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惑星デゴ、スノーンの北端に位置する悪魔軍基地。

氷原ではいまだに侵攻してきた天使軍機動部隊による攻撃が続いていた。


「このっ!このっ!」


多数配置されたテトラポッド型の内側から歯ぎしりしながら銃撃を続けるデルダリバー。

赤と白を基調とした配色の中級悪魔、アストラエアはその隣で焦りの色を見せていた。

脚部に装着したジェットスキーによる高速移動で迎撃部隊を翻弄し、一撃離脱戦法を繰り返す天使軍。

迎撃部隊は徐々にその戦力を削がれ、既にその3分の1が戦闘不能に陥っている。


「あ、アレは・・・ホバーモビル?」


その時、迫る天使軍機動部隊の中に煙を上げて疾走する物体を彼女は見た。

分厚い前面装甲で銃撃を防ぎながら突進してくる三台の大型ホバーモビルである。


「なっ・・・!」


その内一台のホバーモビルが轟音を上げて隣のバリケードに突っ込み、衝撃で何体ものデルビンやデルゴンが吹き飛ばされた。

思わず腕で目の前を覆うアストラエア。


「・・・!」


直後、隣のデルダリバーが声を上げる間も無く前に飛んできたビームに撃ち抜かれた。


「行けッ!行けッ!我等の正義を知らしめるのだッ!」


掛け声とともにホバーモビルの荷台から飛び降り、サーベルをかざして進軍の指示を出すのは天使軍指揮官らしき白い機体、オレガー。

次いで十数人の量産型オレガーが手に手に銃を携えて荷台から降り、片膝を付くと一斉に射撃を繰り出した。

天使軍は突破口を開くために、オレガーの特務部隊を動員してきたのだ。

何本もの閃光が飛び、アストラエアはバリケードに身を隠す。


「落ち着け、落ち着くんだ私・・・」


深呼吸をして必死に己を落ち着かせるアストラエア。


「・・・フルスロットル」


そう呟いて全身に力を込めると、AURAが発動した。

背中のブースターが形を変え、展開する。

AURAの持続時間はおよそ三十秒。

右手のブレードを握りしめると彼女はバリケードを飛び出し、ブースターを一気に噴かして加速する。

目の前の量産型オレガーをふっ飛ばし、銃を放っている指揮官のオレガーのもとへと一直線に向かう。

勢いに乗せて、ブレードを振るう。


「いっけぇ・・・!」





「ぐ、アァ・・・」


悪魔軍基地内部。

青いガクゥーンがデルゴンの腹部をクロウで貫く。

クローを引き抜くと、デルゴンはぐったりと床に崩れ落ち動かなくなった。

小柄な体で物陰から伺っていた中級悪魔、ジュピター。

その眼に映ったのはそんなデルゴンと、ガクゥーンら天使軍の一隊であった。


「ヤベ、これ・・・」


ジュピターは冷や汗をかきながら司令部に通信を飛ばす。





「そん・・・な・・・」


アストラエアの口から悲嘆が漏れる。

その背中からは、ビームの刃が突き出していた。

右手のブレードがごとりと音を立てて地に落ち、AURAの光が音もなく消える。

オレガーがサーベルを引き抜くと、支えを失った彼女の身体は前に崩れ落ちた。


「素晴らしい速さであった。だが、それだけである」


彼はボソリと呟くと、部下達と共に守備隊の真ん中へと突っ込んでいく。

デルビマイラのボディを撃ち抜き、デルントリックを斬り捨てる。

狙撃手の放った弾丸を交わすと、そのままビームブレードを携えたデルファイターへと突進し斬りかかった。


「・・・!」


デルファイター=アルバトロスはブレードで切り結ぶと、後ろに飛び退きながらビームマシンガンを乱射する。

光の弾がオレガーの足元を焼き、じゅっと音を立てて氷が溶け、白い靄が立ち昇った。

オレガーはブーストを噴かして飛び上がり、太陽を背にして縦にサーベルを振り下ろした。

逆光で一瞬判断が遅れ、サーベルが避けきれなかったアルバトロスの右肩とボディの結合部を焼く。


「ぬ、ぐぁ!」


右のアームを失い、アルバトロスは呻きをあげる。

その途端、パパパンと音がしてオレガーを横から銃弾が襲った。

デルビンガーの横槍であった。


「アルバトロス様!下がってください!」

「85号!」


85号と呼ばれたデルビンガーは横から一直線に飛んでくると、アームパンチを放つべく拳を構えた。

そんなデルビンガーをオレガーは一瞥すると、すかさずライフルの一撃を放つ。


「がぁっ!」


ボディを撃ち抜かれたデルビンガーはその勢いのまま後ろに飛び、動かなくなった。


「ふん。小賢しい」

「貴様・・・」


アルバトロスは静かに怒りを露わにすると、残った左手のビームマシンガンを投げ捨てる。

キャリーページから二本目のビームブレードを取りだし、逆手に持って構えるアルバトロス。

赤い光の刃が形成され、アルバトロスの顔を照らした。