○○「宇賀神さん。」 宇賀神「なに?」 ○○「ね、一緒に帰らない?」
宇賀神「うん、帰る。」 ○○「うん!じゃあ、行こっか。」
宇賀神「今日はやめておく。星の巡りがよくないから……」 ○○(仕方ない、ひとりで帰ろうっと)
○○「ねえ、お茶して帰らない?」
宇賀神「うん、行く。」 ○○「決まり!じゃあ、行こう!」
宇賀神「……今日はやめた方がいい。」 〇〇(……仕方ない。まっすぐ帰ろう)
宇賀神「バンビ。一緒に帰ろ。」 ○○「あっ 宇賀神さん。」
宇賀神「明日の運勢、占ってあげる。」
宇賀神「それが最良の選択。バンビ、冴えてる。」 ○○「ふふっ。じゃあ、行こう。」
宇賀神「そう……」 ○○「ごめんね。」 ○○(せっかく声かけてくれたのに悪いことしちゃったかな……)
宇賀神「やめて。」 ○○「あっ、ごめん。これはイヤだった?」 宇賀神「……」 ○○(今の呼び方じゃダメみたい……)
宇賀神「教会の伝説、知ってる?姫が待っていると、王子が迎えに来る。」 ○○「あ、聞いたことあるかも。」 宇賀神「実例があるんだって。はば学の卒業生。」 ○○「へー、素敵だね。」 宇賀神「それもきっと、星の導き。」 ○○(伝説か……)
宇賀神「宇宙王子って知ってる?」 ○○「えっと…宇宙人のこと?」 宇賀神「そうじゃないけど…地球を侵略しようと企んでいる宇宙王子の話。」 宇賀神「実は、王子じゃなくて、宇宙姫というのがいて、そっちが黒幕らしい。」 ○○「う、宇宙姫!?」 宇賀神「その2人が地球にアジトとして作ったのが、あの教会。ステンドグラスの男女の絵は彼らの人間の姿を描いたもの。」 宇賀神「満月の光に照らされると、あの絵を伝って、彼らはアルファケンタウリ星系第3惑星からやってくる…」 ○○(……)
宇賀神「教会の伝説には真相があったの。」 ○○「伝説の真相?」 宇賀神「実はあの教会の王子と姫のステンドグラスには、暗号が隠されている。」 ○○「えぇっ!? それは、お宝とか……?」 宇賀神「それがわかっていればとっくに暴かれてる。 つまり、まだ暗号は解かれていないということ。 宇賀神「星の声に聞いてみることもできるけど……なぜか気が乗らない。」 ○○(き、気になるな……)
○○「そういえば、もうすぐ宇賀神さんの誕生日だよね。」 宇賀神「うん。」 ○○「家で、お祝いとかするの?」 宇賀神「する。両親からと、あとは星からの祝福。」 ○○「星から?」 宇賀神「生命を与えてくれたことを、星に感謝する。そうすればまた一年導きを受けられる。」 ○○「へえ……ねえ、それってわたしにもできるのかな?」 宇賀神「やめた方がいい。半端な知識では身を滅ぼす。生兵法は怪我のもと。」 ○○(気になるけど……深く聞かない方がいいのかな)
○○「もうすぐテストだね。」 宇賀神「うん。」 ○○「余裕だなぁ。宇賀神さんは成績いいもんね。」 宇賀神「テストの結果はあまり気にならない。」 ○○「え、どうして?」 宇賀神「……バンビ。」 ○○「なに?」 宇賀神「普通に勉強して、良い成績をとれば気にならないよ。」 ○○「そうですよねー……」
○○「そういえばもうすぐ体育祭だね?」 宇賀神「…………」 ○○「……ごめん。こんな話して。」 宇賀神「今年もやろうかな。成功したことないけど……」 ○○「何を?」 宇賀神「雨乞い。」 ○○(なるほど……)
○○「もうすぐ夏休みか……宇賀神さんは何か予定あるの?」 宇賀神「バイトとクラブ以外?」 ○○「以外で。」 宇賀神「……暑いの苦手。どこも行きたくない。」 ○○「じゃあインドアで楽しむ派だ。」 宇賀神「でも家にいると、お母さんの手伝いさせられる。めんどくさい。」 ○○「じゃあ、アウトドアで?」 宇賀神「やだ。 はあ、どうしよう……」 ○○(上手くいかないね……)
○○「あとちょっとで文化祭だね。美術部の準備、順調?」 宇賀神「うん、順調。問題ない。」 ○○「そっかー。あ、わたし見に行こうかな?」 宇賀神「大歓迎。……実は自信作。」 ○○「わぁ、楽しみ!自分の出展の合間をみて見に行くね!」 宇賀神「うん。」 ○○(文化祭、楽しくなるといいな)
○○「もうすぐ文化祭だね。今年の学園演劇の主役投票、始まったって。」 宇賀神「バンビ、興味あるの?」 ○○「んー……宇賀神さんは?」 宇賀神「……台本は読破した。」 ○○「へぇ!」 宇賀神「演出が甘い。大道具も小道具もあのままじゃチープすぎて不安。」 宇賀神「配役までミスキャストになったら……あぁ……」 ○○(宇賀神さん、実はすごくやる気満々?)
○○「宇賀神さんは、文化祭の作品、進んでる?」 宇賀神「もちろん。」 ○○「ふふっ、さすがだね。」 宇賀神「そういうバンビは?」 ○○「えっと……順調、かな?」 宇賀神「そう。いい展示にしよ。」 ○○「うん、そうだね!」
○○「もうすぐ冬休みだけど、宇賀神さんはどうするの?」 宇賀神「山に行きたい。」 ○○「へえ、ちょっと意外。あ、スキーが好きとか?」 宇賀神「ううん、嫌い。滑れないもん。」 ○○「そっか……じゃあ、山に何しに行くの?」 宇賀神「星見に。」 ○○「あ、そっか!」 宇賀神「冬の星は、特に好き。空気も澄んでて、キレイだし。」 ○○(楽しそうだな……)
〇〇「もうすぐ春休みだね……」 宇賀神「うん、待ち遠しい。」 〇〇「わたしもだけど……宇賀神さんはなんで待ち遠しいの?」 宇賀神「宿題ないし。」 〇〇「あ、やっぱり?成績よくても、やっぱりうれしいんだ。」 宇賀神「もちろん。やりたいことに時間を使える。」 〇〇「やりたいこと?」 宇賀神「占いの研究と、データ収集。」 〇〇「? いつもやってるよね?」 宇賀神「いつもより、もっと深くて濃いことができるの。楽しみ……」 〇〇(な、何するんだろう……)
○○「修学旅行、楽しみだね。北海道だし!」 宇賀神「バンビ、はしゃいでる。」 ○○「だって修学旅行、すごく楽しみだったもん。」 宇賀神「はいはい。」 ○○「もう……ちゃんと準備しないと、思う存分楽しめないよ?」 宇賀神「誰に言ってるの?情報収集は完璧。経路とタイムテーブルに隙はない。」 ○○(宇賀神さんも楽しみなんだな……)
○○「もうすぐ卒業だ……」 宇賀神「うん……」 ○○「宇賀神さんとは入学してすぐ出会ったからずいぶん経つのに……あっという間だったな。」 宇賀神「卒業しても……」 ○○「ん?」 宇賀神「友だちだよね?」 ○○「うん、もちろん!」 宇賀神「うん……」 ○○(卒業か、寂しいな……)
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