダーはまだ与えられた刀を抜かない。
迷えるのなら、まだ道を選んでいないのなら。今は暗黒面に身をやつしたとて、正しきフォースの元へと引き戻す事はできるはず。
かつてルークが己にそうしてくれたように。
「刀を抜いて……本気で戦ってください! でないと、私は……!」
天秤は揺れている。戦う決意はしても、覚悟がついてきていない。他に何か、人を殺すに足る理由を求めている。ダース・ベイダーはそう見て取った。
たとえば、命令されたから。先に相手に襲われたから。身を守るために仕方なく。大事なものを取り返すため――など。
迷いを払拭するだけの強い理由。あるいは忘却するほどの。
もしダース・ベイダーが先に刀を抜いていれば、少女はダース・ベイダーを危険な人物と見做し自己の安全のために迷いを忘れられたかも知れない。
しかし、そうではない――だから、本気で戦えと懇願するのだろう。殺していいのだと、殺すべきなのだと、自分に言い聞かせるために。
『お前がどうして戦いたいのかは知らぬ。だが……今にも泣きそうな顔で剣を振るう者を斬る刃など、わしは持たぬ』
「う、うぅ……だったら!」
少女を刺激しないよう静かに諭す。が、一向に剣を抜かないダース・ベイダーに業を煮やしたか、少女は野太刀を鞘に納めたまま突進してくる。
思いの外、速い。素人ではない、訓練された戦士の動きだ。
予想される少女の能力を上方修正しつつ、素手では防げないと感じたダース・ベイダーは刀の鞘を掴み、腰の剣帯から取り外した。
少女は鞘に納めたままの野太刀を抜刀した。鞘走りの勢いを速度へと転化し斬りつけてくる。
外套を翻し刀を掲げる。甲高い金属音。少女の剣戟は、ダース・ベイダーが掲げた宝刀・獅子王の柄と鍔の間にしっかりと受け止められた。
手にする剣――刀、は使い慣れたジェダイの武器ライトセーバーとは違う実体剣である。必然、光熱線の束であるライトセーバーとは違い、質量があり、重さがある。
かつてジェダイ候補生、パダワンであった時代に実剣を扱った事はあるものの、近年久しく手にしてはおらず。
勘が鈍ったのではないかと危惧したダース・ベイダーは、殺し合いが開始してすぐの一時を修練と肉体の把握に費やしていた。
その甲斐あってか、イメージ通りに身体は動く。刀の重さに振り回される事もない。
「そ、その刀は……黄泉の!」
だが、その人間として当然の自衛行為が、迷う少女にとってこれ以上ない起爆剤でもあったらしい。
ダース・ベイダーの刀を目にした途端、揺れていた少女の瞳は据わってしまった。彼に支給された剣はどうやらこの少女に縁深きものだったらしい。
「返して……!」
迷う心への一押し。図らずも大事なものを取り返すという理由を放り投げてしまった。
銀光が幾重にも閃き、ダース・ベイダーの身を斬り刻もうと襲い来る。動揺を脇に置き、嵐のような斬撃を一つ一つ受け止めていく。
刃を抜かず、鞘に納めたままでの防御。鋼鉄の鞘は十分な硬度は備えているが、速度の乗った刃を受けては幾許も持ちはしない。
少女のそれは素人ではない、剣を心得ている者の動きだ。斬撃は重く、受けるダース・ベイダーの機械の手にも衝撃は蓄積する。
いかに熟練のジェダイとて防戦一方ではいずれ打ち破られるだろう。
ダース・ベイダーは片手で野太刀を受け止めたままもう片方の手を掲げた。空手の五指が虚空を掴む。
「あうっ!?」
少女の顔が強張る。フォースが生む力の一つ、テレキネシス。手を触れずに物体を動かす力。
直接相手に叩きつけて吹き飛ばす事もできるが、ここでダース・ベイダーが使ったのはフォース・グリップと呼ばれる技だ。
手を触れずして物体を締め上げる。シスの技ゆえあまり使いたいとは思わないが、敵を殺さず無力化するにはうってつけの技である。
少女の刀を握る腕、その手首をめがけフォースを集中させる。全力で使えば人の首を折る事すら容易い。
