【Aの設定】 
コンセプト「失くしてしまったもの」を探している少女。
【基本設定】
身長/体重:未定
3サイズ:未定
好きなもの・趣味:動物園に行くこと、天体観測(というより星をみてぼーっとすること)
一人称:私
口調・性格:標準語。ですます調(親しくても)。性格は元々は明るく、
優しい。過去の出来事のせいで冷たく無表情になっている。
学部:薬学部(休学中)
髪型:ロング・黒髪


Aと主人公の出会い:
 Aは主人公がいるクラスに高校3年の春に転校生として入ってきた。
編入試験で満点をとったという噂を聞いていた主人公は、クラス委員として
Aと打ち解けようと思い、勉強を教えてくれないかと話しかける。しかし、Aは激しく拒絶し、近くにあった花瓶を主人公の頭にたたきつける。

主人公とAの出会い:
 普段はBと共に登校することが多い主人公だが、その日は寝坊して一人で登校していた。人気のない校門をすぎて外庭の池にさしかかったところで、構内の林(この学校は原生林をそのまま残している区画がある)から飛び出してきたタヌキが突然立ち止まるのを見かける。タヌキの視線を追うと、外来者用
駐車場へ続くスロープを母親に伴われて歩くAがタヌキを見て優しい笑顔を
みせるのが見えた。

Aの転校の理由:
 Aが転校してきたのは元の学校で陰惨ないじめにあっていたからだった。
Aは元々は大人しくてお人よしで、明るく、積極的な皆から好かれる少女
だった。しかし、高校2年生の時にAの親友と付き合っている高3の先輩から数学を教えるように頼まれる。Aは先輩に勉強を教えるなんて無理だし、
友人に悪いといって断ろうとするが、先輩は文系の数学なんてAにとっては
簡単だろうといって頼み込んでくるのを断りきれず友人がいいと言えば、
という条件付きで了解する。Aはそのことを友人に話すが、友人はそんなことは気にしないでいいと言ってくれる。Aは先輩に教え始めるが、先輩は勉強の後にお礼といってお茶に誘ったり、恋人のようにふるまうようになる。初めは先輩の誘いを断るAだが、友人に相談すると「別に気にする必要はないからお茶くらいおごってもらえばいい、むしろAに変に気を使われると自分に魅力がないと思われてるのかと思う」「そういう潔癖なところは長所だけど少し自意識過剰」などと言われたため、お茶の誘いを受け、休日に2人で勉強したりするようになる。
 その後、友人は先輩から別れを告げられる。実は先輩はもともとAを狙ってAの友人に近づいていたのだった。友人は茫然としながらも、先輩が初めからAにしか興味がなかったことに気付く。一方、先輩はAに「Aの友人とはもう別れたから自分とちゃんと付き合ってくれ」と頼むが、Aは驚いて断る。断られると思っていなかった先輩は激怒し、Aは「友人の彼氏を誘惑してきた女」であるという噂を広める。
 また、友人も自分が好きな男から「つなぎ」扱いされていたことを認めたくないために、Aを「自分の彼氏を誘惑した女」と非難する。先輩は人気があり、Aの友人もクラスの中心的な人間であった。それからAへの集団いじめが始まった。Aがもともと大人しかっただけに、「それまでは猫をかぶって男に色目を使っていた」「人が好いようなふりをして本当のAは最低の女」と周囲の人間は思い、それゆえにAへのいじめは苛烈なものとなった。
結局Aの親がAへのいじめに気付き、Aを主人公のいた高校へ転校させたが、
その頃にはAの心は擦り切れ、明るさや人を信じる気持ちは失ってしまっていた。

Aのいじめ:机に花瓶を置かれる、自分の席の椅子を隠される、ロッカーの中を捨てられるなどの基本的なものからはじまって、水の張っていないプールに突き落とされる(体育委員であったAの立場を利用してプールの底にあるゴミを口実に呼び出して掃除するように強要しながら突き落とす)、トイレの掃除当番の日には便器を舐めるように強要されるなど(これは結局断るが、その
代わりに自分の制服を雑巾がわりにしてトイレの床を磨かされる)、髪を切られるなどの陰惨ないじめを受ける。Aが自殺未遂をしたことによって、Aの親はいじめに気付き、転校させることによってようやくAはいじめから逃れることになるが、その後も不安定な精神状態が続く。主人公とAがであったのは
そうした時期であった。

