※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

妖夢・衝撃!光の来襲◆Bn4ZklkrUA



「こんな馬鹿な……」

魂魄妖夢は困惑していた。
さすがに信じられない。幻想郷は何でも受け入れるというが…いやいや、そんなことを言ってるのではない。
もとい、確かに幻想郷は摩訶不思議な秘境ではある。
多くの妖怪が集まり、年に数回という頻度で異変や怪異が発生している。
彼女が仕えている主もまた過去に異変を発生させたこともあった。
あのロワという女、何者かは知らないがこれほどの異変を起こすことが出来る存在。
彼女もまた幻想郷の住人なのか、それとも幻想郷の外の存在なのかは知らないが実力者であるのは判った。
実力者が怪異や変異を起こすことで自身の存在をアピールすることがある。
ならば幻想郷の暗黙のルールに従い(ここが幻想郷なのかどうかは置いておいて)
異変の解決に動くべきであろう。

「あの女、剣士を集めて殺し合えと言っておきながら…」

そう、妖夢はすでにこの変異を解決すると腹を括っていた。
そして支給された刀剣を確認する為にデイバッグを開けて…固まった。

「この棒はいったい何なのようぅっ!!」

それはどこからどう見てもただの木の棒。
魔力が付与されてるとかまったくありません。
ただのひのきの棒です。本当に(ry

「これで殺し合えとか……いったい何を考えてるのよ……」

そう呟き、溜息を付く。
頭の中に植え込まれたルールでは支給される武具はランダムだというが……
だとすれば運が悪かったのだろう。

「とりあえずこうしてても仕方ないわ。どこかで刀を手に入れるしかないわね。
 それまで誰とも会いたくないけど…
 できれば楼観剣と白楼剣を取り戻したいわ」

口惜しげにひのきの棒を腰に挿し、今度はデイバッグから地図を取りだす。
そしてそれを広げて周りの風景と見比べる。

「あら、丁度この島の西端のようね」

海の方から東の方に大きな石造りの塔が見える。地図の区切りからいうとC-1の地点だろう。
ここにいても仕方ない。塔の内部を探索して当面の代わりになる刀でも探すべきか…

「でもせっかく島の端なんだから外がどうなってるのか調べるのには好都合かもしれないわね」

幻想郷の住人で力のある存在は大抵が空を飛ぶ事が出来る。
人間である博麗の巫女霊夢や人間の魔法使いである魔理沙すら飛行することができる。
魂魄妖夢も例外ではない。
だったらこのまま島の外に飛んで逃げたらどうなる? 島の外はどうなってる?
無論、こういう逃亡対策として参加者に首輪を嵌めたのだろうが
この島が何処にあるのか、外はどうなってるか、それを知るのも損ではないだろう。
そうと決まれば長居は無用。精神を集中させ体を浮遊させるとそのまま西の方角へ飛び去った。


       ◇       ◇       ◇


「ふうん、こんなことも出来るんだ…まるでお母様みたい」

ピンク髪をした少女、ノヴァはそう呟きつつ不思議そうに辺りを見回す。
少なくともここは滅びゆくセフィーロではない。
気が付いたらあの広間で殺し合いの宣言とルールの説明をされてあの広間から更に瞬間移動させられてここにいた。
以前、デボネアがセフィーロ城内部に無数の魔物を転移させたことはあったけが…
ロワのやった事はそれよりも難易度が高かったがそこまで難しい事は彼女には判らない。
何故わざわざこんなことをさせるのか疑問には思うがそれよりも関心があったのは…

「殺し合いか…面白ければ別にどうでもいいけど、お母様と放されたのは少し腹が立つな…」

そう、愛しいお母様と放されたことに苛立ちを感じていた。感じつつもそれよりも興味があったのは…

「でも、まあいいかっ。だってヒカルもこっちに来てたんだから。まさかヒカルまでいたなんて♪
 だって、お母様を気にせずに光と遊べるんだから。
 ヒカル、今頃殺し合いに放り込まれて凄く不安になってると思う♪」

あの時、偶然にもヒカルもあの場所にいるのをこの目で見ていた。
ノヴァは獅堂光の影から生まれた存在。デボネアが己の野望の為に獅堂光の影から生み出した存在である。
だから光が何処にいようとその居場所、心の動きすら手に取るように分かる。
本来ならルールを説明されていたあの場所でも光の存在を感じる事が出来た……はずなのだ。
光の不安や恐怖や絶望の感情が感じられたはずなのだ。なのに……。

