「ss2-02 奇襲──夜ノ砂漠ニ煌メク者──」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

ss2-02 奇襲──夜ノ砂漠ニ煌メク者──」(2012/01/24 (火) 18:55:30) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

ss2-02 奇襲──夜ノ砂漠ニ煌メク者── 惑星シャーオック・ドルグ基地近辺 そこに、二人の男が立っていた。 「……それで、なんでおめぇは部隊旗なんて付けてんだ」 「言ってなかったか?今から俺はアビアティックだ。…こんな感じか」 足元に置いていた六連ミサイルランチャーとデビルレーザーを手に取り、転送装置の前まで来る。 「本当に、俺ら二人でやる気か?」 「俺はそのつもりだがよぉ、まあ、その辺は好きにしていいや」 「……」 ティーガは懐から無線を取り出し、何やら話しこんでしまった。 「目標は惑星ガルド。前の拠点と同じ地点だから、ルートは俺の頭の中に入ってる」 「やるしかねえな…チッ」 舌打ちしてから、ティーガも両腕にシングルガンを握り込んだ。 後ろからガサガサと足音が聞こえて来、ティーガがそれらに目配せする。 次にヴァンガードにアイコンタクトし、転送装置が起動した。 ------------------------------------------------------ ドルグ基地内・ヴァンガード個室 「あれえ?ヴァンガード様は…」 「これは、アルテミス様。ヴァンガード様は、さきほど惑星ガルドへ用事があると……」 「ガルドへ?」 「ええ、なんでも、アビアティック様を狙う天使軍の部隊の奇襲に行くと…」 「そうですか…」 意気消沈しながら、アルテミスは既に決断していた。 (ガルド行きの小型ジャンプ…確か部屋に…) 思案しながら不審に部屋の隅を探るアルテミスを見て、デルザイルが心配そうに声をかける。 「アルテミス様?」 「あった! あ、えっと…、なんでもありません。失礼します…」 「はぁ…」 釈然としない表情を顔面に貼り付けたデルザイルが、アルテミスを見送る。 ------------------------------------------------------ 夜、惑星ガルド・天使軍基地から近い、小さな拠点。 拠点とは名ばかりで、外見は工場、内部も基地とは言えず、建設途中で骨格はむき出し状態で、なんの機能を果たしていない。更に光源はなく、内部は所々に穴のあいた屋根の部分から、星の光が入ってくる程度である。 そんな薄暗い空間の中で、一名の新参天使軍ロボ・ゼロファイターと、悪魔軍を裏切り、密かに反乱を企てるこれまた下っ端のロボ・デルゴンが会話を続けていた。 「しかし、今の戦力で本当に、その…DF部隊のナンバー2を倒せるのか?」 デルゴンが不安そうにゼロファイターに問いかける。 彼らの後ろには、数名のデルビン・フログランダーなどの両軍の下級兵が入り混じっており、更にその奥に、大きな影が鎮座していた。 「大丈夫さ。アーヴァンって奴の情報だと、ナンバー2はマヌケな野郎らしいからな」 幼そうな声で、ゼロファイターが返答した。 「信用できるのか?その、天使軍のアーヴァンと言う奴は」 不安を拭えず再び問いかけるデルゴン、しかし、自信たっぷりにゼロファイターは意見を通す。 「もちろん。なんたって俺の先輩だぜ」 「し、しかしだな…」 「諦めろ、デルゴン。俺達にはもう、これしか道はない。そうだろ?」 「ああ、確かにテメェらにゃ、この道しかねぇだろうがよォ。ここで果てていく道しかな」 ドスの利いた低い声が、入口から響いた。 「何者だ!」 即座にデルゴンが反応し、目配せで数名のデルビンをデルゴンの前に出す。それを見て、フログランダー達もゼロファイターの前まで出てきた。 以降無言のまま入ってくる侵入者。その侵入者に光が当たる。 同時に、再びデルゴンが目を見開き反応した。 「その部隊旗…ドルグの精鋭…DF部隊か!」 「俺は、ティーガってもんだ。まあ、俺が来た理由は解るよなぁ? ……裏切り者共」 力の籠った最後の一言に、実際に裏切った悪魔軍たちは震えあがる。 「ふん、精鋭だろうが、この戦力の前に一人で現れるとは、流石のバカ組織だな!」 突然の目標乱入に少し焦ったゼロファイターだが、今の絶対的有利な状況を思い出し、精神的優位に立とうとする。 「残念だが、俺はそこにいる馬鹿と違ってバカじゃねえ」 「ひでぇよなァ、馬鹿なんてよぉ」 しかしその返答は、すぐ後ろから聞こえてきた。 「な、な───」 振り返ったゼロファイターのボディに、レーザーが撃ち込まれる。装甲は一瞬で蒸発し、そのまま貫通、爆散してしまった。 「俺様はアビアティック。てめぇらが嗅ぎまわってる部隊の幹部役の一人だ」 部隊旗を翻しながら、リーダーをやられて一斉に襲いかかったフログランダーにミサイルを放つ。 「で、俺は殺し合いに一人で行くほど馬鹿じゃねえから、手下をわんさか連れてるわけだが」 ティーガの声から一瞬遅く、少し小さな入口が破壊され、大きく開いた穴から大量のゴライアスが侵入してくる。 爆音と同時に手下のロボが散っていき、裏切り者であるデルゴンは劣勢を強いられていた。 「ば、馬鹿な、あいつ、あんな事言っておきながら……チィッ、コイツは最後まで使いたくなかったが、やっちまえ!」 「あん?」 目を細めながら拠点の最奥に目を向けるデルファイター。その先の、蒼色の眼光を宿した鴉が、静かに立ちあがった。 「アイツは…ッ」 アイツは。 ───夜空を覆い尽くしてしまう程の、漆黒の夜鴉だった。 [[戻る>ヴァンガード編 二部]] [[NEXT>ss2-03 神域──アイシス──]]

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: