62 インドネシア共和国


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インドネシア

Republic of Indonesia


1 基本情報


1.1 地理・経済情勢

  • 人口:2.28億人
  • 首都:ジャカルタ(914万人)
  • GDP
(その他、基本情報は後日一覧表から一括で転記)

1.2 年表

※3)※6)
年 代 出 来 事 備 考
1922(オランダ統治時代) オランダがボゴールの湧水を市内まで引いて、上水道システムを導入 ジャカルタ上水道のはじまり
1945 独立 PDAMは地方政府の一部となる。 (インドネシア全体)
1958 フランスの資金援助によりジョンポンガン浄水場完成 (ジャカルタ市)
1967 主要な水源であるジャティルフール貯水池が、フランスの資金で多目的ダムとして建設される
1970年代 PDAMにおける資金調達や経営については、中央政府が権限を持っていた
1982 日本の資金援助によりプロガドン浄水場完成 (ジャカルタ市)
1987 日本の援助により同第2浄水場完成 (ジャカルタ市)
1990前半 ジャカルタ州政府が一貫して水道施設の建設・維持管理と水道事業運営を行ってきた
1998 ジャカルタ市水道公社は財政の逼迫から、ジャカルタ市を東西に二分しての民営化に踏み切り、スハルト独裁政権下で競争入札を経ることなく民営水道会社との契約が締結された(この年の5月21日にスハルト辞任)
1999 地方自治法制定 これとともに地方政府への水に関する権限委譲を進める
2003 Development of Community-Managed Water Supply and Environmental Sanitation Facilities and Services 制定  
(当該国の歴史的経緯と水に関連する主要なイベントの発生時期を記述)

2 水資源と水利用


2.1 水資源

(水資源の豊富さ、雨期と乾期、どのような水源が使われているか、等)※9)
1)不足する水
人口の過半数が本州の半分程度の大きさのジャワ島に集中しており、インフラの多くもジャワ島に集中していることから、乾季には、増加する需要に供給が追いつかなくなりつつある。また、水不足とともに、かんがい用水の配分も調整が困難化
2)地盤沈下
ジャワ島では、その活動に必要なだけの水を表流水だけでは確保できないことから、地下水にも多くを依存している。しかしながら、ジャワ海沿岸地帯には非常に軟弱で圧密による沈下が進行しやすい世界でも有数の軟弱地盤地帯が広がっており、過剰な地下水の汲み上げにより、地盤沈下が深刻なレベルに達している。 既にジャカルタやスマランなどの海岸に近い地域では、海抜ゼロメートル以下となっているところもある。
また、その範囲は年々拡大しており、適切な対策が取られなければ、2025 年には海水が海岸から5 キロメートルも内陸にある大統領府まで達するという報告もあり、地下水に依存しない体制が求められている。
3)水質汚染
 都市部への人口の集中に伴い、水質問題も深刻化。下水道普及率が低いため、河川水や地下水への負荷が増大している。しかしながら、水源保全や河川利用に対するモラルはかならずしも高くはなく、安易な森林伐採や河川へのゴミ投棄が後を絶たない。浅井戸や河川水をそのまま利用している家庭も少なくないため、水質悪化が健康問題に直結する。 特に、乾季には、河川の流量が極端に少なくなるので、水質の悪化は顕著となる

2.2 水利用

(農業用・工業用・家庭用の配分、廃水の再利用など、水の使われ方の特徴、等)

2.3 家庭用水需要

(水道の一人一日使用水量やその範囲、都市村落給水の間での違い、等)

3 水に関する住民意識


3.1 徴収率

(水道料金の徴収率、あるいは水供給に対してお金を払う気持ちや文化があるかどうか、等)