「でもおかしいなぁ。ヒカルが何処にいるか分からない。光の存在や心のざわめきも感じられない…」

これもあの女が言ってた制限だろうか? さすがにヒカルが傍に来れば感知できるだろうが
これではすぐにヒカルを探す事が出来ない。

「どうしよう? ヒカルと遊びたいけど、どうやって探そうかな……」

それにただ探すだけでは面白くない。せっかくお母様の邪魔が入らずにゆっくりと遊べるのだ。
もう少し凝った遊びがしたい。

しばらくどうしようか思考に耽っていたノヴァだったがふと視界の端に何かが映った。
それはまるで青白く光ってるのにもやっとした雲の様な…そう、まるで幽霊のような物が上空を飛んでいるような…。

「なんだろう、あれ?」

おそらくは自分と同じ参加者だろうか。飛行できる奴も含まれていたことなのだろう。

ん? 

限定された島、殺し合い、他の参加者、私とヒカル、つまり……

「そうだ! いい事思いついちゃった♪」

そういうとデイバッグから支給品を取りだす。まったく役に立たない支給品だと思ったがこれなら使えるだろう。
そうと決まればさっそく準備をしないと。

「待っててね、ヒカル。今に楽しい思いをさせてあげるから♪」



      ◇       ◇       ◇


「くっ、これがあの女が言ってた制限か」

西の海の方へ飛行を開始した妖夢だったがしばらくすると自身への制限の存在に気が付いた。
遅くはないが一定の速度までは出せてもそれ以上スピードを上げようとしても上げられない。
更に本来なら疲労を感じるほど飛んでもいないのにもう疲れを覚え始めた。
まだ弾幕や半霊の変形などは試してはいないがこの分だとこちらも制限されてる可能性もある。

(これはまずいわね……まさか、飛行中に疲労で飛べなくなってで海にドボンなんて冗談じゃないわよ)

背筋に寒気が走る。島からどれほど飛べば陸地が見えるのか不明なのに
これでは陸地に付く前に落ちるかもしれない。さすがに大海のどまん中に墜落とか笑えない。
体力が残ってる内に戻るか? 妖夢の中でそんな考えが頭をもたげ始める。

だがその心配も杞憂だったようだ。陸地が見え始めたのだ。
陸地が見えた事にほっとする妖夢。しかしこれでは飛行が出来る参加者には殺し合いを強要できないのでは?
答えはすぐに判った。陸地の建築物に見覚えがあったからだ。
それはピラミット型で地図の北東にあった…

「なっ、これはっ!、確かに西に飛んでたのに東に出るとは…」

実体を堰き止めるような結界にでもぶち当たるならまだしも西と東が繋がっていた。
空間を繋げて逃げ場を無くすとは…。
実際に確かめたわけではないがおそらくは北と南も同じなのだろう。
かのスキマ妖怪が張った『幻と実体の境界』や博麗の巫女が管理する『博麗大結界』とも違う種類の結界……
幻想郷より遥かにが小さいが島1個丸ごと結界を張り、そこを通過した自分にまったく違和感など感じさなかった。

「幻想郷とは違う種類の結界かしら? それとも結界以外の方法? 普通に結界なら儀式を行ってる場所か結界を張った術者を
 排除すれば外に出られるかもしれないわ。だけど問題は他にもあるのよね…」

結界だけでなくこの首輪の外し方も考えなければならない。先の事を考えると暗澹たる見通しだがやるしかない。
だがさしあたって今は体を休めるのが先決だろう。



そう思い立ち妖夢は海岸線へと着陸を初め……

あと少しで着陸する妖夢を襲ったのは強烈な殺気。
―――その正体を見極める時間は無かった、躊躇う間もなく浮力を切り、地面に落下する様に伏せる。
さっきまでいた空間を光の剣の様な物が高スピードで通り抜けた。

「アハハハハハ! 中々やるじゃない」
「誰だっ! 何処にいる!」
「ここだよ。こ~こ」


ひのきの棒を構えつつ声の方に振り向く。確かに少し離れた場所に彼女はいた。
身の丈が合わないボロボロの外套を着て、頭まですっぽりと頭巾をかぶり一見しただけでは性別が判らない。
だが甲高い声と頭巾から覗く幼い顔立ちから女性、それも見た目だけなら妖夢と同じぐらいの少女である事を示している。
しかし相手の性別や年齢など関係ない。あの嘲笑に歪みながらこちらをねめつける様に見ているのを見れば。

「貴様、この殺し合いに乗って…いや、わざわざ聞くまでもないか。随分と舐めたマネをしてくれるわね」
「弱そうに見えたからあっさり殺せると思って攻撃しただけ。今のよくかわせたね~」

