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考察(人それを深読みと言う)◆/wyVLszwG6


月明かりが差し込む一室、そこはF-3:街の一角にある診療所の一室であった。
市街にたどり着いたアーチャーは、他の参加者と遭遇しない様細心の注意を払いながら街を探索する。
そして診療所を見つけるとダイを運びこんだ。

情報収集や殺し合いに乗った者の排除、負傷者や弱者の保護に協力者の確保等する事はいくらでもある。
だがその全てを一度にこなせる程、自分が万能ではない事を、他でもないアーチャー自身が一番良く知っている。
現時点で誰が殺し合いに乗っているかわからない上にこちらは負傷者を抱える身、そんな状態では他者との接触は避けたい所だ。
もし戦闘になったならば、意識の無い少年を一人抱えたまま戦う事になる。
それでもどうにかなる等と、アーチャ―は己の腕を過信していなかった。
仮にダイに意識があり、動ける状態ならば色々やりようがあったのだが。


◇ ◇ ◇


アーチャ―は室内のベットの一つに、そっとダイの体を横たえる。
ダイは痛みの為、いまだ呻き声をあげている。
当然だ、片腕を切り落としたのだ、こんな短時間に痛みが引く訳があるまい。
アーチャ―は室内の医療品を物色し、ダイに対して処置を施していく。
と言っても、傷口を消毒し薬を塗り、包帯を巻くくらい事しか出来ないのであるが。
最後に運よく見つける事が出来た一個の痛み止めを使おうとして、少し思案した。
これを使えばダイは一時的に苦痛から解放されるであろうが、その代わりしばらく目を覚さなくなるだろう。
そうなると、ある程度の時間この場に拘束される事になるが…さて。

思案の結果、やはり痛み止めを使う事にした。
このまま苦痛でいたずらに体力を消耗させるよりは、苦痛を取り除き少しでも体力を回復させた方がよいという判断の上でだ。
意識が戻っても、疲労仕切った体ではいざという時に自身の身を守る事すらままならない可能性もある。
そうすると、意識を取り戻してから体力を回復させる時間が必要となる。
ならば目を覚ました時に、すぐ行動ができる可能性を上げておいた方がいいだろうとアーチャーは判断した。

痛み止めは直ぐに効いたのか、ダイの呻き声は無くなり安らかな寝息を立てている。
それを確認するとアーチャ―は室内で物色した医療品、包帯、消毒薬、傷薬等の応急処置に必要な道具を纏め、自分とダイのディパックの中に入れておく。

「さて、あとはこの少年が目を覚ますの待つだけだが…」

しばらくは目を覚まさない事はわかっている、だからと言ってその間何もしないというのは時間の浪費にしかすぎない。
アーチャ―は虚空を見据え思考する。

街ならば人が集まりやすい、協力者の確保や弱者の保護の為動くべきではないか?
そうすればこの少年一人より、多くの犠牲を減らせるかもしれんぞ。
馬鹿な事を、友好的な参加者に会えるとは限らん。
ここに負傷した、殺し合いに乗ったものが来るのかもしれんぞ、そうなったらこの少年は確実に殺される。
救えるかどうかもわからん者の為に、眼の前の命を危険にさらすのか?

……否だな。

今は目の前の命を守ろう。

それは数瞬の葛藤。

正義の味方は味方したものしか救う事が出来ない。
誰かを救うという事は、誰かを救わないという事だ。

こんな時は何時も無き養父の言葉を思い出す。
今自分は目の前の少年を救う為に、助けられた誰かを切り捨てた筈なのだから。


◇ ◇ ◇


不本意ではあるが、何もすることが無い時間が出来てしまった。
ならばこの間を利用してやれる事をやっておくのが吉だろう。
この殺し合いを破綻させる為の必要事項に、まず首輪の解除がある。
この首輪による枷がある限り、ロワに対する反逆も逃亡もままならない。
無論首輪を解除しただけで、この殺し合いを破綻させる事など出来はしないが、まずこれを成さなければ次の段階に進む事も出来ないだろう。

「まあ、無駄だとは思うが…一応試してみるか。……解析――開始――(トレース・オン)」

そしてアーチャ―は己の魔術を発動させる。
アーチャ―の持つ魔術、固有結界『無限の剣製』はオリジナルを視認する事で、全く同じ剣を複製する事が可能である。
しかし、全く同じ複製を作ると言う事はその対象の構造を把握しなくてはいけない。
その為に、固有結界の能力に付随している構造把握能力を成す『解析魔術』により、首輪の構造を解析し用と試みるのだが…

