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惑星デゴの悪魔軍基地。 制圧作戦を展開してきた天使軍、その最初の攻撃は飛行部隊による爆撃であった。 六機のヘリンガルが一気にナパームボムを投下し、基地のあちこちで爆音と炎が上がっている。 既にデルビコプター達が飛び立って空中での迎撃に当たっているが、護衛のジェッツに蹴散らされている状況にある。 爆音が響き、マシンガンで迎撃していたデルダータイプの一団が吹き飛んだ。 「畜生・・・!アイツらぁ・・・」 備えられたテトラポッド型のバリケードの内側でライフルを構えながらこぼすデルビンヘッド。 放たれた弾丸はヘリンガルの一機、その脚部に命中し、被弾したヘリンガルはバランスを崩して空中で回転しながらゆっくりと落ちていく。 「っしゃぁ、見たかよパトリオットォ!」 「退いてくだサイ。ワタシが迎撃スル」 パトリオットと呼ばれた四本足の大柄な悪魔ロボが前に出る。 「発射シークエンスに入りマス」 彼は上を向くと二機のヘリンガルを視界に捉え、接地する四本の足から地面に杭を打ち込む。 上空の二機のヘリンガルを睨み、照準を合わせるパトリオット。 背中に背負った六基のミサイルランチャーの口が開くと、銀色の弾頭が順に煙を噴いて飛び出した。 ミサイルはそれぞれのヘリンガルに左右方向から迫ると一機目、二機目と命中し、二機とも煙を上げて落下していく。 「む、グゥ・・・!」 突如上からのマシンガンの掃射を受け、パトリオットは呻く。 ジェッツが頭上を通り過ぎながら離れたところの悪魔ロボに向かってミサイルを放っていった。 パトリオットは両手の指の先からブラスターを放つが、ジェッツはひらりと舞い上がると旋回し、こちらに向けて再び機銃を放ってきた。 と、突如ジェッツの横から赤い刃をきらめかせて飛びかかる黒い影。 「しまっ・・・!」 ジェッツが突然の事に驚いて声を上げるが、遅い。 そのデルファイターは逆手に持ったビームブレードでジェッツを両断し、バランスをとって着地した。 「まずは一機、ってな」 「アルバトロスか、すまん、感謝スル」 「おう。もっと感謝してもいいのよ」 デルファイター=アルバトロスは軽い口調で返事を返しながら立ちあがる。 「オイ、パトリオット!」 「なンダ」 パトリオットは声の主である先ほどのデルビンヘッドの方を向いた。 「アレを見ろよ、次の敵だ!」 望遠レンズで見ると、天使ロボが白い煙を上げながら猛スピードで氷原を滑走してくる。 隣のアルバトロスも敵を視認したようだ。 「しかもスケート装備と来た、こいつぁ・・・」 「全員構えろ、主力が来ル!」 パトリオットが大声で指示を出すとバリケードの内側に居た下級悪魔達がガチャガチャと音を立てて銃を構え、迎撃態勢に入る。 バズーカを構えたデルゴン達が一斉に撃ちだすと天使軍は左に逸れ、火器を放ちながら弧を描くようにしてこちら側に迫ってきた。 バリケードの内側からデルダーやデルビンも手持ちの火器で応戦する。 デルゴンの放ったバズーカ弾がうち一人のジャガーアームに当たり、派手に吹き飛んだ。 「こんの野郎ぉぉ!・・・がっ!」 喚きながらマシンガンを放っていたデルビンが一人被弾し、後ろに倒れこむ。 次いで三人ほどのデルダータイプが倒れた。 天使軍の機動部隊は通り過ぎざまに一通りの火器を放っていくと、Uターンして後方に展開されているであろう味方の陣へと戻っていく。 「あいつら、タダで帰れると思いなさんなよ」 アルバトロスは足に力を入れてグッと屈むと、ブーストを噴射して一気にバリケードから飛び出した。 地面スレスレでのブースト飛行で一息に敵に迫ったアルバトロスは、部隊の最後尾を走っていたメカジェッターを斬り付ける。 赤い刃が装甲を焼き切るとメカジェッターは悲鳴を上げて倒れ、勢いそのままに地面を転がった。 「オイ!大丈夫か、オイ!」 「う、ぐぅ・・・」 バリケードの内側では、被弾して倒れた仲間のもとへと駆けよるデルビンヘッド。 既に次の機動部隊が迫っていた。 「第二波、来ルゾ!」 パトリオットが叫び、再びバリケード越しに撃ち合いが始まる。 彼のブラスターがグレンザリバンの装甲を撃ち抜くと同時に、隣のデルゴンがバズーカを受けて吹っ飛ばされた。 他のバリケードでも同じような戦闘が展開されているらしい。 デゴのような氷原での高速移動を可能とする装備、ジェットスケート。 天使軍は手始めに、これを用いた一撃離脱戦法で防衛戦力を削ぐつもりであるようだった。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 主戦場の反対方向、悪魔軍基地の北側。 海中へと続く潜水艇用のドック。 水面がぐらりと揺れると、二つの黄色い眼が水の中から顔を出した。 薄暗いドックの中を一通り見渡すと、上げた手を前に倒して合図をする。 「・・・よし、安全であるな。上陸する」 ざぱりと水の中から現れたのは青い迷彩を施した一人のガクゥーン。 ついで総勢二十人ほどのセタシオン、ロブガイズ、タラバトロンが次々と姿を現した。 全員の装甲がガクゥーンと同じく淡い青の迷彩柄である。 ひっそりとドックにあがった彼らは、そこから基地内部へと続く通路の入口へと集まった。 隊長のガクゥーンは無線を飛ばす。 「こちら、レルグナ隊である。敵基地内部へ潜入した。これより基地内部の制圧行動を開始するものである」 [[BACK>Scene7 野心の輝き]] [[戻る>反逆編]] [[NEXT>Scene9 特務部隊]]

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