3.2 料金体系

(平均的な水量あたり料金、料金の決め方、等)
インドネシア(ジャカルタ首都圏水道)の料金(1994年)※7)
 1)用途別従量料金
 全体で5用途18分類の用途別料金で、一部の分類ではさらに30、50m3を区分点にした逓増制(最低390ルピア、最高5050ルピアの従量 料金)。
  ①社会的用途:公共施設(寄宿舎、社会施設、孤児院など)、特定施設(公営病院)。
  ②非商業用途:家庭用A(超簡易建築物と公営住宅)、家庭用B(簡易建築物)、家庭用C(中級建築物)、家庭用D(高級建築物)、家庭用E(領事・大使館)、政府施設(事務所、外国公館、非商業施設、学校など)。
  ③商業用途:小規模A(小商店、小規模作業所、家内工業、理髪、洋裁など)、小規模B(小飲食店、個人病医院・研究所、弁護士事務所、簡易宿泊所など)、大規模A(下中級ホテル、特殊浴場・飲食店、高級理髪、銀行、大規模作業所、会社、取引所など)、大規模B(高級ホテル、高層ビル・住宅)。
  ④産業用途:小規模、大規模(氷・食品・衣料品・化学製品・化粧品製造、倉庫、冷凍貯蔵所、貿易その他産業)。
  ⑤特別用途:消火栓・公共用栓、給水拠点、船舶給水、特定場所。
 2)メーター設置・維持費
 12種口径別に1装置1000~110000ルピア/月。
 3)管理費
 料金請求の8ケース別に1請求1000~30000ルピア。通常、消火栓用特別、名義変更、検針、公認メーター、水質試験(非商業用、商業用)、喪失メーター票補充。
 4)保証金
 家庭用、商業用、小商業用の別に1請求25000~200000ルピア。

3.3 水に対する不満・クレーム

(平均的な水ニーズ、特徴的な水に関する意識、等)

4 水関連の政策・法規制・基準


4.1 政策と計画(policy and plan)

(国の開発計画、水セクターのマスタープラン、等)
  • 経済危機後の1998年、世界銀行が水部門を再構築する融資計画を提案。翌年政府はこれを受け入れた。※1)
  • 1997年の経済危機以降、水道セクターも含めた行政改革が進められてきており、水道についても2004年に”Water Law (No.7, 2004)”が制定された。新法は、水質汚染、水不足、自然災害など慢性的な国家的課題を改善することを目指したものである。※4)
  • 国家レベルの水道計画は1969年当時に始まったが、当初は既存施設のリハビリが中心。1974年ごろから各国のドナーを受けて水道の拡張が進められた。※2)

4.2 法規制

(上水下水などの水関連の個別法、基準のうち環境基準や水質基準)
1)水質環境基準※10)
水質の環境基準は、陸水と海水について定められている。陸水にかかる環境基準は、「水質汚濁防止および水質管理に関する政令(2001年政令第82号)」により、利水用途に応じて、4類型に分けて定められている。この基準は全国一律のものであり、州政府および県・市政府はそれぞれの管轄権限内で地域の特性に応じて基準値の変更、新たな基準値の設定(上乗せ、横だし)を行うことができる。ただし、中央と地方の連携が不十分であるため、結果としてそれぞれの河川にどの類型が適用されるか、未だに明確になっていないのが現状である。

表1 政令2001年第82号に基づく水質類型
Ⅰ類型 飲料水あるいは飲料水と同等の水質が要求されるその他の用途に利用可能な水  
Ⅱ類型 レクリエーション、淡水魚養殖、農業・プランテーションへの灌漑を目的とする、あるいは同等の水質が要求されるその他の用途に利用可能な水
Ⅲ類型 淡水魚養殖、畜産業、プランテーションへの灌漑を目的とする、あるいは同等の水質が要求されるその他の用途に利用可能な水    
Ⅳ類型 プランテーションへの灌漑を目的とする、あるいは同等の水質が要求されるその他の用途に利用可能な水

環境基準の項目は、①物理項目(水温、濁度等)、②無機項目(pH、水銀、ヒ素、カドミウム)、③有機化学項目(BOD、COD、DDT、BHC等)、④微生物項目(大腸菌群)、⑤放射能項目(総アルファ線、総ベータ線)に分類された45項目について定められている。

海域については「海水の水質基準に関する政令(2004年政令第51号及び179号)」によって環境基準が定められている。海水の水質は、利用目的別にⅢ類型に分類される。

表2 政令2004年第51号及び179号に基づく海水の水質類型
Ⅰ類型 港湾の水                                 
Ⅱ類型 海水レクリエーションに利用できる水                    
Ⅲ類型 海洋生態系生息に適する水                         

4.3 水行政機関※1)

