気管浮腫vs肺胞浮腫

2010.6.10. NEJM CPS 勉強会

Q肺胞浮腫および肺間質浮腫と気管浮腫は病態生理が同じと考えて良いか? Ans. No.

左心不全→肺胞に分布する毛細血管の血流が鬱帯→肺胞浮腫→pink bubble/肺間質陰影増強  ということは知られている。


しかし、純粋な左心不全では気管の狭窄を生じるような気管浮腫は生じないと考えられる。というのも、気管は下降大動脈から分枝するbronchial arteriesによって栄養されているi.e.気管の栄養動脈は右室→左房への循環の一部ではなく、左室→右房への循環の一部である。ゆえに右心不全がなければ気管の毛細血管の血流鬱帯は生じないと考えられるからである。

以上から、非代償性心不全の患者で喘息様の気管狭窄が生じる理由は
×左心不全により気管浮腫が生じるから、ではなく
○右心不全により気管浮腫が生じるから、あるいは
○間質浮腫を来した肺実質が気管を圧排するから
だと考えられる。しかしながら、以上の議論を確認できる記述はハリソンには見つからなかった。
























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最終更新:2010年06月13日 18:20