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「平 健太 イベント会話」(2019/03/20 (水) 20:50:40) の最新版変更点
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#contents
*入学式
・タッチ
#blockquote(){#divclass(hide){
???「ん? なに?」
︙
大迫「職員室に教材を取りに行ってくるからちょっと待っててな~。」}}
・タッチ
#blockquote(){#divclass(hide){
???「ん? なに?」
〇〇「あっ、えっと……」
???「…………」
男子A「おい、平、どうした? 知り合いか?」
???「ううん、違う。」
〇〇「ごめんなさい、わたし――」
???「べ、べつに謝ることないよ。」
男子B「そのとき平は彼女に恋をしてしまったのです。」
???「こ、恋って、なに言ってんだよ!」
男子B「はは、図星だろう?」
???「そ、そんなことないって。」
〇〇「あの、わたし……」
???「あ、ごめん。俺たち、中等部からの友だちなんだ。君は受験組だよね?」
〇〇「うん。」
平「俺は平 健太。よろしく。」
〇〇「あ、わたしは〇〇。よろしくね。」
大迫「コラァ! このクラスが一番うるさいぞ。先生、また怒られるじゃないかぁ!」
大迫「元気なのは大変結構だけどな? まぁいい、誰か教材を運ぶの手伝ってくれ。」
大迫「……タイラー。目が合ったな?」
平「えっ、俺ですか?」
大迫「来い、タイラー! 大迫クラスで一番最初の任務をおまえに与える!」
平「はーい。」
〇〇(平くんか……なんかほっとする感じの人だな)}}
*1年目体育祭
#blockquote(){#divclass(hide){
平「〇〇さん、これ。落としたよ。」
〇〇「あ、わたしの髪留め。ありがとう。」
平「あれ……? それ壊れちゃってるな。」
〇〇「本当だ……」
大迫「タイラー! 女子と手を繋ぎたいのはわかるけど、もう終わりだぞ!」
平「ち、違いますよ、俺はただ――」
大迫「往生際が悪い男はだめだ! 解散ー!」
平「はーい。」
〇〇(ありがとう、平くん)}}
*1年目12月 期末試験
#blockquote(){#divclass(hide){
〇〇(期末テスト初日。やっぱり緊張するな……)
???「あれ、おかしいな……」
〇〇「平くん、おはよう、どうかしたの?」
平「〇〇さん、おはよう。なんか俺、筆記用具を忘れちゃったみたいなんだ。期末テストなのにさ。」
〇〇「えっ? わたしのでよかったら貸そうか?」
平「いいの? 助かるよ!」
〇〇「えっと……、これでいいかな?」
平「うん、ありがとう! たまには忘れ物するのもいいな。」
〇〇「え?」
平「ううん、なんでもないんだ。」
平「よっし、頑張るぞ!」
〇〇(ふふっ、平くん気合い入ってるな。 わたしも頑張ろう)}}
・テスト翌週
#blockquote(){#divclass(hide){
〇〇(さてと。カレンとミヨで屋上ランチ。そろそろ行こう)
平「〇〇さん。」
〇〇「あ、平くん。どうしたの?」
平「これ、テストの時に借りたペン。ありがとう。」
〇〇「うん。平くん、テストはどうだった?」
平「俺はいつも通り。ちゃんと真ん中あたりをキープ出来たよ。」
〇〇「え?ちゃんと真ん中?」
平「ちょうどいい感じってこと。上過ぎても、下過ぎても居心地悪いんだよね。」
〇〇「上もダメなの?」
平「ダメだよ。なんかムズムズして、気持ち悪い……と思う。」
平「実際、上位の成績なんてとったことないから、想像だけどさ。」
〇〇「ふふっ、平くんって面白いね。」
平「面白い? 俺が?それ、なんか嬉しいな。」
花椿「バンビー、早くぅ!いい場所なくなっちゃうよー。」
〇〇「ごめんね、今行くから!」
平「あっ、それと、君が筆記用具を忘れたときは俺に言ってよ。これからは予備を持っておくから。」
〇〇「うん、わかった――」
花椿「お腹すいた〜……バンビ〜!」
平「引き留めてごめん。みんな、お腹空かせて待ってるよ。じゃあ。」
〇〇(ふふっ、平くん、ありがとう)}}
*1年目 バレンタインデー
#blockquote(){#divclass(hide){
〇〇(ちょっと、帰るの遅くなっちゃったな……)
男子A「平、お前、今、下駄箱開けるとき、期待してただろう?」
平「き、期待なんかしてないよ。毎年のことだろ、もう慣れてる。」
男子A「ああ、そうだな。俺たちには無縁の行事だからな。」
〇〇(なんのことだろう?)}}
・タッチ
#blockquote(){#divclass(hide){
〇〇「平くん。」
平「君!まさか、俺に……」
平「…………」
〇〇「…………ん?平くん、どうしたの?」
平「え?ど、どうもしないよ。」
男子A「平、おまえ今、完全に期待してたよな。諦めの悪いヤツだな〜。」
平「ははっ、そ、そんなわけないよ。」
〇〇「?」
平「〇〇さん、俺たち用があるから。先に帰るよ。じゃあね。」
〇〇「え? うん、じゃあね。」
〇〇(平くん、どうしたのかな?)}}
*2年目 始業式
#blockquote(){#divclass(hide){
︙
大迫「それじゃ、職員室まで教材取りに行ってくる。大人しく待ってろよー。」
〇〇「平くん!今年も同じクラスだね。」
平「すごいな2年続けて同じクラスなんて!」
〇〇「ほんとうに。担任も大迫先生だしね。今年もよろしくね。」
平「うん、俺の方こそ、よろしく!」
大迫「コラァ!ちゃんと席に着いてろって!」
平「はーい。」
大迫「……タイラー、今年も目が合ったな?大迫クラス2年目最初の任務を与える!」
平「え?また俺ですか〜。」
大迫「さあ来い、タイラー!」
平「はーい。」
〇〇(ふふっ、今年も楽しい一年になりそうだな)}}
*2年目 体育祭
・タッチ
#blockquote(){#divclass(hide){
平「だめだったか……」
〇〇「平くん、どうしたの?」
平「今年は期待してたんだけどな……」
大迫「タイラー、列に戻れぇ!去年と同じこと言わせるんじゃないぞー!」
