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ss-03 副業──汚レタ仕事──

数日の間、シャーオックから予備のアクイーアBSが届くまで、実験は停止していた。

件のBSが届き、実際に接続・異常が無いことが認められると、再び実験を再開される。

戦闘試験・AURAの試験が終了し、実験は対大型ロボ用の戦闘にシフトされる。

例の装置を利用し、アニキ・ザ・デルゴンのレプリカを構築、戦闘し、見事にそれも撃破する。

「既定の試験は終了、か」

「はいっ」

「……、お前はこのままデゴに向かえ。んで、防衛部隊として戦ってこい。あっちで、そのうちアビアティックやアルバトロスなんかと合流出来るだろう」

「あびあてぃっく…様?」

「そうか、オマエにはDF隊の情報はトレースされてなかったな。アビアティックってのは、そうだな…ダイムラーには悪ィが、隊の二番手みてぇなもんだ。まあ、一番上の性格もアレだから、事実上結構な権力を持ってる奴だが…」

「…?」

イマイチ理解できていないアストラエアを見て眼を細めながら、簡単に言いなおそうと言葉を考える。

「……要するに、お偉いさんだ」

「ヴァンガード様は? 別件ですか?」

もはやどうでもいいとばかりに、今度はヴァンガードの事について聞いてくる。

「ああ。ちょっと、ポイーンにな」

言ってから失言だったか、と後悔しながら、早々に会話を終えようと、その場から離れる事を試みるが───

「ポイーンって…あの、天使軍が沢山いる惑星ポイーンですか?」

「…ああ、そうだ」

「そんな!危険です! 私も行きます!」

またか、と思いつつ、適当に反論を考える。

「……。お前はデゴでの仕事がだな…」

「それって、急な仕事なんですか?」

痛いところを突いてくる。

「……」

「じゃ、決まりですね!」

言うや否や、ヴァンガードを持ち上げ、さっさと進み始める。

「おい、降ろせ! 何処に向かう気だ、ゲートは俺が…ごふ」

「あ、そうだったんですか…」

降ろしながらガッカリするアストラエアを余所眼に、ヴァンガードは再び考える。

(待てよ、今ここでゲートを使ったら、奴らに簡単に感づかれるんじゃないか?)

「……予定が変わった。一度、シャーオックに戻るぞ」

「…? はい」





惑星シャーオック、ヴァンガード部隊研究施設。

「あ、ヴァンガード様。ご無事で」

「ああ、ちょっと野暮用で戻ってきた。奥の部屋、あいてるか?」

隣のうるさい女が目覚めた部屋を指さしながら、デルザイルに問いかける。

「はい。今は使っておりませんので、ご自由に」

「んじゃ、お前はちょっと待ってろ」

「何をするんですか?」

その問いに、少し笑いながら答える。

「……そうだな。変身、ってか」



暗い研究室の中、白と緑色の装甲をした小さなロボがいた。

「変装なんて趣味じゃねぇが、しゃあねえわな」

「っと、ポイーン行く前に連絡しとかなきゃいけないか」

無線を取り出し、何処かに連絡を入れる。

「もしもし、─────ですか? ……私は…ええ、そうです」

「例の“モノ”の情報です。送らせていただきました」

「…ええ、大丈夫です。では」


「……。これでアイツの開発費の基は取れたか」



奥の部屋から帰ってきたヴァンガードは、白と緑に包まれていた。

「敵襲か! 外の奴は何を──」

デルザイルが叫んだところで、白と緑に包まれたヴァンガードが止める。

「落ちつけ、俺だ」

「……。ヴァンガード…様?」

首をかしげながらアストラエアが小さく声を出す。

「ああ、ポイーンに用事があるからな。こっちの方が行動しやすい」

緑と白──ゼロファイターの姿となったヴァンガードは、ニヤリと笑いながら武器庫に向かう。

「いつもの武装じゃ、頭イイ奴だとバレちまうかもしれねえからよ、ハンドガン持ってくぞ」

返事を待たずに外へ出ていくヴァンガード。

「了解しました」

「あ、待って下さい!」

慌ててそれを追いかけるアストラエア。

しかし、少し歩いた所で、すぐに止まってしまう。

「…、そうだな」

「?」

突然ヴァンガードが声を出し、追従していたアストラエアも立ち止まる。

「お前のそれは、流石に目立つな」

「?? そうですか?」

「ああ。……おい、聞こえるか!」

「はーい」

施設からは近い為、無線ではなく大き目の声を出す。すると、中から一体のデルザイルが顔を出してきた。

そんなデルザイルに、近づきながら再び声をかける。

「コイツ、目立つからよ。密林仕様にしてやってくれ」

数分後。

出てきたのは、緑系に塗装されたアストラエアであった。

「なんだか、自分が可笑しい気分です」

「元からおかしいから気にすんな。行くぞ」


転送装置を使い、僅かな時間でポイーンに辿り着く。

気付けば、崖の上だった。

「これは…」

目の前には緑がくり広がっており、更にその奥には白い施設が見える。天使軍の何かの施設だろう。

「ここは?」

歓喜から一転、疑問を吐いたアストラエアに、ヴァンガードは即答した。

「ポンジャバ魔境だなんて呼ばれてる密林だ。ちょっと俺は会う奴がいるから、お前はここで待ってろ。無駄な騒ぎは起こすなよ」

比較的目立ちにくく、なお且つ天使軍が来そうにない場所にアストラエアを待機させておく。


ゼロファイター姿のヴァンガードは歩きながら、“2機目の無線機”を取り出し、元々合わせておいた周波数で口を開く。

「───グリーマン閣下。もうすぐ合流地点に到着します」