「三井物産の子会社が10%の権益を持っているわけですが、BPと物産はちゃんと話し合っているのか。BPは法的に必要以上の約束をしているのでは」

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「三井物産の子会社が10%の権益を持っているわけですが、BPと物産はちゃんと話し合っているのか。BPは法的に必要以上の約束をしているのでは」」(2010/06/22 (火) 19:50:59) の最新版変更点

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「三井物産の子会社が10%の権益を持っているということですがこういう場合にBPはちゃんと物産に相談しているのでしょうか。BPは法的に必要以上のものを約束しているように思えます」 (6.20 投資家さんからの質問)  投資家さんが「三井物産がコストの支払いをしなければならないのか」という質問をされないのは、既に大分情報を調べておられるからかと思います。はい、普通に考えれば三井は、BPと共に油の除去費用の負担をするる立場です。それを逃れるためには『BPが「非常識」な掘削を行っていた。そしてそれをパートナーには相談もせず、独断で決めた』と証明できする必要があります(それらも全て、事前に定められた共同契約書の内容次第ですが)。そうすれば、幾らかの負担軽減は認められるかと思います…が、鉱区のリースオーナーとして、結果責任から逃れるのは極めて難しいと言わざるをえません。それくらい、石油開発を行う側の責任は重い、とご理解ください。  さて、ご質問の件ですが、流石に今BPと三井の間でどのような話し合いが進んでいるかについては、想像をするより他ありません。ですので、以下の内容は妄想に近い推測だとご理解ください。  まず、三井からのコメントが出されたのは、三井石油開発HP上では5月10日、事故から20日後です。この事から、BPはパートナーに対して、今後の対策立案と実行、そして外部への広報はBPが引き受けると通告したのではと考えられます。そうでもなければレスポンスが遅すぎます。もう一つの仮定として、どう発表していいかもわからない程無能であったという説も考えられますが、三井は商社系石油開発会社では実力派です。その可能性はほぼ無いでしょう。  具体的な対策や経過報告は、彼ら同士で共有しているメーリングリスト、または共有ウェブサイトで、随時なされているはずです。また、コスト負担も発生しますので、原則的にはパートナーは承認をしている事でしょう。但し非常事態でもありますので、このプロセスはある程度省略化されているかもしれません。いずれにせよ、BPが三井に対して「どうしよう」と相談することは考えられません。BPが「こうすることに決めた。これでいいな?」と三井に確認するというのが、形式です。三井側も被害が刻一刻と広がる以上、コストがかかろうと反対することは出来ないでしょう。  さて、ご質問の鍵は、今回のエスクロー勘定の事かと思います。これに関しては、非常に難しいところです。アメリカ政府側がこの勘定を、除去作業の費用のみに使うとは思えません。第三者賠償にも使うことでしょう。  第三者賠償の場合、油濁法の観点からは、負担費用の上限は7500万ドル。今回の200億ドルとは大きな乖離があります。法的には、BP、及びMC252鉱区のResponsible Partyであるアナダルコと三井には、これを突っぱねる権利があります。共和党議員のバートン議員が「巻き上げ」だと言った事は、一定の理屈があります。法律が上限を7500万ドルと定めていた事によって生じた不備は、本来政府がその咎を負うというのが、法治国家としての正しい姿でしょう。つまり、今回の件はアメリカ政府側としては「決して強要したわけではない」という逃げ道を残しつつ、「BPは責任を感じて、『自発的に』これだけの金を出してくれたよ。理解してくれて嬉しいよ」という立場をとっているわけです。(実際、悪いのはBPですが、アメリカ政府側が自分たちの責任を棚に上げている部分は、看過しがたいものです)  さて、三井側がこのエスクロー勘定の負担までしなければならないかというと、私はどちらかと言えば、ノーかと思います。このエスクロー勘定は、MC252のものというより、BPのものに見えます。もしも三井とBPが合意済みならば、三井はプレスリリースをする義務があります。株主に判断材料を与えないのは、企業コンプライアンスにもとる行為となるからです。  以上の事から、投資家さんの質問対しての回答をまとめますと ・BPは三井に色々な相談、または報告はしているはず ・今回の200億ドルのエスクロー勘定は、法律的に必要以上のものであることは事実です。 ・BPが決定した支出は、MC252 partyとしてのものと、BP独自の判断によるものが混ざっている。またそれらの違いは、現在の報道では明確にされていない。(本来は明確にされるべきなのだが、その違いがわかるジャーナリストがあまりいない事と、この時期に明確にしたくない企業側の心理が影響している) ・三井側が除去費用の負担と損害賠償を逃れる、または軽減するには、自分たちが事故を阻止する為に必要な情報はBPから与えられておらず、且つBPが法律、または契約違反に値するような作業を独断で行っていたと証明する必要がある。三井の会長の槍田氏が発言したように「交渉は白紙」というならば、権益比率に応じた負担となる。 ・三井は、油濁法にのっとって、賠償費用に関しては7500万ドルの10%である750万ドルまでしか負担しないと主張する事が出来る。しかし今現在それを明言するのは自殺行為とも言える雰囲気である為、沈黙を守っている。除去費用のコスト負担は、ある程度覚悟済み。  以上のようなところではないかと、推測します。 &counter(total)