大迫「〇〇。あとでちょーっとだけタイラーと踊ってやるか?」
平「え! 本当に!」
〇〇「え?」
男子A「大迫ちゃん、平だけなんてずるいよ。」
〇〇「ええ⁉」
大迫「ハッハッハ! 冗談だ。タイラー、あきらめろ〜!」
平「そんなぁ。」}}
*2年目 修学旅行
・タッチ
#blockquote(){#divclass(hide){
平「〇〇さん、おはよう!」
〇〇「平くん、おはよう。楽しい修学旅行にしようね。」
平「うん、2年最大のイベントだからね。」
平「まずは……」
〇〇「なに?」
平「記念撮影から。一緒に写真撮ってもいいかな?」
〇〇「うん、もちろん。」
平「よし!じゃあ、誰かにシャッターをたのもう――」
花椿「バンビ、見っけ!修学旅行ってさ、やっぱり超ワクワクしない?」
〇〇「あ、カレン。テンション高いね?」
花椿「あったりまえじゃん!2年生最大のイベントだよ?」
〇〇「ふふっ、平くんと同じこと言ってる。」
平「あの、花椿さん、シャッター押してもらっていいかな。」
花椿「……バンビとアンタ?うーん、写真くらいならいっか。それじゃ並んで?」
〇〇「ありがとう、カレン。」
花椿「ねえねえ。次はアタシとバンビで並んで撮ってもらおうよ?」
〇〇「うん、もちろん!」
平「じゃあ、先に撮ってあげるよ。シャッター押すから、カメラかして。」
花椿「えっ、いいの?割り込んじゃったみたいでゴメンね?」
平「別にいいんだよ。じゃあ、撮るからね。」
花椿「ちょっと待って。ミヨ〜! こっちこっち!バンビと一緒に撮影会だよー!」
宇賀神「大きな声で呼ばないで。……バンビ、お待たせ。」
〇〇(ふふっ、ミヨも、なんだか楽しそう)
平「じゃあ、撮るよ。」
宇賀神「……待って。カレン、この並びはヘン。」
花椿「なんで?やっぱアタシが真ん中でしょ?」
宇賀神「画的にバランスが気持ち悪い……」
花椿「いいじゃん!両手に花したいんだから!」
平「あの、そろそろ、撮ってもいいかな〜。」
花椿「どうぞどうぞー。はい、2人とも満面の笑みで!」
平「はい、チーズ!」
平「じゃあ、次は俺。」
花椿「オッケー、任せて♪イイ写真撮ったげるよ。」
男子生徒「おい、平、自分だけずるいぞ。俺たちも入れろ〜!」
〇〇「えっ?」
平「お、おい。押すなよ。」
平「ど、どうして 俺が、すみっこに――」
花椿「はいはい、みんないいかな〜?それじゃあ、撮りまーす。」
花椿「ハイ、チーズ♪」
大迫「おーい、そろそろ出るぞー。バスの前に集合!」
花椿「あちゃ〜、ゴメン。時間切れだ……カメラ返すね。」
平「ああ、どうも……」
花椿「そんじゃバンビ、また後でね。チャオ!」
宇賀神「またね、バンビ。」
〇〇「わたしたちも行かないと、平くん。」
平「あ、うん。そうだね、行こう。」}}
*下校イベント
**1回目
#blockquote(){#divclass(hide){
〇〇(だんだん秋って感じになってきたな……夕方はちょっと肌寒いくらい)
平「〇〇さん。」
〇〇「あ、平くん。」
平「あのさ、もし良かったら、一緒に帰らないか。」}}
・うん。一緒に帰ろう
#blockquote(){#divclass(hide){
平「やった!」
〇〇「ふふっ 平くんと一緒に帰るの、初めてだね?」
平「そうなんだ。入学してから、1年半、やっとだよ。」
〇〇「え?」
平「だってさ、君の周りには、いつもたくさん人がいるから、声掛けるの、結構大変なんだよ。」
〇〇「そんなこと……」
平「でも、今日は大成功だ。これからも、誘っていいかな?」
〇〇「うん、もちろん。」
:
平「わっ!」
〇〇「えっ、どうしたの?」
平「植え込みの中に人が……」
???「…………」
〇〇「琉夏くん!? どうしたの!?」
琉夏「〇〇。いま、帰り?」
平「な、なんで、桜井琉夏が……」
〇〇「琉夏くん、具合悪いの? 大丈夫?」
琉夏「ヒーロー最大のピンチ。ハァ――」
〇〇「?」
平「?」
琉夏「エネルギーがもう、ない。」
〇〇「……え? お腹空いたってこと?」
琉夏「そうとも言う。なんか持ってない?」
平「あ、俺、購買のパンなら、持ってるけど。」
琉夏「……マジ? 救世主発見!」
:
琉夏「ごちそうさま。タイラ、本当にいい人だね。じゃあ、バイバイ。」
〇〇「バイバイ、琉夏くん! ……大丈夫かな。」
平「君は桜井君と知り合いなんだね。」
〇〇「うん、幼なじみみたいなものかな?」
平「へぇ、君と一緒にいると、なんかすごいな。」
〇〇「どうして?」
平「だってさ、行き倒れの桜井琉夏に遭遇するなんて、予想も出来なかった。」
〇〇「ふふっ、わたしだって。」
平「俺、クラスメイト以外の友だちって少ないから。なんかこういうの嬉しいよ。」
〇〇(平くんと琉夏くんが友だちになったら、どんな感じかな……意外に仲良しになるかも?)}}
**2回目
#blockquote(){#divclass(hide){
〇〇(外は寒いな……もう12月だもんね)
平「〇〇さん。」
〇〇「あ、平くん。」
平「君も今帰り? 偶然、俺もなんだ。一緒に帰らないか?」}}
・うん。一緒に帰ろう
#blockquote(){#divclass(hide){
平「やった!」
〇〇「でも……偶然ってなんか変だよ?」
平「え?」
〇〇「だって、同じクラスなんだから。」
平「そりゃそうだよね。必然ていうか故意っていうか……」
〇〇(ひょっとして、平くん、待っててくれたのかな)
:
琥一「おう。」
〇〇「あ、琥一くん。」
平「えっ、桜井琥一。」
琥一「もしかしてオマエが――」
平「えっ、俺?」
〇〇「クラスメイトの平くんだよ。こっちは桜井琥一くん。」
平「うん、知ってる。」
琥一「タイラか?」
平「え? そうだけど……」
琥一「ルカが命を救われたって言っててよ……マジでオマエなのかよ?」
平「命……? この前、購買のパンをあげただけだよ。」
琥一「ハァ? なんだそりゃ。」
〇〇「琉夏くん、すごくお腹空いてたみたい。」
琥一「チッ、そういうことかよ……」
琥一「ま、何にせよ世話んなった。礼は言っとく。」
平「はあ……、大したことじゃないよ。」
大迫「コラア琥一~! どこだぁ!?」
琥一「やべ、大迫だ。じゃあよ!」
〇〇(琥一くん、平くんにお礼を言うために、待ってたのかな?)
