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日本人作家:な行

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中上健次/枯木灘

評価 ★★★
ジャンル 小説
出版年 2000
出版社 河出文庫
コメント 特に難解なテクストというわけでもなく、思っていた以上に読みやすい文体。複雑な血の繋がりがあって、登場する何人もの人間の心情もかなりややこしいのだが、洗練された構築のおかげで小説世界にすんなり入り込める。読後の圧迫感というか、読者から「物語」を奪わせないような印象。つまり「物語」が「現実」を反芻させる力を持っているように思う。

中島らも/ガダラの豚

評価 ★★★★
ジャンル 小説
出版年 1993
出版社 実業之日本社
コメント オカルトを主題にした物語展開が面白く、長編ながら飽きずに読んでいられる。中盤でのケニア探訪のくだりは見事。呪術師バキリとの最終対決にリアリティ・緊張感がないのが残念。主要人物のほとんどが死ぬのは画期的でもあるが、それまでのストーリーに入り込んだ読者にとっては見苦しくもある。アフリカ呪術という要素が非常に新鮮で、興味深く読むことができた。

野村喜和夫/現代詩作マニュアル―詩の森に踏み込むために

評価 ★★★
ジャンル ノンフィクション
出版年 2004
出版社 詩の森文庫
コメント 現代詩のシーンにおいて、かなり精力的に詩人活動を行っている野村喜和夫による、わりと初歩的な詩論。ここ50年の現代詩の歴史の紹介から始まり、詩とはどういうものなのか、という原理をわかりやすく紐解いている。ただ、ある程度「現代詩シーン」に傾倒していないと、やはり理解しにくいだろうか。「詩とは何か」ということを考えたこともない多くの自称「詩人」に、詩の知識・技法・良質な作品への理解・詩を書くことの意義や必要性を確認させる意味では、良い書物だと思う。


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