もちろんダース・ベイダーにそこまでする気はないが、刀は取り上げねば話もできない。フォース・グリップを強め、少女の手首にダメージを与えようとした。
「こ、の!」
握力を失うくらいの力で締め上げたつもりだったが、予想に反し少女は刀を取り落とさない。
少女は刀から添えていた片手を外し、自らの太腿へと滑らせた。
短いスカートが撥ね上がり惜しげもなく下着を晒した次の瞬間、少女の手には黒塗りの鋭い短剣が握られている。
短剣の切っ先がダース・ベイダーへと突き込まれ、瞬時に顔を反らし脅威から逃れる。間に合わず、仮面の上を鋭刃が滑り抜けていく。フォースグリップが霧散した。
流れる視界の中、少女が短刀を放り投げて野太刀を鞘に納める姿が目に映った。先ほどの、抜刀の勢いを利用した斬撃が来れば崩れた体勢で受け止めるのは難しい。
ならばとダース・ベイダーは宝刀を旋回させ、次いでフォースを凝縮させて自らの刀へと叩きつける。
剣戟によってひび割れていた鞘は中途で砕け、鉄の破片が散弾銃のように射出。とても剣で撃ち落とせる量ではない。
虚を突かれた少女は慌てて側転し難を逃れるものの、その一瞬の隙こそがダース・ベイダーが欲したものだ。
瞬間に間合いを詰めたダース・ベイダーが打ち込んだ拳が少女の腹を抉るが、しかし少女もさるもの、咄嗟に後方へ跳ばれ衝撃を逃がしていた。
ダース・ベイダーは追わず、少女が取り落とした野太刀を自らの後方へと蹴り飛ばす。
『ここまでだ』
「っあ……!」
『お前ではわしに勝てぬ事は、わかっただろう。勝てぬ相手に挑むのは愚か者のする事だ』
「それ、でも……私は! 返して……それは、獅子王は黄泉のものだから!」
『ヨミ……お前の大切な人か。そのヨミとやらがお前をそこまで駆り立てるのか』
「そう、私は、黄泉の、お姉ちゃんのため……だから、私は!」
揺れる瞳が定まらないまま、少女が短刀を拾い向かってくる。痛撃を浴びせられ武器を奪われた現状、戦力差は絶望的だと分かっているはずなのに。
眼光はいよいよ鋭さを増している。かつて暗黒卿時代に何度も見た、敵わないと知っていてなお特攻してくる者の目だ。
打ちかかってくる彼女の動きは先ほどまでの鋭さはない。ダース・ベイダーの刀に対して短刀では圧倒的にリーチが足りない。
それでもダース・ベイダーを切り裂こうと無理に踏み込んでくるのだから、迎撃も容易だ。
野太刀で短刀を弾き、つんのめった少女の足をテレキネシスで払う。さほど強い力は必要なかった。
ダース・ベイダーは、倒れた少女の首へ宝刀を突きつける。
『ここまでだ。次は腕を斬り飛ばす』
実際その気はなかったが、あえて冷徹に告げる。これでどうやっても勝てないとわかってくれればいいのだが。
自分の声が人間味を感じさせない機械の音声である事も、この時ばかりは役立ってくれるだろうとダース・ベイダーは小さく苦笑した。
冷たい刃の感触が一気に死の恐怖を思い出させたか、ひっとしゃくりあげて少女は止まる。
いくら腕が立つと言っても、やはりまだ幼い少女だ。恐怖を捻じ伏せ闘志へと変える事ができない。
さしたる被害もなく、制圧に成功。結果は上々なのだが、ダース・ベイダーは仮面の下で苦い息を吐く。
少女が生涯一番の強敵だったという訳ではない。幼い者を斬った事がない訳でもない。
それでもやはり、再びジェダイとして生きる事を決意した今となっては、子供らより幼い者を斬る事には抵抗があった。
安堵した一瞬、ダース・ベイダーはふとその場に新たなフォースの流れを感じ取る。
首を巡らせるより先に、フォースのもたらす直感に従って全力で跳躍した。
一瞬前まで彼がいた位置を、頭上から落下してきた“何か”が押し潰す。
砂塵が巻き起こる。ダース・ベイダーは回避の動きを止めぬまま、その着弾点を凝視した。
何か、ではない。それは人間だった。鎧兜を纏った大柄なシルエットが見える。
そいつはのそりと立ち上がり、こちらへと向かって――来ず、少女を抱えて飛び退る。
