琉夏「やるな。玉、スゲェ転がってた。」 〇〇（やったね、一等賞！）
琉夏「スゲェ。 オマエ、玉転がしすぎ。」 〇〇「ふふっ、ほめられてる？」 琉夏「超ほめてる。おめでとう。」 〇〇（やったね、一等賞！）
琉夏「〇〇。やったな。」 〇〇「あ、琉夏くん！ がんばっちゃった！」 琉夏「よしよし、よく転がした。ご褒美のチューだ。」 〇〇「ん？」 琉夏「……ウソです。おめでとう。」 〇〇（もうっ！ でもやったね、一等賞！）
琉夏「中途半端なんだよ、転がしがさ。」 〇〇（う～ん、こんなもんか……）
琉夏「ハァ……テレがあるからダメなんだ。もっとさ、ほら……」 〇〇「うん？」 琉夏「転がさなきゃ。」 〇〇（う～ん、こんなもんか……）
琉夏「〇〇。」 〇〇「あ、琉夏くん。」 琉夏「あ、じゃなくてさ、ダメじゃん、１位になんなきゃ。」 〇〇「ゴメン……」 琉夏「ハァ……ぜんぜん、ダメだ。」 〇〇「そんなこと言ったって……」 琉夏「ゴメンなちゃい♡ って言って。ほら。」 〇〇（ぜったい言わない。う～ん、こんなもんか……）
琉夏「あのさ、玉ころがし、ナメてんの？」 〇〇（ハァ……ビリか……）
琉夏「どうせビリになるならさ、玉乗りに切り替えれば良かったんだ。」 〇〇「玉乗り？」 琉夏「その辺、反省して。」 〇〇（ハァ……ビリか……）
琉夏「やれやれだ。」 〇〇「……ゴメンね？」 琉夏「ダメ。笑ってくれたら許す。……ほら、笑って？」 〇〇（琉夏くん、ありがとう。でも、ビリか……）
〇〇（パートナー、どうしようかな……） 女子Ａ「あれぇ……さっきまでいたのにぃ～……」 女子Ｂ「もう～、どこ行ったんだろう？」 〇〇（……？） 〇〇「あ、琉夏くん。パートナー探し？」 琉夏「俺？ いや、フケようかなって。」 〇〇「もう……ダメだよ、ちゃんと出なくちゃ。」 琉夏「はぁい……」
〇〇（パートナー、どうしようかな……） 女子Ａ「あぁん、もう～！ 見失っちゃった！」 女子Ｂ「まだ、近くにいるはずよ！」 〇〇（……？） 琉夏「〇〇ちゃん、パートナー探し？」 〇〇「あ、琉夏くん。うん、一緒にでない？」 琉夏「出る出る。行こう。」
〇〇（パートナー、どうしようかな……） 女子Ａ「また、逃げた～」 女子Ｂ「もう、相手きまってんのかなぁ？」 〇〇（……？） 琉夏「〇〇。」 〇〇「あ、琉夏くん！」 琉夏「小さい声で。」 〇〇「？」 琉夏「パートナー決まった？」 〇〇「ううん、まだ。」 琉夏「セーフ……行こう！」
琉夏「楽勝。ヒーローと組んで正解でしょ？」 〇〇（やったね、１等賞！ 二人の勝利！）
琉夏「１位！ な、俺ら今、スゲェ、ヒーローな感じ？」 〇〇「感じ！」 琉夏「よし。ほら、ハイタッチ！」 〇〇（やったね、１等賞！ 二人の勝利！）
琉夏「１等賞っ！」 〇〇「やった！ 息ぴったりだったね！」 琉夏「愛し合ってるからね。」 〇〇「……ん？」 琉夏「ハァ……久しぶり、本気で走った。偉い？」 〇〇「琉夏くん、エライ！」 〇〇（やったね、１等賞！ 二人の勝利！）
琉夏「ハァ……俺さ、ハズしてないよな？」 〇〇（もうちょっと息が合ってれば……）