:
平「君は、桜井琥一とも知り合いなんだ。」
〇〇「うん。琉夏くんも琥一くんも幼なじみっていうか……」
平「やっぱり、君といるとすごいことが起こるな。」
〇〇「え?」
平「だって、俺が桜井琥一にお礼を言われる展開は想像してなかったよ。」
〇〇「琉夏くんは平くんに感謝してるみたいだね。家で琥一くんに、話すくらいだから。」
平「なんかすごいな……」
〇〇「え?」
平「俺がその2人の話題になってるなんて……」
〇〇(ふふっ、今日も話題になるかもしれないね)}}
**3回目
#blockquote(){#divclass(hide){
〇〇(あ、平くんだ。いつも誘ってくれるから今日はわたしから……)}}
・一緒に帰ろうと誘う
#blockquote(){#divclass(hide){
〇〇「あ、平くん。一緒に帰らない?」
平「えっ?」
〇〇「あ、何か用事があった?」
平「ううん、用事なんてないよ! 一緒に帰るに決まってるだろ。でも、このパターンは想定してなかったな。」
〇〇「え?」
平「君から誘われるパターンがあったか……」
:
平「校門を出る前、だいたいこのあたりが、危ないんだ……」
〇〇「え? どうしたの?」
平「だいたいこのあたりのタイミングで誰か現れたりするはず……」
〇〇「誰かと約束してるの?」
平「約束というか、お約束というか……あれ? 大丈夫みたいだな。」
〇〇「ふふ、変な平くん。」
:
平「ハイ、これ。修学旅行の写真。君に渡してなかったよね。」
〇〇「うん、あ、これ、出発前に花椿さんに撮ってもらったんだよね。」
平「そう、結局、みんなが君のところに集まって来て集合写真になっちゃったやつ。」
平「でも、君と一緒に写ってることは、変わりないしさ。俺は気に入ってるんだ。」
〇〇「うん。ありがとう。わたしも大事にするね。」}}
*ローズクイーン候補
#blockquote(){#divclass(hide){
〇〇(えっと、次は現国の授業だったよね……)
花椿「バンビ、ニュース速報。」
〇〇「花椿さん、宇賀神さん、どうしたの?」
花椿「どうやら、アタシたちの予想が現実になりそうだよ!ね、ミヨ。」
〇〇「予想って?」
花椿「ローズクイーン。今のところはバンビが本命みたいだよ。」
〇〇「え?」
花椿「だって、バンビのこと知らないバレー部の子が言ってたんだよ。信憑性高いでしょ?」
宇賀神「バンビの星とバラの花の相性はいい。」
〇〇「宇賀神さんまで……」
花椿「おっと、戻らなきゃ! またね、クイーンバンビ。」
宇賀神「バンビは女王じゃなくて、お姫様のほうが合ってる。」
花椿「応援してるよ―!」
〇〇(もう、大きな声で……)
男子A「おい、聞いたぞ、すごいな!ローズクイーン決定だって?」
〇〇「違うよ、花椿さんと宇賀神さんが勝手に言ってるだけだから。」
平「あの2人だけじゃなくて、みんな思ってるよ。俺も、君ならなれると思う。」
:
大迫「コラァ! 今日はなんの騒ぎだ?さっさと席に着けー!」
〇〇(ふぅ、花椿さんと宇賀神さんのおかげで、大騒ぎになっちゃったな……)}}
*3年目 始業式
#blockquote(){#divclass(hide){
〇〇「平くん、今年も一緒のクラスだね!」
平「〇〇さん、今年もよろしく!」
平「でも、驚いたな。3年間、君と同じクラスで大迫先生が担任なんてさ。」
〇〇「そうだね、平くんがいて、大迫先生がいつものあいさつでしょ。1,2年の時と全く同じ。」
平「うん、ここまでは全部一緒だけど……でも俺、今年は去年と同じじゃなくて、頑張ってみようって思うんだ。」
〇〇「平くん、何を頑張るの?」
平「何って……、せっかく3年間、同じクラスになれたんだ。それに君はいつも、俺に声を掛けてくれるだろ。」
〇〇「え?」
平「最後の1年だからさ。とにかく俺は、頑張ってみようかなって。」
大迫「おーい、おまえら大人しく席について待ってろよ~!」
平「はーい。」
:
大迫「じゃあ、タイラー、今年も頼むぞ!」
平「はーい。教材運びですよね。」
大迫「そうだ、ついて来い!タイラー。」
平「はーい。」
〇〇(来年は卒業、今年が最後か。わたしも後悔しないように、頑張ろう)}}
*3年目 体育祭
・タッチ
#blockquote(){#divclass(hide){
平「残念だけどさ、こればっかりは、頑張りようがなかったよ……」
〇〇「え?」
平「フォークダンス、この3年間ですっかり嫌いになった……」
大迫「おーい、タイラー! いい加減に――」
平「はーい。」
大迫「お、どうしたんだ?今年は諦めがいいな。」
〇〇(平くん、結局、一回も踊れなかったね……)}}
*3年目 文化祭
#blockquote(){#divclass(hide){
〇〇(もう、10月もおわり。いよいよ高校生活も残り少なくなってきたな……)
大迫「〇〇。ちゃんと聞いてたかぁ?」
〇〇「……? あっ、はい! す、すみません……」
大迫「ボンヤリしてる暇はないぞ!」
〇〇「え?」
大迫「文化祭の学園演劇はおまえがヒロイン役に決まったぞ。相手はC組の鈴木だ。」
〇〇「わたしがヒロインですか!?」
大迫「そうだ。はば学女子の代表だぞ?」
〇〇(どうしよう……)
〇〇「わたし、ヒロインなんて自信ないです……」
大迫「うーん、そうか……無理強いはしないけどな?」
:
平「〇〇さん、君ならできるよ!絶対大丈夫、俺、協力するから。」
〇〇「平くん、みんな……」
大迫「どうだ? あとはおまえの気持ち次第だ。」
〇〇「はい……」
大迫「みんなもいいな、決めるのは、本人だ。」
〇〇「……………………」
〇〇「……わたし、頑張ってみます。よろしくお願いします。」
平「よし、クラスみんなで、ヒロインをもり立てよう!」
〇〇(平くん、ありがとう)
大迫「タイラー、気合い入ってるな。いいぞー。これが青春だぁ!」}}
**文化祭準備期間中
#blockquote(){#divclass(hide){
〇〇(文化祭まで、あと少ししかない。学園演劇の練習、頑張らなきゃ……)
大迫「おはよう!ちょっとな、困ったことになった。」
大迫「学園演劇の主役、C組の鈴木が怪我で本番は難しそうだ。」
〇〇「えっ!」
大迫「そこで誰かに代役をやってもらいたいんだ。どうだ、立候補するやつはいないか?」
大迫「ヒロインと突貫で練習することになるから、このクラスから代役が出るのが一番なんだ。ちょっと、考えてみてくれー!」
〇〇(みんな、ここまで頑張ってきたから、なんとかやりたいけど……)
大迫「どうだー? 今から主役のセリフを全部覚えるのは厳しいけどな……」
平「あ、あの、やります。俺が代役やります!」
〇〇(!! 平くん!)