(法規制を執行する機関)
■保健省(Ministry of Health)
公衆衛生の改善を目的とした地方政府への指導や支援、飲料水の水質基準の監視、衛生促進プログラムの実施など
■環境省(Ministry of Environment)
環境保護に関する法律・規則
■公共事業省(Ministry of Public Works)
  • Directorate General for Water Resources
表流水の水源割り当てに関する指導を行う
  • Directorate General of Human Settlements
地方自治体に対し設計や事業実施に係る技術的支援・指導を行う
■内務省(Ministry of Home Affairs)
地方分権と地方政府の技術面以外のパフォーマンスを監督。料金設定や財政・運営面でのパフォーマンスに関する指導を行う

5 上下水道事業の実施状況


5.1 上下水道の普及状況※1)

(上下事業の数、当該国における分布状況、普及率、安全な水アクセス率、等)
(上水道)
  • 地方政府が所有する公営企業Perusahaan Daerah Air Minum(PDAM)が水道事業を行っている。
  • PDAMの多くは小規模ゆえに非効率であり、およそ70%が重い負債を抱えている。9割は資産管理を実施しておらず、3割が会計士を置いていない。また、地方政府やPDAMが債務を抱えているため新規借入もできない。
  • 水道料金は運営・維持管理コストをまかなえるものではなく、地方の政治家が政治目的で料金をコントロールしている
(下水道[衛生])
  • 地方政府が地域への衛生サービス供給とその運営・管理に責任を負う
  • 通常、衛生に関する料金は水道料金に比例して課金される。コストをまかなえる十分な利益が得られるかが下水道の課題である
  • 下水管理への投資や衛生サービスがほとんどないため、都市の深刻な汚染に繋がっている。利益が不十分なため施設の補修もままならず、地域によっては完全に機能不全に陥っている。処理は酸化池(oxidation pond)が一般的
  • 衛生部門の責任に関する政策、戦略、制度は存在せず、汚染者に法的義務を強制する力がない。政府の衛生に関する方針は「責任は個人に帰する」というものであった
  • 水道普及率(Proportion of population using an improved drinking water source)※5)
 -都市部87%
 -農村部69%
  • 衛生普及率(Proportion of population using an improved sanitation facility)※5)
 -都市部73%
 -農村部40%
  • インドネシアの人口の約90%は、地方政府が所有する316の水道事業体(PDAM)の給水地域に居住しているが、水道管路へ接続しているのは都市人口の39%(全体の18%)しかいない。※1)
  • 下水道システムは10都市に存在するだけで、利用者は都市人口の3%未満。※1)
  • アジア開発銀行の報告書によると、インドネシアの水部門が抱える課題として以下の4点が挙げられている。※1)
 -インフラサービスの財政面での持続可能性を確保する
 -利害関係者間でリスク分配の最適化を通じて官民の利益のバランスを取る
 -競争を促進し、適度に規制する
 -インセンティブを改善し、透明性を高めるためのリストラクチャリングを行う
  • この他にも、インドネシアでは汚職が大きな問題であり、政府の改革アジェンダの中でも大きく取り上げられている。※1)

5.2 その他パフォーマンス

(漏水率、24時間給水の実現度、その他水供給事業の水準を定量的に把握できる数字)
  • 経営基盤が脆弱な小規模水道(PDAM、200事業以上)が多く、特に原水水質がよい場合を除いて経済危機の影響を強く受け、浄水処理などの薬品や電力が確保できない時期があった。※2)
  • 2000年の全国社会経済調査によると、全世帯の50%以上がなんらかの給水設備を設置しており、都市部で65.3%、地方で45%となっている。細菌検査の水質要件の遵守率は当時で60%程度。※2)
  • 首都ジャカルタの漏水率は46%と非常に高かった。
  • 公営施設では、過去10年間資産への大きな投資は行われず、NRWは約30-50%と高い。低水圧・間歇給水に悩むところはあるものの、総じて供給は持続的に行われている。※1)
  • PDAMについては組織力が全般に弱く、職員の確保が難しいため不明水対策も進んでいない。※2)
  • 処理は酸化池(oxidation pond)が一般的。下水管理への投資や衛生サービスはほとんどなく都市の汚染は深刻。衛生管理に関する制度や政策はなく個人任せ。※1)


