1の作品-2

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166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 01:22:34.33 ID:rGuph1l90 死神「そういえば、あなたの過去の証、見つからないわね」 幽霊「あはは、そうですねー。でも、この日本の、どこかにあると思います」 死神「私についていくと、永遠に見つからないかもよ?」 幽霊「うーん・・・・・・なんか最近は、それでもいいかなって、思ってきちゃいました」 死神「どうして?」 幽霊「ほらー、まずは空を見てくださいよ」 死神「・・・・・・雲ひとつない、透き通った青空ね」 幽霊「きれーですよねー。で、私の目の前には死神さんがいます」 死神「それが、どうしたの?」 幽霊「そこにいるだけで、すごく綺麗で。そこにいるだけで、すごく楽しくて。    心が躍って、満ち足りるんです。空も、死神さんも、私の目の前にいるから。    今、私・・・・・・幸せなんです。とてもとても、とても」 死神「・・・・・・ものに触ることが、出来なくても?」 幽霊「最初は、いやでした。でも、その代わりに、自然の素晴らしさなどをことさらに強く認識することが出来ました」 死神「そう」 幽霊「だから、感謝しています、死神さん」 死神「・・・・・・まったく、私は死をつかさどる存在だというのに。そんなのに感謝するのもどうかと」 幽霊「まあ、これからもどうぞひとつ、よろしく」 死神「ええ、よろしく。・・・・・・私の、友」 幽霊「あれれ、なんか言いましたか?」 死神「ふふっ、なんにも」 174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 01:31:00.66 ID:rGuph1l90 死神「今日は、何か面白い番組はあるの?」 幽霊「あ、ターミネーターの1があります。」 死神「最初のやつか・・・・・・。あれもなかなかに良かったわね」 幽霊「見に行きましょうか?」 死神「うい」 幽霊「うーん、やっぱり泥臭いですね。でもそこの辺りが好き」 死神「最初見た時は、追いかけてくる殺人機械、というフレーズだけでびくびくものだったけれどね」 幽霊「動き方がカクカクしていて、電子音がこれ見よがしに鳴るのがまた」 死神「雰囲気あっていいけどね・・・・・・って」 幽霊「べ、ベッドシーンッ!?」 死神「あ、そういや、皆が忘れがちだけれども確かにあったわね」 幽霊「何、平然としているんですか? 気まずいんですよ? 特に、中学生男子が親と見た際に出るベッドシーンといえば!」 死神「トイレにわざと行ったり、ね。仕切りなおし、大変。青春ねぇ・・・・・・」 幽霊「教育者の立場からすれば、たまったもんじゃないですよう・・・・・・!」 死神「いいじゃない。あれはまだマシな方だし。種付け場面くらい」 幽霊「うわ、死神さんの口からシモ系統の話が出ると、ことさらに引くんですけど・・・・・・」 死神「だだんだんだだんっ」 220 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 02:48:48.93 ID:rGuph1l90 幽霊「そういえば、死神さんに連絡をくれた人は、同業者さんですか?」 死神「ええ、そうね。私の先輩で、上司。変な人だけど、頼れる人」 幽霊「やっぱり、鎌は持って・・・・・・いますよね。死神ですもんね」 死神「ええ。・・・・・・その、たまに、忘れるけれど」 幽霊「死をつかさどる神のアイデンティティーなくして、どないすんですか」 『おーれぇはーバラターックー! 超人戦隊、バラタアアァァァックゥゥーッ!』 幽霊「わわっ。ま、また着信ですか!?(しっかし、どうしてあんなマイナーロボット?)」 死神「はい。・・・・・・あ、先輩? 分かりました、仕事ですね」 幽霊「・・・・・・うーん。ちょっと疎外感」 死神「場所はどこです、先輩? ・・・・・・え? 忘れた?    どれを忘れたんです? また鎌と情報を? 駄目じゃないですか。だからあれほど警戒していて、と。    あああああ泣かないでください。大丈夫です、嫌いになりませんから。落ち着いて、落ち着いて。    ・・・・・・え? 思い出した? あ、はい。あのビルですか。じゃあすぐ行きます。では」 幽霊「なーんか、本当に上司と話しているのか不安になる内容ですね」 死神「せ、先輩は子供っぽいから仕方ないのよ。じゃあ、今から仕事ね」 幽霊「死神さん、先輩さんには敬語なんですね」 死神「仕方ないじゃない。上司なんだし。なんか私の敬語が好きらしいし、あの人」 幽霊「・・・・・・えーい」 死神「いたたっ。な、なんで足を蹴るのよ?」 幽霊「べーつにー?」 293 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 06:23:13.00 ID:rGuph1l90 幽霊「うわぁ・・・・・・」 死神「興味本位で、テレビ番組の撮影場に来てみたけれど」 幽霊「まさか、楽屋裏ではこんな会話がされているとか・・・・・・」 「あ、駄目だよ。君はアイドルなんだから、煙草なんか吸っちゃ」 「あwwwwサーセンwwww もうアイドルなんて面倒でさー」 「おいおい、勘弁してくれよ? ようやく軌道に乗ったところだろう?」 「まーねー。この童顔のせいで、16と言ってるけどさ。実際はアタシ、25なんだよね」 「ちょwwwww禁句wwww」 「ま、こちとら媚びなきゃやってけないけどさ。あんな馬鹿みたいなクソ歌うたって」 「おい、ちょっと、そろそろ本番が・・・・・・」 「あ、はぁいっ。今いきますから、待っててくださいね? えへっ」 死神「や、やっぱりこういうのは怖いわ・・・・・・」 幽霊「アイドル、ですか。憧れるのは良いですが、その人も人間ですからねぇ」 死神「一昔前は、『アイドルはトイレ行きません』なんてことも言われていたくらいだし」 幽霊「へぇ・・・・・・」 幽霊「人間を二次元の存在に見るんじゃねぇです。どんな美人だって、クソも垂れればゲロも吐くんですよ。ケッ」 死神「あなたの毒舌、久しぶりに聞いたわ」 295 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 06:54:56.11 ID:rGuph1l90 幽霊「死神さん、死神さんっ。あそこで結婚式やってますよ。見に行きましょう」 死神「結婚式? なぁに、あなたそういうのに興味あるの?」 幽霊「いえ、結婚式そのものに興味があるのではなく、あのきらびやかな空間を見たいのです」 死神「なんか美術っぽいことになると、ずいぶんとやる気が出るのね」 幽霊「自分、真人間ならぬ、真幽霊ですから」 死神「意味が分からないわ。まあ、行ってみましょうか」 幽霊「すげー、新郎新婦、なんか格好良いです。白い白い、綺麗綺麗」 死神「どっちも若いわね。若い性が暴走して、とりかえしつかなくなっちゃったから結婚とか?」 幽霊「どうして死神さんはそんなひねくれているんですか」 死神「だって、ねぇ。仕事上、痴情のもつれでぶっ殺された人たち送っていれば、自然とそうなるわよ」 幽霊「ドライです・・・・・・とてもドライです」 死神「この前、逝かせた人だって、夫が家庭内暴力やって、別のところに愛人つくって、SMプレイばかりを」 幽霊「夢を壊すのやめてええぇぇぇぇぇっ!?」 死神「あ、一年くらい前は、互いに互いの理想像を押し付けて破綻したカップルの片方が逝ったわ。片方が片方の首を絞めて」 幽霊「ああああ駄目です、駄目ですううぅぅ! 社会が寂寞たる極寒の氷上に聞こえちゃいますってば!」 死神「結婚って、人の生き血を搾取せしめることじゃないの?」 幽霊「・・・・・・完全否定出来ないのが悲しいです」 死神「金は天下のまわりもの。金がなくては股も開かぬ。金さえあれば媚びてやるぜ」 幽霊「やめて本当にもうやめて」 299 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 07:29:40.52 ID:rGuph1l90 幽霊「死神さん、私と会った時よりも、軽くなっていませんか?」 死神「軽い女は、いやかしら?」 幽霊「いや、誤解招く発言やめてくださいよ。でも、なんか雰囲気が柔らかくなった、というか」 死神「ああ、私ね。結構、人見知りするのよ」 幽霊「意外ですね」 死神「そうよ、だいたい、初っ端から愛想を良くするという考え方自体どうかと。    確かに第一印象は大事だけれど、何も媚売ってまで良く見せようとするのはどうかと。私は考えるわ。深く、深く。    そもそもにして、いくら愛想良くしたって、あいつは顔立ちが悪いとかそういったことで敬遠されて。    ああ、嫌。もう嫌になるわ。副次的な要素だけで人間性決めないでよ。顔が綺麗だから心も綺麗? ガキの持論ね。        確かに、人に愛想良くして、媚びていれば好意は向くかもしれないけれどね。    人に尽くすのって、馬鹿らしいと思わない? 自分に尽くすのが基本じゃない?    人に尽くしても、その尽力の値が100だとして、100のままに返ってくるいわれはどこにもないもの。    頼みごとを聞いても、こんなはずじゃなかったのに、なんて言われるの、ザラでしょう?     だったら最初から頼むなっつーの。自分でどうにかしろ、アホが。    逆に、自分に尽くせば、100は100のままに返るわ。文句も何も言われることなく。    基本的に人間って恣意的なのよ。彼らもそれを本能的に分かっているからこそ・・・・・・」 幽霊「ひ、久しぶりに出ましたね、その語り。というより、なんですぐさまそういうことが口に出るんですか」 死神「私はシニシズム推奨派なのよ」 幽霊「シニシズム・・・・・・厨二病の別称ですね」 死神「殴るわよ」 300 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 07:50:59.89 ID:rGuph1l90 301 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 07:51:56.11 ID:rGuph1l90 302 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 07:53:57.01 ID:rGuph1l90 303 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 07:55:40.70 ID:rGuph1l90 幽霊「賽の河原に、デートしに行きましょうよー」 死神「ああ、そんなことも言ったわね。