琉夏「〇〇ちゃん、知ってる?」 〇〇「なに?」 琉夏「きれいな桜の下にはなぁ~~」 〇〇「な、なに……怖い話?」 琉夏「根っこが生えてるのだ~~」 琥一「……で、オチは?」 琉夏「無いのだ~~」
〇〇「桜、キレイだったね。」 琥一「まあな。悪かねぇ。ルカ、帰ったら1杯飲むか?」 琉夏「いいね。」 〇〇「ダメ! 高校生でしょ?」 琥一「おいおい。高校生がコーヒー飲んじゃいけねぇのか?」 琉夏「そうそう。花見の後はコーヒーでしょ。」 〇〇(本当かなぁ……)
琉夏「ファ……」 〇〇「ふふ、琉夏くん、眠そうだね?」 琉夏「眠い……寝ていい?」 琥一「寝んな。歩け。」
琥一「日が伸びたな……春の宵か、悪かねぇ。」 琉夏「コウ、どした?」 琥一「どうもしねぇよ。ガキの頃思い出しただけだ。」 琉夏「まぁ、いっか。春だからな。」
琉夏「コウ、暑い?」 琥一「暑ぃな。」 琉夏「じゃ、アイス買って来て。」 琥一「テメェがな。」 琉夏「じゃ、お金。」 琥一「出しとけ。」 琉夏「ねぇから言ってんだろ!」 琥一「逆切れすんなバカ!暑苦しい!」
琥一「ハァ……日が落ちてもまだ暑ぃぞ……」 琉夏「泳いでくか、海で。」 琥一「水着ねーだろうが。」 琉夏「裸でいいじゃん。フツーでしょ、この辺じゃ。」 琥一「はぁ? ガキじゃあるまいしよ。」 琉夏「バカ、そういうことにしとけば――」 〇〇「脱がないよ?」 琉夏「ほら、もうっ! コウ!」 琥一「“ほら”じゃねぇ、バカ!」
琉夏「さーて……帰ったら何するかな。」 琥一「部屋かたづけろ。」 琉夏「どうするかな……秋は夜が長いからね。」 琥一「じゃ、部屋かたづけろ。」 琉夏「デリカシーがないなぁ!」
琥一「日が落ちんのがよ、毎日早くなってくな……」 〇〇「秋だね……」 琉夏「だね……」 琥一「ルカ、風呂屋寄ってくぞ。」 琉夏「あいよ。」
琉夏「わかんないな……」 琥一「なにがだ。」 琉夏「池に氷はってたろ? アヒル達、どこにいったんだろ。」 〇〇「うん……どこに行ったんだろうね?」 琉夏「コウ、喰った?」 琥一「喰わねぇよ。」
琥一「さすがに冷えてきたな……」 琉夏「寒ぃ……死ぬ……」 琥一「不死身じゃねぇのかよ?」 琉夏「ヒーローにも弱点はあんだよ……」 琥一「いいからキリキリ歩け。」
琉夏「ハァ……遊んだ遊んだ!」 琥一「はしゃぎすぎだ、テメェは。」 琉夏「コウもな?」 〇〇「2人とも、海とかプールだと本当にテンション高いね?」 琉夏「そりゃ水着――」 琥一「バカ! なんでもねぇぞ?」 〇〇(エロ兄弟め……)
琥一「ハァ……」 〇〇「琥一くん、疲れちゃった?」 琉夏「コウのは気疲れだろ?」 琥一「まあな。」 〇〇「気疲れ?」 琉夏「コウはお父さんみたいなとこあるから。」 〇〇「???」
〇〇「楽しかったね?」 琉夏「うん、スケート場、一年中やってりゃいいのにな。」 琥一「勘弁してくれ……」 琉夏「すぐ上手くなるって、コウならさ。」 〇〇「そうだよ!」 琥一「励ますな。切ねぇ……」
琥一「なんでスケートなんかに来ちまったんだか……」 琉夏「まだ言ってんのかよ?」 〇〇「琥一くんも、もっと練習しよう?」 琥一「勝てねぇ勝負はやんねぇ主義なんだよ。」 〇〇「もう……仲よく!」
琉夏「ミイラがさ、夜の博物館で夜な夜な蘇るとしたらどうする?」 琥一「なもん、走って逃げりゃいいだろ。アイツら、足、遅ぇんだ。」 琉夏「じゃあ、足が速かったら? そうしたらどうする?〇〇ちゃん。」 〇〇「わたし? どうするって言われても……」
琥一「ハァ……おい、次はよ、別のとこにしねぇか?」 〇〇「博物館、つまんない?」 琉夏「つまんないに1票。なんか、勉強みたい。」 〇〇「う~ん、そうか……」
琉夏「俺、前から思ってんだけどさ。前世はジャングルに住んでたんじゃないかな。」 琥一「始まったぞ。」 〇〇「どうして?」 琉夏「どうも、でっかいサルがお伴にいたような気がして。あ、ほら、ちょうどこんな。」 琥一「コラ。」
琥一「しかしよ……温室ってのはどうにも蒸し暑ぃな。」 琉夏「そんなことじゃ温暖化についていけねぇぞ? 10年後の日本はジャングルなんだぞ?」 琥一「あ? マジかよ……」 〇〇(……そうだっけ?)
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