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ドルグ基地司令室には、緊急招集をかけられた中隊長クラスの悪魔ロボが集まっていた。

その中央には、ドルグ基地総司令デルファイター=ヴァージニアの姿も。

退屈していた中に突然の増援要請が舞い込んだことで、随分と舞い上がっている様子だった。


「今回の防衛目標はデゴ北部の悪魔軍秘密基地となります」


コンソール前のポインタを動かしながらデルビンが説明する。

海に面した海岸沿いに、基地を表す▲印。


「偵察隊の情報ですが、この基地の南側で天使軍が集結しているとのことです」


少し離れた南側に、赤い丸がボツボツと現れた。


「集結する天使軍の規模から見ても、かなりの規模の制圧作戦が展開されると予想されます」

「はい、という訳でぇ」


と、横から割り込んだのはヴァージニア。

テンションを抑えきれていないようである。


「ボクたちは急きょ!増えん部隊をへん成して救えんに向かうことになりました!いぇーいぱちぱちぱち」

「いや、あの、まだ説明の途中・・・」

「各部隊は急いでじゅんびしてきてくださぁい、おやつは500C$までです!」


横から言葉を挟むデルビンを尻目に、1人盛り上がるヴァージニアであった。





惑星デゴ。

天使領に属する惑星のひとつであるが、悪魔軍領、特に暗黒小惑星シャーオックからもほど近い場所にあるため、資源が少ないにも関わらず多くの激戦が繰り広げられる極寒の惑星である。

そんなデゴを占めるスノーン大陸の北側、北を海に面した悪魔軍基地。

ドルグ基地から出発した増援部隊の一行は、現地の部隊と共に既に迎撃の準備を整えつつあった。

そんな悪魔軍基地の中で。


「貴君はこの基地の兵だろう。司令官はどこにおられるか」

「はっ、恐らく地下格納庫の方かと思われますが。案内致します」

「そうか、頼む」


マントを羽織った長身の黒いロボ、カリストはデルダーに連れられ地下倉庫へと向かう。

地下へと続く通路には様々な機材がむき出しで置いてあり、何やら実験施設のような雰囲気が漂っていた。

その様子に気付いたデルダーが口を開いた。


「お見苦しいとこをお見せします。何ぶん急でありまして」

「いや、構わん。・・・しかし随分と大がかりのようだな」

「我々は実験部隊の任も兼ねておりますので・・・」

「実験部隊?」

「えぇ。発掘された古代兵器の戦術的利用を研究しております」

「古代兵器・・・か・・・」

「こちらになります」


通路を抜けると、デルダーとカリストは広々とした場所に出た。

壁一面にはむき出しのパイプ。

そこら中に雑多に置かれた多種多様な機器。

そして格納庫の中心にそびえたつ、巨大な白い物体。

四本の脚で支えられたそれに、カリストは見覚えがある。


「スウィーパー・・・」

「ご存知のようですね」

「こんなモノを、どう利用するというのか」


そこに、大きな声が響いた。


「よう!アンタが増援部隊の指揮官さんかい?」


カリストが声のした方を向くと、灰色の大柄なデルゴンがこちらに歩いてくるところだった。

ボディに様々なカスタマイズを施しているところを見ると、どうやら中級悪魔らしい。

カリストの隣のデルダーが口を添えた。


「この基地の責任者、ナプラニヤ司令です」

「お初にお見受けする。ドルグ部隊司令官、カリストだ」


ナプラニヤはカリストの前で立ち止まると、大きな声で言った。


「デルゴン=ナプラニヤだ。わざわざこんな惑星までありがとよ。秘密基地だってのに全く奴等もどこから嗅ぎつけやがったんだか」


カリストはスウィーパーの方を向いてナプラニヤに言う。


「それにしても、コレは・・・」

「あぁ、俺たちゃスウィーパーの制御を研究している」


見るとスウィーパーの足元で、青い悪魔ロボが様々な機械を接続されていた。

周りで研究員らしきデルビン達が何か言いながら機械を操作しているところを見ると、なにやら調整中のようだった。

その青いロボは目を閉じて、瞑想しているかのようにも見える。


「彼が・・・?」

「あぁ、ゼプトロンと言ってな。あいつの回路とスウィーパーの制御回路を結び付ける。上手くいけば、あいつの思い通りに動かせるはずだ!」

「随分と無茶なことを・・・」

「しかし、今までに他では何件か成功例があります」


と、デルダーが口を挟んだ。


「優れた火器制御能力を持つあいつとはいえ、確かにかなり不安定なシステムだ。だがあいつならぁやってくれると俺は信じているよ」


ナプラニヤはそう言ってガハハと笑って言葉を続ける。


「それまでは頼んだぜ、ドルグ部隊さんよ!」




一方、基地の外。

基地を囲むように多数配置したテトラポッド型のバリケードに、固定砲台。


「・・・来たか」


南側を見張っていた狙撃手ホーカムは、ぼそりと呟いた。

スコープの先には先行と思われる6機のヘリンガルに、護衛らしきジェッツが2機。

次いでそれらを発見した横のデルゲルダーが、司令部に無線を飛ばした。


「敵の爆撃部隊を確認!繰り返す、敵の爆撃部隊を確認!」

「こちら司令部、了解した!各員第一種戦闘配置!各員第一種戦闘配置!」


基地中に警報が鳴り響く。





「始まったようでございますな」


隻眼のヴィシュラガクヅチ=スタイヤーは鳴り響いた警報に顔を上げた。

その隣で愛用の槍の手入れをしていたの赤いポニーテールの女兵士、グレイヴも無言で頷く。

スタイヤーは肩のアタッチメントに小さな羽根のような機器を付けたデルファイターを見た。


「親方様・・・?」

「あぁ、準備は出来た」


デルファイターはそう言うとレーザーとミサイルを抱えて立ちあがる。


「コイツぁいいもんだ。エナジーが溢れてくる」


何の前触れもなく肩の機器から勢いよく光が噴き出し、虹色の輝きを放つそれは6枚の羽根を形作った。


「これで思いっきりヤツをぶっ殺せるってもんじゃねぇか」


ギラギラと輝く野心の光をまとって、デルファイター=アビアティックは笑う。