・・・・・・精神面で、鎧と盾を準備しておきなさいよ」 幽霊「武器や防具は装備しないと効果ないよっ。・・・・・・そんなにひどいんですか?」 死神「スプラッタじゃないけど。色々な、そう、色々な意味でひどいわ。景色は綺麗なのに」 幽霊「どんなところなんでしょう?」 死神「はい、到着。あなたは幽霊だけれど、ここにいる人たちは皆、管轄外だから手出ししないわよ」 幽霊「そうなんですか?」 死神「というより、幽霊というものの正体がつかめていないのだけれど・・・・・・と、ここね。どう?」 幽霊「わぁお・・・・・・」 死神「彼岸花。あの、広遠なる三途の川のそばに、寄り添うようにして咲いているわ」 幽霊「紅の色彩と透明な水の彩りが、ことに綺麗で・・・・・・映えますね、映えますね」 死神「ここ、本当にね。景色だけは、いいのよ。景色だけは」 幽霊「ほぇ? やっぱり、死者の魂とか来るから、鬱になっちゃうんですか? 死神「そうじゃないの。あのね・・・・・・」 死神「脱衣婆(だつえば)、知ってる?」 幽霊「あ、聞いたことはあります。なんでも、賽の河原にいて、運賃の六銭が足りないと衣服を剥ぎ取るとか」 死神「おおむねは正解なんだけれど・・・・・・。ここ、実は、脱衣少女や脱衣女、というのもいて」 幽霊「なんじゃそりゃっ!?」 死神「脱衣幼女もいるわ」 幽霊「め、冥界の・・・・・・賽の河原のイメージが・・・・・・瓦解していきます・・・・・・」 死神「ほら、ちょっとあそこ見てみなさい」 幽霊「は、はい。・・・・・・あ、黒衣をまとった小さい女の子がいますね。そのそばにいるのは、女性、ですか?」 死神「脱衣幼女。女性の方は、昨日あたり死んだ人ね」 「ひとつ、ふたつ・・・・・・。ありゃ、一銭足りないな」 「だったらおねえちゃん、ふくをぬぐのっ。それでいくらかは帳消しにしてあげるのー」 「はいはい。じゃあ、このジャケットを」 「だぁめ! 脱いだらたたまないとだめなの!」 「そうか。ふふ、すまないな。ほーら、いいこいいこ」 「こ、子供あつかいしないでーっ!」 幽霊「な、なごむじゃないですか。なんか仲の良い姉妹みたいでいいじゃないですか。ビバ、賽の河原」 死神「あれはまともな方よ。・・・・・・大変なのは、女ぐらいになってから」 幽霊「え? もしかして、あっちの方面にいる?」 死神「全裸の男の子と、黒衣をまとった女性、いるでしょう? 見てみなさいよ」 「ふふ・・・・・・顔、まっかにしちゃってぇ。もしかして、童貞なのぉ?」 「うあ、その、はい・・・・・・」 「あら、かわいそうね。体験しないままに逝ったなんて。お姉さんが、してあげようかぁ?」 「ええっ!?」 「私じゃ、不満・・・・・・?」 「いえ、いえいえいえ!」 幽霊「・・・・・・あのー、死神さん。あそこでふたり、爆竜合体! しているんですけど」 死神「脱衣女はね・・・・・・ショタコンなのよ。小さい子が逝けば、どこかで乱交パーティーがあるわ」 幽霊「うう、なんて場所ですか・・・・・・。皆、美人さんだから始末が悪い」 死神「でも、もっとやばいのはあそこ」 「ふふ、いい爺さんだねぇ・・・・・・。アタシとやらないかい?」 「ワシは駄目じゃよ。もう腰が抜けて立てぬわ」 「遠慮せんと。ほれ、ほれ」 「ふが、ふが、ふがががぁああぁぁぁ・・・・・・」 死神「見た目、棺桶に両足突っ込んでもおかしくないババァが」 幽霊「彼岸花の咲き誇る、静謐なる空間にて、相方の老人と爆竜合体・・・・・・」 死神「ね? だから言ったでしょう? 景色『だけ』はいいって」 幽霊「情趣も何もないですよう・・・・・・。地獄絵図はだしですよお・・・・・・」 幽霊「もう帰ります、帰りますーっ!」 死神「そうね。じゃあ・・・・・・」 「「「あ、死神さん」」」 幽霊「うっぎゃあああぁぁぁ! 皆、こっちに気付きましたよ!」 死神「やれやれね・・・・・・。ちょっと接近しすぎたかしら」 幽霊「なに落ち着いているんですか!」 「死神さんや、アタシと爺さんと三人でやらぬか?」 「駄ぁ目よお・・・・・・。死神さん。私と一緒に、可愛い男の子、もてあそびましょお?」 「わーい、死神ちゃんだ! あそんでー! また鬼ごっこやろー!」 幽霊「幼女だけなんかまともですよおぉぉぉっ!?」 死神「人は、歳をとると汚れていくのよ・・・・・・」 幽霊「何ちょっと哀愁たたえて格好良く言ってるんですか!」 死神「ま、ここはジョースター家伝統の戦法で」 幽霊&死神「逃げるんだよォォォー!」 幽霊「と、いうわけで・・・・・・。私と死神さん、初の賽の河原デートは、ガクブルな結果に終わったのでした」 死神「皆も、いかないか?」 306 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 08:29:57.87 ID:rGuph1l90 幽霊「ほらほら、死神さん。いいものでしょう?」 死神「山奥の、渓谷。・・・・・・日本にも、まだこんな美しい景色があったのね」 幽霊「小川のせせらぎに心を向けて。ゆっくりと、ゆっくりと」 死神「これ以上ないまでの贅沢ね」 幽霊「お弁当も要りません。自分以外の人は、ひとりだけです。でも、それがいいんです」 死神「ええ、そうね。とても、柔らかい・・・・・・」 幽霊「なにがです?」 死神「音が、時間が、全てが。鋭利なものがなくなって、全てが柔らかく、柔らかくなる」 幽霊「・・・・・・」 死神「あの、川の音も。小鳥の声も、全てがひとつになって、調和して」 幽霊「きれー、ですよねぇ・・・・・・」 死神「ふふっ、ありがとうね。素晴らしい景色、教えてくれて」 幽霊「いえいえ、お気になさらず。私、死神さんと一緒にこの景色を見ることが出来て、幸せですから」 死神「(もう、言葉はいらないわね。今はただ・・・・・・この美を、心ゆくまで謳歌しましょう)」 幽霊「(全てが柔らかく、か。・・・・・・死神さん? あなたの表情も、柔らかくなっているんですよ? 気付いていませんか?)」 309 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 08:54:12.00 ID:rGuph1l90 310 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 08:54:57.71 ID:rGuph1l90 幽霊「音楽って文化ですよねー。芸術は本当に尊いです」 死神「出たわね。もう美術オタクじゃなくて、あなた、芸術オタクなんじゃない?」 幽霊「違いますよ。ただ好きなだけなんですから。そんなに知識もありませんし」 死神「ふぅん。趣味の領域、か」 幽霊「死神さんは、音楽とか聞きますか?」 死神「そういや、あまり聞いてないわね。『魔王』とか『剣の舞』とかは好きだったけど」 幽霊「・・・・・・なんか、選曲がいわくつきなのは気のせいなのでしょうか?」 死神「あなたはどうなのよ?」 幽霊「私は特に。アニソンでもクラシックでも。ラップはちょっと苦手ですが」 死神「へぇ。そこに丁度、カラオケ店あるから、人の歌でも聞いてみる?」 死神「私も、一緒になって歌ってみようかしら?」 幽霊「えー、自分の好みの曲を、誰かが入れてくれるとは限らないですよー? ・・・・・・あ、なんか重厚なイントロが」 死神「こ、これはッ・・・・・・!」 『さーめーきぃった街にわぁかーれを告げッ!』 幽霊「あ、X JAPANの『X』ですね・・・・・・って、死神さぁぁぁん!」 死神「みぃぃぃだれた、あぁいぃになぁぁぁがされぇ! おーまーえはすーべーてを失ったぁぁ!」 幽霊「実はこういうの好きだったんですか!?」 死神「おーまえのこころ、こーわーしてやろおおおぉぉぉっ! イエァッ!」 幽霊「しかもテンション最高ッ!?」 『Xッ!』 死神「さーけーんでみろおおお! Xッ!!」 幽霊「しかも、ちゃんと腕をクロスさせてジャンプしてるッ!?」 死神「こーころ、もやぁせえええぇぇぇぇぇぇっ!」 幽霊「それにしても、この死神、ノリノリであるうううぅぅぅっ!? わ、私は参加しませんからね!」 ~五分後~ 死神&幽霊「エエエェェェックスッ!」 幽霊「あ、いいですね、それ」 死神「多分、何かの打ち上げでしょうね。皆、テンション高いわ」 幽霊「わ、もう酔っ払っている人とかいますよ。若い社員は、無茶がきいていいですね」 311 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 09:13:05.65 ID:rGuph1l90 幽霊「墓地ですね」 死神「墓地ね」 幽霊「普通の人なら、怖いと思うんでしょうけれど。 死神「こんな身になれば、どこか叙情的な美が感じとれるわね」 幽霊「石の、墓。そこに卒塔婆(そとば)が添えられているさまは、どこか物悲しさすら感じますね」 死神「もともと、私たちの感性は人間のそれだから」 幽霊「獣たちにとっては、そこらの石と一緒なんでしょう」 死神「線香の煙。どこか牧歌的ですらある、釣鐘の音。・・・・・・墓地も悪くはないわね」 幽霊「死神さんは」 死神「ん?」 幽霊「死神さんは、幸せなんですか? 魂を見て、死を見て、生きていくことそのものが」 死神「さあ。そういう、難しいことはよく分からないわ。でも」 幽霊「はい」 死神「生きることに意味を見出して、幸せの証左はつかめるの?」 幽霊「・・・・・・」 死神「幸せって、求めるものなの? ・・・・・・ごめんなさい、自分でも何を言っているのか」 幽霊「いいんです。なんとなく、言いたいことは伝わります」 死神「でもまあ。今は幸せね」 幽霊「そうなんですか?」 死神「あなたと、こうして何気ない会話をする時間が、とても楽しいわ」 幽霊「(・・・・・・み、見誤っていました! 