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丼2

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「あ~あ、なんで混浴じゃないんだ」
 男湯では坊さんが頭に濡れタオルを置き体を肩まで湯に沈めて、ぼやいている。
「まあ、ええやないですか、滝川はん。温泉につかるだけでも、疲れが取れてええ気分やっさかいに」
 青い水泳帽子をかぶったジョンは、カラフルなドーナッツ状の浮き輪を着け、広い浴槽をばしゃばしゃと音を立てながら泳いでいて楽しそうだ。
「麻衣と原さんの声が聞こえてこないが、二人はいるだろうか」
 ムスッとした顔のナルもお湯につかりながら、いくつもの長い竹をイカダ状に組んだ柵で隔たれた、隣の女湯を気にかけている。
 するとそこへ
「ナル、小型のビデオカメラを用意しました。もちろん生活防水です」
 脱衣所への出入り口で閉まっているガラス戸が、軽い音を響かせながら開かれた。リンさんが全裸で片手にHDDハンディカムを持って参上。
「ご苦労、リン。では早速撮影の準備に入る」
「この柵は結構高いな。どうするよ、ナル」
 坊さんは湯から上がり女湯方向を向き、そびえ立つ障害物を眺める。
「この桶を並べて土台にするんだ」
 ナルは浴槽からあがり、かけ湯に使った木製の丸い桶を掲げる。
 男湯の四人の勇者たちは、浴場の中に数多く用意されている風呂桶を柵の近くへもって行き、それらを逆さに置いて、てきぱきとピラミッド状に積み上げた。
「しっかしよお、ナル坊。必死こいて覗いたら綾子しかいないってのが、某伝説的音楽グループの元前座コントの定番だろ? 大丈夫かよ」
 坊さんはうら若き乙女の、麻衣と真砂子の裸を拝めないことを危惧する。
「その点は大丈夫です。松崎さんが売店で買い物をしているのを見ました。しばらくは谷山さんたち二人しかいません!」
 ここへ来る途中、綾子とすれ違ったリンさんが、そのお決まりのオチはまず無いと太鼓判を押す。

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