大迫「おおっ、タイラー! おまえやってみるか? ナイスガッツだ。みんな、いいか?」
平「君のヒロイン役が見られなくなるなんて、俺、絶対いやだからさ。」
〇〇「平くん……」
平「今年は頑張るって、言っただろ。」
〇〇「うん、平くん、ありがとう。」
〇〇(平くんのおかげで、演劇ができるんだ。よし、わたしも、頑張るぞ)
:
平「どうしてもと言うのなら、私にかけた、恋の魔法を解いていってください。」
〇〇(平くん、最初の通し稽古なのに……セリフ完璧)
平「あなたを知らなかった頃の私に戻してから――」
大迫「まさかタイラーに役者の才能があったとはな!」
〇〇「本当にすごい!」
平「君まで。俺がすごいわけないだろ。」
:
〇〇「12時の鐘が鳴ってしまいます……ごめんなさい、王子様。わたしは――」
〇〇「ふぅ……ごめんね、平くん……わたしが足ひっぱっちゃって。台詞が覚えきれないんだ。」
平「大丈夫。君なら絶対に上手くやれるよ。」
〇〇「わたしが、平くんの練習に付き合ってるはずだったのに……平君はすごいな。」
平「謝ることなんかないよ。それに、俺、全然、すごくない。」
〇〇「え?」
平「実は俺……君が練習しているのを、自分が主役だったらなんて思いながらずっと見てたんだ。」
〇〇「平くん……」
平「家で相手役のマネしたりさ。バカみたいだろ。そしたら、自然にセリフ覚えてた。」
平「あ、言っとくけど、主役の怪我と俺は関係ないからね。」
〇〇「ふふ、そんなこと、考えてないよ。」
平「あ、そうだ、ちょっとこっち――」
〇〇「どうしたの?」
:
〇〇「ここは……」
平「演劇の練習には最高のシチュエーションだと思ってさ。」
平「知ってる?¥教会の伝説。」
〇〇「うん。王子様を待つお姫様、それに鐘の音、本当にピッタリだね。」
平「よし、じゃあ、最初からいこう!!」
〇〇「うん、お願いします!」}}
**文化祭当日
#blockquote(){#divclass(hide){
〇〇(ふう、緊張するな。もうすぐ、学園演劇の本番だ)
大迫「みんな、よくここまで頑張ったな。あとは思いっきりいけ!」
平「〇〇さん、そんな顔されると、こっちまで、緊張してきちゃうよ。」
〇〇「うん、ごめんね。でも、セリフが頭からこぼれてる気がする。」
平「大丈夫、何にも出てない。俺も、いろんなところから、漏れ出てる気がする。」
〇〇「ふふっ、大丈夫、出てないよ。」
平「ああ、良かった。じゃあ、もう着替えなきゃ。」
〇〇(ありがとう、平くん。いつも気を遣ってくれて)
:
〇〇(ふぅ、とうとう本番)
:
平「美しい姫よ。あなたはどこの国からいらしたのですか?」
〇〇「それは……それはとても遠い、小さな国からです。」
〇〇(頭の中、真っ白。気が遠くなりそう……)
平「……このまま、あなたといつまでも踊り続けていたい。」}}
#blockquote(){#divclass(hide){
・タッチ
〇〇(平くん、落ち着いてるな。わたしも焦らず、練習通りにやろう)
〇〇「わたしはもう、行かなければなりません。」
平「なぜです。私は貴方と踊りたいだけ。貴方に触れたい、触れてもらいたいだけ。」
〇〇「いけません。もう、時間です。」
平「どうしてもと言うのなら、私にかけた、恋の魔法を解いていってください。」
平「あなたを知らなかった頃の私に戻してから――」
〇〇「12時の鐘が鳴ってしまいます……ごめんなさい、王子様。わたしは、もう帰らなければ……」
:
〇〇(はぁ……終わった。なんとか、セリフを間違えないで言えた)
:
平「〇〇さん、やっと、おわったね。」
〇〇「あ、平くん。わたし大丈夫だった?」
平「うん、完璧だったよ。最高のお姫様だったと思う。」
〇〇「ありがとう! うれしいな。」
大迫「2人とも良くできてたぞ!! そして、みんな、よくやった!! チームワークの勝利だ。」
:
〇〇(平くんは、どこにいったんだろう? 教室に戻ってるのかな)
女性客A「あれ、あの子、学園演劇のヒロインだよね。やっぱりかわいいー。」
〇〇「え?」
女性客B「うん、今年のローズクイーンもあの子なんでしょ。」
女性客A「そうそう、やっぱり輝きが違うよ。でも、王子様役はなんであの人だったのかな?」
女性客B「うん、王子様って感じじゃなかったなー。やっぱり、琉夏くんとかじゃないと、ヒロインには釣り合わないね。」
平「…………」
〇〇「あ、平くん!」
女性客A「やだ!! あの人、ほら。」
〇〇「平くん! 待って!」
:
〇〇「平くん!」
平「〇〇さん、俺……なんか出しゃばりすぎたみたいだな。」
〇〇「そんなことない。平くんは出しゃばってなんてない!」
平「ごめん、せっかくの演劇を台無しにしてしまって。」
〇〇(平くん……)}}
*3年目12月1日
#blockquote(){#divclass(hide){
〇〇(文化祭から、平くん、話をしてくれない……)
大迫「オッス、さあ、今年も残すところわずかだ。そして来年になれば、受験、就職試験、待ったなしだぞ!」
男子A「大迫ちゃん、いきなりプレッシャーかけないで。緊張してきた~」
大迫「なんだぁ? もう尻込みか? 怖がってたら負けだ! 臆病になるのは年取ってから。若いうちは攻めろ!」
大迫「ハハハ! 何もしないで後悔するくらいなら、やってみて失敗する方が諦めがつくってもんだ!」
〇〇(そうだよね。悩んでたって、ダメだよね)
:
〇〇(あ、平くん)}}
・タッチ
#blockquote(){#divclass(hide){
平「君か。もう……やめて欲しいんだ。」
〇〇「平くん、わたしちゃんと謝りたくて。いやな思いさせて、ごめんなさい。」
平「なんで、君が謝るんだ。代役になって演劇に出たのは、俺が自分で決めたことだし、君が気にする事じゃないよ。」
平「俺、もう、わかったから。君と一緒にいること自体が俺には不釣り合いなんだってこと。」
〇〇「そんな……」
平「……君は優しくて、俺にも声をかけてくれるだろ。だから、俺、勝手に勘違いしてた。俺の方こそごめん。」
〇〇「平くん……」
平「君は学園のヒロイン、俺なんかが近くに居たら、おかしいって、わかったから――」
平「だから、もう、やめて欲しいんだ。」