死神さん、ツンデレじゃなくて、素直さん?)」 314 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 09:41:45.91 ID:rGuph1l90 死神「今日は何か面白い番組とか、ある?」 幽霊「ええと、ですね。・・・・・・あ、ドラえもん、特別編で、『おばあちゃんのおもいで』をやりますよ?」 死神「ドラえもん? そんなの、子供しか見ないじゃない」 幽霊「な、何を言ってるんですかっ。『おばあちゃんのおもいで』は、名作ですよ!」 死神「ふぅん・・・・・・。そんなに推奨するんなら、見てみようかしら」 幽霊「ええ、後悔しないでくださいよっ。本当にアレ、家族ネタに弱い人なら落涙ものですから」 死神「はいはい、期待しないで見てみるわ」 『いつまでも、いつまでも、あの子のそばにいて世話をしてあげたいけれど・・・・・・』 『そうもいかないだろうね。私ももう、年だから』 『そ、そんなさびしいこと、いわないでよ』 幽霊「うぅ・・・・・・このシーンは、本当に落涙ものですね・・・・・・って、死神さん!?」 死神「やだ、やだぁ・・・・・・。おばあちゃん、逝かないで・・・・・・!」 幽霊「ちょwwwwwww感情移入ってレベルじゃねーぞ!」 死神「どうして、どうしてなの!? どうして人は死ぬのよ! 教えて、教えてええぇぇ!」 幽霊「普通ならツッコミどころ満載なんでしょうけど、シーンがシーンだけに・・・・・・」 幽霊「ふう、終わりましたか」 死神「ドラえもん、さいこおおおおぉぉぉぉぉっ!」 幽霊「ああ、ここにも信者がまたひとり生誕」 316 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 10:05:01.15 ID:rGuph1l90 318 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 10:06:17.48 ID:rGuph1l90 320 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 10:07:23.93 ID:rGuph1l90 幽霊「そういえば、死神さん」 死神「なぁに?」 幽霊「そのローブの下には、どんな服を着ているのかな? かな?」 死神「べ、別に普通の服よ・・・・・・。なんでそんなくだらないこと」 幽霊「嘘だッ!」 死神「ッ!?」 幽霊「その動揺ぶり、その態度・・・・・・そのローブの下は、なにやら『スゴ味』があるものと、私は予測したッ!」 死神「ほ、本当になんでもないから、ね? だからちょっと」 幽霊「いいから脱げええぇぇぇー!」 死神「ちょ、キャラ変わって、う、うっぎゃあああぁぁ、ごが、ごががぁっ!」 幽霊「こ、これは・・・・・・」 死神「うぅ、恥ずべきザマよ・・・・・・。いっそ殺して」 幽霊「何故にゴスロリィィィ!? しかも、似合う! 似合いすぎ! お人形みたい! うわ、マジで抱きしめたいです!」 死神「ちょ、そう言いながら抱きつかないで! その無駄に大きい胸が苦しいのよ!」 幽霊「うぅ、もっと抱かせてくださいよう」 死神「誤解発言はやめて。それに、私はいつもこんな服じゃないの。普段は、普通のシャツとジーンズよ」 幽霊「じゃあなんでそういう姿しているのかな? かな?」 死神「こ、これは先輩が『似合う』ってすすめてくれて・・・・・・。断ったら、泣いちゃったから、仕方なく・・・・・・」 幽霊「ウッキョオオオオオ! 私の死神さんにンなことをするとは、どこの悪鬼だァァァァ!」 「・・・・・・ここ」 幽霊「ッ!?」 死神「そ、その声は・・・・・・先輩っ!?」 先輩「・・・・・・はい。どーも」 幽霊「な、な、なんですかああ! この銀髪、深紅の目、厨二傾向まっしぐら容色ロリっ子はああぁぁぁ!」 先輩「・・・・・・ね、この女、斬って、いい?」 死神「だ、駄目ですよ! この人、私の友人なんですから、先輩!」 先輩「・・・・・・そう。あなたは、浮気するの? ひどい・・・・・・」 死神「な、なじょしてそうなるんだべ!?」 先輩「だって・・・・・・ね?」 幽霊「無駄に小首かしげてかわいこぶらないでください。つーか、ぶっちゃけ可愛いです」 先輩「・・・・・・あ。駄目。褒められると、恥ずかしい・・・から・・・」 幽霊「ちっくしょおおお・・・いちいちやることが萌えポイント突きまくりですねぇ・・・・・・」 先輩「・・・・・・あなたが、彼女と一緒にいることは、前々から知っていた・・・・・・」 幽霊「え、そーなんですか?」 先輩「うい・・・・・・。特に支障もないようなので、ほうっておく・・・」 幽霊「あ、どうもありがとうございます」 先輩「でも・・・・・・」 幽霊「?」 先輩「貴様が彼女に何かしたら・・・・・・呪 う ぞ コ ラ」 幽霊「は、はいいいいい!(こえぇよ! マジで殺意感じましたよ!)」 死神「先輩、よくわからない人だから」 幽霊「いや、あれはむしろ分かりやすいかと。・・・・・・死神さんのジゴロめが」 322 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 10:36:06.60 ID:rGuph1l90 幽霊「そういえば、気になったのですが」 死神「なぁに?」 幽霊「その鎌、なんか思いっきりぶんぶん振っているの、見たことなくて」 死神「まぁ、なんというか、武器には向かないからね。それに、私は暴力が嫌いなの」 幽霊「え・・・・・・」 死神「なによその、復讐に燃えた殺人鬼が、秘められた事実を金田一少年に言われて、    自分の復讐が全く意味を成していないことに気付き、絶望した瞬間のような顔は」 幽霊「いや、死神さんって、ブチ切れるとヒステリーとか起こしそうなタイプですから、つい」 死神「否定はしないし、自分で自分のこと短気だって認めているけれど。そう言われると、さすがに眉をひそめざるを得ないわ」 幽霊「私も、乱暴なことは嫌いですけれど」 死神「あなたはイメージ通り過ぎて、逆に怖い」 幽霊「なんなんですか、それは」 死神「あはは、ごめんなさいね」 幽霊「でも、平成ライダーは口より先に手が出ますよねー」 死神「仮面ライダーを馬鹿にするなあああぁぁぁ!」 幽霊「少年漫画の主人公も、すぐ暴力ふるいますよね。しかもいきがっちゃって、格好つけちゃって。まさに厨二病」 死神「それ禁句、禁句禁句! あれはバトルないと成り立たないから!」 328 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 11:01:54.91 ID:rGuph1l90 幽霊「そういえば、死神さんと先輩さんは、どこで出会ったのですか?」 死神「そういえば、覚えてないわね。気付けば、一緒にいたから」 幽霊「へぇ。普段は、彼女とどんなことを?」 死神「特別なことは、何も。ただ話したり、肩を揉んだり、一緒に昼寝したり」 幽霊「・・・・・・それ、なんかいいですね」 死神「そう? ためしに一緒に昼寝でもしてみる?」 幽霊「し、しましょうっ。ええ今すぐ」 幽霊「こ、こんなこともやっていたんですか?」 死神「学校の屋上で昼寝。背中合わせだけれど。・・・・・・変かしら?」 幽霊「いえ、こちらとしては願ったりかなったりなのですが、なんつーか、ねぇ」 死神「互いの体温が交わって・・・・・・それで幸せになれる、とは彼女の弁なんだけれど」 幽霊「死神さんって・・・・・・」 死神「?」 幽霊「鈍感で、魯鈍で、朴念仁で、ジゴロで、タラシで、八方美人なんですね」 死神「何その徹底的人格否定」 幽霊「べーつにー?」 335 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 11:27:12.48 ID:rGuph1l90 死神「今日は暇ね」 幽霊「あ、死神さん死神さん。ちょっと聞きたいことがあるのですが」 死神「なぁに?」 幽霊「前、賽の河原でライブ地獄ショーを見せられたじゃないですか」 死神「まだ根にもっているの・・・・・・? それで?」 幽霊「いえ、気になったのですが。脱衣婆がいるのならば、脱衣爺もいるはずでは」 死神「あー、そっちは聞いたことないわね。いる、と考えている人もいるようだけれど」 幽霊「ちぇー、ちょっと見たかったです」 死神「なぁに? そんなに、美形の男を見てみたいの?」 幽霊「そんなわけないじゃないですか。顔に騙されてひょいほい股を開く女性を見てみたいんですよ。    面識もないクセに、相手の顔立ちが美しいからといってアンアンあえぐ、無様な痴態を。    男の人の方はもう見ましたから、次は女の人を、と思いまして」 死神「何故そこで私に視線をよこすのか」 幽霊「いえ・・・・・・なんか、死神さんって、なんちゃって経験者で実は処女っぽいですよね」 死神「あ、それはないわ。だって前に、先輩に破られたから」 幽霊「う、嘘だッ!」 死神「ええ、ウソよ。なんでそんなに動揺しているのか知らないけれど」 幽霊「・・・・・・温厚な私でも、たまに、天然で鈍感な人を叩きたくなります」 339 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 11:41:49.11 ID:rGuph1l90 341 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 11:43:01.18 ID:rGuph1l90 352 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 12:27:50.71 ID:rGuph1l90 幽霊「そういえば、気になったのですが」 死神「また? いったい今度はなに?」 幽霊「死神さんって、肌、すごく白いですよね」 死神「そう? まあ、よく言われるけれど」 幽霊「それでですね、その汚れなき純白の絹布のごとき柔肌を見ると、あるひとつの知的好奇心が湧きまして」 死神「なんか嫌な予感がひしひしと伝わってくるんだけれど」 幽霊「死神さんはー、ぶっちゃけ、無駄毛処理とかどうしているんですかー?」 死神「ハチャチャチャチャアァァッ!? 何を聞いてるのよぉ!?」 幽霊「いや、春の淡雪のごとく、すぐさま溶けて消え去りそうな儚い柔肌を見るなり、思ったんですよ。    