「いいぞ、やっちまえ!」
鎧武者は大声を張り上げる。当然ダース・ベイダーへ向けた物ではない。事態の推移についてきておらずきょとんとしている少女でもないだろう。
だとするなら残る可能性は一つ。鎧武者の仲間だ。すなわち、ダース・ベイダーを敵と看做す者。
今度は直感ではなく予測だった。再度フォースにて身を飛ばしたダース・ベイダーは、すんでのところで地面から突き出た巨大な光刃をかわす。
実剣ではない――おそらくはフォースで構成された刃。それが証拠に刃は瞬く間に解け消え、何の名残も残さない。
空中で四肢を振り、姿勢を制御。着地しつつ宝刀を構える。
鎧武者は詰めて来ない。ほどなくその傍らに、第四の人物、金髪の女騎士が現れた。
抜き身の刀を構えてこちらを睨む眼光は、当然と言えば当然だが敵意に満ちていた。そうでなければ奇襲など仕掛けては来ないだろう。
「こんなに早くあの女の甘言に乗った愚か者に遭遇するとはな。だが、間に合った……ここからは我らが相手をする!」
「え、我らって。俺も勘定に入ってるの?」
「当たり前だ! さっさと剣を抜け!」
「えー、さっきと話が違う……俺はこの娘を助けるだけでいいって言ったじゃないか」
「あれは首尾よくこいつを仕留められたらの話だ。仕損じた以上戦うしかないだろう」
「そんな事言っても、こいつすげー強そうじゃないか。完璧に不意を突いたのに倒せないって、普通ないだろ。ないって」
どうやら少女へ刀を突き付けていたところを目撃されていたらしく、完全に“殺す側”の人間だと思われている。
片方は年端もいかない少女、もう片方は漆黒の仮面と外套に身を包んだ男。どちらが怪しいと言って、間違いなくそれは自分なのだろうとダース・ベイダーは眉を顰めた。
事実は違うと抗弁するか? だが状況的に見てダース・ベイダーを信じてくれる要素はないように思えた。
むしろ往生際が悪いとさらに激昂するのではなかろうか。鎧武者を激しく叱咤する女騎士はそういうタイプに思える。
女騎士とは対照的に鎧武者はあまり好戦的ではないように見える。決してダース・ベイダーから目を離さないでいる様から見て警戒されているのは同じ。
女騎士が構える刀の切っ先を見やり、どうしたものかと仮面の裏で小さく唸る。
斬る、のは論外だ。女騎士たちがダース・ベイダーに攻撃してきた理由は、間違いなく少女を助けるためであろう。
だから善良という訳でもないが、少なくとも悪ではない。ジェダイが斬る対象ではないのだ。今のところ、だが。
ここは通じないとは分かっていても、言葉を尽くす場面だろう。
「つべこべ言うな! どの道、ここで戦わねば死ぬぞ。あの身のこなしを見ただろう」
「そりゃまあ……でもなぁ……」
『待て、わしは戦う気はない』
「ほら、向こうさんもそう言ってることだし。な? ……ん?」
「何?」
『戦う気はない、と言った。武器を納めろ』
無理だろう、と思いつつ。
『わしの名はダース・ベイダー。よければ名を聞かせてくれんか』
「あ、俺はギルガメッシュだ。こいつはアグリアス。よろしくな」
「お前は敵に何を言っている!」
「いや、だって自己紹介は人間関係の基本だし。戦う気はないって言ってるんだしさ」
「敵の言う事を簡単に信用するな! この少女が殺されかけていたのを見ただろう!」
「それは、まあ……」
やはり女騎士――アグリアスは聞く耳を持たない。鎧武者――ギルガメッシュの方はまだ話せそうだが、どうにも押しが弱い。
この二人組で主導権を握っているのはアグリアスなのだろう。
『それは誤解だ。わしにはその少女を害するつもりはなかった』
「では何故その刀を突き付けていた? 丸腰の少女相手に!」
言われ、少女を見る。野太刀も短刀も、ダース・ベイダーがすでに取り上げていた。
無力化させたのが裏目に出た。思わず舌打ちする。