Aの転校初日から付き合うまで:
 転校初日に花瓶を主人公の頭にたたきつけるという事件(これはAのトラウマに、主人公がそれと知らずに触れてしまったせいで起きたもの)を起こし、誰に声をかけられても冷たくあしらう、表情の乏しいAはクラスで浮いた存在となる。主人公は初めに見たAの優しい笑顔を忘れられず、またAがクラスで浮かないようにAに何度も声をかけてクラスに馴染めるように配慮するが、Aはまったく相手にしない。BもAを心配し、「主人公は思い込みが激しかったりおせっかいなところもあるけど、困ったことがあったらいつでも助けてくれるから、何かあれば自分か主人公に相談して」と声をかける。それを聞いたAは主人公が話しかけるのに応えるようになる。しばらくして主人公は、自分がAに対して抱いているのがクラスの一員を馴染ませようとしている気持ちではなく、恋心であると気付き、そのことを伝える。それを聞いたAは、「Bは主人公のことを困ってたらいつでも助けてくれる人だと言っていたが、それならなぜ私を(いじめられていたときに)助けてくれなかったのか」と叫び、戸惑っている主人公に自分がどんな目にあってきたのかを話す。そして、Aが主人公が話しかけるのに応じていたのは、「誰でも助けることができる」と思っている主人公を糾弾したかったからだと言って去る。主人公は茫然とするが、Aが言っていたのは「助けてほしかった」ということに他ならないことに気付き、後を追う。
 主人公は構内の雑木林でぼーっとしているAを見つけ、過去のAも未来のAも必ず助けると告げ、Aも受け入れて付き合うことになる。


Aと主人公が付き合ってから事故に遭うまで:
 主人公はAの辛い記憶を忘れさせるために、いろいろなところにAを連れて行ったりして楽しい思い出を作ろうとする。しかし、Aが主人公以外の人間に心を開くことはなく、主人公にも憂えを含んだような笑顔しか見せることがなかった。主人公は、それをAが最もつらかった時に助けることができなかった自分の罪への罰だと思うようになる。
そして、春休みのある日、2人で新しくできたプラネタリウムに行く途中で交通事故に遭う。

事故後のA:
 Aは自分が事故に遭い、休学中であることを自覚しているが、自分がいじめられていたこと、主人公と付き合っていたことなどは忘れてしまっている。Aが記憶を取り戻すというのは主人公との幸せな思い出を取り戻すと同時に、辛い過去を思い出すということでもある。それ故にAの親はAに主人公が近づくことを嫌っている。もともとAの親は、Aがいじめられていた原因を異性関係にあると考えているため(このこともAを精神的に追い詰める要素になっていた)、事故以前からAと主人公との交際には良い思いを持っていなかった。
したがって、親はAに主人公のことを話していない。
 Aは何か大切なものを忘れてしまったという喪失感におそわれ、休学を延長して町を歩きながら失ったものを探している。


Aの設定は中盤~終盤に回想などで用いられる予定。

【主人公の設定】
コンセプト「観念上の罪にとらわれている男」
身長/体重:未定
趣味・好きなもの:未定
一人称:俺
口調・性格:標準語。穏やかな口調だがたいていタメ口。少々おせっかい。
学部:未定

主人公が記憶障害になった理由:
事故直後に薄れゆく意識の中で自分の横で倒れているAに大丈夫かと声をかけた時、Aが目を閉じたまま、「大丈夫です、誰かは知らないけどあなたが私を助けてくれたんですね、ありがとうございます」とやわらかな笑顔でつぶやいていたのを聞いて、Aが記憶を失ったことと、笑顔を取り戻したことに気付き、自分も記憶を失い、このまま記憶を失ったAと離れれば、Aを救い、罪を贖うことができるかもしれないと無意識下で思ったから。したがって妹や周囲の人間が主人公にAのことを話しても認識しないか、Bのことを話していると認識する。
最終更新:2010年09月12日 02:13