〇〇(あともう少しで始まっちゃうんだ……)
???「おい。」
〇〇「あ、琥一くん。衣装、似合ってるね?」
琥一「ウルセー。ルカの馬鹿どうした。」
〇〇「琉夏くん?さっきまで、その辺にいたけど……」
琥一「気をつけろ。ルカのヤロー、今日はやけにテンション高ぇ。なんか企んでる証拠だ。」
〇〇「そうだね……うん、気をつけ――痛っ!」
琥一「イテッ!」
琉夏「ミネウチだ、安心しろ。」
琥一「コロスぞテメェ!」
〇〇「危ないでしょ!?」
琉夏「2人でこそこそ悪口言うからだ。」
〇〇「琉夏くん。……わかってるよね?」
琉夏「なにが?」
〇〇「もう……主役なんだからね? 今日のお芝居は、わたし達次第なんだから。」
琉夏「わかってるわかってる。」
琥一「ホントかよ……」
琉夏「ホント。俺ら次第だもんな、俺ら次第……あ。」
〇〇「なに?」
琉夏「なんでもない。」
琥一「おい……なんだ言え。」
琉夏「舞台の上で会おう!」
琥一「待てコラ!」
〇〇「なんか、嫌な予感が……」
アナウンス「これより、はばたき学園、学園演劇を開演いたします。」
︙
マキューシオ「ティボルト、決闘だっ!」
琥一「誰に口きいてんだサンピンが。返り討ちにしてやるぜ!」
琉夏「やめろ!!」
琥一「オォッ!?」
琉夏「ロミオ参上!」
琥一「危ねぇだろ、コラ! どっから飛び降りてんだよ!」
(タッチ会話)
〇〇(こんなの、台本にないよ!!)
琉夏「ちょっと足がジンジンするぜ!二人とも、剣を引くんだっ!」
琥一「テメェがだ!止めに入るんじゃねーのかよ!?」
琉夏「そうだった!いいから、抜けっ!」
琥一「あぁ!?」
(タッチ会話)
〇〇(もう!どうしよう!?)
琉夏「コウ、ガキの頃思い出すな?」
琥一「まあな……それより、芝居はどうすん、だっ!」
琉夏「おっと……」
琉夏「ティボルト! キャピュレットを潰すつもりか?」
琥一「テメェの知ったことか! ロミオ!」
琉夏「可愛いジュリエットのことも考えてやれ!」
琥一「アイツの名は出すな! 戦う気が失せんだ、よっ!」
琉夏「ケンカすると怒られるからな? でもこれは、決闘だぜ?」
(タッチ会話)
〇〇(良く聞こえないけど……)
〇〇(なんの話をしてるんだろう?)
琥一「テメェは……いい加減、心配かけんじゃねぇよ!」
琉夏「カッコつけんなよ、お兄ちゃん!」
琥一「テメェに、アイツのこと心配する権利があんのかっ!」
〇〇(なんの話をしてるんだろう?)
琉夏「アイツって誰だよ?」
琥一「ウルセー! テメェには渡さねぇ!」
琉夏「いいぞ、コウ! ここからは正々堂々だ!」
琥一「ルカ……」
マキューシオ「お、おい! ティボルト、倒れろ! ロミオもとどめを!」
琉夏「…………」
琥一「…………」
マキューシオ「か、かくなる上は……助太刀だっ!」
マキューシオ「はい、ティボルト死にました!」
︙
琉夏「…………」
琥一「…………」
〇〇「…………」
琉夏「コウが倒れないからだろ?」
琥一「あぁ!? テメェがワケわかんねぇこと――」
〇〇「もうっ!!」
琉夏「……ゴメン。」
琥一「……悪ぃ。」
〇〇(ハァ……めちゃくちゃになっちゃった……)