琉夏「ハァ……わかってないな。」 〇〇「ゴメン。」 琉夏「ヒーローはさ、１位しか許されないんだ。その辺、覚えといて。」 〇〇（もうちょっと息があっていれば……）
琉夏「惜しかった……」 〇〇「ごめんね？ うまく合わせられなくて……」 琉夏「足、平気？」 〇〇「……え？ あ、うん。だいじょうぶ。」 琉夏「じゃあよかった。ケガさせたらヒーロー失格だもんな？」 〇〇（琉夏くん……もうちょっと息が合ってれば……）
琉夏「つまりさ……俺ら、息が合ってないってこと？」 〇〇（ビリ……ぜんぜん息が合ってなかった）
琉夏「ビリか……」 〇〇「ゴメンね、合わせられなくて……」 琉夏「もっと、ラブラブで行かないと。その辺、反省して。」 〇〇（ビリ……ぜんぜん息が合ってなかったな）
〇〇「ゴメンね……」 琉夏「なんで？」 〇〇「わたし、うまく合わせられなかったから……」 琉夏「俺もハズしてたよ？ ほら、なるべく長く二人三脚したかったから。」 〇〇（なぐさめてくれてる。でもビリ……ぜんぜん息が合ってなかったな）
〇〇「えっと、わたしのチームは……」 琉夏「チームの合い言葉は“正義は必ず勝つ”!!」 〇〇「それじゃ相手チームが悪みたいだよ？」 琉夏「正義に逆らう奴は悪だっ！」
〇〇「えっと、わたしのチームは……」 琉夏「オマエと一緒？ 俺、ついてる。」 〇〇「あ、琉夏くん！ がんばろうね。」 琉夏「おう！ 入れて入れて入れまくるぜ、玉っ！」
〇〇「えーと、わたしのチームは……」 琉夏「〇〇、見っけ。」 〇〇「あ、琉夏くん、がんばろうね！」 琉夏「ああ。俺たちにあって奴らにないもの、わかる？」 〇〇「？」 琉夏「愛だ……」
琉夏「〇〇ちゃん、宿命の対決ってことか。」
琉夏「〇〇ちゃん。あれ、そっちか。玉ぶつけようっと！」
琉夏「あれ、そっちか。今日はやっつけるけどさ、そこは愛ゆえにってことで。」
琉夏「正義は勝つ！」 〇〇（みんなでがんばったかいがあったな）
琉夏「よしっ！ 見てた？ 俺、スゲェ玉入れた。」 〇〇（やった！ 一緒にがんばったかいがあったな）
琉夏「入れたなぁ、玉！ 愛の勝利！」 〇〇（ちょっと恥ずかしいけどがんばったかいがあったな）
琉夏「来週は勝つ！ え、無いの？」 〇〇（引き分けか……惜しいっ！）
琉夏「あぁっ！ もうちょっと、ほら、玉をさ！ 照れないでっ！」 〇〇（引き分けか……惜しいっ！）
琉夏「惜しいっ！ なにが足りない？ 愛か？」 〇〇（引き分けか……あぁっ、惜しいっ！）
琉夏「正義が、負けるだと……」 〇〇「もっとがんばればよかった……」
琉夏「もっとさ、こう……入れなきゃ、玉を。」 〇〇（もっとがんばればよかった……）
琉夏「負けた……でも仲良し度では、俺らの勝ちだ。たぶん。」 〇〇（もっとがんばればよかった……）
琉夏「〇〇ちゃん。俺と踊ろうぜ？」 琉夏「ふふっ、よろしくね？」
琉夏「〇〇。今更、照れくさいな？」 〇〇「ちょっと、ね？」 琉夏「しょうがない。はい、手貸して？」
琉夏「ハァ……やっと回ってきた。」 〇〇「ふふっ、お待たせしました。」 琉夏「大人しく待ってたご褒美に、２回踊っていい？」
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