琥一「おう、来たか」
〇〇「うん」
琥一「…………」
〇〇「琥一くん、あの、わたし……」
琥一「好きなんだろ? ルカがよ?」
〇〇「琥一くん……」
琥一「馬鹿。そんくらいのことはな、俺だってわかってんだよ。……とっくの昔からな」
〇〇「……昔から?」
琥一「ガキの頃よ、ときどきここで遊んだろ?」
〇〇「うん」
琥一「かくれんぼでも何でも、オマエはいつもルカの後、追っかけ回してた」
〇〇「そうだったね……」
琥一「あの頃みてぇに、素直になりゃいい……そうだろ?」
〇〇「うん」
琥一「まあ、俺にしてみりゃ、ルカもオマエも、メンドクセー弟と妹だ。なにも変わらねぇ」
〇〇「ありがとう……そっか、お兄ちゃんだね」
琥一「おに――やめろ、気味悪ぃ」
〇〇「お兄ちゃん!」
琥一「ウルセー。ほら、行くぞ」