「設楽先輩、もうすぐ体育祭・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・の話は置いといて。」
「・・・・・・高校に入る前は体育の授業をよく休んでた。運動会もほとんど見てるだけだったな。」
「えっ、体が弱かったとか?」
「指を守るためだけだ。バレーボールとかバスケとか、突き指でもしたらピアノが弾けなくなる。
リレーでバトンを受け損なって指を痛めるかもしれない。
・・・・・・かもしれないばかりで、いろんなものを見送ってきた。」
「・・・・・・でも、今回は見送らなくていいんですよね?」
「参加せざるを得ないんだよ。
大迫先生に体育の単位がほしければ体育祭だけは出ろと脅されたからな。」
「(・・・・・・ホントは見送りたいのかな)」