琉夏「この教会さ……覚えてる?」
〇〇「子供の頃、かくれんぼしたよね?」
琉夏「そう。最後はいつもコウが鬼でさ?」
〇〇「そうそう! いつか、2人ずっと隠れて、外が暗くなるまで……ねぇ、覚えてる?」
琉夏「それは――どうだっけ、よく、憶えてないな」
〇〇「そっか」
琉夏「でもさ、最後は必ずコウが見つけてくれたろ?」
〇〇「うん、そうだったね」
琉夏「コウはさ、面倒見が良くて、オマエのこと、妹みたいに可愛がってた。それにオマエも――」
〇〇「?」
琉夏「あの頃からわかってた。ああ、オマエはコウのことが好きなんだろうなって」
〇〇「琉夏くん……」
琉夏「ほら、すぐ顔に出るから。ガキの頃から同じだ」
〇〇「わたし……」
琉夏「やれやれだ。いいじゃん、それで。俺らは、もうガキじゃない」
〇〇「琥一くんはきっと、まだ妹としか思ってないと思うけど」
琉夏「でも、妹のままじゃダメだ。……だろ?」
〇〇「……うん」
琉夏「がんばれ。アイツ、カッコつけだから、なかなか言わないと思うけど。きっとオマエと同じ気持ちだ」
〇〇「うん、ありがとう……」
琉夏「よし。……行こう。家まで送ってく」