ミッション8:低速飛行時のオーバ・トップ機動とデパーチャ


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 ミッション8:低速飛行時のオーバ・トップ機動とデパーチャ


 このミッションでは、低速下での垂直方向への機動訓練を行います。ジェット戦闘機で機動を行うにはある程度の対気速度が必要です。敵機に対して行なう低速での垂直機動は戦闘時の極めて重要な機動法ですが、会得するのにはやや労を要します。
 
 低速による垂直機動は高速で行なう場合と異なり、失速を起こしてしまう危険性が非常に高まります。失速とは機首が上下に揺れてしまい、機体を制御できなくなる状態のことを指します。図8-1は、従来の航空機で重心と揚力の中心点を示したものです。この現象についての数学的な知識がなくても、この図中の場合では揚力の中心点が重心よりも後方に位置しているために機体が安定していることがわかります。

 図8-1

 このような設計の機体は、たとえ不安定な飛行状態になったとしても、機自体が自然に安定した状態に復帰しようとする力学的傾向を有しているため安定しています。しかし、F-16は「静安定性緩和」という概念の下に設計されているため、つまり機体が限りなく不安定に近い状態になるように予め設計されているのです。静安定性と機動性とは相反しあうパラメータであり(このバランスが難しいそうです)、安定性が低い航空機はそれだけ機動性が向上するため戦闘機の場合は不安定性が高いほうが望ましいといえます。

 静安定性緩和とは、簡単に言えば機体が不安定な飛行状態に陥った場合でも容易に安定した状態に復帰しないことを意味します。F-16に搭載されているFLCS(フライトコントロールシステム:"フリックス"と発音します)は、パイロットが行なう入力に対して制限を設けることによって、機体が制御不能に陥るのを未然に防止しています。なので時として、特に低速飛行時は、パイロットによる操作入力をFLCSが受け付けない場合があります。パイロットが一度に1つのリミッターのみを触発する操作入力、つまり1つの軸に対してのみリミッターの作動が必要となる操作入力をパイロットが行なっている限り、FLCSは正常に機能し機体が制御不能に陥ることを回避します。

 F-16は空中を3軸の動き、すなわちピッチ、ロール、ヨーの動作を用いて飛行しています。ピッチとは機体の水平軸に沿った動きであり、これは機首の上下として体感できます。ロールとは機体の縦軸に沿った動きであり、これは横転運動によって前方の水平線がどのように傾いて見えるかで体感できます。またヨーとは機体の垂直軸に沿った動きであり、これはコクピットから見て機首が左右どちらかに振れているかを確認することで体感できます。図8-2は上記3軸の運動を簡略して図示したものです。

 ただし注意すべき重要な点は、F-16に搭載されているFLCSが正常に機能しトラブルを未然に防止できるのは一度に1つの軸に対してのみであるという点です。同時に2つの軸に対するリミッターが働くような操作が入力されてしまうと、機体はまるでジェットコースターにでも乗っているかのような滅茶苦茶な反応をしてしまいます。このように機体が制御不能に陥ることを「デパーチャ」と呼び、低速飛行時でのデパーチャを防止するには、操縦桿をスムーズに動かすよう注意しなければなりません。トレーニングミッション1で練習したHART機動を思い出してみると、ピッチと対気速度の関係によって(機首が上がり過ぎ、対気速度が遅い場合)低速警報が鳴ったことを覚えていると思います。この警報が鳴った場合、慎重な操作を行わないと機体が制御不能に陥る危険性があり、もし急激な操作を行ってしまえば間違いなく制御不能状態に陥ります。そして一度制御不能に陥いると次の3つの現象の1つが起こります。それは機体が自然に回復するか、または水平姿勢で失速に陥るか、あるいは背面姿勢で失速に陥るかのうちのどれかです。しかも、静安定性の低いF-16では失速に陥る確率が非常に高くなっており、失速してしまえばもはやパイロットは機体を操作制御できなくなってしまいます。デパーチャが発生した場合、FLCSは映画「2001年宇宙の旅」のHALというコンピュータのように機能することになり、つまりFLCSが機体の制御をすべて行ないパイロットからの入力を完全にシャットアウトするのです。

