フランシス・ドレイクは世界一周を生きたままなし得た人類最初の偉人である。
(一人目のマゼランは途中で死去)
史実では男性だが、EXTRAでのドレイクは女性として現れている。
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当時、技術的にはそれなりでも国力に乏しく、まともな海外植民地も持たない二等国だったイギリス。
彼らが世界に冠たる大英帝国として生まれ変わったきっかけは、ドレイクが成した航海からだ。
彼女が帰還後に積載していた香料だけでも6トンはあったとされており、これは当時のイギリスの国家予算を遥かに超えていた。
この財貨と世界周航で得られた詳細な地図が、世界の覇者スペインと戦いうるだけの艦隊をそろえる資金となり、東インド会社を設立させる基盤になった。
……もし世界を変える存在を定義するなら、この船は間違いなくその定義に該当する存在だろう。
ドレイクの船、黄金の鹿号は単なる一隻の船ではなく、そういった奇跡を成しえた希望の船なのだ。
この事もあって、エルドラゴ(フランシス・ドレイク)はイギリスの未来の王・アーサー王と同一視されることもあった。
冥界(アヴァロン、海の彼方)から帰還し、英国に勝利を約束する存在となった為である。
スペインの無敵艦隊との決戦時、フランシス・ドレイクは英国艦隊の副司令官として参戦。
火船と呼ばれる特殊な戦法を用い、スペインの英国征服艦隊を上陸させることなく大敗させた。
この事から、ドレイクはスペイン人からこう呼ばれた。
悪魔(エルドラゴ)。
「太陽の沈まぬ王国」を歴史の盟主から引きずり落とした、太陽を落とした女、と。
……また、あくまで創作にすぎないが、ドレイクはエリザベス女王とは何度か交友があり、世界一周航海の直前、顔に傷を負った為に人前に出られなくなった女王と入れ替わった―――などという、浪漫あふれる話もある。
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