少女と目が合う。こうなれば少女自身に弁解させるしかないが、
「わ、私。急に、その人に襲われて! 私の時も、最初は戦う気はないって言って、突然……!」
「何だと……!」
たった今。それも不可能になった。
いよいよ義憤に燃えたアグリアスの眼を見て、これはもう説得は無理だなと嘆息した。
少女にしてやられたと言うべきか。気がつけばダース・ベイダーが狩られる側へと追いやられていた。
もはや戦う以外に道はない。
「これで疑う余地はないな、ギルガメッシュ!」
「お、おう……ああ、くそっ! わかったよ、やってやらあ!」
ギルガメッシュが抜剣した。ダース・ベイダーの胴回りを軽く上回るほどの大剣だ。
そんな剣を、あの体格のいい男が扱うのだ。ジェダイはフォースで身体能力を強化できるとは言え、まともに受けては刀が折れる。
だが、脅威とは言えそれはまだ対処しやすいと言える。斬撃の軌跡を目で追う事は可能なのだから。
問題はアグリアスの方だ。先程の攻撃――地面から生えてきたフォースの刃。あれがまずい。
数多くのジェダイと剣を合わせてきたダース・ベイダーですら、あのようなフォースの使い方は目にした事がない。
そしておそらく、手札があの突き立つ刃だけという事はないだろう。アグリアスに切り札を失った狼狽は見て取れないからだ。
未知の攻撃をどれだけ凌げるか。一度でも直撃すればそこからギルガメッシュに押し込まれるのは目に見えている。
「私も戦います!」
少女が弾き飛ばされた短刀を拾う。野太刀は今もダース・ベイダーの後方にあるため、脅威は小さい。
が、戦闘が再開すれば。少女はおそらくダース・ベイダーの相手をアグリアスとギルガメッシュに押し付け、野太刀を回収する事だろう。
アグリアスのフォース、ギルガメッシュの大剣、少女の素早い斬撃。どれ一つとっても片手間にあしらえるものではない。
その上、誰も殺さずこの状況を切り抜けようと言うのだから、己の無茶に呆れ果てもする。
(それでも……わしは退かぬ。この程度の苦境を跳ね除けずして、ジェダイを名乗る事などできん)
胸中で呟き、宝刀を強く握り直す。少女の視線が吸い寄せられるのを感じる。
少女もダース・ベイダーからこの刀を奪うまで、どうあっても退く気はないだろう。
全身を巡るフォースの流れを意識する。不備なし、万全。誰が相手であっても後れを取りはしない――そう信じる。
アグリアスが刀を振り上げる。その切っ先にフォースが漲るのを感じ、ダース・ベイダーもまた疾走を開始するべく両脚へと力を込めて、
「止めろォォォ――――ッ!」
横っ面を叩かれたような張りのある強烈な声に押され、行動を中断せざるを得なかった。
誰もが――ダース・ベイダーやアグリアス、少女でさえもが敵手から視線を外してその声の響いた方向へ眼をやる。
そこには黒髪を逆立てた青年がいた。全身に朱色の線を引いた傷だらけの姿で、しかし痛みに屈する事なく力強く歩いてくる。
「あ……!?」
「追いついた……そして、間に合ったぞ、土宮くん!」
青年は、ダース・ベイダーでもアグリアスらもでなくただ一人、少女へ向けて言葉を放つ。
土宮と呼ばれた少女はびくりと身体を震わせるが、構わず大神は進む。
ダース・ベイダーの前を横切り、何か言わんとしたアグリアスを眼光で怯ませ、土宮の目の前に。
青年はすう、と大きく息を吸い込み――
「今度こそ、君を止めてみせる!」
そう、高らかに宣言した。
「いや、誰だよお前。いきなり出てきたのはいいけど、せめて自己紹介くらいしろよな」
「え? あ、これは申し訳ない。俺……いえ、自分は帝国海軍所属、大神一郎少尉です」
そして即ギルガメッシュに突っ込まれ、慌てて自己紹介をした。
ダース・ベイダーは嘆息し――だが、これで勝てる“芽”が出たと、一人戦意を新たにするのだった。
【C-6 草原/一日目/黎明】
【ダース・ベイダー@スターウォーズ】
【状態】健康
【装備】宝刀・獅子王@喰霊-零-
