追加デート
〇〇「必ず見てるテレビ番組って、ある?」
不二山「テレビ? 必ずってのは……ねーな」
〇〇「じゃあ、よく見る番組とかは?」
不二山「スポーツ中継。柔道は、あんまテレビでやんねーけどな」
〇〇「そうかも。どうして?」
不二山「プロの団体がねーからだろ。世界大会とか、すげー盛り上がんのにな」
〇〇「そう言えばそうだよね……プロってできないのかな?」
不二山「出来てもいいけど、見世物みてーになんのは、やだな。俺は」
〇〇「不二山くんは、ストイックなんだね」
不二山「まあな」
〇〇(なるほどね……)
不二山「ストイックってなに?」
〇〇(…………)
〇〇「好きな食べ物ってなに?」
不二山「好き嫌いならねーよ」
〇〇「へぇ! ぜんぜん?」
不二山「ねーな。あ……あれ! なんだっけ、ほら、緑色の。アド……アドガボ」
〇〇「アボカド?」
不二山「ああ、あれはヤダな。果物なんだか野菜なんだか。油みたいな味がする。アドガボだ」
〇〇「アボカドね。そっか、それだけ?」
不二山「あと、シイタケ。変な味だよな?」
〇〇「好き嫌い……あるよね?」
不二山「あんなの好きなやついねーだろ。そういうのは、好き嫌いって言わねんだよ」
〇〇「言うよ!」
〇〇「柔道以外で好きなスポーツって何かある?」
不二山「ある」
〇〇「あ、やっぱり! 例えば?」
不二山「野球だろ? サッカー、バスケ、水泳、あとは……わかんねー。いろいろ」
〇〇「スポーツが得意なんだね」
不二山「まあな。身体動かしてアドレナリン出あくるとさ、頭ン中霧が晴れたみてーになるだろ?」
〇〇「う~ん……なるの?」
不二山「なるんだ、俺は。脳味噌のさ、考えるとこじゃねー部分が、フル回転する感じ」
不二山「自分が動くイメージが浮かんで、一瞬後で、イメージ通りに勝手に身体が動き出す」
〇〇「すごいな……やっぱり、嵐くんはアスリートなんだね」
不二山「そうなんだろうな。俺さ、よく思うんだ」
〇〇「?」
不二山「走りながらテスト受けたら、ケッコーいい点とれんじゃねーのか、ってな」
〇〇(それは無理じゃないかな……)
〇〇「不二山くんは、どんな音楽が好き?」
不二山「音楽? 聴かねー」
〇〇「そうなんだ。ぜんぜん聴かないの?」
不二山「ああ、聴かねーな。あ、そう言えば……」
〇〇「?」
不二山「後輩からCD借りてた」
〇〇「そうなんだ? どんなの?」
不二山「わかんねー。聴いてねーもん」
〇〇「聴いてみればいいのに」
不二山「やだよ、めんどくせー。おまえが聴いてどんなだったか教えて」
〇〇「CDの感想を?」
不二山「そしたら、それをあいつに俺が言う。なるべく“通”っぽい感想だ。いいな?」
〇〇(何かヘンなことになっちゃった……)
〇〇「不二山くんって、なにか趣味持ってる?」
不二山「…………」
〇〇「? どうしたの?」
不二山「言わねー」
〇〇「どうして? 教えてよ」
不二山「笑うもん」
〇〇「笑わないよ?」
不二山「ホントかよ……」
〇〇「ホント!」
不二山「えぇと……花をさ、育てんだよ」
〇〇「お花?」
不二山「お花とか言うなよ。花だよ。菊だ」
〇〇「菊か……ちょっと意外かも」
不二山「俺に、柔道教えてくれた人が、育てろって言うから」
〇〇「へぇ……柔道と関係あるの?」
不二山「あるんだよ。師範が言うんだから。どういうカンケーか知らねぇけど」
不二山「小学生の頃からやってんだ。これがまた、一年中なんのかんのめんどくせーったら……」
〇〇「でも、ちゃんと続けてるんだ?」
不二山「まあな。秋に花を見んのは悪くねぇよ。前はただ面倒なだけだったけど、今は、好きでやってる気がする」
〇〇(精神の鍛錬なのかな……)
〇〇「不二山くんは、中学の頃はどんな風だったの? やっぱり柔道?」