〇〇(そんな……もう話しかけちゃダメなの……?)}}
更新日時:&update(format=Y/m/d H:i:s)
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*入学式
・タッチ
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???「ん? なに?」
︙
大迫「職員室に教材を取りに行ってくるからちょっと待っててな~。」}}
・タッチ
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???「ん? なに?」
〇〇「あっ、えっと……」
???「…………」
男子A「おい、平、どうした? 知り合いか?」
???「ううん、違う。」
〇〇「ごめんなさい、わたし――」
???「べ、べつに謝ることないよ。」
男子B「そのとき平は彼女に恋をしてしまったのです。」
???「こ、恋って、なに言ってんだよ!」
男子B「はは、図星だろう?」
???「そ、そんなことないって。」
〇〇「あの、わたし……」
???「あ、ごめん。俺たち、中等部からの友だちなんだ。君は受験組だよね?」
〇〇「うん。」
平「俺は平 健太。よろしく。」
〇〇「あ、わたしは〇〇。よろしくね。」
大迫「コラァ! このクラスが一番うるさいぞ。先生、また怒られるじゃないかぁ!」
大迫「元気なのは大変結構だけどな? まぁいい、誰か教材を運ぶの手伝ってくれ。」
大迫「……タイラー。目が合ったな?」
平「えっ、俺ですか?」
大迫「来い、タイラー! 大迫クラスで一番最初の任務をおまえに与える!」
平「はーい。」
〇〇(平くんか……なんかほっとする感じの人だな)}}
*1年目体育祭
#blockquote(){#divclass(hide){
平「〇〇さん、これ。落としたよ。」
〇〇「あ、わたしの髪留め。ありがとう。」
平「あれ……? それ壊れちゃってるな。」
〇〇「本当だ……」
大迫「タイラー! 女子と手を繋ぎたいのはわかるけど、もう終わりだぞ!」
平「ち、違いますよ、俺はただ――」
大迫「往生際が悪い男はだめだ! 解散ー!」
平「はーい。」
〇〇(ありがとう、平くん)}}
*1年目12月 期末試験
#blockquote(){#divclass(hide){
〇〇(期末テスト初日。やっぱり緊張するな……)
???「あれ、おかしいな……」
〇〇「平くん、おはよう、どうかしたの?」
平「〇〇さん、おはよう。なんか俺、筆記用具を忘れちゃったみたいなんだ。期末テストなのにさ。」
〇〇「えっ? わたしのでよかったら貸そうか?」
平「いいの? 助かるよ!」
〇〇「えっと……、これでいいかな?」
平「うん、ありがとう! たまには忘れ物するのもいいな。」
〇〇「え?」
平「ううん、なんでもないんだ。」
平「よっし、頑張るぞ!」
〇〇(ふふっ、平くん気合い入ってるな。 わたしも頑張ろう)}}
・テスト翌週
#blockquote(){#divclass(hide){
〇〇(さてと。花椿さんと宇賀神さんで屋上ランチ。そろそろ行こう)
平「〇〇さん。」
〇〇「あ、平くん。どうしたの?」
平「これ、テストの時に借りたペン。ありがとう。」
〇〇「うん。平くん、テストはどうだった?」
平「俺はいつも通り。ちゃんと真ん中あたりをキープ出来たよ。」
〇〇「え?ちゃんと真ん中?」
平「ちょうどいい感じってこと。上過ぎても、下過ぎても居心地悪いんだよね。」
〇〇「上もダメなの?」
平「ダメだよ。なんかムズムズして、気持ち悪い……と思う。」
平「実際、上位の成績なんてとったことないから、想像だけどさ。」
〇〇「ふふっ、平くんって面白いね。」
平「面白い? 俺が?それ、なんか嬉しいな。」
花椿「バンビー、早くぅ!いい場所なくなっちゃうよー。」
〇〇「ごめんね、今行くから!」
平「あっ、それと、君が筆記用具を忘れたときは俺に言ってよ。これからは予備を持っておくから。」
〇〇「うん、わかった――」
花椿「お腹すいた〜……バンビ〜!」
平「引き留めてごめん。みんな、お腹空かせて待ってるよ。じゃあ。」
〇〇(ふふっ、平くん、ありがとう)}}
*1年目 バレンタインデー
#blockquote(){#divclass(hide){
〇〇(ちょっと、帰るの遅くなっちゃったな……)
男子A「平、お前、今、下駄箱開けるとき、期待してただろう?」
平「き、期待なんかしてないよ。毎年のことだろ、もう慣れてる。」
男子A「ああ、そうだな。俺たちには無縁の行事だからな。」
〇〇(なんのことだろう?)}}
・タッチ
#blockquote(){#divclass(hide){
〇〇「平くん。」
平「君!まさか、俺に……」
平「…………」
〇〇「…………ん?平くん、どうしたの?」
平「え?ど、どうもしないよ。」
男子A「平、おまえ今、完全に期待してたよな。諦めの悪いヤツだな〜。」
平「ははっ、そ、そんなわけないよ。」
〇〇「?」
平「〇〇さん、俺たち用があるから。先に帰るよ。じゃあね。」
〇〇「え? うん、じゃあね。」
〇〇(平くん、どうしたのかな?)}}
*2年目 始業式
#blockquote(){#divclass(hide){
︙
大迫「それじゃ、職員室まで教材取りに行ってくる。大人しく待ってろよー。」
〇〇「平くん!今年も同じクラスだね。」
平「すごいな2年続けて同じクラスなんて!」
〇〇「ほんとうに。担任も大迫先生だしね。今年もよろしくね。」
平「うん、俺の方こそ、よろしく!」
大迫「コラァ!ちゃんと席に着いてろって!」
平「はーい。」
大迫「……タイラー、今年も目が合ったな?大迫クラス2年目最初の任務を与える!」
平「え?また俺ですか〜。」
大迫「さあ来い、タイラー!」
平「はーい。」
〇〇(ふふっ、今年も楽しい一年になりそうだな)}}
*2年目 体育祭
・タッチ
#blockquote(){#divclass(hide){
平「だめだったか……」
〇〇「平くん、どうしたの?」
平「今年は期待してたんだけどな……」
大迫「タイラー、列に戻れぇ!去年と同じこと言わせるんじゃないぞー!」
大迫「〇〇。あとでちょーっとだけタイラーと踊ってやるか?」
