ある世界で


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 世界は複数存在している。

 君にはそれが理解できるかい?
 ――ああ、そういう考えもあるね。個人の見方によって、立場の違いによって、世界の姿は違う。だから、それぞれが別の世界と言えるかもしれない、と。
 でもね、世界が複数存在してるってのは、別に精神論だけの話じゃないんだよ。悪魔の証明とも違う。正真正銘、世界はいくつでも存在してるのさ。
 今僕たちは、この星の上に立っている。これを世界の一つだとしても、やはり世界は複数存在するのさ。それは、他の星があるということではないよ。でも、僕たちと同じような生活をしている世界もあれば、まったく違う未知の世界もまた存在する。いや、複数というのは語弊かな。数でもなく、質でもなく、ただ存在するんだ。
 それを証明することは不可能だ。なのに何故、僕がこれほどまでに主張するか分かるかい?

 まぁ、ロマンではあるね。世界は僕らが思っている以上に実は単純かもしれない。
 僕らが何故存在しているか知ってるかい? 意味などないと言えばそれまでだ。僕らが知る宇宙が何故存在しているか知ってるかい? あるのだからあると言えばそれまでだ。
 なら何故、別の世界が存在すると言うと、みんな途端に顔をしかめるんだ? それが目には見えないからか? 音として聞こえないからか? 認識することが出来ないからか?
 どれも答えとしては合っているだろう。
 でも、異世界はないと言ってしまうのは、この世界も実は"ない"のだと言ってるようなものじゃないか?

 ――ははぁ。なるほど。確かに詭弁だ。
 この話はどこまで言っても詭弁にしかならない。僕らの話す物語がどこかの世界では実際にあるなんて、まったくもっておかしな話だ。
 でもそれは、世界の姿を決めてかからないと出来ない芸当だということに気づいて欲しい。そして、現実というのも僕らが自分自身で作り上げた一つの幻想ということにも気づいて欲しい。
 もし、君が別の世界の扉を開いてしまったら、君は一体どうするだろうか。それでも、「自分は狂ってしまったんだ」と言って世界の見方を変えないだろうか。それとも容易に受け入れてみせるだろうか。
 もう一度言うが、これは精神論だけの話じゃないよ。
 だからどうだって話でもない。僕は自分自身の考えを話しているだけさ。僕はこの考えをとても気に入っている。
 僕はただ知っておいて欲しかっただけなんだ。それはいつでも僕らの鼻先に突きつけられたまま、気づかない振りをしていることもあるんだってことを。
 そしてその扉は、案外簡単に開くこともあるんだってことを。
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