「…ちっ、やはり無駄か」

解析を試みるものの創造の理念及び基本骨子、構成材質に製作技術いずれも読み取る事が出来なかった。
だが、それはそれで一つの収穫でもある。
解析の対して防御を行うという事は、解析されるとまずい物がある。
つまり、見る者が見れば首輪の解除は可能と言う事になる。
逆に何も防御されておらず解析できたとして、その構造がアーチャ―に全く理解出来なものである可能性もあった。

全員が一度に集められたあの場。
弓兵として他者より高い視覚能力を持つアーチャ―は、あの場で幾人もの姿を確認していた。
もっとも、位置が悪くはっきりと顔まで確認出来た人物数少ないが。
それでも、鎧兜をつけた者、女子学生、中世の西洋の服装の者と国も時代もてんでバラバラだったのを確認している。
アーチャ―の見立てでは、聖杯戦争の様に時代や国を超えて剣士たちが集められているのだろう。
ならば、ロワが自分の生きた時代の者だという保証はなく、アーチャ―にとって未知の技術を使っている可能性もあるのだ。
アーチャ―の生きた時代より未来の科学技術がつかわれている可能性や、神代の魔術が用いられていないとも限らないからだ。
魔術回路が固有結界をなすのに特化しているアーチャーは、お世辞にも優秀な魔術師とはいいがたい。
未来の技術はもとより、神代の魔術レベルになると流石に手に負えなくなってくる。

まあもっとも、解析に対しての防御は式の直視の魔眼や、高代の”死線”を視る能力に対する防御付随している可能性もあるのが、彼らの存在を知らないアーチャ―にそれを判断しろというのは無理な話しである。


◇ ◇ ◇


思考に耽っていたアーチャ―は、ふとあの場に置いてロワのとった行動の一つに引っかかりを覚えた。
ロワの謎の力による、痛みで参加者全員の動きを封じたー仮に『苦痛の束縛』と名付けようか。
『苦痛の束縛』の発動に関しては、無詠唱・無動作であった。
にも関わらず、首輪の爆破には腕を振り下ろす動作を必要としていた。これは違いは一体何か?
腕を振り下ろしたのは単なる演出上都合であり、特に意味は無い。
というのであれば特に気にする必要はないだろう、だがもしそうではなかったら?

そう単に演出では無く、腕を振り下ろさざるを得なかったのだとしたらどうだ。

例えばそう、首輪の爆破を発動させる力はロワ自身には無く、ロワの主である剣もしくはロワの協力者が首輪を爆破させていた。
その為の合図である、そう読み取ることもできる。
伏兵という存在は何時だって厄介である、運用次第ではその場の流れを一気にひっくり返されてしまうのだから。
ロワと主である剣以外にこの殺し合い運営に携わる者。
例えば、この殺し合いを促進する為に参加者として紛れ込んでいる可能性もある。
だとしたら……

そこまで考えて、アーチャ―は思考を中断させる。
現在の思考はどれも確証が無く、空想の域を出ない。
最悪の事態に対応する為あらゆる事態を想定するのはいいが、深読みしすぎてどつぼにはまっては意味が無い。
今のはあくまで可能性の一つとして、思考の片隅に留めておく事にした。


勇者は未だ目覚めず、弓兵が動くのは何時になるか……


【F-3 市街地・診療所内/一日目/深夜】


【アーチャー@Fate/stay night】
【状態】健康 魔力消費(小)
【装備】赤の聖骸布
【道具】支給品 剣(詳細不明) ランダムアイテム(個数内容ともに不明) 医療品
【思考】基本:犠牲を減らす為に最適な行動を取る。
1:ダイの意識が戻るのを待つ。


【備考】受肉した肉体なので、物理攻撃の無効化・霊体化などは出来ません。


【ダイ@DRAGON QUEST-ダイの大冒険-】
【状態】気絶 疲労(小) 左腕喪失(応急処置済み)
【装備】ブレイブブレイド@ファイナルファンタジーⅤ
【道具】支給品 ランダムアイテム(個数内容ともに不明) 医療品
【思考】基本:元の世界へと戻り、大魔王を倒す。
1:この戦いを止める


【備考】ブレイブブレイド@ファイナルファンタジーⅤは持ち主が逃げるたびに攻撃力が落ちていきます。





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