平「え! 本当に!」
〇〇「え?」
男子A「大迫ちゃん、平だけなんてずるいよ。」
〇〇「ええ⁉」
大迫「ハッハッハ! 冗談だ。タイラー、あきらめろ〜!」
平「そんなぁ。」}}
*2年目 修学旅行
・タッチ
#blockquote(){#divclass(hide){
平「〇〇さん、おはよう!」
〇〇「平くん、おはよう。楽しい修学旅行にしようね。」
平「うん、2年最大のイベントだからね。」
平「まずは……」
〇〇「なに?」
平「記念撮影から。一緒に写真撮ってもいいかな?」
〇〇「うん、もちろん。」
平「よし!じゃあ、誰かにシャッターをたのもう――」
花椿「バンビ、見っけ!修学旅行ってさ、やっぱり超ワクワクしない?」
〇〇「あ、花椿さん。テンション高いね?」
花椿「あったりまえじゃん!2年生最大のイベントだよ?」
〇〇「ふふっ、平くんと同じこと言ってる。」
平「あの、花椿さん、シャッター押してもらっていいかな。」
花椿「……バンビとアンタ?うーん、写真くらいならいっか。それじゃ並んで?」
〇〇「ありがとう、花椿さん。」
花椿「ねえねえ。次はアタシとバンビで並んで撮ってもらおうよ?」
〇〇「うん、もちろん!」
平「じゃあ、先に撮ってあげるよ。シャッター押すから、カメラかして。」
花椿「えっ、いいの?割り込んじゃったみたいでゴメンね?」
平「別にいいんだよ。じゃあ、撮るからね。」
花椿「ちょっと待って。ミヨ〜! こっちこっち!バンビと一緒に撮影会だよー!」
宇賀神「大きな声で呼ばないで。……バンビ、お待たせ。」
〇〇(ふふっ、宇賀神さんも、なんだか楽しそう)
平「じゃあ、撮るよ。」
宇賀神「……待って。カレン、この並びはヘン。」
花椿「なんで?やっぱアタシが真ん中でしょ?」
宇賀神「画的にバランスが気持ち悪い……」
花椿「いいじゃん!両手に花したいんだから!」
平「あの、そろそろ、撮ってもいいかな〜。」
花椿「どうぞどうぞー。はい、2人とも満面の笑みで!」
平「はい、チーズ!」
平「じゃあ、次は俺。」
花椿「オッケー、任せて♪イイ写真撮ったげるよ。」
男子生徒「おい、平、自分だけずるいぞ。俺たちも入れろ〜!」
〇〇「えっ?」
平「お、おい。押すなよ。」
平「ど、どうして 俺が、すみっこに――」
花椿「はいはい、みんないいかな〜?それじゃあ、撮りまーす。」
花椿「ハイ、チーズ♪」
大迫「おーい、そろそろ出るぞー。バスの前に集合!」
花椿「あちゃ〜、ゴメン。時間切れだ……カメラ返すね。」
平「ああ、どうも……」
花椿「そんじゃバンビ、また後でね。チャオ!」
宇賀神「またね、バンビ。」
〇〇「わたしたちも行かないと、平くん。」
平「あ、うん。そうだね、行こう。」}}
*下校イベント
**1回目
#blockquote(){#divclass(hide){
〇〇(だんだん秋って感じになってきたな……夕方はちょっと肌寒いくらい)
平「〇〇さん。」
〇〇「あ、平くん。」
平「あのさ、もし良かったら、一緒に帰らないか。」}}
・うん。一緒に帰ろう
#blockquote(){#divclass(hide){
平「やった!」
〇〇「ふふっ 平くんと一緒に帰るの、初めてだね?」
平「そうなんだ。入学してから、1年半、やっとだよ。」
〇〇「え?」
平「だってさ、君の周りには、いつもたくさん人がいるから、声掛けるの、結構大変なんだよ。」
〇〇「そんなこと……」
平「でも、今日は大成功だ。これからも、誘っていいかな?」
〇〇「うん、もちろん。」
:
平「わっ!」
〇〇「えっ、どうしたの?」
平「植え込みの中に人が……」
???「…………」
〇〇「琉夏くん!? どうしたの!?」
琉夏「〇〇。いま、帰り?」
平「な、なんで、桜井琉夏が……」
〇〇「琉夏くん、具合悪いの? 大丈夫?」
琉夏「ヒーロー最大のピンチ。ハァ――」
〇〇「?」
平「?」
琉夏「エネルギーがもう、ない。」
〇〇「……え? お腹空いたってこと?」
琉夏「そうとも言う。なんか持ってない?」
平「あ、俺、購買のパンなら、持ってるけど。」
琉夏「……マジ? 救世主発見!」
:
琉夏「ごちそうさま。タイラ、本当にいい人だね。じゃあ、バイバイ。」
〇〇「バイバイ、琉夏くん! ……大丈夫かな。」
平「君は桜井君と知り合いなんだね。」
〇〇「うん、幼なじみみたいなものかな?」
平「へぇ、君と一緒にいると、なんかすごいな。」
〇〇「どうして?」
平「だってさ、行き倒れの桜井琉夏に遭遇するなんて、予想も出来なかった。」
〇〇「ふふっ、わたしだって。」
平「俺、クラスメイト以外の友だちって少ないから。なんかこういうの嬉しいよ。」
〇〇(平くんと琉夏くんが友だちになったら、どんな感じかな……意外に仲良しになるかも?)}}
**2回目
#blockquote(){#divclass(hide){
〇〇(外は寒いな……もう12月だもんね)
平「〇〇さん。」
〇〇「あ、平くん。」
平「君も今帰り? 偶然、俺もなんだ。一緒に帰らないか?」}}
・うん。一緒に帰ろう
#blockquote(){#divclass(hide){
平「やった!」
〇〇「でも……偶然ってなんか変だよ?」
平「え?」
〇〇「だって、同じクラスなんだから。」
平「そりゃそうだよね。必然ていうか故意っていうか……」
〇〇(ひょっとして、平くん、待っててくれたのかな)
:
琥一「おう。」
〇〇「あ、琥一くん。」
平「えっ、桜井琥一。」
琥一「もしかしてオマエが――」
平「えっ、俺?」
〇〇「クラスメイトの平くんだよ。こっちは桜井琥一くん。」
平「うん、知ってる。」
琥一「タイラか?」
平「え? そうだけど……」
琥一「ルカが命を救われたって言っててよ……マジでオマエなのかよ?」
平「命……? この前、購買のパンをあげただけだよ。」
琥一「ハァ? なんだそりゃ。」
〇〇「琉夏くん、すごくお腹空いてたみたい。」
琥一「チッ、そういうことかよ……」
琥一「ま、何にせよ世話んなった。礼は言っとく。」
平「はあ……、大したことじゃないよ。」
大迫「コラア琥一~! どこだぁ!?」
琥一「やべ、大迫だ。じゃあよ!」
〇〇(琥一くん、平くんにお礼を言うために、待ってたのかな?)