「三井物産の子会社が10%の権益を持っているということですがこういう場合にBPはちゃんと物産に相談しているのでしょうか。BPは法的に必要以上のものを約束しているように思えます」 (6.20 投資家さんからの質問)  投資家さんが「三井物産がコストの支払いをしなければならないのか」という質問をされないのは、既に大分情報を調べておられるからかと思います。はい、普通に考えれば三井は、BPと共に油の除去費用の負担をする立場です。それを逃れるためには『BPが「非常識」な掘削を行っていた。そしてそれをパートナーには相談もせず、独断で決めた』と証明する必要があります(それらも全て、事前に定められた共同契約書の内容次第ですが)。そうすれば、幾らかの負担軽減は認められるかと思います…が、鉱区のリースオーナーとして、結果責任から逃れるのは極めて難しいと言わざるをえません。それくらい、石油開発を行う側の責任は重い、とご理解ください。  さて、ご質問の件ですが、流石に今BPと三井の間でどのような話し合いが進んでいるかについては、想像をするより他ありません。ですので、以下の内容は妄想に近い推測だとご理解ください。  まず、三井からのコメントが出されたのは、三井石油開発HP上では5月10日、事故から20日後です。この事から、BPはパートナーに対して、今後の対策立案と実行、そして外部への広報はBPが引き受けると通告したのではと考えられます。そうでもなければレスポンスが遅すぎます。もう一つの仮定として、どう発表していいかもわからない程無能であったという説も考えられますが、三井は商社系石油開発会社では実力派です。その可能性はほぼ無いでしょう。  具体的な対策や経過報告は、彼ら同士で共有しているメーリングリスト、または共有ウェブサイトで、随時なされているはずです。また、コスト負担も発生しますので、原則的にはパートナーは承認をしている事でしょう。但し非常事態でもありますので、このプロセスはある程度省略化されているかもしれません。いずれにせよ、BPが三井に対して「どうしよう」と相談することは考えられません。BPが「こうすることに決めた。これでいいな?」と三井に確認するというのが、形式です。三井側も被害が刻一刻と広がる以上、コストがかかろうと反対することは出来ないでしょう。  さて、ご質問の鍵は、今回のエスクロー勘定の事かと思います。これに関しては、非常に難しいところです。アメリカ政府側がこの勘定を、除去作業の費用のみに使うとは思えません。第三者賠償にも使うことでしょう。  第三者賠償の場合、油濁法の観点からは、負担費用の上限は7500万ドル。今回の200億ドルとは大きな乖離があります。法的には、BP、及びMC252鉱区のResponsible Partyであるアナダルコと三井には、これを突っぱねる権利があります。共和党議員のバートン議員が「巻き上げ」だと言った事は、一定の理屈があります。法律が上限を7500万ドルと定めていた事によって生じた不備は、本来政府がその咎を負うというのが、法治国家としての正しい姿でしょう。つまり、今回の件はアメリカ政府側としては「決して強要したわけではない」という逃げ道を残しつつ、「BPは責任を感じて、『自発的に』これだけの金を出してくれたよ。理解してくれて嬉しいよ」という立場をとっているわけです。(実際、悪いのはBPですが、アメリカ政府側が自分たちの責任を棚に上げている部分は、看過しがたいものです)  さて、三井側がこのエスクロー勘定の負担までしなければならないかというと、私はどちらかと言えば、ノーかと思います。このエスクロー勘定は、MC252のものというより、BPのものに見えます。もしも三井とBPが合意済みならば、三井はプレスリリースをする義務があります。株主に判断材料を与えないのは、企業コンプライアンスにもとる行為となるからです。  以上の事から、投資家さんの質問対しての回答をまとめますと ・BPは三井に色々な相談、または報告はしているはず ・今回の200億ドルのエスクロー勘定は、法律的に必要以上のものであることは事実です。 ・BPが決定した支出は、MC252 partyとしてのものと、BP独自の判断によるものが混ざっている。またそれらの違いは、現在の報道では明確にされていない。(本来は明確にされるべきなのだが、その違いがわかるジャーナリストがあまりいない事と、この時期に明確にしたくない企業側の心理が影響している) ・三井側が除去費用の負担と損害賠償を逃れる、または軽減するには、自分たちが事故を阻止する為に必要な情報はBPから与えられておらず、且つBPが法律、または契約違反に値するような作業を独断で行っていたと証明する必要がある。三井の会長の槍田氏が発言したように「交渉は白紙」というならば、権益比率に応じた負担となる。 ・三井は、油濁法にのっとって、賠償費用に関しては7500万ドルの10%である750万ドルまでしか負担しないと主張する事が出来る。しかし今現在それを明言するのは自殺行為とも言える雰囲気である為、沈黙を守っている。除去費用のコスト負担は、ある程度覚悟済み。  以上のようなところではないかと、推測します。 &counter(total)

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