この雪原の上に、一片の燃えカスを残してはならない。そう、寸毫微塵たりとも、と」 死神「この体は成長しないから、そんなもの必要ないわよ・・・・・・」 幽霊「そうなんですか? そうなんですか? じゃあ脱いでくださいハァハァハァ確認させてハァハァハァ」 死神「ここまで下心丸出しなのも珍しいわ・・・・・・って、やめて! 服ひっぱらないで!」 幽霊「先っちょだけ、先っちょだけですから! 痛くないですから!」 死神「それ以前に、あなた生えていないでしょうが!」 幽霊「いいじゃないですか、減るもんじゃなし!」 先輩「・・・・・・減るに き ま っ て ん だ ろ」 幽霊「ヒョハアアァァァァッ!? このタイミングで登場ーッ!?」 死神「あ、先輩!?」 先輩「うんっ・・・・・・。えへへ、待っててね・・・・・・いま、助けるから。    おい、そこの幽霊・・・・・・。    小便はすませたか? 神様にお祈りは? 部屋のスミでガタガタ震えて命乞いをする心の準備はOK?」 幽霊「死神さんと私とで、語調と音声が違いますよおおお!? なんか後者は若本っぽいし! 二重声帯、乙ッ!」 先輩「・・・・・・喰らえ、奥義! 『十把絢爛、屍人染め』!」 幽霊「せ、先輩さんも厨二ですか、って、うっぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・!」 先輩「・・・・・・断罪の凶刃、その寵愛を、他でもない貴様の身で受けろ・・・・・・」 死神「ごめんなさい、先輩。その厨二ぶりには私もついていけないです。あと声似合わなすぎ」 先輩「・・・・・・ぐすっ、ひどぉい・・・・・・(若本ボイスで)」 ちょっとした後日談 幽霊「や、やれやれです。ひどい目にあいました・・・・・・」 死神「あ、生きていたのね。変態陵辱魔」 幽霊「幽霊だからもう死んでいますよ・・・・・・。それと、いわれのない誹謗中傷は、勧誘禁止だぜ!」 死神「(素で殴りたくなってきた・・・・・・)」 死神「とにかく、先輩を怒らせないこと。あのひと、怒ると見境つかなくなるから」 幽霊「それは分かるんですけれど・・・・・・死神さんや先輩さんを見ると、思わずからかってみたくなりまして」 死神「いっぺんドタマ踏み付けたろか、この女」 幽霊「死神さんになら・・・・・・いいですよ?」 死神「この世で最もときめかないシチュエーションを、今、目の当たりにしたわ」 幽霊「いやー、なんて言うんでしょうか。だってふたりとも、お人形みたいに美しいですから、ついつい」 死神「人形なら、見てて楽しむとか、そういう行動に走らない?」 幽霊「何を言ってるんですかっ。私としては、まず、服を脱がしてボディラインと下着の色をば・・・・・・!」 死神「駄目だこいつ・・・・・・はやくなんとかしないと」 幽霊「でも、あのアパートの人はフィギュアに己の白濁えk」 死神「そこの辺りのプライベートを覗くのはやめなさい」 348 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 12:07:18.55 ID:rGuph1l90 死神「俺、参上!」 幽霊「ああ、今日は電王の日だったんですね」 死神「今回の仮面ライダーは、前よりテーマが難しくないし、伝えるところは伝えるから、なかなかね」 幽霊「初回は、結構、子供向けにしていましたよね」 死神「勧善懲悪も、いいものがあるけれど。右往左往しながらの話も、また」 幽霊「悪人を成敗する時だって、結局は暴力ですからねー。どんな理由があっても、人を殺せば人殺しですよねー」 死神「確かに、ね。だから、主人公たちが悪役をやっつけた際、諸手を挙げて喜ぶのが、どうにも分かりかねて」 幽霊「人殺ししたのちに、狂喜乱舞。まさにファッキンクレイジーですね」 死神「でも、江戸川バーローは、人死にというものに慣れすぎた感が否めないわね」 幽霊「ペロッ……! これは、死体!」 死神「あの冷静ぶりは異常よ。やっぱり真犯人はコナ」 幽霊「ああああああ! そのネタはさすがに駄目です! 天丼は厳禁です!」 362 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 12:51:29.19 ID:rGuph1l90 363 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 12:52:10.18 ID:rGuph1l90 死神「ちょっと、賽の河原にいってくるわ」 幽霊「何か用でもあるんですか? あのライブ地獄絵図ワールドに入ろうだなんて・・・・・・」 死神「あそこの脱衣幼女と、カードゲームで遊ぶ約束しちゃったのよ」 幽霊「へー・・・・・・って、カードとかあるんですか!?」 死神「あるわよ? 簡素なつくりだけれど、賽の河原専売カード、『獄門屠殺闘技』というシリーズのそれが」 幽霊「もう何も突っ込めません・・・・・・。でも、興味あるので見てみたいですね」 死神「ついていく?」 幽霊「はい。・・・・・・ババァに会ったら、速攻で逃げますが」 幼女「あー、死神ちゃん。約束したとおり」 死神「ええ、もってきたわ。・・・・・・私の『バスチーユデッキ』に敵う組み合わせなどないわよ」 幼女「むー、いいもん。今日も勝つもん!」 幽霊「ああ、癒されますねぇ・・・・・・」 死神「私のターン! 『ヒッキージャム』、直接こうげ・・・」 幼女「トラップカード、はつどうだよ! 『幸せなテメェのお人形』!」 死神「な、なんだとォォーッ!? かようなレアカードを、いつ・・・・・・!」 幼女「ライフを半分減らす代わりに・・・・・・『不人気レッド』『乳酸シルバー』『断裁ブルー』を特殊しょうかんっ!」 死神「あ、ぅあ・・・・・・た、ターン、エンド」 幼女「私のターン! その三体をいけにえにして・・・・・・」 死神「さ、サレンダーッ!」 幼女「え? わーい、また勝ったー! 死神ちゃんに連勝だー!」 死神「ま、また負けた・・・・・・」 幽霊「あれれー? そのカードの名前、どこぞで色々と聞いたような気が・・・・・・」 死神「気のせいよ」 幼女「気のせいだよー」 367 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 13:11:10.50 ID:rGuph1l90 死神「今日は何か面白い番組でもある? 金曜ロードショーは?」 幽霊「ええと、ディープブルー、ですね。サメが人間どもを食っちゃいますよ、という内容の」 死神「特に見るものもないし、それでいいかもね」 幽霊「いっつ、スプラッター。まあ、エンターテインメントの一環として見るならば」 死神「・・・・・・どうしましょう、全く怖くないわ」 幽霊「まあ、間近で交通事故クラッシュとか、柳刃包丁にて滅多刺しとか、そういう事件を見てばかりですからねー」 死神「腕一本食いちぎられるシーンも、びっくりしただけで何も・・・・・・」 幽霊「自分がやられると想像すると、ひやひやしますけれどね。私たち、こんな体ですし」 死神「想像はつかないわね。今日の選択は、失敗だったかも」 369 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 13:27:52.23 ID:rGuph1l90 幽霊「死神さーん?」 死神「・・・・・・ん。なぁに?」 幽霊「あれ、元気がありませんね」 死神「まあ、たまには、ね」 幽霊「・・・・・・自己の存在を確立せしめることが不可なれば、それは他の何にも増して苦痛である」 死神「?」 幽霊「いや、なんか思い出したんですけどね。自分が自分でいられる限り、自分は幸せだな、そう思うんです」 死神「自分が、自分で・・・・・・?」 幽霊「不幸とか、幸福とかじゃないんですよね。自分が現状に満足出来るかどうか、なんです」 死神「そう、かもね。避難民の子たちだって、満足していれば」 幽霊「輝かしい笑顔を見せる人だっていますよ。どんなにお金があっても、本人が満たされなければ、それは不幸だと思います」 死神「そうかも・・・・・・ね」 死神「・・・・・・そうね。さあ、今日も人を、殺しますか」 幽霊「殺すんじゃ、ないんですよ?」 死神「?」 376 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 13:45:59.96 ID:rGuph1l90 幽霊「とみに、思うのですが」 死神「なぁに?」 幽霊「恋愛ゲームの、特に純愛学園ものの主人公って、どうしてもてるのか分からないのですが」 死神「それ、禁句なんだけれど・・・・・・」 幽霊「だって、大した努力もせず、親のすねをかじり、あまつさえ親の金で通っている学校には怠惰的な態度でのぞみ。    射精する際には避妊具をつけないこと多々で、養育費とか結婚費用とかも考えず。    おまけに、えらそうな言動ばかりで、聞いているこちらが腹が立つといった所存」 死神「ちょwwwそれ言ったら、大抵の純愛学園ものは終わるからwwww」 幽霊「子供ひとり育てるのって、大変なんですけれどねぇ・・・・・・ヘッ・・・・・・」 幽霊「ま、生きるのには金です。金がなければ、食べていけないのです」 死神「正論だけれど」 幽霊「金さえあれば、なんでも出来ます。自給自足なら、話は別ですけれど」 死神「嫌な社会になったものね。まあ、士農工商の身分制度とかないだけましだけれど」 幽霊「あ、でも、女の子たちに寄生すれば、恋愛ゲームの主人公は仕事しなくても平気かと」 死神「世間一般では、それを『ヒモ』と呼ぶのよ」 幽霊「死神さんは、人を、『逝かしている』んですから・・・・・・」 幽霊「でも、あんな大きいサメばかり出されると、現物のサメを見た際に落胆しそうですよね」 死神「意外と小さいからね。まあ、ボスは大きく見せないと威圧感がないんでしょう」 幽霊「体の大きさって重要ですからね。相手がでかいと萎縮するのは、生物の基本基本」 死神「まあ、そうね。人間がゾウとか見ると、少なからずたじろいでしまうように」 幽霊「女性の胸部も男性の生殖器も、大きい方が何かと良いというイメージが」 死神「否定はしないけれど。あなた、シモに走るのいいかげんにしてくれない?
