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さび取り」(2010/05/24 (月) 14:00:14) の最新版変更点

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*はじめに **発端 WOLF125のブレーキキャリパー台座が猛烈に錆びている! 材は鋼、赤さびの分厚い被服が。 &ref(./before.jpg); これが今回のワーク。白くなっている部分はペーパー掛けした所。しかし目が即つまったあげく、素地すら見えてこなかった・・・。 落とす必要はないのだが、ここで今後の研究もかね、この赤さびをDIYでできる範疇で化学的?に除去してみようと思った。 サンポールでのさび取りはもの凄い威力があるらしく、ネットを見ても速攻で錆が粉々に沈むとある。これは自分も依然やったことがあり知っている。入れた途端にワークが泡で包まれ、錆が剥がれて下にたまるのだ。 しかし問題はその後。水洗いした0秒後から速攻で真っ赤に錆だす。みるみる変わっていくのでやばい。つまりサンポール法は、ワークの残留塩酸をいかに無効化するかがミソであり、その手はずを整えずに一度サンポールに触れさせてしまうと、そのワークは前より悪化しTHE ENDである。 中和にはネットではマジックリンなどの弱アルカリ洗剤をドボドボと注ぎ込む方法が一般的だ。中性洗剤でも効果があるらしい。中性洗剤でキャンセルできるのは自分も確認済みだが、いかんせんこれらは高い! ワークが小さければどうでもいいが、ワークをひたひたになるまで水を張り、十分中和できるような洗剤を入れるとかなりの額がかかる。 **安価なアルカリ剤探し そこで考えた。 身近にある安価なアルカリ。 重曹?メジャーだな。1kg200円位。だったと思う。安いと言えば安い。しかしこんな事に金を使いたく無い。 更に考える。 釉薬とかこんにゃくだかで知っていた方法。古に伝わる、古来からのアルカリ剤だ。 灰汁! 灰汁とは、植物の灰を水に入れ、数日寝かせて水に溶け出す「何か」を抽出した液である。上澄みを使う。 植物やその育ちによってpHが変わるらしいのだが、何とどういう尺度で測ったのかは知らんが、重曹pH9に対し、藁の灰汁はpH11にも達するらしい!! これだ!! 家は林檎農家であり、風呂はその薪でたいている。つまり灰は産廃であり、毎日排出されているのだ。これを使わない手が無い。 **さびとり作戦 流れは、 +灰汁の仕込み(3日間くらい) +脱脂洗浄 +サンポールでさび取り +灰汁で中和 となる。 *灰汁の仕込み -おもむろにリンゴの灰を2Lペットボトルに入れる。 --高さ10cm弱 -ぬるま湯を注ぐ --ひたひたまで -3日位放置し、溶け出るのを待つ。 -上澄みを使う --って行っても、上澄みである必要はないので適当に濁らせて使った。 -灰汁を仕込んでからサンポールに取りかかること。 &ref(./aku.jpg); こんな感じ。下には灰が、上には木炭が浮く。気にせずともおk。 *脱脂洗浄 -石鹸で良く洗らった。 --灰汁が使えるのかもしれない。もしかしたら。また機会があったら実験してみる。 -ネット曰く、サビ取りの成功はここにかかっているらしい。しっかりと脱脂。 &ref(./wash.jpg); 石鹸と歯ブラシで洗った *サンポールでさび取り -サンポールを適度に水で希釈 --ケチったので5倍くらいに希釈したが、泡で包まれ何ら問題無かった。反応速度とかには影響出るだろう。 -ワークを投入 --サンポールに触れたが、その後は空気に触れていた部分は錆びてしまうのでなるべくすべて漬けることが望ましい。 -1時間ごと様子を見る --速攻泡で包まれる。 --そこに剥げたサビが沈殿 &ref(./sp.jpg); 泡が激しくワークから立ち上る。写真だとわかりにくいけど、白っぽく見えるのは泡。泡に包まれるという表現では不適切で、泡が立ち上る状態。 --1時間くらいで結構綺麗になった。 ---今回は2時間が適正だったかも。面倒だったので1.5hで上げた。 --大体綺麗になったらブラシなどで軽く洗う。 ---大体のサビは落ちる。 &ref(./after.jpg); 1時間の外出後、帰ってくるとこの状態だった。ノータッチ状態でこれ。底には剥がれ落ちたさびの粉が溜まっている。 *灰汁で中和 -何らかの容器に灰汁を張る。 --灰汁は普通にアルカリだった。 ---pHは分からないが、触った瞬間手がぬるぬるになる。 ---灰汁で普通に指紋が消えたりするらしいので、手袋をした方がよさげ。超ぬるぬる。 ---目にも注意! -ワークをサンポールから引き上げ、「水洗いをせずに」灰汁へ。 --水で洗うと直ぐに錆びる。 --どれくらい灰汁に漬けておけばいいのか分からない。 ---とりあえず1時間くらい漬けておいた。 -灰汁の中で良くすすいだ後は水洗いをし、水気を拭き取り乾燥させる。 &ref(./chuwa.jpg); 中和している図。仕事が適当なので、上澄みも何もあった物じゃないが、これで十分w *完成品 -歯ブラシのみにて磨き、乾燥させて数時間放置した状態がこちら --サンポールしてから水洗いした物と違い、錆びてくることは一切ない。 -1.5hという短い時間で完全にサビが落ちたことが分かってもらえるかと。 --うっすらウズラの卵のように残るサビが元々の色。 --真鍮やステンブラシを使うことなく、歯ブラシだけでもここまでサビが落ちる事が分かる。すごい。 --本当は2hくらいやるべきだったが、時間が無かったのと、そこまでするワークじゃなかったので。2hやればすべて落ちたと思います。 &ref(./after2.jpg); 完成!残ったサビは横着によるものw ワイヤーブラシで一発なレベル。
*はじめに **発端 WOLF125のブレーキキャリパー台座が猛烈に錆びている! 材は鋼、赤さびの分厚い被服が。 &ref(before.jpg); これが今回のワーク。白くなっている部分はペーパー掛けした所。しかし目が即つまったあげく、素地すら見えてこなかった・・・。 落とす必要はないのだが、ここで今後の研究もかね、この赤さびをDIYでできる範疇で化学的?に除去してみようと思った。 サンポールでのさび取りはもの凄い威力があるらしく、ネットを見ても速攻で錆が粉々に沈むとある。これは自分も依然やったことがあり知っている。入れた途端にワークが泡で包まれ、錆が剥がれて下にたまるのだ。 しかし問題はその後。水洗いした0秒後から速攻で真っ赤に錆だす。みるみる変わっていくのでやばい。つまりサンポール法は、ワークの残留塩酸をいかに無効化するかがミソであり、その手はずを整えずに一度サンポールに触れさせてしまうと、そのワークは前より悪化しTHE ENDである。 中和にはネットではマジックリンなどの弱アルカリ洗剤をドボドボと注ぎ込む方法が一般的だ。中性洗剤でも効果があるらしい。中性洗剤でキャンセルできるのは自分も確認済みだが、いかんせんこれらは高い! ワークが小さければどうでもいいが、ワークをひたひたになるまで水を張り、十分中和できるような洗剤を入れるとかなりの額がかかる。 **安価なアルカリ剤探し そこで考えた。 身近にある安価なアルカリ。 重曹?メジャーだな。1kg200円位。だったと思う。安いと言えば安い。しかしこんな事に金を使いたく無い。 更に考える。 釉薬とかこんにゃくだかで知っていた方法。古に伝わる、古来からのアルカリ剤だ。 灰汁! 灰汁とは、植物の灰を水に入れ、数日寝かせて水に溶け出す「何か」を抽出した液である。