:
平「君は、桜井琥一とも知り合いなんだ。」
〇〇「うん。琉夏くんも琥一くんも幼なじみっていうか……」
平「やっぱり、君といるとすごいことが起こるな。」
〇〇「え?」
平「だって、俺が桜井琥一にお礼を言われる展開は想像してなかったよ。」
〇〇「琉夏くんは平くんに感謝してるみたいだね。家で琥一くんに、話すくらいだから。」
平「なんかすごいな……」
〇〇「え?」
平「俺がその2人の話題になってるなんて……」
〇〇(ふふっ、今日も話題になるかもしれないね)}}
**3回目
#blockquote(){#divclass(hide){
〇〇(あ、平くんだ。いつも誘ってくれるから今日はわたしから……)}}
・一緒に帰ろうと誘う
#blockquote(){#divclass(hide){
〇〇「あ、平くん。一緒に帰らない?」
平「えっ?」
〇〇「あ、何か用事があった?」
平「ううん、用事なんてないよ! 一緒に帰るに決まってるだろ。でも、このパターンは想定してなかったな。」
〇〇「え?」
平「君から誘われるパターンがあったか……」
:
平「校門を出る前、だいたいこのあたりが、危ないんだ……」
〇〇「え? どうしたの?」
平「だいたいこのあたりのタイミングで誰か現れたりするはず……」
〇〇「誰かと約束してるの?」
平「約束というか、お約束というか……あれ? 大丈夫みたいだな。」
〇〇「ふふ、変な平くん。」
:
平「ハイ、これ。修学旅行の写真。君に渡してなかったよね。」
〇〇「うん、あ、これ、出発前に花椿さんに撮ってもらったんだよね。」
平「そう、結局、みんなが君のところに集まって来て集合写真になっちゃったやつ。」
平「でも、君と一緒に写ってることは、変わりないしさ。俺は気に入ってるんだ。」
〇〇「うん。ありがとう。わたしも大事にするね。」}}
*ローズクイーン候補
#blockquote(){#divclass(hide){
〇〇(えっと、次は現国の授業だったよね……)
花椿「バンビ、ニュース速報。」
〇〇「花椿さん、宇賀神さん、どうしたの?」
花椿「どうやら、アタシたちの予想が現実になりそうだよ!ね、ミヨ。」
〇〇「予想って?」
花椿「ローズクイーン。今のところはバンビが本命みたいだよ。」
〇〇「え?」
花椿「だって、バンビのこと知らないバレー部の子が言ってたんだよ。信憑性高いでしょ?」
宇賀神「バンビの星とバラの花の相性はいい。」
〇〇「宇賀神さんまで……」
花椿「おっと、戻らなきゃ! またね、クイーンバンビ。」
宇賀神「バンビは女王じゃなくて、お姫様のほうが合ってる。」
花椿「応援してるよ―!」
〇〇(もう、大きな声で……)
男子A「おい、聞いたぞ、すごいな!ローズクイーン決定だって?」
〇〇「違うよ、花椿さんと宇賀神さんが勝手に言ってるだけだから。」
平「あの2人だけじゃなくて、みんな思ってるよ。俺も、君ならなれると思う。」
:
大迫「コラァ! 今日はなんの騒ぎだ?さっさと席に着けー!」
〇〇(ふぅ、花椿さんと宇賀神さんのおかげで、大騒ぎになっちゃったな……)}}
*3年目 始業式
#blockquote(){#divclass(hide){
〇〇「平くん、今年も一緒のクラスだね!」
平「〇〇さん、今年もよろしく!」
平「でも、驚いたな。3年間、君と同じクラスで大迫先生が担任なんてさ。」
〇〇「そうだね、平くんがいて、大迫先生がいつものあいさつでしょ。1,2年の時と全く同じ。」
平「うん、ここまでは全部一緒だけど……でも俺、今年は去年と同じじゃなくて、頑張ってみようって思うんだ。」
〇〇「平くん、何を頑張るの?」
平「何って……、せっかく3年間、同じクラスになれたんだ。それに君はいつも、俺に声を掛けてくれるだろ。」
〇〇「え?」
平「最後の1年だからさ。とにかく俺は、頑張ってみようかなって。」
大迫「おーい、おまえら大人しく席について待ってろよ~!」
平「はーい。」
:
大迫「じゃあ、タイラー、今年も頼むぞ!」
平「はーい。教材運びですよね。」
大迫「そうだ、ついて来い!タイラー。」
平「はーい。」
〇〇(来年は卒業、今年が最後か。わたしも後悔しないように、頑張ろう)}}
*3年目 体育祭
・タッチ
#blockquote(){#divclass(hide){
平「残念だけどさ、こればっかりは、頑張りようがなかったよ……」
〇〇「え?」
平「フォークダンス、この3年間ですっかり嫌いになった……」
大迫「おーい、タイラー! いい加減に――」
平「はーい。」
大迫「お、どうしたんだ?今年は諦めがいいな。」
〇〇(平くん、結局、一回も踊れなかったね……)}}
*3年目 文化祭
#blockquote(){#divclass(hide){
〇〇(もう、10月もおわり。いよいよ高校生活も残り少なくなってきたな……)
大迫「〇〇。ちゃんと聞いてたかぁ?」
〇〇「……? あっ、はい! す、すみません……」
大迫「ボンヤリしてる暇はないぞ!」
〇〇「え?」
大迫「文化祭の学園演劇はおまえがヒロイン役に決まったぞ。相手はC組の鈴木だ。」
〇〇「わたしがヒロインですか!?」
大迫「そうだ。はば学女子の代表だぞ?」
〇〇(どうしよう……)
〇〇「わたし、ヒロインなんて自信ないです……」
大迫「うーん、そうか……無理強いはしないけどな?」
:
平「〇〇さん、君ならできるよ!絶対大丈夫、俺、協力するから。」
〇〇「平くん、みんな……」
大迫「どうだ? あとはおまえの気持ち次第だ。」
〇〇「はい……」
大迫「みんなもいいな、決めるのは、本人だ。」
〇〇「……………………」
〇〇「……わたし、頑張ってみます。よろしくお願いします。」
平「よし、クラスみんなで、ヒロインをもり立てよう!」
〇〇(平くん、ありがとう)
大迫「タイラー、気合い入ってるな。いいぞー。これが青春だぁ!」}}
**文化祭準備期間中
#blockquote(){#divclass(hide){
〇〇(文化祭まで、あと少ししかない。学園演劇の練習、頑張らなきゃ……)
大迫「おはよう!ちょっとな、困ったことになった。」
大迫「学園演劇の主役、C組の鈴木が怪我で本番は難しそうだ。」
〇〇「えっ!」
大迫「そこで誰かに代役をやってもらいたいんだ。どうだ、立候補するやつはいないか?」
大迫「ヒロインと突貫で練習することになるから、このクラスから代役が出るのが一番なんだ。ちょっと、考えてみてくれー!」
〇〇(みんな、ここまで頑張ってきたから、なんとかやりたいけど……)
大迫「どうだー? 今から主役のセリフを全部覚えるのは厳しいけどな……」
平「あ、あの、やります。俺が代役やります!」
〇〇(!! 平くん!)