 しかし、FLCSはパイロットにとって何もかも有益な動作をしてくれるわけではありません。失速に陥った場合、迎え角が30度に固定された状態で機首が上下に揺れながら、機体は地面に向かって木の葉のように落下していくことになります。幸運にも水平姿勢で失速に陥った場合は、FLCSがヨー率を0に設定するため少なくとも錐揉み状態になることはありません。しかし、背面姿勢から失速に陥ってしまうとFLCSはもはや無用の長物となりはて、機体は迎え角がマイナス5度に固定された状態で錐揉みしながら落下していくことになります。

 このトレーニングミッションでは、低速下での垂直方向への飛行に関する正しい操縦技術を指導していきます。また水平及び背面姿勢の失速からの復帰方法も説明します。


 トレーニングミッションの概要

 低速飛行時におけるオーバ・トップ機動の訓練を行います。


 初期コンディション
 ・対気速度 :300ノット
 ・高  度 :20,000フィート(海抜高度)
 ・スロットル:中程
 ・環境設定 :通常



 ○ミッションの手順

 この機動では低速下で垂直旋回を行いますますが、これには手際のよい操作が要求されます。機体を垂直上昇させてから水平線に向かって降下させるだけなら大して難しくはありませんが、低速飛行での急旋回は慎重に行う必要があります。以下の手順に従って訓練を実施してください。
 
 図8-3

 1.トレーニングミッションのリストから"08 Low-Speed Over Top"を選択してください。
 2.[ F ]を押ししてフライトの録画を開始します。
 3.ミッションスタート時の状態から、翼面を水平にしたまま4Gで機首をひき起こしてください。
 4.アフターバーナを全開にします。
 5.そのまま操縦桿を手前に引き続け、図8-3のように水平線の上10度に向かって弧を描きながら垂直上昇を行なってください。弧の頂点での最大Gは約1Gとなります。
 6.G(操縦桿)を緩めてください。この時機体は図8-4のような状態になっている筈です。
 7.つぎにロールして機体を順面姿勢に戻し、速度と高度に注目してください。おそらく高度は27,000-28,000フィート、速度は100-200ノットほどになっており、またこの状態の機体はピッチ操作もロール操作も困難な状況になっている筈です。これらの機体制御の不調は対気速度の不足が直接関係しており、今回よりも100ノットほど速度が速かった前回のミッションと比較してみるとその差がよくわかります。

 図8-4

 次に、急旋回の練習をしてみましょう。低速度下では難しい機動ですが、いくらか練習すればうまくできるようになります。以下の手順で飛行を行ってください。

 1.ミッションスタート時の状態から、翼面を水平にしたまま4Gで機首をひき起こしてください。
 2.アフターバーナを全開にします。
 3.そのまま操縦桿を手前に引き続けます。ただし機体が垂直上昇に移ったら、操縦桿の引きを止めてください。図8-5は、機体が水平線に対し90度で垂直上昇している様子を示したものです。
 4.一度機体が90度の垂直上昇を始めたら、操縦桿をゆっくり緩めて90度ロールしてください。なおロールしながら操縦桿を手前にひかないよう注意してください。
 5.90度ロールさせたら、水平線に向かって弧を描くようにスティックを引いてください。図8-6はこの機動を図示したものです(90度のロールターン)。
 6.機首が元の針路から90度ずれた方向を向き元の高度より高い位置にきたら、この機動は成功です。
 7.[ F ]を押してフライトの録画を止めます。
 8.[ Esc ]をおしてメニューから"End Mission"を選択してトレーニングミッションを終了します。



 ○失速

 デパーチャに陥り失速が発生した場合、どのように対処すればよいのでしょうか? ここでは失速からの回復法を解説します。しかし、まずは、この手順についての背景をすこしだけ紹介します。F-16パイロットの基本訓練のひとつに、月に一度CAP(Critical Action Procedure:緊急行動手順)シートの項目に記入を行うという作業があります。

 F-16のパイロットにとって、素早く対処すべき緊急事態とその対応手順というものは沢山ありますが、それらの手順を常にはっきりと覚えておくために、彼らは毎月その処理手順を実際に用紙に書きとめていく訓練を行っています。その数ある緊急事態の1つに失速があり、これから行う失速回復訓練の手順は実際のF-16のCAPに基づいています。