-166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 01:22:34.33 ID:rGuph1l90 死神「そういえば、あなたの過去の証、見つからないわね」 幽霊「あはは、そうですねー。でも、この日本の、どこかにあると思います」 死神「私についていくと、永遠に見つからないかもよ?」 幽霊「うーん・・・・・・なんか最近は、それでもいいかなって、思ってきちゃいました」 死神「どうして?」 幽霊「ほらー、まずは空を見てくださいよ」 死神「・・・・・・雲ひとつない、透き通った青空ね」 幽霊「きれーですよねー。で、私の目の前には死神さんがいます」 死神「それが、どうしたの?」 幽霊「そこにいるだけで、すごく綺麗で。そこにいるだけで、すごく楽しくて。    心が躍って、満ち足りるんです。空も、死神さんも、私の目の前にいるから。    今、私・・・・・・幸せなんです。とてもとても、とても」 死神「・・・・・・ものに触ることが、出来なくても?」 幽霊「最初は、いやでした。でも、その代わりに、自然の素晴らしさなどをことさらに強く認識することが出来ました」 死神「そう」 幽霊「だから、感謝しています、死神さん」 死神「・・・・・・まったく、私は死をつかさどる存在だというのに。そんなのに感謝するのもどうかと」 幽霊「まあ、これからもどうぞひとつ、よろしく」 死神「ええ、よろしく。・・・・・・私の、友」 幽霊「あれれ、なんか言いましたか?」 死神「ふふっ、なんにも」 -174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 01:31:00.66 ID:rGuph1l90 死神「今日は、何か面白い番組はあるの?」 幽霊「あ、ターミネーターの1があります。」 死神「最初のやつか・・・・・・。あれもなかなかに良かったわね」 幽霊「見に行きましょうか?」 死神「うい」 幽霊「うーん、やっぱり泥臭いですね。でもそこの辺りが好き」 死神「最初見た時は、追いかけてくる殺人機械、というフレーズだけでびくびくものだったけれどね」 幽霊「動き方がカクカクしていて、電子音がこれ見よがしに鳴るのがまた」 死神「雰囲気あっていいけどね・・・・・・って」 幽霊「べ、ベッドシーンッ!?」 死神「あ、そういや、皆が忘れがちだけれども確かにあったわね」 幽霊「何、平然としているんですか? 気まずいんですよ? 特に、中学生男子が親と見た際に出るベッドシーンといえば!」 死神「トイレにわざと行ったり、ね。仕切りなおし、大変。青春ねぇ・・・・・・」 幽霊「教育者の立場からすれば、たまったもんじゃないですよう・・・・・・!」 死神「いいじゃない。あれはまだマシな方だし。種付け場面くらい」 幽霊「うわ、死神さんの口からシモ系統の話が出ると、ことさらに引くんですけど・・・・・・」 死神「だだんだんだだんっ」 -220 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 02:48:48.93 ID:rGuph1l90 幽霊「そういえば、死神さんに連絡をくれた人は、同業者さんですか?」 死神「ええ、そうね。私の先輩で、上司。変な人だけど、頼れる人」 幽霊「やっぱり、鎌は持って・・・・・・いますよね。死神ですもんね」 死神「ええ。・・・・・・その、たまに、忘れるけれど」 幽霊「死をつかさどる神のアイデンティティーなくして、どないすんですか」 『おーれぇはーバラターックー! 超人戦隊、バラタアアァァァックゥゥーッ!』 幽霊「わわっ。ま、また着信ですか!?(しっかし、どうしてあんなマイナーロボット?)」 死神「はい。・・・・・・あ、先輩? 分かりました、仕事ですね」 幽霊「・・・・・・うーん。ちょっと疎外感」 死神「場所はどこです、先輩? ・・・・・・え? 忘れた?    どれを忘れたんです? また鎌と情報を? 駄目じゃないですか。だからあれほど警戒していて、と。    あああああ泣かないでください。大丈夫です、嫌いになりませんから。落ち着いて、落ち着いて。    ・・・・・・え? 思い出した? あ、はい。あのビルですか。じゃあすぐ行きます。では」 幽霊「なーんか、本当に上司と話しているのか不安になる内容ですね」 死神「せ、先輩は子供っぽいから仕方ないのよ。じゃあ、今から仕事ね」 幽霊「死神さん、先輩さんには敬語なんですね」 死神「仕方ないじゃない。上司なんだし。なんか私の敬語が好きらしいし、あの人」 幽霊「・・・・・・えーい」 死神「いたたっ。な、なんで足を蹴るのよ?」 幽霊「べーつにー?」 -293 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 06:23:13.00 ID:rGuph1l90 幽霊「うわぁ・・・・・・」 死神「興味本位で、テレビ番組の撮影場に来てみたけれど」 幽霊「まさか、楽屋裏ではこんな会話がされているとか・・・・・・」 「あ、駄目だよ。君はアイドルなんだから、煙草なんか吸っちゃ」 「あwwwwサーセンwwww もうアイドルなんて面倒でさー」 「おいおい、勘弁してくれよ? ようやく軌道に乗ったところだろう?」 「まーねー。この童顔のせいで、16と言ってるけどさ。実際はアタシ、25なんだよね」 「ちょwwwww禁句wwww」 「ま、こちとら媚びなきゃやってけないけどさ。あんな馬鹿みたいなクソ歌うたって」 「おい、ちょっと、そろそろ本番が・・・・・・」 「あ、はぁいっ。今いきますから、待っててくださいね? えへっ」 死神「や、やっぱりこういうのは怖いわ・・・・・・」 幽霊「アイドル、ですか。憧れるのは良いですが、その人も人間ですからねぇ」 死神「一昔前は、『アイドルはトイレ行きません』なんてことも言われていたくらいだし」 幽霊「へぇ・・・・・・」 幽霊「人間を二次元の存在に見るんじゃねぇです。どんな美人だって、クソも垂れればゲロも吐くんですよ。ケッ」 死神「あなたの毒舌、久しぶりに聞いたわ」 -295 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 06:54:56.11 ID:rGuph1l90 幽霊「死神さん、死神さんっ。あそこで結婚式やってますよ。見に行きましょう」 死神「結婚式? なぁに、あなたそういうのに興味あるの?」 幽霊「いえ、結婚式そのものに興味があるのではなく、あのきらびやかな空間を見たいのです」 死神「なんか美術っぽいことになると、ずいぶんとやる気が出るのね」 幽霊「自分、真人間ならぬ、真幽霊ですから」 死神「意味が分からないわ。まあ、行ってみましょうか」 幽霊「すげー、新郎新婦、なんか格好良いです。白い白い、綺麗綺麗」 死神「どっちも若いわね。若い性が暴走して、とりかえしつかなくなっちゃったから結婚とか?」 幽霊「どうして死神さんはそんなひねくれているんですか」 死神「だって、ねぇ。仕事上、痴情のもつれでぶっ殺された人たち送っていれば、自然とそうなるわよ」 幽霊「ドライです・・・・・・とてもドライです」 死神「この前、逝かせた人だって、夫が家庭内暴力やって、別のところに愛人つくって、SMプレイばかりを」 幽霊「夢を壊すのやめてええぇぇぇぇぇっ!?」 死神「あ、一年くらい前は、互いに互いの理想像を押し付けて破綻したカップルの片方が逝ったわ。片方が片方の首を絞めて」 幽霊「ああああ駄目です、駄目ですううぅぅ! 社会が寂寞たる極寒の氷上に聞こえちゃいますってば!」 死神「結婚って、人の生き血を搾取せしめることじゃないの?」 幽霊「・・・・・・完全否定出来ないのが悲しいです」 死神「金は天下のまわりもの。金がなくては股も開かぬ。金さえあれば媚びてやるぜ」 幽霊「やめて本当にもうやめて」 -299 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 07:29:40.52 ID:rGuph1l90 幽霊「死神さん、私と会った時よりも、軽くなっていませんか?」 死神「軽い女は、いやかしら?」 幽霊「いや、誤解招く発言やめてくださいよ。でも、なんか雰囲気が柔らかくなった、というか」 死神「ああ、私ね。結構、人見知りするのよ」 幽霊「意外ですね」 死神「そうよ、だいたい、初っ端から愛想を良くするという考え方自体どうかと。    確かに第一印象は大事だけれど、何も媚売ってまで良く見せようとするのはどうかと。私は考えるわ。深く、深く。    そもそもにして、いくら愛想良くしたって、あいつは顔立ちが悪いとかそういったことで敬遠されて。    ああ、嫌。もう嫌になるわ。副次的な要素だけで人間性決めないでよ。顔が綺麗だから心も綺麗? ガキの持論ね。        確かに、人に愛想良くして、媚びていれば好意は向くかもしれないけれどね。    人に尽くすのって、馬鹿らしいと思わない? 自分に尽くすのが基本じゃない?    人に尽くしても、その尽力の値が100だとして、100のままに返ってくるいわれはどこにもないもの。    頼みごとを聞いても、こんなはずじゃなかったのに、なんて言われるの、ザラでしょう?     だったら最初から頼むなっつーの。自分でどうにかしろ、アホが。    逆に、自分に尽くせば、100は100のままに返るわ。文句も何も言われることなく。    基本的に人間って恣意的なのよ。彼らもそれを本能的に分かっているからこそ・・・・・・」 幽霊「ひ、久しぶりに出ましたね、その語り。というより、なんですぐさまそういうことが口に出るんですか」 死神「私はシニシズム推奨派なのよ」 幽霊「シニシズム・・・・・・厨二病の別称ですね」 死神「殴るわよ」 -300 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 07:50:59.89 ID:rGuph1l90 301 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 07:51:56.11 ID:rGuph1l90 302 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 07:53:57.01 ID:rGuph1l90 303 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 07:55:40.70 ID:rGuph1l90 幽霊「賽の河原に、デートしに行きましょうよー」 死神「ああ、そんなことも言ったわね。