そして、世界は終わりを迎える。
灼熱と氷河が支配するような世の中で生物はあまりに脆く。
それでも何とか生き抜いた人たちは皆、死んだような目で空を見上げる。
その先には亀裂の入った空。ふとすれば、今にも崩れてしまいそうな。
「もう、終わりだな」
「うん……ちぇ、もちょっと、生きてみたかった」
「私も……もっと、二人と一緒に居たかったな……」
「大丈夫。俺達は、世界が終わってもずっと一緒だからな」
「アハハ。それなら、少しは安心かも」
「ずっと、一緒。うん、悪くないね」
遠くには、燃えるような夕日。そして、エメラルドブルーの海。
最後に、こんな風景を家族で見れたことは、きっと幸せなんだと思う。
ぱりん、と。何かが砕ける音がして、砕けちる風景。
―――やがて、世界は。
END/Catastrophe