大多喜寅信(おおたき とらのぶ)は、半世紀前に活躍した帝国陸軍の軍人。階級は大尉。また、帝国陸軍の研究によって、その「人間」の軍人であった彼の容姿、人格と記憶を移植し決戦兵器として生み出された人造の「外道」の二人を指す。本項では基本的に後者の「外道」について述べる。「人間」の大多喜は「外道」の大多喜の開発の犠牲となり死亡。「外道」の大多喜は現在、西武警察署の署長を務める。初登場は『人でなき者たち』。以後、名前のみ数作品に登場する。
注意:以降の記述には大多喜寅信に関するネタバレが含まれます。
帝国陸軍の研究施設にて、「人間」の大多喜寅信大尉の容姿、人格と記憶を移植し製造され誕生。彼の開発のために、「人間」の大多喜が犠牲になった。
しかし、彼を兵器として扱うことに耐えらなかった「人間」の大多喜の元部下湯鳥世代二等兵によって、自分が外道であることなどの製造されてからの記憶を失った状態で施設から連れ出され、「軍の研究施設から逃げ出した外道(つまりは大多喜自身だが、本人は記憶を失っているので自覚がない)を追っている捜索隊」という名目を隠れ蓑に逃避行することになる。
その道中、逃走中の外道と戦うことを求めて現れた橋之巻末太郎と交戦することとなり、湯鳥は戦死。さらには大多喜自身も脳天に銃弾を受け、死亡……と思われたが、外道は不老不死の生物であったため生還。そのことと湯鳥の遺した日記から、自分が「人間」の大多喜本人ではなく、探していた「外道」であったことを思い出す。
すべてを知った彼は湯鳥の仇を討とうと橋之巻に挑み、いざ止めというところまで追い詰めたが、刀に映った自分の表情を見て、心まで外道に堕ちかけていたことに気づき刀を納めると、橋之巻に「お前の勝ちだ」と言い残し立ち去った。その後、無抵抗での投降を求める軍の呼びかけに応じ、身柄を保護されたものと思われる。
そして半世紀の後、湯鳥の墓前で対外道組織「西武警察」の発足と配属を報告。「人間として生きてほしい」という彼の願いを受け、人でなき外道の身体であっても、心は人間として外道達と戦うことを誓った。その言葉通り、現在は西武警察署の署長として、人間を守り続けている。
襟津駆艦斗那脚など、当て字の多いmobie。西武警察という名前には、もしかすると外道から人々を守る=SAVEの誓いが込められているのかもしれない。
軍人らしい真面目な性格だが、隣組の練習をサボった上に敵国のメニューを食べようとしていた山田雨損を口頭注意だけで見逃すなど、意外と話のわかる人物。
仲間想いで義理堅く、助けてくれた湯鳥の願いに応えるため、半世紀をかけて対外道組織の礎を築いたほど。「
外道」という種族は好戦的な性格で知られており、実際に大多喜も一度は心も外道に堕ちかけたが、踏みとどまってその衝動を抑え込むことに成功していることから、強い精神力を持っていると言える。
名称のついているものは特になし。 主に外道の能力で強化された武器による攻撃を行う。主力武器は軍刀。