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 初めは戸惑い。次に焦りと不安。最後に、憎悪と狂気。

 「お願いできますか、主任」
 部下の一言で、カラードに出向くことになった。クレイドル地表間移動飛行機の出発を1時間遅らせていれば、俺も一緒に死ねただろうに。


 企業の不祥事で、クレイドルが堕ちた。それが、俗に言う≪人類種の天敵≫の仕業であると知ったのは、最近の事だ。

 クレイドルが沈んだことで、企業連の力は弱まった。俺は恋人と、まだ腹ん中に居た子供を失った。気が付けば、カラードの役員を撃ち殺していた。狂ってしまったのだ。心も、人生も。


 格納庫にあった、旧来のレイヴンが扱うタイプのノーマルを掻っ攫い、近くで活動していた反企業組織に入った。毎日が、殺し。

 とうとう、人を殺すのに、ある種の悦楽を感じるようになった。



 組織の中で、俺は「ゼプトロヌス」と名乗った。元々企業の重役だったことが知れれば、いつ後ろから撃たれてもおかしくは無い。幸い顔は知れていなかったので、偽名で通すことにした。気付けば本名すら忘れていた。

 偽名の由来も、いまいち覚えていない。その場しのぎで適当に作ったのか、或いは、一晩じっくり考えでもしたのか。

 組織内では、毎日が死者だらけだった。保有するノーマルも、MTも、次第に数が減っていく。遂に、企業の刺客として送り込まれたネクストの前に、基地を手放さざるを得なかった。


 散り散りとなった中で、俺達を含めた、多数の反企業グループにとっての転機が訪れる。

 コジマ技術の凍結を、企業が宣言したのである。

 一部は極秘裏にネクストを隠し持っていたところもあったが、そんなのは関係ない。物量で勝る無数の通常戦力が、一気に各企業本社へ攻撃を開始した。

 この時最後のオーメル戦で、面白い男と出会った。


 『レイル・ナルド』と名乗ったその男は、レイレナードの04-ALICIAを駆り、マシンガン、ライフル、ミサイルを装備していた。

『首脳陣が核兵器を使うだと!?見限るとでも……ッ あちらには非戦闘員も居るんだろ!使うだけ使って最後には見捨てるのか、これだからオーメルは……。こちら≪ヘクセン・ナハト≫、リンクス≪レイル・ナルド≫だ。反抗部隊は、死にたくなければ退け!時間が無い……ッ ヘクセン・ナハト、離脱する!』

 その話を、大概の攻撃隊の面々は信じちゃいなかった。俺も少しは驚いたが、変わらず進行する仲間たちを見て、ハッタリだと思い込んだ。実際に、正面から突撃を慣行した部隊は全滅したらしいが、これが核によるものかは解らねぇ。


 離脱したアリシアを、オーバード・ブーストで追った。


『こちらを追跡するノーマル、何のつもりだ!こちらに交戦の意思は無い!』

「…テメェの意思なんて関係ねぇ。こっちは大事なモン全部失ってんだよ!」