・・・・・・精神面で、鎧と盾を準備しておきなさいよ」 幽霊「武器や防具は装備しないと効果ないよっ。・・・・・・そんなにひどいんですか?」 死神「スプラッタじゃないけど。色々な、そう、色々な意味でひどいわ。景色は綺麗なのに」 幽霊「どんなところなんでしょう?」 死神「はい、到着。あなたは幽霊だけれど、ここにいる人たちは皆、管轄外だから手出ししないわよ」 幽霊「そうなんですか?」 死神「というより、幽霊というものの正体がつかめていないのだけれど・・・・・・と、ここね。どう?」 幽霊「わぁお・・・・・・」 死神「彼岸花。あの、広遠なる三途の川のそばに、寄り添うようにして咲いているわ」 幽霊「紅の色彩と透明な水の彩りが、ことに綺麗で・・・・・・映えますね、映えますね」 死神「ここ、本当にね。景色だけは、いいのよ。景色だけは」 幽霊「ほぇ? やっぱり、死者の魂とか来るから、鬱になっちゃうんですか? 死神「そうじゃないの。あのね・・・・・・」 死神「脱衣婆(だつえば)、知ってる?」 幽霊「あ、聞いたことはあります。なんでも、賽の河原にいて、運賃の六銭が足りないと衣服を剥ぎ取るとか」 死神「おおむねは正解なんだけれど・・・・・・。ここ、実は、脱衣少女や脱衣女、というのもいて」 幽霊「なんじゃそりゃっ!?」 死神「脱衣幼女もいるわ」 幽霊「め、冥界の・・・・・・賽の河原のイメージが・・・・・・瓦解していきます・・・・・・」 死神「ほら、ちょっとあそこ見てみなさい」 幽霊「は、はい。・・・・・・あ、黒衣をまとった小さい女の子がいますね。そのそばにいるのは、女性、ですか?」 死神「脱衣幼女。女性の方は、昨日あたり死んだ人ね」 「ひとつ、ふたつ・・・・・・。ありゃ、一銭足りないな」 「だったらおねえちゃん、ふくをぬぐのっ。それでいくらかは帳消しにしてあげるのー」 「はいはい。じゃあ、このジャケットを」 「だぁめ! 脱いだらたたまないとだめなの!」 「そうか。ふふ、すまないな。ほーら、いいこいいこ」 「こ、子供あつかいしないでーっ!」 幽霊「な、なごむじゃないですか。なんか仲の良い姉妹みたいでいいじゃないですか。ビバ、賽の河原」 死神「あれはまともな方よ。・・・・・・大変なのは、女ぐらいになってから」 幽霊「え? もしかして、あっちの方面にいる?」 死神「全裸の男の子と、黒衣をまとった女性、いるでしょう? 見てみなさいよ」 「ふふ・・・・・・顔、まっかにしちゃってぇ。もしかして、童貞なのぉ?」 「うあ、その、はい・・・・・・」 「あら、かわいそうね。体験しないままに逝ったなんて。お姉さんが、してあげようかぁ?」 「ええっ!?」 「私じゃ、不満・・・・・・?」 「いえ、いえいえいえ!」 幽霊「・・・・・・あのー、死神さん。あそこでふたり、爆竜合体! しているんですけど」 死神「脱衣女はね・・・・・・ショタコンなのよ。小さい子が逝けば、どこかで乱交パーティーがあるわ」 幽霊「うう、なんて場所ですか・・・・・・。皆、美人さんだから始末が悪い」 死神「でも、もっとやばいのはあそこ」 「ふふ、いい爺さんだねぇ・・・・・・。アタシとやらないかい?」 「ワシは駄目じゃよ。もう腰が抜けて立てぬわ」 「遠慮せんと。ほれ、ほれ」 「ふが、ふが、ふがががぁああぁぁぁ・・・・・・」 死神「見た目、棺桶に両足突っ込んでもおかしくないババァが」 幽霊「彼岸花の咲き誇る、静謐なる空間にて、相方の老人と爆竜合体・・・・・・」 死神「ね? だから言ったでしょう? 景色『だけ』はいいって」 幽霊「情趣も何もないですよう・・・・・・。地獄絵図はだしですよお・・・・・・」 幽霊「もう帰ります、帰りますーっ!」 死神「そうね。じゃあ・・・・・・」 「「「あ、死神さん」」」 幽霊「うっぎゃあああぁぁぁ! 皆、こっちに気付きましたよ!」 死神「やれやれね・・・・・・。ちょっと接近しすぎたかしら」 幽霊「なに落ち着いているんですか!」 「死神さんや、アタシと爺さんと三人でやらぬか?」 「駄ぁ目よお・・・・・・。死神さん。私と一緒に、可愛い男の子、もてあそびましょお?」 「わーい、死神ちゃんだ! あそんでー! また鬼ごっこやろー!」 幽霊「幼女だけなんかまともですよおぉぉぉっ!?」 死神「人は、歳をとると汚れていくのよ・・・・・・」 幽霊「何ちょっと哀愁たたえて格好良く言ってるんですか!」 死神「ま、ここはジョースター家伝統の戦法で」 幽霊&死神「逃げるんだよォォォー!」 幽霊「と、いうわけで・・・・・・。私と死神さん、初の賽の河原デートは、ガクブルな結果に終わったのでした」 死神「皆も、いかないか?」 -306 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 08:29:57.87 ID:rGuph1l90 幽霊「ほらほら、死神さん。いいものでしょう?」 死神「山奥の、渓谷。・・・・・・日本にも、まだこんな美しい景色があったのね」 幽霊「小川のせせらぎに心を向けて。ゆっくりと、ゆっくりと」 死神「これ以上ないまでの贅沢ね」 幽霊「お弁当も要りません。自分以外の人は、ひとりだけです。でも、それがいいんです」 死神「ええ、そうね。とても、柔らかい・・・・・・」 幽霊「なにがです?」 死神「音が、時間が、全てが。鋭利なものがなくなって、全てが柔らかく、柔らかくなる」 幽霊「・・・・・・」 死神「あの、川の音も。小鳥の声も、全てがひとつになって、調和して」 幽霊「きれー、ですよねぇ・・・・・・」 死神「ふふっ、ありがとうね。素晴らしい景色、教えてくれて」 幽霊「いえいえ、お気になさらず。私、死神さんと一緒にこの景色を見ることが出来て、幸せですから」 死神「(もう、言葉はいらないわね。今はただ・・・・・・この美を、心ゆくまで謳歌しましょう)」 幽霊「(全てが柔らかく、か。・・・・・・死神さん? あなたの表情も、柔らかくなっているんですよ? 気付いていませんか?)」 -309 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 08:54:12.00 ID:rGuph1l90 310 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 08:54:57.71 ID:rGuph1l90 幽霊「音楽って文化ですよねー。芸術は本当に尊いです」 死神「出たわね。もう美術オタクじゃなくて、あなた、芸術オタクなんじゃない?」 幽霊「違いますよ。ただ好きなだけなんですから。そんなに知識もありませんし」 死神「ふぅん。趣味の領域、か」 幽霊「死神さんは、音楽とか聞きますか?」 死神「そういや、あまり聞いてないわね。『魔王』とか『剣の舞』とかは好きだったけど」 幽霊「・・・・・・なんか、選曲がいわくつきなのは気のせいなのでしょうか?」 死神「あなたはどうなのよ?」 幽霊「私は特に。アニソンでもクラシックでも。ラップはちょっと苦手ですが」 死神「へぇ。そこに丁度、カラオケ店あるから、人の歌でも聞いてみる?」 死神「私も、一緒になって歌ってみようかしら?」 幽霊「えー、自分の好みの曲を、誰かが入れてくれるとは限らないですよー? ・・・・・・あ、なんか重厚なイントロが」 死神「こ、これはッ・・・・・・!」 『さーめーきぃった街にわぁかーれを告げッ!』 幽霊「あ、X JAPANの『X』ですね・・・・・・って、死神さぁぁぁん!」 死神「みぃぃぃだれた、あぁいぃになぁぁぁがされぇ! おーまーえはすーべーてを失ったぁぁ!」 幽霊「実はこういうの好きだったんですか!?」 死神「おーまえのこころ、こーわーしてやろおおおぉぉぉっ! イエァッ!」 幽霊「しかもテンション最高ッ!?」 『Xッ!』 死神「さーけーんでみろおおお! Xッ!!」 幽霊「しかも、ちゃんと腕をクロスさせてジャンプしてるッ!?」 死神「こーころ、もやぁせえええぇぇぇぇぇぇっ!」 幽霊「それにしても、この死神、ノリノリであるうううぅぅぅっ!? わ、私は参加しませんからね!」 ~五分後~ 死神&幽霊「エエエェェェックスッ!」 幽霊「あ、いいですね、それ」 死神「多分、何かの打ち上げでしょうね。皆、テンション高いわ」 幽霊「わ、もう酔っ払っている人とかいますよ。若い社員は、無茶がきいていいですね」 -311 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 09:13:05.65 ID:rGuph1l90 幽霊「墓地ですね」 死神「墓地ね」 幽霊「普通の人なら、怖いと思うんでしょうけれど。 死神「こんな身になれば、どこか叙情的な美が感じとれるわね」 幽霊「石の、墓。そこに卒塔婆(そとば)が添えられているさまは、どこか物悲しさすら感じますね」 死神「もともと、私たちの感性は人間のそれだから」 幽霊「獣たちにとっては、そこらの石と一緒なんでしょう」 死神「線香の煙。どこか牧歌的ですらある、釣鐘の音。・・・・・・墓地も悪くはないわね」 幽霊「死神さんは」 死神「ん?」 幽霊「死神さんは、幸せなんですか? 魂を見て、死を見て、生きていくことそのものが」 死神「さあ。そういう、難しいことはよく分からないわ。でも」 幽霊「はい」 死神「生きることに意味を見出して、幸せの証左はつかめるの?」 幽霊「・・・・・・」 死神「幸せって、求めるものなの? ・・・・・・ごめんなさい、自分でも何を言っているのか」 幽霊「いいんです。なんとなく、言いたいことは伝わります」 死神「でもまあ。今は幸せね」 幽霊「そうなんですか?」 死神「あなたと、こうして何気ない会話をする時間が、とても楽しいわ」 幽霊「(・・・・・・み、見誤っていました! 死神さん、ツンデレじゃなくて、素直さん?)」 -314 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 09:41:45.91 ID:rGuph1l90 死神「今日は何か面白い番組とか、ある?」 