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「…というわけで、ユーリも協力する。…よな?」 協力する…までよそ見をしておき、よな?で振り返るスマ。 ユーリはしばらく考え、応えた。 「よし。やるよ」 「本当か!?」 「ああ。どうせ断ってもきかないだろ」 よっしゃよっしゃ、と喜ぶスマ。 よほど協力者に飢えていたのだろうか。 ユーリはしみじみ言った。 「それにお前と同じで、俺もなんだか空が見てみたい」 「協力者があと一人必要だ」 「お前は本当に話を聞かないな…」 ---- で、その協力者を探し求めやってきたのがここ。 「空研部…?」 文化部用の部室のひとつ。 たしかに表札には『空研部』とある。 「なんだここは」 ユーリが質問する。 「何って、空研部」 「それは見たらわかる。何の部活なんだ」 「空の研究。まあ正確には地上へ出るために『フロンティア』を脱出する研究」 また物騒な…、とユーリは思う。 「お前は部員?」 「いんや。この部は噂で知った」 「じゃ、何で」 「協力者が必要だからだよ」 コンコン、と扉をノックするスマ。 「……」 返事がない。ただのしかばねのようだ。 「…どうすんだ」 「電気付いてる。鍵開いてる。誰かいるんだろ。開けてみようぜ」 ドアノブを握るスマ。 オイオイ、とユーリが止めるも、 「大丈夫。ご丁寧にノックまでしたんだぜ?」 もうスマはドアノブを捻っていた。 「失礼しまーす」 部室の扉を開ける。 最初にスマの目に入ったのは、どっかの軽音部でも某団長でもなく、100円玉だった。 100円玉が目に飛び込んで来たのだ。物理的に。 え?100円玉?何で?…目に飛び込んで来た?物理的に!? パツーン! 「痛った~ッ!」 飛んできた100円玉が、スマの目に命中した。 「目があ!目があぁぁぁ!!」 バルス喰らったムスカ大佐が如く叫ぶスマ。 「ああ痛ぇ!…て、てめ何しやがる」 「俺じゃない。あの人だ」 ユーリが指差した先には、一人の女子がいた。 どうやらここの部員のようだ。 何故か親指を立てた拳をこちらへ突き出し、ニカッと笑っている。 彼女はこう言った。 「レールガン」 「…はあ!?」 片目を押さえたスマが悪態をつく。 「レールガン。といっても親指で弾くだけだけどね。ゴキブリならこれで殺せるよ」 つまりスマの目の強度は、少なくともゴキブリ以上ということだ。 「てめっ、出合い頭に何しやがるんだ」 「わざとじゃないよ。私がレールガンを撃ったところに君らが入ってきたんだ」 彼女はドアに止まっていたハエを撃墜すべく100円玉を発射したところへ、スマ達 が入ってきたそうなのだ。 「そんな偶然が信じられるかー!そこへ直れ!」 スマが彼女に掴みかかろうとする。が… パツーン! 「痛った~ッ!」 事態の収拾には、小一時間を要した。 ---- 「ふうん。で、私も仲間に入れてくれる、と」 「そう。…ああ痛ぇ」 両目を押さえているスマ。 結局、『急に部屋へ入ったスマが悪い』ということになった。 ユーリが質問した。 「部員は、君以外は他にいないの?」 「いないよ。部員は私だけだからね」 この部活は非公認で、部室も空いているものを使っているらしい。 「行動的で、いい活動になりそうだね。私も協力するよ」 そう言って、また彼女はニカッと笑った。 「ありがとう。やったなスマ」 力なく応えるスマ。 「ああ、ウン…。アンタ、名前は」 そういえば名前を聞いていなかった。 間違いなく前半のごたごたのせいである。 「私は益川濃霧だよ。みんなノームって呼ぶね」 「益川さん、ね。で、何で今時100円玉なんか?」 ユーリが聞いた。 電子マネーが導入されて久しいこのご時世に、彼女はなぜか硬貨を持っているのだ。 それも一枚だけ。 「名前、ノームでいいよ」 「そうか…」 ノーム。頭の中で語感を反芻する。 「これはね、別に石ころとかでもいいんだけど、どうしても100円玉にしなきゃいけない事情があるんだ」 「事情…?」 その事情はさておき、ひとまず仲間が一人増えたのだ。 それまで目を押さえてしゃがみこんでいたスマが立ち上がり、言った。 「よっしゃ、これで三人だな。キリのいい人数だ」 スマは次に宙を指差し、こう怒鳴った。 「そろそろ本格的に行くぞ!目指せ地上だっ!」 ---- 今回は以上。