上澄みを使う。 植物やその育ちによってpHが変わるらしいのだが、何とどういう尺度で測ったのかは知らんが、重曹pH9に対し、藁の灰汁はpH11にも達するらしい!! これだ!! 家は林檎農家であり、風呂はその薪でたいている。つまり灰は産廃であり、毎日排出されているのだ。これを使わない手が無い。 **さびとり作戦 流れは、 +灰汁の仕込み(3日間くらい) +脱脂洗浄 +サンポールでさび取り +灰汁で中和 となる。 *灰汁の仕込み -おもむろにリンゴの灰を2Lペットボトルに入れる。 --高さ10cm弱 -ぬるま湯を注ぐ --ひたひたまで -3日位放置し、溶け出るのを待つ。 -上澄みを使う --って行っても、上澄みである必要はないので適当に濁らせて使った。 -灰汁を仕込んでからサンポールに取りかかること。 &ref(aku.jpg); こんな感じ。下には灰が、上には木炭が浮く。気にせずともおk。 *脱脂洗浄 -石鹸で良く洗らった。 --灰汁が使えるのかもしれない。もしかしたら。また機会があったら実験してみる。 -ネット曰く、サビ取りの成功はここにかかっているらしい。しっかりと脱脂。 &ref(wash.jpg); 石鹸と歯ブラシで洗った *サンポールでさび取り -サンポールを適度に水で希釈 --ケチったので5倍くらいに希釈したが、泡で包まれ何ら問題無かった。反応速度とかには影響出るだろう。 -ワークを投入 --サンポールに触れたが、その後は空気に触れていた部分は錆びてしまうのでなるべくすべて漬けることが望ましい。 -1時間ごと様子を見る --速攻泡で包まれる。 --そこに剥げたサビが沈殿 &ref(sp.jpg); 泡が激しくワークから立ち上る。写真だとわかりにくいけど、白っぽく見えるのは泡。泡に包まれるという表現では不適切で、泡が立ち上る状態。 --1時間くらいで結構綺麗になった。 ---今回は2時間が適正だったかも。面倒だったので1.5hで上げた。 --大体綺麗になったらブラシなどで軽く洗う。 ---大体のサビは落ちる。 &ref(after.jpg); 1時間の外出後、帰ってくるとこの状態だった。ノータッチ状態でこれ。底には剥がれ落ちたさびの粉が溜まっている。 *灰汁で中和 -何らかの容器に灰汁を張る。 --灰汁は普通にアルカリだった。 ---pHは分からないが、触った瞬間手がぬるぬるになる。 ---灰汁で普通に指紋が消えたりするらしいので、手袋をした方がよさげ。超ぬるぬる。 ---目にも注意! -ワークをサンポールから引き上げ、「水洗いをせずに」灰汁へ。 --水で洗うと直ぐに錆びる。 --どれくらい灰汁に漬けておけばいいのか分からない。 ---とりあえず1時間くらい漬けておいた。 -灰汁の中で良くすすいだ後は水洗いをし、水気を拭き取り乾燥させる。 &ref(chuwa.jpg); 中和している図。仕事が適当なので、上澄みも何もあった物じゃないが、これで十分w *完成品 -歯ブラシのみにて磨き、乾燥させて数時間放置した状態がこちら --サンポールしてから水洗いした物と違い、錆びてくることは一切ない。 -1.5hという短い時間で完全にサビが落ちたことが分かってもらえるかと。 --うっすらウズラの卵のように残るサビが元々の色。 --真鍮やステンブラシを使うことなく、歯ブラシだけでもここまでサビが落ちる事が分かる。すごい。 --本当は2hくらいやるべきだったが、時間が無かったのと、そこまでするワークじゃなかったので。2hやればすべて落ちたと思います。 &ref(after2.jpg); 完成!残ったサビは横着によるものw ワイヤーブラシで一発なレベル。

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