 まずはどのような操縦を行うと失速が発生するのか考えてみましょう。失速はピッチ角が高くなりすぎて、かつ速度が遅く、そしてフライトコントロールのリミッタを触発した際に発生します。具体的には、まず70-90度の高いピッチ角をとり、スロットルをアイドルの位置まで戻します。そしてそのまま失速警報が鳴り始めるまで待ち、警報が鳴り出したらできる限り素早くまた力強く操縦桿を手前に引きます。こうすることで機体はデパーチャに陥って失速が始まり、まるで木の葉のようにふらふら揺れながら石のように落下していくことになります。そして機体の操縦が不可能になり、もはや何が起こっているのかもわからなくなたら、無事(?)に失速状態に突入したといえます。

 失速(つまり機体のピッチおよびロール運動を制御できず、また迎え角が水平姿勢で失速に陥った場合は30度、背面姿勢の場合は一5度を指している)状態に陥ったことを確認したら、以下の手順を実行してください。


 1.コントロール:手を離す
 この段階で行なうことは、コントロールをリリースすることだけです。つまり、操縦桿から手を離してください。そうすることにより、機が自分で回復するチャンスが最も高くなります。ただし低速警報が鳴った時点でコントロールをリリースしろと言うのではなく、迎え角が固定され、機首が上下に揺れているのを確認した時点でコントロールをリリースしてください。

 2.スロットル:アイドルに戻す
 この段階は簡単です。ジョイスティックのスロットルか[ Shift + - ]を使って、スロットルをアイドルに戻してください。
 
 3.ラダー:ヨー方向と逆のラダーを踏む
 水平姿勢で失速している場合はFLCSが自動的にヨー率を落としますので、この段階は省略して構いません。しかし、背面姿勢の場合は、機体がヨーまたは錐揉みしている方向と逆のラダーを踏んで自分でヨーを修正する必要があります。つまり機体が左方向にヨーしている場合は、右ラダーを踏むかあるいは[ > ]を押してください。

 4.MPO(手動ピッチ優先)スイッチ:OVRD(優先)モードに切り替える
 FLCSよりも手動操作が優先するようにMPO(手動ピッチ優先Manual Pitch Override)スイッチを"OVRD"(Override:優先)モードに切り替えて、機体のフライトコントロールを自分で制御する必要があります。MPOスイッチを切り替えるには[ O ](オー)を押してください。あるいは、レフト補助コンソールにある"MPO"スイッチを"OVRD"の位置に切り替えます。

 5.スティック:機体の動きに合わせて操作する
 これは全手順の中で最も重要な段階です。何故なら再び操縦桿を握って自分で機体の制御を取り戻さなければならないからです。機体のピッチ(機首角)に合わせて操縦桿を操作し失速から回復させなくてはなりません。まず、機首が起ち上がるまで、操縦桿を手前に引いてください(背面姿勢の場合は前方に倒してください)。しかしこの操作を行なっても機首は一時的に起ち上がるだけで、再び下に沈みこむ筈です。機首が再び水平線に向かって落ち始めた時点で機体の動きに合わせて操縦桿を押し(背面姿勢の場合は引いて)、機首を地面に向けてください。これにより機首が再び起ち上がることはありませんが、少なくともあと1回はこの操作を繰り返す必要があります。ただし、操縦桿をやみくもに押したり引いたりしないでください。そのような操作をしても失速から回復することはありません。重要な点は、機体の動きに合わせることです。ジョイスティックを押すか引くかして機首を水平線に向けて沈めた場合は、機首を再び上げずにそのまま沈んだ状態を維持してください。失速から回復するのは機首が沈んでいる姿勢の時です。機首が沈んだ状態を維持しながら、速度が200ノットになるまで待ってください。そして速度が200ノットに達した時点で、操縦桿を優しく引き始めます。ただし、背面姿勢の失速から回復する場合は、速度が200ノットに達してから機体を水平に戻した後に操縦桿を引いてください。



 ACMIデブリーフィング

 メインメニューから"ACMI"を選択して、リストから最新の飛行記録を選択後ロードボタンを押してください。ロードが完了したらオプションを設定してください。上から、カメラモード、表示ラベル、高度表示棒、翼端軌跡、拡大率、の項目になります。

 ・Camera : Isometric
 ・Labels : Name, Airspeed, Altitude,を選択
 ・Altitude Poles : オン
 ・Wing Trails : Maximum
 ・Vehicle Magnification : x8

 視点操作パネルをつかって自分の飛行軌跡を確認してみてください。













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