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「・・・おいおーい、グレイヴちゃんよぉ、俺様ちゃんと殺すなって言ったよな?言ったよなぁ?」


遠くから聞こえてきた火薬の音を耳にしながら、デルファイター=アビアティックは盛大にため息をついた。


「何かガチ戦闘になってねぇか・・・?」

「まぁ、随分と御機嫌悪そうでございましたし・・・」


返答を返すのはアビアティックの付き人の1人、隻眼のヴィシュラカグヅチ=スタイヤーである。


「ったくよぉ、月に一度のアノ日ってか?」

「あっソレ、御本人に聞かれたらマズいでございますぞ」

「よぉ、アビア?」


突如呼びとめられたアビアティック、振り返った視線の先にはもう一人のデルファイターが。


「んあ。アルバかよ」


彼の名はデルファイター=アルバトロス。

様々な火器の扱いに長けたアビアティックとは対照的に近接格闘を得意とする男である。


「親方様、御知り合いでございますか」

「あぁ、ちょっとな」


スタイヤーの問いに何やら無愛想に答えるアビアティック。

その答えにウンウンと頷いたアルバトロスは、アビアティックに更に言葉を投げる。


「しかしアレだな。今回の作戦、またずーいぶんと噂になってるようじゃないの」

「・・・そうだな」

「お前、何か企んでるだろ?」

「んな訳ねーだろうが」

「いやいやいや、それなりに長い付き合いな訳ですしね。ま、大体どうするつもりなのかも分かってるワケよ」

「テメェ・・・」

「ははッ。安心しろ、口外する気はねぇーよ」


終始軽い口調で語るアルバトロスに、珍しくもアビアティックはいつもの調子を乱している。

いつにないアビアティックの様子を見たスタイヤーは少し驚いているようであった。

と、そこに。


「あるばー?何してるの?」

「ん、ローラン?」


ひょこりと現れたのは悪魔軍でも珍しい女隊長、ローランドである。

彼女はアルバトロスを見つけ、そして次いでアビアティックに気がつくと表情を硬くした。


「アビア・・・」

「よお、ローランドじゃねぇかよ」


彼女はアルバトロスに向き直ると、やや強い口調で問う。


「・・・で、アンタはこんなトコで何してんのよ」

「いやぁ、ちょっと見かけたから声掛けただけさ」

「・・・ふーん。もう良いでしょ、さっさと行くわよ!」


アルバトロスの返事に訝しげな答えを返すと、ローランドはアルバトロスの腕をぐいぐいと引っ張る。


「あー。なんかスマンなぁ、アビア」

「俺様のこたぁ良いからさっさと行ってやれっての」


ローランドはアビアティック達が見えなくなるまでアルバトロスを連れて行くと、彼の方を向いて言う。


「・・・アイツと何を話してたのよ」

「何、妬きましたか?」

「・・・」

「・・・スマン。別にただの世間話だよ」

「アイツ、何考えてるんだか分かったもんじゃないわ。アンタだって最近のアイツが妙なのは知ってるでしょ?」

「ローラン、そう言ってやんなよー。あいつにだって色々あるんだ」


アルバトロスは曖昧に笑いながら、そう言ってローランドをなだめる。





「おい、開けてくれよ!大変なんだ!」

「ど、どうしたんですか・・・?」


ドアの向こうから切羽詰まった声を聞いたツインテールが特徴のカリスト隊のオペレータ、エウロパはドアに駆け寄った。

開いたドアの向こうにいたのはデルビンほどに小柄な紺色のロボ、タケミカヅチ。

そしてぐったりとして彼に背負われているこれまた小柄なタケミカヅチと同型の黒いロボ、ジュピターの姿だった。


「じゅ、ジュピターちゃん!?何があったんですか!」

「とりあえず何か手当てを!」





「ん、んぅ・・・?」

「あ・・・目、覚めましたか?」


ジュピターが目を覚ますと、エウロパがほっとしたように訪ねた。


「お、オレは・・・。いつっ!」


目をこすりながらゆらゆらと起き上がると、腹部に鈍い痛みが走った。

先ほどパンチを受けた場所である。


「あ、カ、カリスト様・・・」


ジュピターはエウロパの隣で腕組みをしている赤い眼をした長身の黒いロボ、カリストに気が付いたようであった。


「ぁ・・・ぅ・・・」


その途端、隣のエウロパはおどおどとした表情でジュピターとカリストの顔を交互に見た。

カリストの厳しさはドルグ内でも有名なのである。

だが。


「目が覚めたか。全く無茶しおって・・・」

「ご、ごめんなさい・・・」


掛けられたのは穏やかな声。

カリストも安堵しているのだろうか。


「奴らについては憶測に過ぎんと言ったはずだろうが。それでなくともたった1人で奴らに・・・」

「は、はい・・・」


いつも元気なジュピターも返す言葉が見つからないようだった。


「今回のが良い薬になったろ。もうこのような無茶はしないことだ」

「あ、あの。それだけですか?」

「もう十分味わっただろう。それともまだ罰が足りんと思うか」

「い、いえ!」

「良かったですね、ジュピターちゃん・・・」

「・・・!」


突如カリストに無線が入る。


「どうしたのだ?このような時に・・・」


カリストの無線機がオペレータの声を受け取った。


「デゴ駐屯の悪魔軍より緊急の増援要請です!直ちに司令室へお願いします!」