幽霊「ええと、ですね。・・・・・・あ、ドラえもん、特別編で、『おばあちゃんのおもいで』をやりますよ?」 死神「ドラえもん? そんなの、子供しか見ないじゃない」 幽霊「な、何を言ってるんですかっ。『おばあちゃんのおもいで』は、名作ですよ!」 死神「ふぅん・・・・・・。そんなに推奨するんなら、見てみようかしら」 幽霊「ええ、後悔しないでくださいよっ。本当にアレ、家族ネタに弱い人なら落涙ものですから」 死神「はいはい、期待しないで見てみるわ」 『いつまでも、いつまでも、あの子のそばにいて世話をしてあげたいけれど・・・・・・』 『そうもいかないだろうね。私ももう、年だから』 『そ、そんなさびしいこと、いわないでよ』 幽霊「うぅ・・・・・・このシーンは、本当に落涙ものですね・・・・・・って、死神さん!?」 死神「やだ、やだぁ・・・・・・。おばあちゃん、逝かないで・・・・・・!」 幽霊「ちょwwwwwww感情移入ってレベルじゃねーぞ!」 死神「どうして、どうしてなの!? どうして人は死ぬのよ! 教えて、教えてええぇぇ!」 幽霊「普通ならツッコミどころ満載なんでしょうけど、シーンがシーンだけに・・・・・・」 幽霊「ふう、終わりましたか」 死神「ドラえもん、さいこおおおおぉぉぉぉぉっ!」 幽霊「ああ、ここにも信者がまたひとり生誕」 -316 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 10:05:01.15 ID:rGuph1l90 318 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 10:06:17.48 ID:rGuph1l90 320 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 10:07:23.93 ID:rGuph1l90 幽霊「そういえば、死神さん」 死神「なぁに?」 幽霊「そのローブの下には、どんな服を着ているのかな? かな?」 死神「べ、別に普通の服よ・・・・・・。なんでそんなくだらないこと」 幽霊「嘘だッ!」 死神「ッ!?」 幽霊「その動揺ぶり、その態度・・・・・・そのローブの下は、なにやら『スゴ味』があるものと、私は予測したッ!」 死神「ほ、本当になんでもないから、ね? だからちょっと」 幽霊「いいから脱げええぇぇぇー!」 死神「ちょ、キャラ変わって、う、うっぎゃあああぁぁ、ごが、ごががぁっ!」 幽霊「こ、これは・・・・・・」 死神「うぅ、恥ずべきザマよ・・・・・・。いっそ殺して」 幽霊「何故にゴスロリィィィ!? しかも、似合う! 似合いすぎ! お人形みたい! うわ、マジで抱きしめたいです!」 死神「ちょ、そう言いながら抱きつかないで! その無駄に大きい胸が苦しいのよ!」 幽霊「うぅ、もっと抱かせてくださいよう」 死神「誤解発言はやめて。それに、私はいつもこんな服じゃないの。普段は、普通のシャツとジーンズよ」 幽霊「じゃあなんでそういう姿しているのかな? かな?」 死神「こ、これは先輩が『似合う』ってすすめてくれて・・・・・・。断ったら、泣いちゃったから、仕方なく・・・・・・」 幽霊「ウッキョオオオオオ! 私の死神さんにンなことをするとは、どこの悪鬼だァァァァ!」 「・・・・・・ここ」 幽霊「ッ!?」 死神「そ、その声は・・・・・・先輩っ!?」 先輩「・・・・・・はい。どーも」 幽霊「な、な、なんですかああ! この銀髪、深紅の目、厨二傾向まっしぐら容色ロリっ子はああぁぁぁ!」 先輩「・・・・・・ね、この女、斬って、いい?」 死神「だ、駄目ですよ! この人、私の友人なんですから、先輩!」 先輩「・・・・・・そう。あなたは、浮気するの? ひどい・・・・・・」 死神「な、なじょしてそうなるんだべ!?」 先輩「だって・・・・・・ね?」 幽霊「無駄に小首かしげてかわいこぶらないでください。つーか、ぶっちゃけ可愛いです」 先輩「・・・・・・あ。駄目。褒められると、恥ずかしい・・・から・・・」 幽霊「ちっくしょおおお・・・いちいちやることが萌えポイント突きまくりですねぇ・・・・・・」 先輩「・・・・・・あなたが、彼女と一緒にいることは、前々から知っていた・・・・・・」 幽霊「え、そーなんですか?」 先輩「うい・・・・・・。特に支障もないようなので、ほうっておく・・・」 幽霊「あ、どうもありがとうございます」 先輩「でも・・・・・・」 幽霊「?」 先輩「貴様が彼女に何かしたら・・・・・・呪 う ぞ コ ラ」 幽霊「は、はいいいいい!(こえぇよ! マジで殺意感じましたよ!)」 死神「先輩、よくわからない人だから」 幽霊「いや、あれはむしろ分かりやすいかと。・・・・・・死神さんのジゴロめが」 -322 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 10:36:06.60 ID:rGuph1l90 幽霊「そういえば、気になったのですが」 死神「なぁに?」 幽霊「その鎌、なんか思いっきりぶんぶん振っているの、見たことなくて」 死神「まぁ、なんというか、武器には向かないからね。それに、私は暴力が嫌いなの」 幽霊「え・・・・・・」 死神「なによその、復讐に燃えた殺人鬼が、秘められた事実を金田一少年に言われて、    自分の復讐が全く意味を成していないことに気付き、絶望した瞬間のような顔は」 幽霊「いや、死神さんって、ブチ切れるとヒステリーとか起こしそうなタイプですから、つい」 死神「否定はしないし、自分で自分のこと短気だって認めているけれど。そう言われると、さすがに眉をひそめざるを得ないわ」 幽霊「私も、乱暴なことは嫌いですけれど」 死神「あなたはイメージ通り過ぎて、逆に怖い」 幽霊「なんなんですか、それは」 死神「あはは、ごめんなさいね」 幽霊「でも、平成ライダーは口より先に手が出ますよねー」 死神「仮面ライダーを馬鹿にするなあああぁぁぁ!」 幽霊「少年漫画の主人公も、すぐ暴力ふるいますよね。しかもいきがっちゃって、格好つけちゃって。まさに厨二病」 死神「それ禁句、禁句禁句! あれはバトルないと成り立たないから!」 -328 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 11:01:54.91 ID:rGuph1l90 幽霊「そういえば、死神さんと先輩さんは、どこで出会ったのですか?」 死神「そういえば、覚えてないわね。気付けば、一緒にいたから」 幽霊「へぇ。普段は、彼女とどんなことを?」 死神「特別なことは、何も。ただ話したり、肩を揉んだり、一緒に昼寝したり」 幽霊「・・・・・・それ、なんかいいですね」 死神「そう? ためしに一緒に昼寝でもしてみる?」 幽霊「し、しましょうっ。ええ今すぐ」 幽霊「こ、こんなこともやっていたんですか?」 死神「学校の屋上で昼寝。背中合わせだけれど。・・・・・・変かしら?」 幽霊「いえ、こちらとしては願ったりかなったりなのですが、なんつーか、ねぇ」 死神「互いの体温が交わって・・・・・・それで幸せになれる、とは彼女の弁なんだけれど」 幽霊「死神さんって・・・・・・」 死神「?」 幽霊「鈍感で、魯鈍で、朴念仁で、ジゴロで、タラシで、八方美人なんですね」 死神「何その徹底的人格否定」 幽霊「べーつにー?」 -335 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 11:27:12.48 ID:rGuph1l90 死神「今日は暇ね」 幽霊「あ、死神さん死神さん。ちょっと聞きたいことがあるのですが」 死神「なぁに?」 幽霊「前、賽の河原でライブ地獄ショーを見せられたじゃないですか」 死神「まだ根にもっているの・・・・・・? それで?」 幽霊「いえ、気になったのですが。脱衣婆がいるのならば、脱衣爺もいるはずでは」 死神「あー、そっちは聞いたことないわね。いる、と考えている人もいるようだけれど」 幽霊「ちぇー、ちょっと見たかったです」 死神「なぁに? そんなに、美形の男を見てみたいの?」 幽霊「そんなわけないじゃないですか。顔に騙されてひょいほい股を開く女性を見てみたいんですよ。    面識もないクセに、相手の顔立ちが美しいからといってアンアンあえぐ、無様な痴態を。    男の人の方はもう見ましたから、次は女の人を、と思いまして」 死神「何故そこで私に視線をよこすのか」 幽霊「いえ・・・・・・なんか、死神さんって、なんちゃって経験者で実は処女っぽいですよね」 死神「あ、それはないわ。だって前に、先輩に破られたから」 幽霊「う、嘘だッ!」 死神「ええ、ウソよ。なんでそんなに動揺しているのか知らないけれど」 幽霊「・・・・・・温厚な私でも、たまに、天然で鈍感な人を叩きたくなります」 -339 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 11:41:49.11 ID:rGuph1l90 341 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 11:43:01.18 ID:rGuph1l90 352 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 12:27:50.71 ID:rGuph1l90 幽霊「そういえば、気になったのですが」 死神「また? いったい今度はなに?」 幽霊「死神さんって、肌、すごく白いですよね」 死神「そう? まあ、よく言われるけれど」 幽霊「それでですね、その汚れなき純白の絹布のごとき柔肌を見ると、あるひとつの知的好奇心が湧きまして」 死神「なんか嫌な予感がひしひしと伝わってくるんだけれど」 幽霊「死神さんはー、ぶっちゃけ、無駄毛処理とかどうしているんですかー?」 死神「ハチャチャチャチャアァァッ!? 何を聞いてるのよぉ!?」 幽霊「いや、春の淡雪のごとく、すぐさま溶けて消え去りそうな儚い柔肌を見るなり、思ったんですよ。    この雪原の上に、一片の燃えカスを残してはならない。