大迫「おおっ、タイラー! おまえやってみるか? ナイスガッツだ。みんな、いいか?」
平「君のヒロイン役が見られなくなるなんて、俺、絶対いやだからさ。」
〇〇「平くん……」
平「今年は頑張るって、言っただろ。」
〇〇「うん、平くん、ありがとう。」
〇〇(平くんのおかげで、演劇ができるんだ。よし、わたしも、頑張るぞ)
:
平「どうしてもと言うのなら、私にかけた、恋の魔法を解いていってください。」
〇〇(平くん、最初の通し稽古なのに……セリフ完璧)
平「あなたを知らなかった頃の私に戻してから――」
大迫「まさかタイラーに役者の才能があったとはな!」
〇〇「本当にすごい!」
平「君まで。俺がすごいわけないだろ。」
:
〇〇「12時の鐘が鳴ってしまいます……ごめんなさい、王子様。わたしは――」
〇〇「ふぅ……ごめんね、平くん……わたしが足ひっぱっちゃって。台詞が覚えきれないんだ。」
平「大丈夫。君なら絶対に上手くやれるよ。」
〇〇「わたしが、平くんの練習に付き合ってるはずだったのに……平君はすごいな。」
平「謝ることなんかないよ。それに、俺、全然、すごくない。」
〇〇「え?」
平「実は俺……君が練習しているのを、自分が主役だったらなんて思いながらずっと見てたんだ。」
〇〇「平くん……」
平「家で相手役のマネしたりさ。バカみたいだろ。そしたら、自然にセリフ覚えてた。」
平「あ、言っとくけど、主役の怪我と俺は関係ないからね。」
〇〇「ふふ、そんなこと、考えてないよ。」
平「あ、そうだ、ちょっとこっち――」
〇〇「どうしたの?」
:
〇〇「ここは……」
平「演劇の練習には最高のシチュエーションだと思ってさ。」
平「知ってる?¥教会の伝説。」
〇〇「うん。王子様を待つお姫様、それに鐘の音、本当にピッタリだね。」
平「よし、じゃあ、最初からいこう!!」
〇〇「うん、お願いします!」}}
**文化祭当日
#blockquote(){#divclass(hide){
〇〇(ふう、緊張するな。もうすぐ、学園演劇の本番だ)
大迫「みんな、よくここまで頑張ったな。あとは思いっきりいけ!」
平「〇〇さん、そんな顔されると、こっちまで、緊張してきちゃうよ。」
〇〇「うん、ごめんね。でも、セリフが頭からこぼれてる気がする。」
平「大丈夫、何にも出てない。俺も、いろんなところから、漏れ出てる気がする。」
〇〇「ふふっ、大丈夫、出てないよ。」
平「ああ、良かった。じゃあ、もう着替えなきゃ。」
〇〇(ありがとう、平くん。いつも気を遣ってくれて)
:
〇〇(ふぅ、とうとう本番)
:
平「美しい姫よ。あなたはどこの国からいらしたのですか?」
〇〇「それは……それはとても遠い、小さな国からです。」
〇〇(頭の中、真っ白。気が遠くなりそう……)
平「……このまま、あなたといつまでも踊り続けていたい。」}}
#blockquote(){#divclass(hide){
・タッチ
〇〇(平くん、落ち着いてるな。わたしも焦らず、練習通りにやろう)
〇〇「わたしはもう、行かなければなりません。」
平「なぜです。私は貴方と踊りたいだけ。貴方に触れたい、触れてもらいたいだけ。」
〇〇「いけません。もう、時間です。」
平「どうしてもと言うのなら、私にかけた、恋の魔法を解いていってください。」
平「あなたを知らなかった頃の私に戻してから――」
〇〇「12時の鐘が鳴ってしまいます……ごめんなさい、王子様。わたしは、もう帰らなければ……」
:
〇〇(はぁ……終わった。なんとか、セリフを間違えないで言えた)
:
平「〇〇さん、やっと、おわったね。」
〇〇「あ、平くん。わたし大丈夫だった?」
平「うん、完璧だったよ。最高のお姫様だったと思う。」
〇〇「ありがとう! うれしいな。」
大迫「2人とも良くできてたぞ!! そして、みんな、よくやった!! チームワークの勝利だ。」
:
〇〇(平くんは、どこにいったんだろう? 教室に戻ってるのかな)
女性客A「あれ、あの子、学園演劇のヒロインだよね。やっぱりかわいいー。」
〇〇「え?」
女性客B「うん、今年のローズクイーンもあの子なんでしょ。」
女性客A「そうそう、やっぱり輝きが違うよ。でも、王子様役はなんであの人だったのかな?」
女性客B「うん、王子様って感じじゃなかったなー。やっぱり、琉夏くんとかじゃないと、ヒロインには釣り合わないね。」
平「…………」
〇〇「あ、平くん!」
女性客A「やだ!! あの人、ほら。」
〇〇「平くん! 待って!」
:
〇〇「平くん!」
平「〇〇さん、俺……なんか出しゃばりすぎたみたいだな。」
〇〇「そんなことない。平くんは出しゃばってなんてない!」
平「ごめん、せっかくの演劇を台無しにしてしまって。」
〇〇(平くん……)}}
*3年目12月1日
#blockquote(){#divclass(hide){
〇〇(文化祭から、平くん、話をしてくれない……)
大迫「オッス、さあ、今年も残すところわずかだ。そして来年になれば、受験、就職試験、待ったなしだぞ!」
男子A「大迫ちゃん、いきなりプレッシャーかけないで。緊張してきた~」
大迫「なんだぁ? もう尻込みか? 怖がってたら負けだ! 臆病になるのは年取ってから。若いうちは攻めろ!」
大迫「ハハハ! 何もしないで後悔するくらいなら、やってみて失敗する方が諦めがつくってもんだ!」
〇〇(そうだよね。悩んでたって、ダメだよね)
:
〇〇(あ、平くん)}}
・タッチ
#blockquote(){#divclass(hide){
平「君か。もう……やめて欲しいんだ。」
〇〇「平くん、わたしちゃんと謝りたくて。いやな思いさせて、ごめんなさい。」
平「なんで、君が謝るんだ。代役になって演劇に出たのは、俺が自分で決めたことだし、君が気にする事じゃないよ。」
平「俺、もう、わかったから。君と一緒にいること自体が俺には不釣り合いなんだってこと。」
〇〇「そんな……」
平「……君は優しくて、俺にも声をかけてくれるだろ。だから、俺、勝手に勘違いしてた。俺の方こそごめん。」
〇〇「平くん……」
平「君は学園のヒロイン、俺なんかが近くに居たら、おかしいって、わかったから――」
平「だから、もう、やめて欲しいんだ。」
〇〇(そんな……もう話しかけちゃダメなの……?)}}
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