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ss-01 女神──可笑シナ女──



「あんた、強ぇな。気に入った」

「あなたも、ね」

──惑星シャーオック。

「まあ、なんだ。俺はこれでもDF部隊の一員だしな。此処で引き下がるわけにゃぁいかねえや」

ガガッ、という音と共に、女性型ロボが倒れる。

「───そういうわけで、あんたの“コア”、回収させてもらうぜ」

ニヤリと笑いながら、手にしたツインブレードの出力を落とす。

同時に無線機で、近くの施設に連絡を入れる。

「さて……。聞こえるか? コアは回収した。まだ人格形成に問題がある、やり直せ」

「…………、あぁ? 俺に服従するように調整だ。俺も開発に参加するから……ああ、そうだ。解ったら黙ってやれ」

「…ったく、AI育成なんて、他でやってくれっての」

「取りあえず、使える分のモノは持って帰るしかねぇよなぁ」



ヴァンガード部隊・研究施設

表向きにはロボの整備を請け負うだけの施設だが、裏では人工的にロボを改造・製造する為の、実験・研究施設である。


「帰りましたよーっと。お、さっそく取り掛かってるな」

テキパキと複数のパーツが組み上がっていくのを見ながら、一体のデルザイルに話しかける。

「予備のパーツで粗方組みました。コアの調整はB班に任せますので、こちらに」

「おう。俺はB班の方に行くから、こっちは頼んだぜ」

「御意に」

デルザイルはヴァンガードに一礼し、すぐさま作業に戻る。


「持って帰って来たぜ。というかよぉ、どうやったら逃げだすようなAI作れるんだっての。俺を殺す気かよ」

「いえ…何分こういった方面の作業は苦手でしてね」

「ハッキリ言って俺も訳わかんねえが……。まあ、俺に服従するようにつくりゃ、それでいいからよ」







研究室の最奥。蒼いカプセルに納められた長身のロボ。

「これで完成か?」

薄暗い部屋の中、カプセルの放つ光のみが部屋の中を照らしている。

その中で、ヴァンガードが後のデルザイルに声をかけた。

「ええ、肝心のAIは、エイモスの部隊で再調整して貰いました。過去最高の出来だと思われます」

「ふむ……。よし、カプセルを解放しろ」

電子音と同時に、警告ブザーが鳴り響き、冷たい煙と共にカプセルが開かれていく。

「ふぅ、狭かったぁ。…あ、お初にお目にかかります!ヴァンガード様ぁ!」

そういいながら、目覚めたばかりの彼女は、小さなデルファイターであるヴァンガードにしがみつく。

「な、やめろ! おい、止めろ!」

「貴様!何をしている」

すぐさま動くデルザイルだが、長い足を持ち背の高い彼女には届かない。

少しの間抱き上げたりして遊んでいたが、観念したようで、彼女──アストラエアは、ゆっくりとヴァンガードを降ろす。

「ま、このくらいで許してあげる」

心の中で軽く舌打ちし、ヴァンガードは目を細めながら思案する。

おかしい、と。

「とりあえず、稼働試験の為にアルモスに行くぞ」

「はぁい。何処までも付いていきます、ヴァンガード様ぁ」

「……。こんな風に作った覚えはないんだがな」

「全く、遊びが過ぎるぞ、エイモス……!」

脳裏に友人の事を思い浮かべながら、彼女のAIはどうなっているんだ、とつくづく思う。


心底うれしそうについてくる彼女をもう一度横目で見て、再度舌打ちする。

「まあ……使うだけ使わせてもらうさ」

特設のシャトルはもうすぐそこだ。