琉夏「考えてみるとさ、俺たち、今日、歩きっぱなしだな?」 琥一「煉瓦道だからな、そりゃ、歩くだろうよ。」 琉夏「そういうことじゃなくてさ、ねぇ?」 〇〇「どういうこと?」 琉夏「あら……俺が言いたいのは、もっと哲学的なアレなんだけど。」 琥一「無理すんな。」
琥一「ハァ~ア……おい、散歩で一日終わるぞ?」 〇〇「退屈だった?」 琉夏「コウは貧乏性だからね。家でもずっと掃除してる。」 琥一「お陰さまでな?」
琉夏「やっぱさ、水族館だ。」 琥一「意味がわかんねぇ。」 琉夏「魚が泳いでんの見んのいいよ。自分もさ、海の生き物になった気がする。」 琥一「魚喰い放題ってことか。」 琉夏「そうじゃなくてさ……いや、それもいいな。」
琥一「そう言えばよ、ガキの頃はでけぇマンボウのホルマリン漬けがあったろ?」 琉夏「あぁ、あった。デカかった。」 〇〇「へぇ! 見てみたかったな、ちょっと怖い気もするけど。」 琥一「おう、スゲェもんだったぞ。」 琉夏「今思えば、コウに似てたな。」
琉夏「夏が過ぎてくな……」 〇〇「どうしたの?しみじみと。」 琥一「いいじゃねぇか、さっさと涼しくなりゃいいんだ。」 琉夏「バカだなコウは……コウはバカだよ。」 琥一「なんでだよ?」 琉夏「暑いから薄着になるんだろ!」 琥一「おぉ……そりゃ、そうだな。」 〇〇(ハァ……本当に男の子って……)
琥一「背中が痛ぇ……ちっと焼けたか。」 〇〇「そう言われてみると……そうかな?」 琉夏「わかんねーよ。コウ、年中黒いじゃん。」 琥一「バカ、よく見ろ。焼けてんだよ、ほら。」 〇〇(あんまりわかんないかも……)
琉夏「ヤバい……」 〇〇「寒いの、琉夏くん?」 琥一「だから、もっと厚着しろって言っただろーが?」 琉夏「ポリシーに反する……」 琥一「勝手にしろ。」
琥一「ルカ、キリキリ歩け。」 琉夏「ヤダ、寒ぃ……大体なんで冬に海に行くんだよ……」 琥一「文句あんなら来なきゃいいだろうが。」 琉夏「行かなきゃ文句言えねぇだろうが。」 琥一「あぁ……寒ぃからツッコミ中止だ。」
琉夏「ん~っ……あ~っ……すっきりした!」 琥一「寝過ぎだ、バカ。」 琉夏「コウもだろ?」 琥一「まあな?」 〇〇「ハァ……」
琥一「ハァ~……眠ぃ。」 〇〇「琥一くん、まだ眠いの?」 琉夏「コウは勉強っぽいのダメだからね。ハァ~……」 琥一「テメェもな?」
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