そう、寸毫微塵たりとも、と」 死神「この体は成長しないから、そんなもの必要ないわよ・・・・・・」 幽霊「そうなんですか? そうなんですか? じゃあ脱いでくださいハァハァハァ確認させてハァハァハァ」 死神「ここまで下心丸出しなのも珍しいわ・・・・・・って、やめて! 服ひっぱらないで!」 幽霊「先っちょだけ、先っちょだけですから! 痛くないですから!」 死神「それ以前に、あなた生えていないでしょうが!」 幽霊「いいじゃないですか、減るもんじゃなし!」 先輩「・・・・・・減るに き ま っ て ん だ ろ」 幽霊「ヒョハアアァァァァッ!? このタイミングで登場ーッ!?」 死神「あ、先輩!?」 先輩「うんっ・・・・・・。えへへ、待っててね・・・・・・いま、助けるから。    おい、そこの幽霊・・・・・・。    小便はすませたか? 神様にお祈りは? 部屋のスミでガタガタ震えて命乞いをする心の準備はOK?」 幽霊「死神さんと私とで、語調と音声が違いますよおおお!? なんか後者は若本っぽいし! 二重声帯、乙ッ!」 先輩「・・・・・・喰らえ、奥義! 『十把絢爛、屍人染め』!」 幽霊「せ、先輩さんも厨二ですか、って、うっぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・!」 先輩「・・・・・・断罪の凶刃、その寵愛を、他でもない貴様の身で受けろ・・・・・・」 死神「ごめんなさい、先輩。その厨二ぶりには私もついていけないです。あと声似合わなすぎ」 先輩「・・・・・・ぐすっ、ひどぉい・・・・・・(若本ボイスで)」 ちょっとした後日談 幽霊「や、やれやれです。ひどい目にあいました・・・・・・」 死神「あ、生きていたのね。変態陵辱魔」 幽霊「幽霊だからもう死んでいますよ・・・・・・。それと、いわれのない誹謗中傷は、勧誘禁止だぜ!」 死神「(素で殴りたくなってきた・・・・・・)」 死神「とにかく、先輩を怒らせないこと。あのひと、怒ると見境つかなくなるから」 幽霊「それは分かるんですけれど・・・・・・死神さんや先輩さんを見ると、思わずからかってみたくなりまして」 死神「いっぺんドタマ踏み付けたろか、この女」 幽霊「死神さんになら・・・・・・いいですよ?」 死神「この世で最もときめかないシチュエーションを、今、目の当たりにしたわ」 幽霊「いやー、なんて言うんでしょうか。だってふたりとも、お人形みたいに美しいですから、ついつい」 死神「人形なら、見てて楽しむとか、そういう行動に走らない?」 幽霊「何を言ってるんですかっ。私としては、まず、服を脱がしてボディラインと下着の色をば・・・・・・!」 死神「駄目だこいつ・・・・・・はやくなんとかしないと」 幽霊「でも、あのアパートの人はフィギュアに己の白濁えk」 死神「そこの辺りのプライベートを覗くのはやめなさい」 -348 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 12:07:18.55 ID:rGuph1l90 死神「俺、参上!」 幽霊「ああ、今日は電王の日だったんですね」 死神「今回の仮面ライダーは、前よりテーマが難しくないし、伝えるところは伝えるから、なかなかね」 幽霊「初回は、結構、子供向けにしていましたよね」 死神「勧善懲悪も、いいものがあるけれど。右往左往しながらの話も、また」 幽霊「悪人を成敗する時だって、結局は暴力ですからねー。どんな理由があっても、人を殺せば人殺しですよねー」 死神「確かに、ね。だから、主人公たちが悪役をやっつけた際、諸手を挙げて喜ぶのが、どうにも分かりかねて」 幽霊「人殺ししたのちに、狂喜乱舞。まさにファッキンクレイジーですね」 死神「でも、江戸川バーローは、人死にというものに慣れすぎた感が否めないわね」 幽霊「ペロッ……! これは、死体!」 死神「あの冷静ぶりは異常よ。やっぱり真犯人はコナ」 幽霊「ああああああ! そのネタはさすがに駄目です! 天丼は厳禁です!」 -362 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 12:51:29.19 ID:rGuph1l90 363 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 12:52:10.18 ID:rGuph1l90 死神「ちょっと、賽の河原にいってくるわ」 幽霊「何か用でもあるんですか? あのライブ地獄絵図ワールドに入ろうだなんて・・・・・・」 死神「あそこの脱衣幼女と、カードゲームで遊ぶ約束しちゃったのよ」 幽霊「へー・・・・・・って、カードとかあるんですか!?」 死神「あるわよ? 簡素なつくりだけれど、賽の河原専売カード、『獄門屠殺闘技』というシリーズのそれが」 幽霊「もう何も突っ込めません・・・・・・。でも、興味あるので見てみたいですね」 死神「ついていく?」 幽霊「はい。・・・・・・ババァに会ったら、速攻で逃げますが」 幼女「あー、死神ちゃん。約束したとおり」 死神「ええ、もってきたわ。・・・・・・私の『バスチーユデッキ』に敵う組み合わせなどないわよ」 幼女「むー、いいもん。今日も勝つもん!」 幽霊「ああ、癒されますねぇ・・・・・・」 死神「私のターン! 『ヒッキージャム』、直接こうげ・・・」 幼女「トラップカード、はつどうだよ! 『幸せなテメェのお人形』!」 死神「な、なんだとォォーッ!? かようなレアカードを、いつ・・・・・・!」 幼女「ライフを半分減らす代わりに・・・・・・『不人気レッド』『乳酸シルバー』『断裁ブルー』を特殊しょうかんっ!」 死神「あ、ぅあ・・・・・・た、ターン、エンド」 幼女「私のターン! その三体をいけにえにして・・・・・・」 死神「さ、サレンダーッ!」 幼女「え? わーい、また勝ったー! 死神ちゃんに連勝だー!」 死神「ま、また負けた・・・・・・」 幽霊「あれれー? そのカードの名前、どこぞで色々と聞いたような気が・・・・・・」 死神「気のせいよ」 幼女「気のせいだよー」 -367 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 13:11:10.50 ID:rGuph1l90 死神「今日は何か面白い番組でもある? 金曜ロードショーは?」 幽霊「ええと、ディープブルー、ですね。サメが人間どもを食っちゃいますよ、という内容の」 死神「特に見るものもないし、それでいいかもね」 幽霊「いっつ、スプラッター。まあ、エンターテインメントの一環として見るならば」 死神「・・・・・・どうしましょう、全く怖くないわ」 幽霊「まあ、間近で交通事故クラッシュとか、柳刃包丁にて滅多刺しとか、そういう事件を見てばかりですからねー」 死神「腕一本食いちぎられるシーンも、びっくりしただけで何も・・・・・・」 幽霊「自分がやられると想像すると、ひやひやしますけれどね。私たち、こんな体ですし」 死神「想像はつかないわね。今日の選択は、失敗だったかも」 -369 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 13:27:52.23 ID:rGuph1l90 幽霊「死神さーん?」 死神「・・・・・・ん。なぁに?」 幽霊「あれ、元気がありませんね」 死神「まあ、たまには、ね」 幽霊「・・・・・・自己の存在を確立せしめることが不可なれば、それは他の何にも増して苦痛である」 死神「?」 幽霊「いや、なんか思い出したんですけどね。自分が自分でいられる限り、自分は幸せだな、そう思うんです」 死神「自分が、自分で・・・・・・?」 幽霊「不幸とか、幸福とかじゃないんですよね。自分が現状に満足出来るかどうか、なんです」 死神「そう、かもね。避難民の子たちだって、満足していれば」 幽霊「輝かしい笑顔を見せる人だっていますよ。どんなにお金があっても、本人が満たされなければ、それは不幸だと思います」 死神「そうかも・・・・・・ね」 死神「・・・・・・そうね。さあ、今日も人を、殺しますか」 幽霊「殺すんじゃ、ないんですよ?」 死神「?」 -376 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/30(土) 13:45:59.96 ID:rGuph1l90 幽霊「とみに、思うのですが」 死神「なぁに?」 幽霊「恋愛ゲームの、特に純愛学園ものの主人公って、どうしてもてるのか分からないのですが」 死神「それ、禁句なんだけれど・・・・・・」 幽霊「だって、大した努力もせず、親のすねをかじり、あまつさえ親の金で通っている学校には怠惰的な態度でのぞみ。    射精する際には避妊具をつけないこと多々で、養育費とか結婚費用とかも考えず。    おまけに、えらそうな言動ばかりで、聞いているこちらが腹が立つといった所存」 死神「ちょwwwそれ言ったら、大抵の純愛学園ものは終わるからwwww」 幽霊「子供ひとり育てるのって、大変なんですけれどねぇ・・・・・・ヘッ・・・・・・」 幽霊「ま、生きるのには金です。金がなければ、食べていけないのです」 死神「正論だけれど」 幽霊「金さえあれば、なんでも出来ます。自給自足なら、話は別ですけれど」 死神「嫌な社会になったものね。まあ、士農工商の身分制度とかないだけましだけれど」 幽霊「あ、でも、女の子たちに寄生すれば、恋愛ゲームの主人公は仕事しなくても平気かと」 死神「世間一般では、それを『ヒモ』と呼ぶのよ」 幽霊「死神さんは、人を、『逝かしている』んですから・・・・・・」 幽霊「でも、あんな大きいサメばかり出されると、現物のサメを見た際に落胆しそうですよね」 死神「意外と小さいからね。まあ、ボスは大きく見せないと威圧感がないんでしょう」 幽霊「体の大きさって重要ですからね。相手がでかいと萎縮するのは、生物の基本基本」 死神「まあ、そうね。人間がゾウとか見ると、少なからずたじろいでしまうように」 幽霊「女性の胸部も男性の生殖器も、大きい方が何かと良いというイメージが」 死神「否定はしないけれど。あなた、シモに走るのいいかげんにしてくれない?

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