影山剣(かげやまけん)は、「外道処刑人」を自称する元ヒーロー。現在は無職のヒール。通り名は「Blade(ブレイド)」。初登場は『Edge of The Blade』。
注意:以降の記述には影山剣に関するネタバレが含まれます。
改造人間となり、「Blade」というヒーローに装着重甲する能力を手に入れた彼は、「外道処刑人」を名乗り世の中の外道を倒して回っていた。
その活躍は、長編シリーズ世界で放送されていた彼の活動を追ったヒーロー番組(描写からすれば、ある程度「打ち合わせ」はあるもの、ヒーロー番組仕立てのドキュメンタリーだと思われるのだが、なぜか次回予告の最後には「フィクションです」と書かれている)『Edge of The Blade』で全国に放送され、彼の収入はこの番組から得ていたが、『Edge of The Blade SPECIAL』内に収録されている第52話にて魔神カネックに無様に敗北したことが原因で番組が打ち切りとなったため、一転して無職に。
そうして地デジチューナーも買えない貧しい生活を送っていたある日、警察官を目指すファンの青年米俵スグルと出会い励まされ、ヒーローとしての再起を誓う。自分の中に眠る闇にも打ち勝ち、新たな一歩を踏み出した彼だったが、時が経ち、『Edge of The Greed』の時期にはまた力不足を感じるようになる。
そして復讐者串田龍巳との再会、戦闘によって装置を破壊され、装着重甲の力を失い・・・再び変身能力を、正義を執行する「力」を求めた末に選んだ道は、憎きカネックへの服従。彼から与えられた新たな装着重甲「スレイヴ」の力に魅了された影山はヒールへと転落し、以後は自分の気に入らないもの、盾付くものすべてを「外道」と一方的に暴力によって叩き伏せる「外道」になってしまった。
ヒール化する前から一貫して独善的であり、己の尺度で悪とみなしたものは一方的に断罪する。ただ、ヒーロー時代はまだ正義感や使命感があり、リクエストに応じるなどファンサービスにも積極的で、お花への対応に現れているように優しさや思いやりの心を持ち合わせていたため、多少融通のきかないところはあってもちゃんとヒーローとして活動出来ていた。
実際にヒーロー時代の人気は絶大であり、それゆえに彼の無様な姿を見せつけられた子供たちがPTSDに陥ったり、暴徒化したりし、番組打ち切りの原因になってしまったほどである。
しかし、カネックとの戦いで、彼の信じてきた「正義」が「暴力」に負けてしまったことから「力」を求める心が大きくなっていき、一度は踏みとどまったものの、とうとう「力」の魅力に取りつかれてしまい、その圧倒的な力で「自分だけの正義」を貫こうとするようになってしまう。
正義では圧倒的な暴力には勝てなかった自身の苦い体験と、甘美な力の誘惑は、彼の価値観を反転させるのに十分だったようで、ヒール化後は「力こそが正義」「弱いものは悪」という身勝手な主義のもと、外道だけでなく民間人に対しても暴力の限りを尽くすどうしようもない人物になってしまっている。
ただ、ニュース等で報道される彼の蛮行の理由は、自分のグッズやDVDの扱いが悪いなど主にヒーロー時代のことに関連しており、本人はいまだに「ヒーロー」にこだわりがあるようである。
一番最初の装着重甲。もう一人の装着重甲者、串田との戦闘を最後に装置が破損し、変身不能となってしまった。
白い光とともに、相手連れてワープをし戦闘場所を変更する。
ヒーロー時代の影山の代名詞ともいえる必殺技。変身シークエンスの文字列でも「MAIN WEAPON:JUMP KICK」とされており、システム上もこれが主力攻撃である。
ファンからのリクエストに応えてアレンジを加えて放つという特徴をもつ。ライダーといいつつも乗り物に乗っている描写はないので、「他人の意見(リクエスト)に乗っかる者(ライダー)」という意味だろう。彼のような鍛えられた改造人間にしか使えない危険な技であり、また、ヒール化後のbladeからは使用料も徴収されてしまうため、良い子はマネしてはいけない。
なお、時系列上『Edge of The Greed』冒頭以降のbladeはリクエストライダーキックを一度も使用していない。おそらくは、もうひとりの影山剣の予言通り「番組亡き後、次第にファンが彼のことを忘れていき、そうして誰ひとりとして応援しなくなった」ためにリクエストが無くなり、使えなくなってしまったのであろう。
劇中で採用された「今週のとどめリクエスト」は以下の通り。
・斜め45度の角度で入るちょっとキツめのキック
(リクエストしてくれたおともだち 文京区の こいしかわ ようへいくん 「ななめ45どで けって だいぶつを ぶちころせ」)
・ちょっとくすぐったいけど実はかーなーり痛い情け無用のキック
(リクエストしてくれたおともだち 愛媛県の おうが むうんくん 「わるいやつらに なさけむようのえげつない こうげきを くらわせろ」)
