設楽「臭いのとうるさいの禁止な。」 紺野「わかったわかった。」
〇〇「あ、キリン!」 設楽「見ればわかる。あれはゾウじゃない。」 紺野「うん。でも動物の分類上、ゾウとキリンは同じゾウ目キリン科に属するんだ。」 設楽「そうなのか!?」 紺野「ご、ごめん。これはさすがに嘘。まさか信じるとは……」 設楽「紺野~……」
設楽「オオアリクイか……変な顔。」 〇〇「そんなこと言っちゃ可哀想ですよ……ふふっ。」 紺野「そうそう、ひどいぞ。生きるための進化の証なんだから。」 設楽「こうして人を笑わせてくれるのも進化の証なのか?」
〇〇「あ、ナマケモノだ。」 設楽「おまえの親戚か?」 〇〇「もう……!」 紺野「はは。君はがんばり屋だよな。設楽だってわかってるよ。」 設楽「余計なこと言うな。」
紺野「遊園地といったら、ジェットコースターだよな。」 設楽「ふーん。まあ、一般的にはそうなのか?」
紺野「あー、楽しかった!」 〇〇「紺野先輩は本当にジェットコースターが好きですね。」 設楽「あんなの、ただ座ってるだけだけどな。」 紺野「違うよ設楽、僕たちはめくるめく物理法則の世界を冒険しているんだ。」 設楽「そんなに興奮するな。顔を近づけすぎだ。」
紺野「ゴーカートって、思ったよりスポーツなんだな。けっこう難しいよ。」 設楽「そうだな、疲れる。誰だ最初に乗るって言い出したの」 〇〇「わ、わたしです……」 設楽「そうか。じゃあ罰として、おまえはもう一周だ。」 紺野「僕も付き合うよ。設楽は1人で留守番よろしく。」
〇〇「観覧車、楽しかったですね。」 設楽「ふん、景色を見るだけじゃないか。」 紺野「見てたのは本当に景色だけか?」 設楽「……な、なんだよ。どういう意味だ?」
〇〇「お化け屋敷、面白かったですね。」 紺野「あんなにキャーキャー言ってたのに。」 設楽「ホラーものに泣き叫ぶ女は付き物だ。たいてい最初の被害者になるけどな。」 〇〇「そんな!」 紺野「ふふ、訳知り顔の皮肉屋だって危ないんじゃないか?」
設楽「紅葉か……ちゃんとキレイに色づいてるんだろうな。」 紺野「設楽の日頃の行い次第かな。」
紺野「2人とも、もみじを天ぷらにしたお菓子って知ってる?」 〇〇「天ぷら?」 設楽「本当か?あの葉っぱをか?」 紺野「ほんとだよ、お土産でもらったことがあるんだ。」 設楽「ふーん……帰ったら取り寄せてみるか。」
設楽「すごい紅葉だな。」 紺野「あぁ、まるで燃えてるみたいだ。」 〇〇「……えっ!?」 設楽「ただの例えだ、まったく……景色にみとれすぎなんだよ。」 紺野「ははは。キレイなものに心が奪われること、設楽だって覚えがあるんじゃないか?」
〇〇「なんで秋になると、葉っぱの色が、赤や黄色になるんだろう。」 紺野「あぁ、それはね……」 設楽「それはな、秋だからだ。よーし、早く先に行くぞ。」 〇〇「ま、待ってくださいよ!」 紺野「設楽は理屈より感性だもんな。話の続きはまた後でね、〇〇さん。」
設楽「俺は見てるだけだ。いいな?」 紺野「そういうなよ。教えるから。」
設楽「じゃあ2人とも、がんばって滑って来い。」 〇〇「えっ? 一緒に滑りましょうよ。」 紺野「僕が教えようか?」 設楽「……それだけは嫌だ。」 〇〇(意地っ張りなんだから……)
設楽「初心者にはスノーボードの方がいいらしいから、借りてきた。」 〇〇「そうなんですか?じゃあ、わたしも――」 設楽「ダメだ。俺は初心者コースで練習してくるけど、おまえらは絶対に来るな。」 紺野「なんでだよ。スノボは専門外だけど、少しは教えられるぞ。」 設楽「いいから来るな。」 〇〇(転ぶところ、見られたくないのかな……)
〇〇「雪だるま、作りたいなぁ。」 設楽「また変なこと言い出したな……」 紺野「うーん、ここじゃ障害物になっちゃうからな……」 設楽「あっちの隅なら問題ないだろ。決めた、作るぞ。」 紺野「え?ほんとに!?」
紺野「このメンバーだと、やっぱ設楽が殿様かな? ははっ。」 設楽「で、おまえが爺やか? 小言でノイローゼになりそうだな。」
紺野「天守閣から周りを見ると、ここが自然の地形を活かした要害だってことがわかるな。」 〇〇「どういうことですか?」 紺野「背後と左右が山地だから、正面以外は攻めにくくなっているだろ?」 〇〇「あ、ほんとだ。」 設楽「よくそんなマニアックなこと知ってるな、おまえは。」
〇〇「わたし、高い所からの眺め、すごく好きなんです。」 設楽「ナントカと煙は……ってやつだな。」 紺野「また設楽はそんなこと言って。」 設楽「でも、本人はわかってないみたいだぞ。」 〇〇「?」
設楽「それにしても、同じ城でもヨーロッパのとは全然違うな。」 〇〇「ヨーロッパのお城、素敵だろうなぁ。」 設楽「でも日本の城も綺麗だ。城ってのは、機能美の極みだな。」 紺野「僕も色んな国に行ってみたいな。」 設楽「城めぐりでもするのか?道案内はごめんだからな。」
紺野「牧場って心が癒されるよな……」 設楽「なに年寄りみたいなこと言ってるんだ。」
紺野「乗馬、どうだった?」 〇〇「緊張しました。まだ手に汗が……」 設楽「またがって手綱引かれてただけじゃないか。まだ乗馬なんてものじゃない。」 紺野「いや、視点が高くなるだけでけっこう怖いもんだぞ?」 設楽「……これでも励ましたつもりなんだよ。」
〇〇「羊毛刈りの体験、面白かったですね。」 設楽「うーん。身ぐるみ剥いでるみたいで、ちょっとな。」 紺野「実体験するのはいいことだよ。僕らは色んな動物に助けられて生きてるんだから。」 設楽「はいはいわかりました、紺野先生。」
〇〇「あ、牛! 牛がいますよ!」 設楽「牧場だからな。牛がいるのは当たり前だろ。」 紺野「あ、でもホルスタインじゃなくて、ジャージー牛だ、ちょっと珍しいな。」 設楽「なんか違うのか?」 紺野「牛乳が濃厚なんだってさ、飲みにいってみよう。」
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