6 上下水道への援助・民営化


6.1 国内援助

(中央政府から地方事業への援助等)
  • インドネシアの地方財政については、中央政府からの使途が限定された各種の交付金・補助金により予算配分がなされてきた。しかし、地方分権化の一環として1999年に成立した中央地方財政均衡法(1999年法律第25号)により、2000年以降土地建物税・土地建物移転税ならびに天然資源からの歳入分与の地方政府分配分、使途の限定されていない一般交付金(DAU)、使途の限定された特別交付金(DAK)などにより財政移転がなされるようになった※8)

6.2 その他の援助

(外国からの援助等)
  • 浄水能力から見ると、ジャカルタ市の浄水施設の約50%が日本政府の援助によるものである。
  • インドネシア公共事業省では、中央訓練センター(CTC)1カ所と地方訓練センター(RTC)数カ所を新たに整備する構想を立て、その一部について日本政府に協力を要請。この要請を受けて日本政府は、1988年度のJICA無償資金協力事業として水道環境衛生訓練センター(Water Supply and Environmental Sanitation Training Center:WSESTC)をジャカルタ近郊のブカシに建設することを決定した。日本側が負担した総工事費は、訓練に必要な設備・機材の供与を含んで11.14億円。これに引き続き、本施設を有効に活用して当該分野の人材育成を行うために必要な知識、技術の移転を目的として、プロジェクト方式技術協力が検討され 、1991年4月1日~1996年3月31日の5年間にわたる技術協力が開始、5年間の実質人数は長期21名、短期33名。また、カウンターパートの日本研修は毎年5名の予定で行われ、5年間で合計23名が研修に参加。機材供与は5年間に約2億4600万円(携行機材を含む)、現地業務費などは7260万円、合計3億1860万円の費用が投入された※7)

6.3 民営化

(民営化、公民連携の進行状況)
○ジャカルタでの民間企業による水道事業※1)※3)
東地区:Aetra Air Jakarta, PT (2007年、PT. Thames PAM Jaya (TPJ)より譲渡) 
西地区:PT. PAM Lyonnaise Jaya (PALYJA)
  • 1998年2月から25年間のコンセッション契約
  • 水供給システムの運転・維持管理とそれに伴う投資
  • 6年間で2度の大幅な料金引き上げが行われ2003年4月には0.49ドル/m3となったが、当初計画に見合うほどの料金値上げができず、利益に不足が生じている
  • 2社とも契約時のパフォーマンス目標を達成するのに苦労している(契約から5年後の目標:普及率41%→70%、NRWを57%→35%)
  • 2002年時点での普及率は、TPJ 62%、PALYJA 41%であり、これは料金収入が当てに出来ず、資本支出を絞ったためである
  • 現在は料金を自動的調整する仕組み(ATA mechanism)に合意し、問題解決が見込まれる


7 水技術


(どんな技術が使われているか、現場の技術レベルはどうか、技術基準は、その国発祥の技術は、その他おもしろネタ等)

出典


※1) ADB, Country Paper Indonesia Asian Water Development Outlook 2007
※2) 世界の水事情(水道年鑑2006)
※3) 財団法人水道技術研究センター 平成20年度「上下水道セクター・経営および維持管理に係るテーマ別評価」
※4) 厚生労働省 平成20年度水道国際貢献推進調査報告書
(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/hourei/jimuren/h21/dl/210601-1n.pdf)
※5) WHO-UNICEF Joint Monitoring Programme for Water Supply & Sanitation
(http://www.wssinfo.org/en/watquery.html)
※6) Kubota GLOBAL INDEX 「潤いのコンストラクション(1995.4)」
※7) (社)国際厚生事業団編『開発途上国の水道整備Q&A』のWEB版
(http://www.jicwels.or.jp/water_supply/QandA/kantogen/hajimeni.html)
※8) 外務省 国際協力 政府開発援助 ODAホームページ
(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index.html)
※9)独立行政法人 水資源機構 広報誌 水とともに 2010年11月号 NO.86
(http://www.water.go.jp/honsya/honsya/pamphlet/kouhoushi/2010/1011.html)
※10) 環境省 インドネシアにおける環境汚染の現状と対策、環境対策技術ニーズ  
(http://www.env.go.jp/air/tech/ine/asia/indonesia/files/pollution/files/pollution.pdf)



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