【道具】基本支給品一式、ランダムアイテム×1
【思考】
基本:弱きを守り、暗黒面に堕ちた(殺し合いに乗った)者を倒す。
1:ジェダイ騎士として戦う。
【備考】
※参戦時期は第二デス・スターでルークと戦い人の心を取り戻した後。
※宝刀・獅子王で鵺の霊獣「乱紅蓮」が呼び出せるかは不明(後の書き手氏にお任せします)。
※夕凪@魔法先生ネギま!が近くに落ちています。
【大神一郎@サクラ大戦】
【状態】疲労(小)、胸に打撲、裂傷多数
【装備】霊剣荒鷹@サクラ大戦
【道具】基本支給品、ランダムアイテム(個数、内容ともに不明)
【思考】基本:この戦いを止める。
1:殺し合いを止めさせるために動く。
2:神楽を止める。
【土宮神楽@喰霊-零-】
【状態】疲労(中)、腹部打撲
【装備】アサシンダガー@ファイナルファンタジータクティクス
【道具】基本支給品
【思考】基本:黄泉の為に優勝する
1:誰かを殺して覚悟を決めたい
【アグリアス・オークス@ファイナルファンタジータクティクス】
【状態】健康
【装備】九字兼定@空の境界
【道具】基本支給品、ランダムアイテム(個数、詳細不明)
【思考】基本:ロワを打倒して元の世界に帰還する。
1:シド、クラウドと合流する。
2:遺跡の剣が気になる。
【ギルガメッシュ@ファイナルファンタジー5】
【状態】健康
【装備】アルテマウェポン@ファイナルファンタジー7
【道具】基本支給品、ランダムアイテム(個数、詳細不明)
【思考】基本:剣はほしいが殺し合いはあまりしたくない。
1:とりあえずアグリアスに同行する。
2:バッツに会ったらどうしよう。
3:遺跡にあった剣がほしい。
【備考】
※次元の狭間を彷徨っているときからの参加です。
※外見はギルガメッシュチェンジ前のもの。
※C-7の遺跡には12本の剣が封印されており、放送ごとに四本の封印が解かれます。
※一人が持ち出せる剣は一振りのみです。
※剣を抜くには何かしらの条件があるかもしれません。
----
|BACK||NEXT|
|045:[[仲間]]|投下順|047:[[]]|
|045:[[仲間]]|時系列順|047:[[]]|
|BACK|登場キャラ|NEXT|
|020:[[闇に輝く光]]|ダースベイダー|000:[[]]|
|021:[[封印の剣]]|アグリアス|000:[[]]|
|021:[[封印の剣]]|ギルガメッシュ|000:[[]]|
|023:[[願果(ねがいのはて)]]|土宮神楽|000:[[]]|
|023:[[願果(ねがいのはて)]]|大神一郎|000:[[]]|
----
2011-12-18T01:31:57+09:00
1324139517
-
◆k7QIZZkXNs
https://w.atwiki.jp/irohahifumi/pages/79.html
*◆k7QIZZkXNs
**氏が執筆した作品
-001:[[戦鬼、再び……]]
-042:[[受け継ぐ者へ(前編)]]&br()[[受け継ぐ者へ(後編)]]
-043:[[刃の亀裂]]
-044:[[夢追う鷹は刃を隠す]]
-045:[[仲間]]
-046:[[朝焼けに間に合わない]]
**氏が登場させたキャラクター
1回
ロロノア・ゾロ、ブーメラン、クラウド・ストライフ、クレス・アルベイン、クレア
ノヴァ、ガッツ、宇練銀閣、グリフィス、ブルック、高代亨、シドルファス・オルランドゥ
セフィロス、ロイド、アーチャー、ダイ、 ダースベイダー、土宮神楽、アグリアス
ギルガメッシュ、大神一郎
#comment
2011-12-18T01:00:50+09:00
1324137650
-
【000~050】
https://w.atwiki.jp/irohahifumi/pages/25.html
|話数|タイトル|作者|登場人物|場所|時間|