不二山「まあな。でも、3年になってからは勉強ばっかだったな」
〇〇「受験で?」
不二山「ある程度勉強出来ねーと、はば学は無理だろ?」
〇〇「そっか……あ、そう言えば。どうして柔道部の無いはば学に入ったの?」
不二山「まあ、色々あんだよ」
〇〇「……?」
〇〇「不二山くんは将来の夢ってある?」
不二山「柔道に関係してる何かができてりゃいいな」
〇〇「不二山くんなら、きっとできると思うな!」
不二山「……うん」
〇〇「?」
不二山「あ、そうだ」
〇〇「うん?」
不二山「家の庭で犬を飼う。5匹くらいがいいな」
〇〇「5匹も!?」
不二山「お袋が犬アレルギーだからダメなんだ、うちは」
〇〇「でも、それだと実家じゃずっと飼えないよね?」
不二山「うん、だから大人になって結婚してから。人生計画の一つ。飼いてぇなー、犬……」
〇〇(今、すごいことをサラッと言ったような……)
〇〇「ねぇ、不二山くんの好きなタイプって、どんな感じ?」
不二山「……好きな、タイプ?」
〇〇「うん」
不二山「えぇと……組み手型のスタイルだな。重量級には行く気はねぇし――」
〇〇「女の子のタイプってことなんだけど……」
不二山「ああ! そっちか、そっちな? なるほど」
〇〇「どんな感じ?」
不二山「どんなって……えぇと、目が二つと鼻と口がついてて、そんで………………わかんねーよ。そんなの、あんま考えねぇし」
〇〇「そっか……じゃあ、可愛いなって思うタレントなんかは?」
不二山「顔見りゃわかるけど、名前がな、さっぱり」
〇〇「う~ん……じゃあ、クラスの女子とかでは? 中学の頃でも」
不二山「女子って言われても、今まで、女でこんなに話したことあんの、おまえくらいしかいねーし」
〇〇(う~ん……)
〇〇「えぇと……やっぱりやめとこうかな?」
不二山「なんだよ。気持ち悪ぃな、言えよ」
〇〇「でも……どうしよう」
不二山「これだから女は……ハッキリ言えって、ほら!」
〇〇「わかった。不二山くんは恋愛って何だと思う?」
不二山「……えぇ?」
〇〇「どんな風に考えてる?」
不二山「どんなって……恋愛なんだから、ラブってことだろ」
〇〇「それじゃ英語で言っただけだよ」
不二山「じゃ、何語で言やいいんだよ」
〇〇「そうじゃなくて、こういう恋愛がしたいな、とか」
不二山「わかんねーよ……そういうの、考えねぇようにしてるから」
〇〇「考えないように? どうして?」
不二山「だって、男のくせにそういうの、違うだろ。女が考えることだよ」
〇〇「そんなことないよ。男の子だって考えるよ」
不二山「考えねーよ。女が考えることって、日本じゃ昔から決まってんだ」
〇〇「でも、昔じゃないもん」
不二山「じゃあ、俺は昔みたいなのがいい。決めた」
〇〇(ハッキリしてるのかしてないのか……)
告白未遂イベント
※「恋愛について」を聞いた次の回のデート後に起きる会話イベント
不二山「…………あのさ」
〇〇「うん」
不二山「こういうの、なんて言うんだろ」
〇〇「こういうのって?」
不二山「こう……腕ん中に閉じ込めて、ぎゅーってしたくなるような。そういうの。なんかさ、おまえ見てると――…………」
〇〇「不二山くん?」
不二山「……やばい。なんか、すげー動悸……」
〇〇「えっ!」
不二山「おまえ、ちょっと後ろ向け」
〇〇「う、うん」
:
〇〇「どう?」
不二山「あ。なおった」
〇〇「ホント!?」
:
不二山「ぅ……」
〇〇「あっ、ゴメン!」
:
不二山「悪ぃ。ちょっとこのまま。……なんだこれ。ハァ……」
〇〇(だ、大丈夫かな……?)
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最終更新:2019年01月29日 15:56