「…というわけで、ユーリも協力する。…よな?」 協力する…までよそ見をしておき、よな?で振り返るスマ。 ユーリはしばらく考え、応えた。 「よし。やるよ」 「本当か!?」 「ああ。どうせ断ってもきかないだろ」 よっしゃよっしゃ、と喜ぶスマ。 よほど協力者に飢えていたのだろうか。 ユーリはしみじみ言った。 「それにお前と同じで、俺もなんだか空が見てみたい」 「協力者があと一人必要だ」 「お前は本当に話を聞かないな…」 ---- で、その協力者を探し求めやってきたのがここ。 「空研部…?」 文化部用の部室のひとつ。 たしかに表札には『空研部』とある。 「なんだここは」 ユーリが質問する。 「何って、空研部」 「それは見たらわかる。何の部活なんだ」 「空の研究。まあ正確には地上へ出るために『フロンティア』を脱出する研究」 また物騒な…、とユーリは思う。 「お前は部員?」 「いんや。この部は噂で知った」 「じゃ、何で」 「協力者が必要だからだよ」 コンコン、と扉をノックするスマ。 「……」 返事がない。ただのしかばねのようだ。 「…どうすんだ」 「電気付いてる。鍵開いてる。誰かいるんだろ。開けてみようぜ」 ドアノブを握るスマ。 オイオイ、とユーリが止めるも、 「大丈夫。ご丁寧にノックまでしたんだぜ?」 もうスマはドアノブを捻っていた。 「失礼しまーす」 部室の扉を開ける。 最初にスマの目に入ったのは、どっかの軽音部でも某団長でもなく、100円玉だった。 100円玉が目に飛び込んで来たのだ。物理的に。 え?100円玉?何で?…目に飛び込んで来た?物理的に!? パツーン! 「痛った~ッ!」 飛んできた100円玉が、スマの目に命中した。 「目があ!目があぁぁぁ!!」 バルス喰らったムスカ大佐が如く叫ぶスマ。 「ああ痛ぇ!…て、てめ何しやがる」 「俺じゃない。あの人だ」 ユーリが指差した先には、一人の女子がいた。 どうやらここの部員のようだ。 何故か親指を立てた拳をこちらへ突き出し、ニカッと笑っている。 彼女はこう言った。 「レールガン」 「…はあ!?」 片目を押さえたスマが悪態をつく。 「レールガン。といっても親指で弾くだけだけどね。ゴキブリならこれで殺せるよ」 つまりスマの目の強度は、少なくともゴキブリ以上ということだ。 「てめっ、出合い頭に何しやがるんだ」 「わざとじゃないよ。私がレールガンを撃ったところに君らが入ってきたんだ」 彼女はドアに止まっていたハエを撃墜すべく100円玉を発射したところへ、スマ達 が入ってきたそうなのだ。 「そんな偶然が信じられるかー!そこへ直れ!」 スマが彼女に掴みかかろうとする。が… パツーン! 「痛った~ッ!」 事態の収拾には、小一時間を要した。 ---- 「ふうん。で、私も仲間に入れてくれる、と」 「そう。…ああ痛ぇ」 両目を押さえているスマ。 結局、『急に部屋へ入ったスマが悪い』ということになった。 ユーリが質問した。 「部員は、君以外は他にいないの?」 「いないよ。部員は私だけだからね」 この部活は非公認で、部室も空いているものを使っているらしい。 「行動的で、いい活動になりそうだね。私も協力するよ」 そう言って、また彼女はニカッと笑った。 「ありがとう。やったなスマ」 力なく応えるスマ。 「ああ、ウン…。アンタ、名前は」 そういえば名前を聞いていなかった。 間違いなく前半のごたごたのせいである。 「私は益川濃霧だよ。みんなノームって呼ぶね」 「益川さん、ね。で、何で今時100円玉なんか?」 ユーリが聞いた。 電子マネーが導入されて久しいこのご時世に、彼女はなぜか硬貨を持っているのだ。 それも一枚だけ。 「名前、ノームでいいよ」 「そうか…」 ノーム。頭の中で語感を反芻する。 「これはね、別に石ころとかでもいいんだけど、どうしても100円玉にしなきゃいけない事情があるんだ」 「事情…?」 その事情はさておき、ひとまず仲間が一人増えたのだ。 それまで目を押さえてしゃがみこんでいたスマが立ち上がり、言った。 「よっしゃ、これで三人だな。キリのいい人数だ」 スマは次に宙を指差し、こう怒鳴った。 「そろそろ本格的に行くぞ!目指せ地上だっ!」 ---- [[そして第三章へ・・・>http://www35.atwiki.jp/chonmori/pages/48.html]]

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