|OP|[[剣]]|[[◆ogK6XsSpmw]]|バッツ、剣、剣の分身ロワ、フレン|???|開始前|
|話数|タイトル|作者|登場人物|場所|時間|
|001|[[戦鬼、再び……]]|[[◆k7QIZZkXNs]]|ゾロ、ブーメラン|C-3 森林地帯|一日目/深夜|
|002|[[最後の悪あがき/愛情か友情か憎しみか/騎士の誇りを胸に/とある魔眼の殺人鬼]]|[[◆Ub.tayqwkM]]|セシリー、才人、グリフィス、式|F-5 森林 中部/F-5 森林 北部/F-5 森林 南部|一日目/深夜|
|003|[[激突! 竜の騎士!!]]|[[◆Mc3Jr5CTis]]|ダイ、セイバー、アーチャー|F-6 森/F-4 平原|一日目/深夜|
|004|[[漂う匂いを追いかけて]]|[[◆Grjjhv/h/s]]|クレア、セフィロス、ガッツ|F-2 市街地/F-3 市街地 洋装店/G-2 市街地|一日目/深夜|
|005|[[ときめき☆トゥランス]]|[[◆I2ss/4dt7o]]|ランス、錆白兵|D-6 草原|一日目/深夜|
|006|[[偽りと正当]]|[[◆Wf0eUCE.vg]]|丈瑠|G-2 市街|一日目/深夜|
|007|[[弦月の下で/獅子邂逅]]|[[◆DzuK1MKXmE]]|ミズー、光、黄泉|C-4 草原/D-3 草原|一日目/深夜|
|008|[[妖夢・衝撃!光の来襲]]|[[◆Bn4ZklkrUA]]|妖夢、ノヴァ(レイアース)|C-8 海岸地帯/C-8 遺跡付近|一日目/深夜|
|009|[[雷速剣舞/隻眼邂逅]]|[[◆WoLFzcfcE.]]|政宗、ブラッドレイ、イナズマ|C-5 村/D-5 岸辺|一日目/深夜|
|010|[[ストライフ・デリバリーサービス営業開始!]]|[[◆WoLFzcfcE.]]|クラウド、トゥバン、十蔵|B-2 塔の頂上/不明 上空|一日目/深夜|
|011|[[かいしんのいちげき!]]|[[◆97R.cWfJaE]]|ヒュンケル、ロラン、海|F-6 山脈|一日目/深夜|
|012|[[中の人なんていませんよ]]|[[◆s4f2srXljQ]]|刹那、静|E-7 市街|一日目/深夜|
|013|[[夜に乱雲花々乱れ]]|[[◆LwWiyxpRXQ]]|銀閣、ロイド|E-3 城/F-3 城の外|一日目/深夜|
|014|[[この闇の先には――]]|[[◆Ops2L0916M]]|サトリ、神裂、海|G-6 森林/F-6 森林|一日目/深夜|
|015|[[砂漠の決斗! 雷神vs烈火の将]]|[[◆WoLFzcfcE.]]|シグナム、シド|D-4 砂漠/D-4 川|一日目/深夜|
|016|[[勇者、たつ!]]|[[◆srgp..gN4g]]|ニケ|C-4 川沿いの平原|一日目/深夜|
|017|[[最強の聖剣]]|[[◆ClAmicNkI]]|健太郎、さくら|G-7 巨大な墓の下|一日目/深夜|
|018|[[哀しき鼻唄]]|[[◆oOOla1DQxY]]|ブルック、風、クレス|G-3 市街地 外壁傍|一日目/深夜~黎明|
|019|[[ロッキー]]|[[◆ClAmicNkI]]|サトリ、海、ヒュンケル|E-6 森林/F-6 山脈|一日目/黎明|
|020|[[闇に輝く光]]|[[◆DzuK1MKXmE]]|ベイダー|C-6 草原|一日目/深夜|
|021|[[封印の剣]]|[[◆WoLFzcfcE.]]|ギルガメッシュ、アグリアス|C-7 遺跡内部|一日目/深夜|
|022|[[骸骨の踊り]]|[[◆bUcVbHLxUE]]|ブルック、風、クレス|G-3 市街地 外壁傍/F-3 市街地 出口|一日目/黎明|
|023|[[願果(ねがいのはて)]]|[[◆Mc3Jr5CTis]]|大神、神楽|B-7 海辺|一日目/深夜|
