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第002号
今週の脳のお話について
人をはじめとする生き物は、常に何かを覚えて、そして何かを忘れて生きています。
脳の中で何かが変わっているから覚えられるわけですよね。
それでは、何が変わっているのでしょうか?
この謎について、どこまでわかっているのか?そしてまだわかっていないことは何なのか?このテーマを中心に脳の様々な働きを知っていきましょう。
私たちは、意識することはなしに日々生活していくなかで、脳をたくさん使っています。例えば一日の行動を例にとってみます。
朝起きた時は、眠りから覚めるわけですよね。いわゆる、眠った状態の意識のない状態から、意識のある状態に変わるわけです。つまり「意識」という脳の働きをオンにします。
後に洗面所に行き、顔を洗います。
うわっ、水が冷たいけれど気持ちが良いな!と感じたら、
この時、脳は、顔の表面で冷たいけれど気持ちがよいという情報を「知覚」します。
朝ごはんを食べながら、昨日の晩御飯のフランス料理のワインはとってもおいしかったな。
また行きたいな。など、「記憶」をよみがえらせます。
と例を挙げたらきりがありませんが、このように私たちは脳の働きをフル活用することによって、日々の生活を送っているのです。
このように様々な働きを持っている脳ですが、
脳はどのような方法で、働いているのでしょうか?
ちょっと考えてみてください。調べるといっても生きている人間の脳を切り開いて調べることはできないですよね。もちろん、亡くなった方の脳を切開して脳の形やおかしくなってしまったところを調べることはできるのですが、上にかいたような意識、記憶、知覚などは、調べられませんよね。だから、もともと脳のある部分に損傷があることが分かっている人たちを調べることによって脳科学は進歩してきました。
実は、脳研究が進んだのは19世紀初頭の世界大戦の時だといわれております。
爆発によって脳の一部が傷ついてしまった人、銃弾が頭の中に入ってしまった人などたくさんいたのですが、その中に、ある部分が傷ついてしまったために、しゃべれなくなってしまったり、ほかの部分が傷つくことによって目が見えなくなったりなどの患者さんがでてきました。この結果を集めてみると、どうやら見る、話すなどの人間の機能は、脳のそれぞれの領域が担っていることが明らかとなってきました。ペンフィールドの脳地図というものがあります。
http://www35.atwiki.jp/happyhappyhappyhappy/pages/45.html
このように、話す、聞くなどの基本的な役割は、脳のそれぞれの部分が担当しているということがわかったのです。
例えば、言葉を司る部位は、脳の左側にあることがわかっています。
皆さんも、左脳は理論的な思考を司り、右脳は芸術的な感覚を司る、右脳説左脳説を聞いたことがあると思います。だから、芸術家に育てるためには、右脳を鍛えなければいけないというような話です。
ただ注意しなければいけないのは、言語は、記憶を基にして話されることもありますし、人の表情を見ながらその雰囲気や環境にも影響されるはずで、脳のその他の部位と互いに連絡を取り合いながら処理されるわけです。時には右脳との連絡も必要でしょうから、単純な話ではなさそうです。
話の説得力のある人などがいますが、彼らは単純に言語能力にたけているだけでなく、聴衆の表情を見て話を進めていくなどの能力もたけていると思います。なので、話すことに注意をむけるだけではなく、視覚や聴覚から入ってくる情報に気をつけることが重要ではないと考えております。
来週の予定
来週は、脳のどの部分がどの能力に関わっているのかを、実際の症例をしめして説明していきたいと考えております。