ぎりっ
相手の挑発に歯を喰いしばる。だがこちらからは攻撃を仕掛けない。
愛用の二ふりの刀を持っているのなら躊躇い無く攻撃したであろう。だが今持ってるのはただの木の棒。
しかも疲労してる現状でただ闇雲に攻撃してはやられるだけ。
かといって逃げようとすればその瞬間、背中から撃たれるのがオチだ。
だからこそ下手に動けない。そんな妖夢の様子に焦れたのか最初に動いたのは向こうから。

「でも私には誰も勝てないよ。そう、この……」

相手は外套の上から身に付けてるデイバッグに右手を突っ込み、一ふりの刀を取り出す。
そして左手に先程の光の剣を産み出し二刀流の構えを取る。
右手の長刀の方は支給品なのだろう。その長刀は妖夢にとって見覚えのある……。

「なっ! その刀は!」

そう、それはここで取り上げられた彼女の愛刀、楼観剣。参加者に配られた可能性は考慮はしていたが
まさかこの時、敵対している相手が持っているなんて…!
そして彼女の名乗りは続く。

「この魔法騎士『獅堂 光』にはね!」

まるでましらの様に一足飛びで間合いを詰める。想像以上のジャンプ力から繰り出される頭上からの一撃。
だが妖夢は半ば転ぶ様にしてそれを避ける。だが『獅堂 光』もすかさず追撃をかける。

二刀を巧みに使い、連続攻撃をかける『獅堂 光』。
それを時にはかわし、時にはひのきの棒で受け流そうとする妖夢。

「その刀を返せっ! その刀は私の物だっ!!」
「アハハハハハ、返して欲しければ取り返してみればいい! あんたに出来たらの話だけどねっ!」

更に激しく攻撃を繰り返す。なぜなら妖夢は完全に攻撃をかわし切れず、ひのきの棒で受け流そうとする。
だがその棒も相手の斬撃に耐え切れずに何時折れても不思議でないほどボロボロになり始めている。

「あはっ、あんたの武器はそんな棒きれなんだ。可哀そうにね。くすくすっ」
「黙れ!!」

だが実力は伯仲。いや、疲労していなければ結果は違ってたかもしれないが今の妖夢にはこれが限界。
普段から何十年も修行を積んだ妖夢だからこそ疲労しつつも相手の攻撃をかわせていたが相手の身体能力も並ではなかった。

そして『獅堂 光』は止めとばかりに振りかぶり二刀による同時交差攻撃。
かわせないと思い至り、棒を使い凌ぐ妖夢。それすら辛うじて受け流し距離を取るが…そのひのきの棒は半ばで切断されていた。
終わったとばかりに嘲笑を深める『獅堂 光』。

「ふふっ、そろそろ終わりだね。じゃあ……終わりにしてあげるっ!」

今度こそ相手を両断すべくダッシュで距離を詰めようと……する途中で相手の行動に疑問を抱く。

(おかしい。あいつ、まったく慌ててない。何で?)

棒が折れたというのにまったく慌てずに棒の残りをまるで刀の柄に見立てるように握りしめ振りかぶり……。
それを見た瞬間、慌てて後ろに飛び退るのと妖夢が腕を振り下ろしたのがほぼ同時。
折れたひのきの棒の先から鱗形の弾幕の雨が撒き散らされる。

「くッ!」

後方に飛び退り着地、その勢いを殺さないまま連続バク転を繰り返して慌てて弾幕をかわす。
弾幕の射程から大きく距離を取った『獅堂 光』は体勢を立て直すと忌々しげに妖夢を睨み返す。
妖夢も無事に弾幕を出せたことに内心ほっとしつつも油断なく構え直す。
しばらくお互いが睨み合い、膠着状態に陥っていたが……急に『獅堂 光』は表情を和らげ……

「あんた、思ったより強いんだ。それなりに面白かったよ。じゃあね」

そう言い据えると踵を返してとっとと逃走を開始する。

「待てっ!」

ここまでコケにされた挙句、愛刀の持ち逃げまでされたら堪らないとばかりにその背中に弾幕をぶつけようとする。
だが放たれた弾幕はある一定の距離まで放たれた後、相手の背中にぶつかる前に掻き消えてしまった。
それを見て妖夢は顔を歪める。すかさず追おうとして……諦めた。さすがに放され過ぎたと思ったからだ。

(おのれっ!、私の楼観剣をっ!! だが今からではもう間に合わない。それに私も疲労している。
 一度休息してから追うべきか……だが、貴様の顔は覚えたぞっ!
 その首洗って待ってるがいい……獅堂 光!!)