|024|[[パーティを作ろうとしてみる]]|[[◆Bn4ZklkrUA]]|バッツ|B-5 海岸付近|一日目/深夜|
|025|[[魔剣混沌]]|[[◆ClAmicNkI.]]|式|F-6 山脈|一日目/黎明|
|026|[[我刀・ノヴァ]]|[[◆9G12fmecqU]]|ノヴァ(ダイ)、クレア、丈瑠|G-2 市街|一日目/深夜|
|027|[[彼女の理由]]|[[◆s4f2srXljQ]]|錆白兵、セイバー|G-5 診療所/F-6 森|一日目/深夜~黎明|
|028|[[サムライ]]|[[◆DzuK1MKXmE]]|イナズマ、政宗|D-4 草原南/D-4 草原北|一日目/深夜|
|029|[[本当の願い/不屈の意志]]|[[◆Ops2L0916M]]|セシリー、才人|F-5 森林 中部|一日目/黎明|
|030|[[考察(人それを深読みと言う)]]|[[◆/wyVLszwG6]]|アーチャ―、ダイ|F-3 市街地・診療所内|一日目/深夜|
|031|[[悪意の風]]|[[◆x.6zTnwIjo]]|リンディス|B-4 村はずれの草原|一日目/深夜|
|032|[[人間だもの]]|[[◆cBHS.HrQeo]]|ブルック、才人|F-4 草原|一日目/黎明|
|033|[[隼の邂逅]]|[[◆s4XqtzJIBg]]|リンディス、ブラッドレイ|C-4 草原/B-5 村|一日目/深夜~黎明|
|034|[[英雄交差点]]|[[◆WoLFzcfcE.]]|セフィロス、ロイド|F-3/市街地|一日目/黎明|
|035|[[流れの行方は]]|[[◆Mc3Jr5CTis]]|シグナム、黄泉|D-3/森の入口|一日目/黎明|
|036|[[狂戦士]]|[[◆OnZTQOLVaU]]|ガッツ、ユーリ|F-2 市街地|一日目/黎明|
|037|[[荒ぶる者どもに吹き荒れろ嵐]]|[[◆LwWiyxpRXQ]]|キング・ブラッドレイ、伊達政宗|D-4 川の周辺/D-4 橋|一日目/黎明|
|038|[[絆を紡いで]]|[[◆WoLFzcfcE.]]|ミズー、光、ニケ、ブーメラン、バッツ|C-4 村/D-5 平原|一日目/黎明|
|039|[[聖剣の少女騎士]]|[[◆Mc3Jr5CTis]]|セシリー・キャンベル|E-6/川に近い草原|一日目/黎明|
|040|[[彼・彼女の顔が思い浮かんだ]]|[[◆Bn4ZklkrUA]]|小川健太郎、真宮寺さくら、神裂火織|G-7/西北部&br()G-7/巨大な墓の下|一日目/黎明|
|041|[[七転八刀]]|[[◆X8UEQnbu92]]|小川健太郎、セイバー、サマルトリアの王子、ヒュンケル、龍咲海、両儀式、セシリー・キャンベル、錆白兵|F-6 山頂/G-5 診療所/E-7 森林/E-6 町の手前|一日目/黎明|
|042|[[受け継ぐ者へ(前編)]]&br()[[受け継ぐ者へ(後編)]]|[[◆k7QIZZkXNs]]|ノヴァ(ダイ)、クレア、丈瑠、クレス、クラウド|G-4/平原&br()G-2/市街|一日目/黎明|
|043|[[刃の亀裂]]|[[◆k7QIZZkXNs]]|ガッツ、銀閣|E-3 城|一日目/黎明|
|044|[[夢追う鷹は刃を隠す]]|[[◆k7QIZZkXNs]]|グリフィス、ブルック、イナズマ、シド|E-4/草原&br()F-5/草原|一日目/黎明|
|045|[[仲間]]|[[◆k7QIZZkXNs]]|セフィロス、アーチャー、ロイド、ダイ|F-3/市街地|黎明|
|046|[[朝焼けに間に合わない]]|[[◆k7QIZZkXNs]]|ダースベイダー、土宮神楽、アグリアス、ギルガメッシュ、大神一郎|C-6/草原|一日目/黎明|
|047|[[]]|[[◆]]||||
|048|[[]]|[[◆]]||||
----
2011-12-18T00:56:39+09:00
1324137399