ハイチ共和国
Republic of Haiti
1 基本情報
1.1 地理・経済情勢
人口:992万人(2009、ECLAC)※1
首都:ポルトープランス
GNI:5,366ドル(2007、世銀)※1
北・南部に山脈が東西に走り、平地は少ない。※2
(その他、基本情報は後日一覧表から一括で転記)
1.2 年表
年台
出来事
備考
1492年
コロンブスのエスパニョーラ島発見
※1
1697年
フランス領となる
※1
1804年
独立
※1
1915年~1934年
米国による軍事占領
※1
1964年
首都の水道を管轄するCAMEP(the Centrale Autonome Métropolitaine d'Eau Potable)を設立
※3
1977年
首都以外の水道を管轄するSNEP (Service National d'Eau Potable)を設立。その後すぐに農村部の水道・衛生を見るPOCHEPを設立(SNEPは農村部を見る能力がなかった)
※3
1980年代
世銀、IDB、NGOを含む多くのドナーに支援された “International Water and Sanitation Decade”により、若干の普及率の伸びがあった。
※3
1990年代
軍事クーデターなどによる国自体の不安定化のため、上下水道分野もそれに伴って後退。1991年の軍事クーデターでは、海外からの援助が3年間停止。それ以後もたびたび援助が減少。
※3
1994年
ポルトープランスに水道委員会ができる。水道委員会は公共水道から水を買い、スラムに給水。
※3
2000年代
海外援助は内陸部の町に集中するが、首都大都市部での上下水道サービスの問題も依然未解決。
※3
2009年
プレヴァル政権が水部門の改革に取り組む。政府政策と規制機能を強化し、上下水道分野で活動するNGOを指導することを目的とした枠組み法(framework law)が議会を通過。上下水道を監督する国家機関と地域の上下水道サービス供給者を設立。
※3
2010年
ハイチ地震発生(M7.0)。水道等インフラに壊滅的被害。1500万人が難民キャンプでの生活を余儀なくされる。衛生状態の悪化でコレラ流行
(当該国の歴史的経緯と水に関連する主要なイベントの発生時期を記述)
2 水資源と水利用
Photo: sagara
2.1 水資源
(水資源の豊富さ、雨期と乾期、どのような水源が使われているか、等)
熱帯気候で、雨季は4~6月、および8~11月と2度ある。※2
年間降水量は約1,300mmである。※2
農村部の水源:改善された水源(Improved water source)にアクセスできない農村部では、保護されていない井戸(5%)や泉(37%)、そして河川(8%)が主な水源である。※3
都市部の水源:改善された水源(Improved water source)にアクセスできない都市部では、ボトル水(20%)、ドラム付きカート(4%)、保護されていない井戸(3%)が主な水源である。※3
2.2 水利用
(農業用・工業用・家庭用の配分、廃水の再利用など、水の使われ方の特徴、等)
2.3 家庭用水需要
(水道の一人一日使用水量やその範囲、都市村落給水の間での違い、等)
3 水に関する住民意識
3.1 徴収率
(水道料金の徴収率、あるいは水供給に対してお金を払う気持ちや文化があるかどうか、等)
首都以外ではメーター設置はまれで、メーターを設置しているのは、産業分野や、首都で通知を受けている水委員会などごく一部のみ。多くの民間水需要者や大口水需要者は公共水道には接続せず、タンクで水を得ている。※3
都市部で水供給を行うOREPAでは、水の売上は運転コストをほとんどカバーしていない。この問題は、全国のコミュニティ水道や民間水道でも同様である。※3
料金徴収を強制するために断水することもあるが、多くの住民は非合法に再接続してしまう。※3
3.2 料金体系
(平均的な水量あたり料金、料金の決め方、等)
ハイチでは、ほとんどの消費者がメーターを設置していないため定額料金制である。料金は地域や供給者によって大きく異なる。※3
2008年時点d、小規模な町では、水道料金は、約1ドル/月(中央台地)から約7.3ドル/月(首都に近いKenscoff)であった。※3
3.3 水に対する不満・クレーム
(平均的な水ニーズ、特徴的な水に関する意識、等)
4 水関連の政策・法規制・基準
4.1 政策と計画(policy and plan)
(国の開発計画、水セクターのマスタープラン、等)
4.2 法規制
(上水下水などの水関連の個別法、基準のうち環境基準や水質基準)
4.3 水行政機関
(法規制を執行する機関)
水道統括官庁:公共事業省(Ministry of Public Works)
DINEPA(Direction Nationale d'Eau Potable et d'Assainissement、国家上下水道局):公共事業省内にあるハイチの水セクターにおける主な公共機関。政策実行、ドナーからの援助の調整、上下水道サービス供給者の監督を行う。※3
OREPA (Offices Régionaux de l’Eau Potable et de l’Assainissement):DINEPAの権限に属する地域サービス供給者。都市部で水供給を行う。※3
自治体:枠組み法(Framework Law:政府政策と規制機能を強化し、上下水道分野で活動するNGOを指導することを目的とした法律。2009年に議会通過)によれば、長期的には自治体が上下水道を管理すべきだが、能力的に限界があり、現在はほとんど何の役割も果たしていない。※3
CAEPAs (Comités d'Aprovisionnement en Eau Potable et d'Assainissement):全国に数百ある、農村部や小さな町の水道を管理する水道委員会。コミュニティーから選ばれた人間で構成される。CAEPAの中で最良のものは、規則を順守し、コミュニティーと密接な関係を構築し、規則に従って料金超徴収を行い、修繕を行う配管工を雇い、銀行口座を持ち、DINEPAに登録・承認されている。しかし、多くはこのような期待に応えられていない。※3
水道委員会や水道システムに関する、全国的・地域的な登録制度および協会は存在しない。※3
FAES:水道供給システムに投資を行う公的なソーシャルファンド。※3
5 上下水道事業の実施状況
5.1 上下水道の普及状況
(上下事業の数、当該国における分布状況、普及率、安全な水アクセス率、等)
上水道 54%(都市部:52% 農村部:56%)
下水道 30%(都市部:57% 農村部:14%)
(都市部には国民の46%が住む)
5.2 その他パフォーマンス
(漏水率、24時間給水の実現度、その他水供給事業の水準を定量的に把握できる数字)
24時間給水されていない。※2
水道メーターはほとんど設置されていない。※2
残留塩素がないため一般細菌が検出される問題がある。※2
6 上下水道への援助・民営化
6.1 国内援助
(中央政府から地方事業への援助等)
6.2 その他の援助
(外国からの援助等)
6.3 民営化
(民営化、公民連携の進行状況)
7 水技術
(どんな技術が使われているか、現場の技術レベルはどうか、技術基準は、その国発祥の技術は、その他おもしろネタ等)
出典
最終更新:2012年05月13日 19:48