・いつもの2倍のジャンプに3倍の回転を加えた猛牛の角をもへし折る光の矢のようなキック
(リクエストしてくれたおともだち 中野区の かにしば てっぺいくん 「ひかりの や になって わるいやつなんか みんな ほろぼしてしまえ」)
・不屈の魂で再起を誓う俺の心の正義を込めたキック
(リクエストしてくれたおともだち 練馬区の こめだわら すぐるくん 「かんばれ!かげやまけん! しつぎょう しても くじけずに まけないで!」)
・邪悪な闇を打ち払い研ぎ澄まされた剣の切っ先のごとく輝く無限の正義を込めた完全無欠のキック
(リクエストしてくれたおともだち 心による正義を支えてくれるテレビの前のみんな/応援してくれるみんな 「みんなの ちからを あわせた ひっさつの いちげきを げどうに たたきこめ!」)
これのみ、「今週のとどめリクエスト」でなく「最強のとどめリクエスト」となっている。
『エジグリ』で、串田との戦闘で変身能力を失ってしまった影山が、カネックから与えられた「“ある犠牲”と引き換えに果てなき力を得ることが出来る」という金色のカードデッキの力で変身した姿。それまでのものとデザインはほぼ同一だが、バックルの部分がこのカードデッキに置き換わっている他、装甲の一部に黄緑色のラインが入っている。この状態での戦闘はほとんど行っていないのでスペックは不明だが、生身の状態が相手でも完敗した串田が装着重甲まで使っているにも関わらず互角以上に戦えているところを見ると、以前のbladeと同等以上はあると思われる。
Blade(初期)参照。
カードデッキに「スレイヴ」のマスターカードを読み込ませることで変身するパワーアップ形態。カードによって、バットやパイプ椅子といった凶器などを召喚して戦う。翠色にテカっており、視聴者からは「なにあのカメムシアーマー」と不評だったが、本人は満足気。
Blade(初期)参照。使った描写はないが、スレイヴでも使用できることが公式ホームページに記載されていた。
メリケンサックを召喚してアッパーを食らわせる。
空中から飛来し金的を食らわせ、相手が股間を押さえて前かがみになったところに頭の上から踵落としを食らわせる凶悪なコンボ。
木製のバットを召喚し、回数をカウントしながら何度も振り下ろす。召喚の際は、カネックが現れ「使え」と手渡してくれる。どう見ても剣ではないが・・・。
VISAカードを読み込ませることで発動。凶器攻撃の花形、パイプ椅子を召喚し、相手を滅多打ちにする。カードの名が示すとおり、これがスレイヴの必殺技である。
劇中では未使用だが、拳銃発砲という物騒な攻撃が公式ホームページに記載されていた。元ネタの区分からすると、おそらくこのカードであろう。「外道」を倒すことが望みであったはずの彼が「外道」に効かない武器を持ったということは、彼の変化を象徴していると言える。
劇中では未使用だが、手錠召喚による拘束が出来ることが公式ホームページに記載されていた。元ネタの区分からすると、おそらくこのカードであろう。
劇中では未使用だが、このようなとんでもない技が公式ホームページに記載されていた。「喰らった相手はひとたまりもないであろう」とのことだが、使った方もひとたまりもないであろう。スレイヴも相変わらずライダーと言いつつ乗物に乗っている描写もないがリクエストでもなさそうなので、乗っているのは「頭」か「調子」もしくは「ノリ」といったところか。
『ハシロジ』に登場した、金色のラインの入った新たな装着重甲。左グローブの甲を軽く叩くと目にもとまらぬ高速攻撃が可能になることが、これまでのものからの大きな変化となっている。一体何時どのようにして手に入れた力なのかは、まだ明かされていない。
使用はしなかったが、カネックのカードデッキがバックルに収まっている。このカネックのカードデッキも金色。それと同じ色のラインが入ったと考えると、カネックの影響が強まったのではないかと推測される。
ちなみにこの時の影山剣は登場時の口上が一新されている上、心なしかカネックと似た演技になっており、さらに締めがカネックと同じ「推参」に変わっている。台詞は中の人のアドリブとのことだが、そこまで考えて演じていたとすれば、まーたんすげぇ。
早い話がクロック○ップ。左グローブの甲にある銀色の装甲をタッチして発動する。どこからともなく現れたバニラコーラの缶が地上に落下するまでの一瞬の間に、数十発のパンチを叩き込んで見せた。
なお、左グローブは串田戦で装着重甲システムが破壊された際にバックル・ベルトに加えて崩れ落ちた唯一の部品であり、元々変身機構だけでなく重要な能力を担うパーツであったことも考えられる。
もしカードデッキの力を使用しているなら、元ネタからすると常時発動させたアクセルベントなのかもしれない。
おそらくは、リクエストライダーキックを使えないために代わりに生まれた技。まだ自身のリクエストでキックを行うレベルには達していないようである。彼がかつて信じていた「無限の正義」の名残のような名称が涙を誘う。