【C-8 海岸地帯 一日目 深夜】

【魂魄妖夢@東方Project】
 【状態】健康、疲労(中)、獅堂光への敵愾心
 【装備】ひのきの棒(長さ半分)×2@ドラゴンクエストⅡ
 【道具】基本支給品、ランダムアイテム×1
 【思考】
基本: この異変を解決する
  1: とりあえず休息
  2: まずはまともな刀を手に入れたい
  3: 獅堂光を切って愛用の刀を取り戻す
  4: この島の謎を解き明かす
[備考]
  ※襲撃してきた相手を獅堂光と認識しました。背格好、顔、声、は覚えています
  ※自身に掛けられた制限に気付きました。飛行と弾幕については制限付きで使用はできます。
   半霊の変形能力は不明です
  ※この島のループの存在を知りました



      ◇       ◇       ◇



「うふふ、これであいつがわたしをヒカルと誤解してくれたらいいんだけど。単純そうだったから大丈夫か♪」

先程、魂魄妖夢が戦ったのは無論、獅堂 光ではなくノヴァであった。
自分の顔がヒカルと同じなのを思い出し、支給品も使用すれば自分をヒカルと誤解させることが可能ではと思い至った。
それはただのボロボロな外套だったが今着ている奇抜な服装とヒカルの着ている制服、
ノヴァの長髪とヒカルの三つ編みの違いぐらいは隠せそうだ。
もっともさすがに声の違いまでは隠せないし、更に相手が冷静に考えれば『何故わざわざ相手を襲うのに名乗りを上げたのだ?』
という疑問にぶち当たるのだが元々ノヴァは上手く行っても行かなくてもどちらでもいいという軽い気持ちでやってみただけだ。

「早くヒカルに会いたい。けどせっかく面白そうなパーティなんだから準備は必要だよね? ヒカルの困った顔、悲しい顔、
 苦しんでる顔とかいっぱい見れるかなぁ……アハハ、凄く楽しみ~♪」

本来なら獅堂光の影であるノヴァには彼女がどんなに離れていても彼女の場所や心の動きを知ることが出来る。
だが今のノヴァにはヒカルの居場所が判らない。
ヒカルの感情のうねりも感じる事ができない。
それでも、感じる事ができなくても、ヒカルの不安や恐怖を上手く煽って…あたしだけに見せてくれるヒカルの色んな顔が見たい。
セフィーロの時もそれがノヴァにとって凄く甘美で甘く感じられた。だからこそもっと味わいたい。
再会した時、ヒカルはどんな顔を見せてくれるんだろう? 
恐怖? 不安? 怒り? 悲しみ? それとも……今までに見た事もないような顔?
ここならセフィーロとは違う顔を見せてくれるかも……だとしたら……
ああ……凄く楽しみだよ……ヒカル……

もしその時のノヴァの顔を見ている者がいたとしたら、そして彼女の考えまで読めるのなら
その時の彼女の表情と思考のギャップに驚いたであろう。

それは恋する少女が憧れの相手に向けるような、憧憬が込められた無垢な笑顔だったのだから。


【C-8 遺跡付近 一日目 深夜】

【ノヴァ@魔法騎士レイアース】
 【状態】 健康、疲労(小)
 【装備】 楼観剣@東方Project、魔法使いのローブ@ドラゴンクエストⅡ
 【道具】 基本支給品
 【思考】
基本: ヒカルといっぱい遊びたい
  1: まずはヒカルが困りそうなことをいっぱいする。方法は何でもいい
  2: ヒカルの心の揺らぎをいっぱい感じたいのに……
  3: ヒカルはすぐに見つからなくてもいいが、近くにいると知ったら……
  4: 他の参加者をどうするかはその時の気分次第
[備考]
  ※参戦時期は光と和解して同化する前です。
  ※ここにいる獅堂光が同次元のヒカルだと思っています
   ヒカルの存在や心のうねりを感じる事ができないのは制限のせいだと思っています
  ※光の剣を作る事は出来ます。『炎の矢』などの魔法は不明です

  ※魔法使いのローブ@ドラゴンクエストⅡは主人公らの装備品ではなくモンスターの魔法使いの方のローブです
   顔の部分が影になってて目だけ映ってたアレ。何故妖夢が顔を確認できたかは至近距離だったからか美少女補正か…



BACK NEXT
007:弦月の下で/獅子邂逅 投下順 009:雷速剣舞/隻眼邂逅
007:弦月の下で/獅子邂逅 時系列順 009:雷速剣舞/隻眼邂逅

BACK 登場キャラ NEXT
GAME START 魂魄妖夢 :[[]]
GAME START ノヴァ(レイアース) :[[]]